46定番の質問──とんでもございません とんでもありません とんでもないです
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n149774から。
「とんでもございません」について下記に書いたことを転載します。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1495922284
正確に書こうとすると、とんでもなく長くなります。文字数制限があるので適宜リンクを張ります。申し訳ございません(こちらは「間違い」だと思いますか?)。
個人的にどう思うか、という話ならグレーゾーンと考えています。「間違いに決まっている」と主張したいところですが、「間違い」とするには無理が感じられます。異和感が強いので自分では使いませんが。
辞書のとおりに考えるなら、「とんでもない」は一語の形容詞としているものが多いので、「とんでもございません」(「とんでもありません」も同様)は間違いでしょう。
しかし、間違いとは言い切れない理由がいくつかあります。
1)文化庁が許容してしまった
先行コメントにある「敬語の指針」の47ページをご参照ください。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
2)文化庁の影響を受けてか、辞書類も許容するようになってきた
詳しくは下記をご参照ください。
【よくある誤用6──誤用とは言い切れない例 申し訳ありません とんでもありません とんでもないです】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116373
================引用開始
「とんでもありません/ございません」は誤用で、「とんでもないです」が正しい、と書いてあるとサイトを見たことがあります。
これがまた微妙な話で、「形容詞+です」(「うれしいです」「楽しいです」など)を認めるか否か、という問題が関係します。昭和27年に文化庁が「形容詞+です」を許容してしまったため、現在の文法書や辞書は許容しているはずです。
当方はこの形に異和感があるので、原則的に使いません。
ただし、「形容詞+です」には異和感がない人でも、「ないです」には異和感があるのでは。これは「ありません」にするほうが自然で、「ないです、は間違い」と主張する人もいるようです。
この形には個人的に「とんでもありません/ございません」以上に強い異和感があるので原則として使いません。
================引用終了
3)名著と評判の高い『敬語再入門』はきわめて歯切れの悪い書き方をしている
【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫/2010年3月10日第1刷発行)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
================引用開始【引用部】
もっとも、ありうることと使うことは別ですし、過度にかばう気もありません。そもそも「とんでもない」は何かを難じるか、相手の言動を強く打ち消す語なので、概して敬語になじまない(相手から過分な贈答・評価・申し出などを受けた際の受け答えとしてならまだしも、という面はあり、「とんでもございません」もそうした場合に使われるようですが、それにしても相手を否定することが敬語と合わない)、というのが不自然な一因ではないでしょうか。「おきれいですね」と言われたら「とんでもございません」などと言うより、ただ「いいえ、そんな……」とはじらっているほうがよほど好感がもてるというものです。それにしても、“正解”とされる「とんでもないことでございます」は、受け答えとしてはかなり変ではないでしょうか。(P.161)
歯切れの悪さに著者の迷いが見える、なんて書いたら怒られるかな。「ありうる形なので間違いではないが、積極的には支持できない」ってところだろうか。最後の書き方は、総理に醤油をとってもらう話を想起させる。
この【引用部】の前にあるのは、「とんでもない」の分析。
【引用部】
①「とん」が名詞性の語で、「Nで(も)ない」式のでき方なら、丁寧形として「Nで(も)ございません」はありうる形です。
②「とんで」が「動詞+て」、つまり「Vて(も)ない」なら、さらに二つの場合に分かれます。
(a)「Vてある」の否定なら「Vて(も)ございません」はありうる形です。
(b)「Vている」の否定(「Vていない」の「い」の脱落)なら、「Vて(も)いません」/おりません」となるはずで、「Vて(も)ございません」とはなりません。(P.160)
と分析しているが、結論はよくわからない。「とん」の語源が不明だからしかたがない。不明ながらも、もし名詞性で①なら「とんでもございません」はありうる形、としながら、先のP.161の【引用部】に続く。
結局、専門家が見てもよくわからないってことだろう。素人にわかるわけがない(笑)。
================引用終了
個人的には下記のように考えています。
【「~ない」形の形容詞の迷宮】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1814.html
【お品書き】よくある誤用/定番の質問
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365
「とんでもございません」について下記に書いたことを転載します。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1495922284
正確に書こうとすると、とんでもなく長くなります。文字数制限があるので適宜リンクを張ります。申し訳ございません(こちらは「間違い」だと思いますか?)。
個人的にどう思うか、という話ならグレーゾーンと考えています。「間違いに決まっている」と主張したいところですが、「間違い」とするには無理が感じられます。異和感が強いので自分では使いませんが。
辞書のとおりに考えるなら、「とんでもない」は一語の形容詞としているものが多いので、「とんでもございません」(「とんでもありません」も同様)は間違いでしょう。
しかし、間違いとは言い切れない理由がいくつかあります。
1)文化庁が許容してしまった
先行コメントにある「敬語の指針」の47ページをご参照ください。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
2)文化庁の影響を受けてか、辞書類も許容するようになってきた
詳しくは下記をご参照ください。
【よくある誤用6──誤用とは言い切れない例 申し訳ありません とんでもありません とんでもないです】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116373
================引用開始
「とんでもありません/ございません」は誤用で、「とんでもないです」が正しい、と書いてあるとサイトを見たことがあります。
これがまた微妙な話で、「形容詞+です」(「うれしいです」「楽しいです」など)を認めるか否か、という問題が関係します。昭和27年に文化庁が「形容詞+です」を許容してしまったため、現在の文法書や辞書は許容しているはずです。
当方はこの形に異和感があるので、原則的に使いません。
ただし、「形容詞+です」には異和感がない人でも、「ないです」には異和感があるのでは。これは「ありません」にするほうが自然で、「ないです、は間違い」と主張する人もいるようです。
この形には個人的に「とんでもありません/ございません」以上に強い異和感があるので原則として使いません。
================引用終了
3)名著と評判の高い『敬語再入門』はきわめて歯切れの悪い書き方をしている
【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫/2010年3月10日第1刷発行)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
================引用開始【引用部】
もっとも、ありうることと使うことは別ですし、過度にかばう気もありません。そもそも「とんでもない」は何かを難じるか、相手の言動を強く打ち消す語なので、概して敬語になじまない(相手から過分な贈答・評価・申し出などを受けた際の受け答えとしてならまだしも、という面はあり、「とんでもございません」もそうした場合に使われるようですが、それにしても相手を否定することが敬語と合わない)、というのが不自然な一因ではないでしょうか。「おきれいですね」と言われたら「とんでもございません」などと言うより、ただ「いいえ、そんな……」とはじらっているほうがよほど好感がもてるというものです。それにしても、“正解”とされる「とんでもないことでございます」は、受け答えとしてはかなり変ではないでしょうか。(P.161)
歯切れの悪さに著者の迷いが見える、なんて書いたら怒られるかな。「ありうる形なので間違いではないが、積極的には支持できない」ってところだろうか。最後の書き方は、総理に醤油をとってもらう話を想起させる。
この【引用部】の前にあるのは、「とんでもない」の分析。
【引用部】
①「とん」が名詞性の語で、「Nで(も)ない」式のでき方なら、丁寧形として「Nで(も)ございません」はありうる形です。
②「とんで」が「動詞+て」、つまり「Vて(も)ない」なら、さらに二つの場合に分かれます。
(a)「Vてある」の否定なら「Vて(も)ございません」はありうる形です。
(b)「Vている」の否定(「Vていない」の「い」の脱落)なら、「Vて(も)いません」/おりません」となるはずで、「Vて(も)ございません」とはなりません。(P.160)
と分析しているが、結論はよくわからない。「とん」の語源が不明だからしかたがない。不明ながらも、もし名詞性で①なら「とんでもございません」はありうる形、としながら、先のP.161の【引用部】に続く。
結局、専門家が見てもよくわからないってことだろう。素人にわかるわけがない(笑)。
================引用終了
個人的には下記のように考えています。
【「~ない」形の形容詞の迷宮】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1814.html
【お品書き】よくある誤用/定番の質問
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365