【将棋74/渡辺竜王勝利 1勝2敗に】
アップし忘れていた。
下記の仲間。
●将棋(と囲碁)の話 お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-date-20170910.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1932509757
mixi日記2017年12月05日から
今朝の朝日新聞に〈47歳羽生、挑む大記録 「永世七冠」なら史上初、最新研究怠らず〉って記事が掲載された。本文中にも「5日に決着予定の第3局に勝てばタイトル奪取に王手をかける」とある。
こういう時期にこういう記事ってアリなんだろうか。
そりゃ挑戦者のファンのほうが圧倒的に多いし、前人未到の「永世七冠」に向けて業界を盛り上げることも必要かもしれない。でも、いくらなんでも渡辺竜王に失礼じゃないか?
当方はどちらかと言うと挑戦者ビイキだけど、こういう理不尽なのはどうかと思う。
竜王自身も「カタキ役」「嫌われ役」には慣れているかもしれない。まして、「スマホカンニング事件」も記憶に新しい。恐ろしいことに、次のタイトル戦の挑戦者決定戦の決勝に、当事者の三浦九段が名乗りを上げている。これで挑戦が決まれば、これ以上ないくらいの遺恨試合になる。
それはさておき、第3局は渡辺竜王が一番返した。
先手番の挑戦者が中飛車を選んだことに解説陣営が驚いたらしい。以下は棋譜中継から引用する。
===========引用開始
(3手目 5六歩の解説)
対局開始に立ち会った藤井猛九段が控室に戻ってきた。モニターに▲5六歩が映し出されると「ええー」と驚きの声を上げる。驚きつつも笑顔であった。藤井猛九段は振り飛車党である。「これは中飛車ですか」と佐藤康光九段。佐藤康九段は日本将棋連盟会長として現地を訪れている。
今回、帯同している棋士は、藤井猛九段や西田四段をはじめとして振り飛車党が多い。明日は佐々木慎六段と田中悠一五段も指導対局のために現地を訪れる。佐藤康九段と阿久津八段はオールラウンダーで振り飛車も指すし、千葉六段は元振り飛車党である。
(4手目 6二銀の解説)
12分の考慮で指された。「さすがに渡辺さんも意表を突かれたかもしれません」と千葉六段。
▲羽生-△渡辺戦でこの形は過去に2局ある。4手目△6二銀は今年7月の銀河戦決勝トーナメントで指された。2015年2月の朝日杯将棋オープン戦決勝は△3四歩。1局目と2局目の間は2年半ほどあったが、今回は4ヵ月も空けずに中飛車をぶつけてきた。千葉六段が「意表」と話したのは、この間隔の短さも理由のひとつ。
===========引用終了
そんなに意外なのか? 当方は、第1局でも飛車を振るのでは、と考えていた。
【将棋73/ゴールデンカード再び? 羽生棋聖、「永世七冠」に向けて先勝】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12321917318.html
===========引用開始
さて、第1局の内容。
先手番の挑戦者が相掛かりを志向した。このところ、先手番で苦しんでいる気がする。王座戦はその傾向が顕著だった。
矢倉が芳しくないのは居飛車党共通。横歩取りにしても角換わりにしても、パッとしない。もしかすると飛車を振るのではと思ったが、さすがにそれはなかった。
===========引用終了
偉そうに書いてすみません。どうにも最近の挑戦者が先手番で苦戦している気がして。
その一方、先手番の中飛車は、優秀な作戦として見直されている。
これは久保王将の功績が大きい気がする。たしか、先手の中飛車に対しては相振りが有力。これに対し、久保王将は中飛車左美濃という斬新な対抗策を考案した。違ったらゴメンなさい。
ただ、今回の挑戦者の作戦はどうだったのだろう。ちょっと仕掛けに無理があったような。
竜王が調子を上げる前に決着をつけないと、「永世七冠」が未到になりかねない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13214065.html?rm=150
===========引用開始
(文化の扉)47歳羽生、挑む大記録 「永世七冠」なら史上初、最新研究怠らず
2017年11月5日05時00分
25歳で将棋界初の七冠独占を成し遂げ、47歳になった今も第一線で活躍する棋士・羽生善治。20代の新鋭が台頭し、同世代のライバルたちが次々と後退していく中、26年にわたり絶えずタイトルを保持し続けている。その力の源は何なのか。
羽生善治棋聖(47)が渡辺明竜王(33)に挑戦している第30期竜王戦ログイン前の続き七番勝負に注目が集まっている。前人未到の大きな記録がかかっているからだ。
将棋界では、タイトルごとに「連続5期」獲得などの条件を満たすと、それぞれ永世称号を名乗る資格を得る。羽生はこの制度がある7タイトルのうち、永世名人などすでに六つの資格を持っている。今期竜王戦を制すれば、残る「永世竜王」の資格を得ることになり、史上初の「永世七冠」を達成する。
永世称号の資格を得た棋士は歴代10人いるが、故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(70)の五つが最多(終了棋戦を含む)。タイトル数が少なかった時代と単純には比較できないが、50歳を前に七つ獲得するのは驚異的なことだ。
実は過去に2回、永世竜王獲得のチャンスはあった。だがいずれも渡辺竜王に敗れ、逃している。竜王挑戦は7年ぶり。5日に決着予定の第3局に勝てばタイトル奪取に王手をかける。
*
羽生がプロデビューしたのは中学3年の時。昨年に中学生プロとなった藤井聡太四段(15)が連勝記録を塗り替えて騒がれたが、当時、羽生はそれほど注目された存在ではなかった。
初めて脚光を浴びたのは、NHK杯戦で歴代名人を破って優勝した18歳の時。加藤一二三九段(77)との対局では、終盤に絶妙手を放ち、解説の故米長邦雄永世棋聖を感嘆させた。
「羽生マジック」と呼ばれる終盤の強さに加え、深い序盤研究で隙のない強さを発揮し、19歳で竜王を獲得すると、次々にタイトルを取っていく。当時としては先進的なパソコンでの棋譜(対局手順の記録)管理を採り入れ、「人生の経験と将棋には関係がない」と言い切り、その合理的な考え方は新時代の到来を感じさせた。
そして1996年に前人未到の七冠同時制覇を達成。2004年に一冠に後退したものの、わずか8カ月で四冠に復活、以降もずっと複数のタイトルを保持し続けてきた。8月、10月と若手から立て続けにタイトルを奪われ、13年ぶりに一冠となったが、記録のかかった今期竜王戦では、第一人者としての戦いぶりがよみがえってきている。
*
羽生の通算タイトル獲得数は史上最多の98で、大台が目前だ。この強さを、棋士仲間はどうみているのか。
羽生と研究会をともにし、タイトル戦を戦ったこともある木村一基九段(44)は「相手の得意戦法も研究し、苦手を作らないという意思を感じる。忙しいはずなのに最新の研究を怠らない」と日頃の姿勢に感心する。
デビュー時から羽生をよく知る島朗九段(54)は「踏みとどまる強さ」を長所に挙げる。「棋士にはスランプや不調がつきものですが、羽生さんはその期間が短い。立ち直りが早い」
ライバルたちの存在も、長くモチベーションを保ち続けてきた理由の一つだろう。タイトル戦で激闘を繰り広げた森内俊之九段(47)や佐藤康光九段(48)、藤井猛九段(47)、郷田真隆九段(46)、丸山忠久九段(47)らは同年代。いわゆる「羽生世代」と呼ばれ、長きにわたってしのぎを削ってきた。
とはいえ、そのライバルたちも現在は無冠。これからの戦いは「いつまでトップを維持できるのか」という意味でも注目されている。
(村上耕司)
■発想の幅広げたい 将棋棋士・羽生善治さん
プロになって約30年、がむしゃらにやってきました。この間、将棋界は大きく変わりました。昔は対局が始まっても午前中はのんびりしていましたが、今は気が抜けません。すぐに優劣に差がついてしまうからです。
2000年前後に革新的な戦法が出てきて、それまで異筋、邪道と言われるような指し方が見直され、戦術が進歩しました。棋譜データベースが整備され、ネットを通し場所を問わず対局できるようになり、序盤研究の密度が濃くなった。最近は人工知能(AI)の影響で価値観が覆り、経験や過去の知識がそのまま通用しなくなってきています。
「永世七冠」は節目の記録なのでもちろん達成できればと思います。一方でAIが将棋の未知の領域を示してくれた。若手棋士と戦うと、自分と読みが合わないと感じることがありますが、それはある意味、自分の発想の幅が狭いといえる。最近の将棋は同時にいくつかのことをこなす並列的思考が求められる。経験を生かしつつ、発想の幅を広げていくことが大切だと思っています。
<読む> 『結果を出し続けるために』(日本実業出版社)は、40歳を超えた羽生が対局や日常生活での思考プロセスをつづった一冊。「勝負で大切なこと」「プレッシャーとの付き合い方」「ミスへの対応」など、ビジネスにも生かせそうな内容となっている。
===========引用終了
下記の仲間。
●将棋(と囲碁)の話 お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-date-20170910.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1932509757
mixi日記2017年12月05日から
今朝の朝日新聞に〈47歳羽生、挑む大記録 「永世七冠」なら史上初、最新研究怠らず〉って記事が掲載された。本文中にも「5日に決着予定の第3局に勝てばタイトル奪取に王手をかける」とある。
こういう時期にこういう記事ってアリなんだろうか。
そりゃ挑戦者のファンのほうが圧倒的に多いし、前人未到の「永世七冠」に向けて業界を盛り上げることも必要かもしれない。でも、いくらなんでも渡辺竜王に失礼じゃないか?
当方はどちらかと言うと挑戦者ビイキだけど、こういう理不尽なのはどうかと思う。
竜王自身も「カタキ役」「嫌われ役」には慣れているかもしれない。まして、「スマホカンニング事件」も記憶に新しい。恐ろしいことに、次のタイトル戦の挑戦者決定戦の決勝に、当事者の三浦九段が名乗りを上げている。これで挑戦が決まれば、これ以上ないくらいの遺恨試合になる。
それはさておき、第3局は渡辺竜王が一番返した。
先手番の挑戦者が中飛車を選んだことに解説陣営が驚いたらしい。以下は棋譜中継から引用する。
===========引用開始
(3手目 5六歩の解説)
対局開始に立ち会った藤井猛九段が控室に戻ってきた。モニターに▲5六歩が映し出されると「ええー」と驚きの声を上げる。驚きつつも笑顔であった。藤井猛九段は振り飛車党である。「これは中飛車ですか」と佐藤康光九段。佐藤康九段は日本将棋連盟会長として現地を訪れている。
今回、帯同している棋士は、藤井猛九段や西田四段をはじめとして振り飛車党が多い。明日は佐々木慎六段と田中悠一五段も指導対局のために現地を訪れる。佐藤康九段と阿久津八段はオールラウンダーで振り飛車も指すし、千葉六段は元振り飛車党である。
(4手目 6二銀の解説)
12分の考慮で指された。「さすがに渡辺さんも意表を突かれたかもしれません」と千葉六段。
▲羽生-△渡辺戦でこの形は過去に2局ある。4手目△6二銀は今年7月の銀河戦決勝トーナメントで指された。2015年2月の朝日杯将棋オープン戦決勝は△3四歩。1局目と2局目の間は2年半ほどあったが、今回は4ヵ月も空けずに中飛車をぶつけてきた。千葉六段が「意表」と話したのは、この間隔の短さも理由のひとつ。
===========引用終了
そんなに意外なのか? 当方は、第1局でも飛車を振るのでは、と考えていた。
【将棋73/ゴールデンカード再び? 羽生棋聖、「永世七冠」に向けて先勝】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12321917318.html
===========引用開始
さて、第1局の内容。
先手番の挑戦者が相掛かりを志向した。このところ、先手番で苦しんでいる気がする。王座戦はその傾向が顕著だった。
矢倉が芳しくないのは居飛車党共通。横歩取りにしても角換わりにしても、パッとしない。もしかすると飛車を振るのではと思ったが、さすがにそれはなかった。
===========引用終了
偉そうに書いてすみません。どうにも最近の挑戦者が先手番で苦戦している気がして。
その一方、先手番の中飛車は、優秀な作戦として見直されている。
これは久保王将の功績が大きい気がする。たしか、先手の中飛車に対しては相振りが有力。これに対し、久保王将は中飛車左美濃という斬新な対抗策を考案した。違ったらゴメンなさい。
ただ、今回の挑戦者の作戦はどうだったのだろう。ちょっと仕掛けに無理があったような。
竜王が調子を上げる前に決着をつけないと、「永世七冠」が未到になりかねない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13214065.html?rm=150
===========引用開始
(文化の扉)47歳羽生、挑む大記録 「永世七冠」なら史上初、最新研究怠らず
2017年11月5日05時00分
25歳で将棋界初の七冠独占を成し遂げ、47歳になった今も第一線で活躍する棋士・羽生善治。20代の新鋭が台頭し、同世代のライバルたちが次々と後退していく中、26年にわたり絶えずタイトルを保持し続けている。その力の源は何なのか。
羽生善治棋聖(47)が渡辺明竜王(33)に挑戦している第30期竜王戦ログイン前の続き七番勝負に注目が集まっている。前人未到の大きな記録がかかっているからだ。
将棋界では、タイトルごとに「連続5期」獲得などの条件を満たすと、それぞれ永世称号を名乗る資格を得る。羽生はこの制度がある7タイトルのうち、永世名人などすでに六つの資格を持っている。今期竜王戦を制すれば、残る「永世竜王」の資格を得ることになり、史上初の「永世七冠」を達成する。
永世称号の資格を得た棋士は歴代10人いるが、故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(70)の五つが最多(終了棋戦を含む)。タイトル数が少なかった時代と単純には比較できないが、50歳を前に七つ獲得するのは驚異的なことだ。
実は過去に2回、永世竜王獲得のチャンスはあった。だがいずれも渡辺竜王に敗れ、逃している。竜王挑戦は7年ぶり。5日に決着予定の第3局に勝てばタイトル奪取に王手をかける。
*
羽生がプロデビューしたのは中学3年の時。昨年に中学生プロとなった藤井聡太四段(15)が連勝記録を塗り替えて騒がれたが、当時、羽生はそれほど注目された存在ではなかった。
初めて脚光を浴びたのは、NHK杯戦で歴代名人を破って優勝した18歳の時。加藤一二三九段(77)との対局では、終盤に絶妙手を放ち、解説の故米長邦雄永世棋聖を感嘆させた。
「羽生マジック」と呼ばれる終盤の強さに加え、深い序盤研究で隙のない強さを発揮し、19歳で竜王を獲得すると、次々にタイトルを取っていく。当時としては先進的なパソコンでの棋譜(対局手順の記録)管理を採り入れ、「人生の経験と将棋には関係がない」と言い切り、その合理的な考え方は新時代の到来を感じさせた。
そして1996年に前人未到の七冠同時制覇を達成。2004年に一冠に後退したものの、わずか8カ月で四冠に復活、以降もずっと複数のタイトルを保持し続けてきた。8月、10月と若手から立て続けにタイトルを奪われ、13年ぶりに一冠となったが、記録のかかった今期竜王戦では、第一人者としての戦いぶりがよみがえってきている。
*
羽生の通算タイトル獲得数は史上最多の98で、大台が目前だ。この強さを、棋士仲間はどうみているのか。
羽生と研究会をともにし、タイトル戦を戦ったこともある木村一基九段(44)は「相手の得意戦法も研究し、苦手を作らないという意思を感じる。忙しいはずなのに最新の研究を怠らない」と日頃の姿勢に感心する。
デビュー時から羽生をよく知る島朗九段(54)は「踏みとどまる強さ」を長所に挙げる。「棋士にはスランプや不調がつきものですが、羽生さんはその期間が短い。立ち直りが早い」
ライバルたちの存在も、長くモチベーションを保ち続けてきた理由の一つだろう。タイトル戦で激闘を繰り広げた森内俊之九段(47)や佐藤康光九段(48)、藤井猛九段(47)、郷田真隆九段(46)、丸山忠久九段(47)らは同年代。いわゆる「羽生世代」と呼ばれ、長きにわたってしのぎを削ってきた。
とはいえ、そのライバルたちも現在は無冠。これからの戦いは「いつまでトップを維持できるのか」という意味でも注目されている。
(村上耕司)
■発想の幅広げたい 将棋棋士・羽生善治さん
プロになって約30年、がむしゃらにやってきました。この間、将棋界は大きく変わりました。昔は対局が始まっても午前中はのんびりしていましたが、今は気が抜けません。すぐに優劣に差がついてしまうからです。
2000年前後に革新的な戦法が出てきて、それまで異筋、邪道と言われるような指し方が見直され、戦術が進歩しました。棋譜データベースが整備され、ネットを通し場所を問わず対局できるようになり、序盤研究の密度が濃くなった。最近は人工知能(AI)の影響で価値観が覆り、経験や過去の知識がそのまま通用しなくなってきています。
「永世七冠」は節目の記録なのでもちろん達成できればと思います。一方でAIが将棋の未知の領域を示してくれた。若手棋士と戦うと、自分と読みが合わないと感じることがありますが、それはある意味、自分の発想の幅が狭いといえる。最近の将棋は同時にいくつかのことをこなす並列的思考が求められる。経験を生かしつつ、発想の幅を広げていくことが大切だと思っています。
<読む> 『結果を出し続けるために』(日本実業出版社)は、40歳を超えた羽生が対局や日常生活での思考プロセスをつづった一冊。「勝負で大切なこと」「プレッシャーとの付き合い方」「ミスへの対応」など、ビジネスにも生かせそうな内容となっている。
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