これならわかる!? 助詞の「ハ」の使い方  教えてgoo

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【18】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1955992054&owner_id=5019671

mixi日記2017年月日から

 テーマサイトは下記。
【日本語文法 「は」と「が」の違いについて】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9803715.html

===========引用開始
みなさんこんばんは、質問させてください。
下記リンクの8ページ目の問題です。
http://www.jlpt.jp/samples/n4/index.html
(以前住んでいたアパートは、大学まで1時間半かかった。)
でも、今のアパート(は)大学まで歩いて10分位です。
4.は が答えですが、正直「は」と「が」の違いが分かりません。

例えば、「今日は誰が来ますか。」「ナンシーが来ます。」
の時に”が”になるのは分かるのですが、それ以外に主語に”が”を選ぶ理由が分かりません。
よろしくお願い致します。
===========引用終了

 まっとうな解説としては、No.3のかたがひいた『「は」と「が」』あたりが正解なんだろう。
 せっかくだから、そのまま引用させてもらう。
===========引用開始
 『「は」と「が」』野田尚史著 (くろしお出版 1996)より


 『「は」の基本的な性質のまとめ』

1) 格を表す「が」や「を」などとは違い、文の主題を表す助詞である。

2)「は」が使われる文……「~が」や「~を」のような格成分の名詞が主題になった文のほか,連体修飾の「~の」の中の名詞が主題になった文,被修飾名詞が主題になった文など,いろいろなものがある。

3)文章・談話の中の「は」……「は」が使われる文は,前の文脈にでてきたものや,それに関係のあるものを主題にする。そして,文章・談話の中では,話題を継続するのに使われる。

4)従属節の中の「は」……主題の「~は」は,「~たら」,「~とき」,「ため」のような従属節の中にはでてこない。

5)「は」の対比的な意味……主題を表す働きが弱く,対比的な意味を表す働きが強いものがある。
    第一は仕事で、第二は家庭だ。

  『「が」の基本的な性質のまとめ』

1)「が」の文法的な性質……「を」や「に」などと同じく,述語と名詞との格関係を表す助詞である。

2)「が」が使われる文…… ア)とイ)の2種類がある。
 ア)主題をもたない文
     八木がホームランを打った。
 イ)述語が主題になっている文
     八木がキャプテンだ。→キャプテンは八木だ。

3)文章・談話の中の「が」
 ア)主題をもたない文……前の文脈とつながりをもたず,話題を導入したり,転換したりするのに使われる。
 イ)述語が主題になっている文……前の文脈にでてきたものや,それに関係のあるものを主題にして,話題を継続するのに使われる。

4)従属節の中の「が」……「~たら」,「~とき」,「~ため」のような従属節の中では,文の主題は問題にされないので,主題を表す「~は」は使われず,格を表すだけの「~が」が使われる。

5)「が」の排他的な意味……主格を表す働きが弱く,排他的な意味を表す働きが強いものがある。
    おれがやる。(君らではなくて) 
===========引用終了

 定評のある書籍だから、この解説にイチャモンをつける勇気はない。
 ただ、これで一般の日本人が納得できるかというと……無理だろうね。当方はこのテーマに関してそこそこ勉強しているつもりだが、この解説にはついていけない観が強い。
 かと言ってあんまり省略すると、それはそれでわからなくなる。
 助詞の「ハ」について、こんな説明なら一般人でも納得できるのでは……って説明を試みてみたい。無謀だとは思うけど、ちょっとほかとの兼ね合いもあってね。
 ハの働きの分類に関しては、かの『日本語練習帳』にご登場いただこうか。
 詳しくは下記をご参照ください。
【チャレンジ日記──「は」と「が」 毒抜き編 〈1〉~〈7〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-592.html

1)問題(topic)の下に答えを持ってくるよう予約する
2)対比
3)限度
4)再問題化
 
 この分類はよくできていると思う。ただ、同書の解説がホニャラララ。サラリと読んだときには「なるほど」と思ったが、じっくり読むと……。
 詳しくは↑のチャレンジ日記の〈1〉を読んでほしい。
 で、改訂版(エラいセンセーの説に改竄を加えるのは、とっても失礼。よい子は絶対にこういうマネをしてはいけません)。

1)主題
2)対比
3)限度・強調
4)その他

 いろいろな文献がいろいろな分類を試みている。読んでて実感が湧かない理由のひとつは、どれが大事なのかを書いてないからじゃないだろうか。
 実態は膨大な量の例文を解析しないとわからないだろう。そんなことをしているとたいへんなので、予想値で書いてしまう。それぞれの出現割合は下記くらい。煩わしいので「約」さえつけない。

1)主題         80%
2)対比         10%
3)限度・強調+4)その他 10% 
 だいたいこんなもんだろう。異論がある人はどうぞ。ちゃんとした統計に基づく異論があればすぐに訂正します。(←オイ!)
 全体の80%を占めるのが、「主題」のハ。問題になることはあまりないから、細かい話はとりあえずパスする。だって、ほとんどの人はわかっているから。
 問題は、それ以外の20%の部分。ちなみにこういう場合に「残りの20%」と書くのは誤解のもと。20%の20%だと全体の4%になってしまう、って考え方もできる。
 主題以外の半分を占めるのが「対比」。
「彼ハ賢いが、僕ハ愚かだ」 
 こういう場合のハは対比の働きと考えるのが素直。
 とは言っても、けっこう微妙なことが多い。たとえば、ある人が「彼ハ賢い」と書いたときに、ほかの誰かと対比しているか否かは他者にはわからない。この段階では単なる主題と考えるべきだろう。「彼ハ賢いが、僕ハ愚かだ」と並べられると、「対比」であることがわかる。
 そう考えると、「主題」に見えるハのかなりの部分は「対比」かもしれない。何%なのかはわかりません。
 2)3)4)の違いを見るための例文を考えた。文法の話でこんなバカな例文を持ち出すヤツはいないだろうな。
 説明の都合上、一文ずつ改行して番号をつける。

①大食い自慢の彼ハ、実際には牛丼を2杯しか食べられなかった。
②僕ハもっと食べられる。
③たぶん4杯ハ食べられる。
④でも、5杯ハ無理だな。
(……実際に食べてみる)
⑤4杯ハ食べられると言いハしたけど、考えが甘かった。
⑥3杯でギブアップだった。

 ①だけなら「主題」と考えるのが素直だろう。①②がセットになったら「対比」でいいだろう。
 ③は「限度・強調」だろう(微妙なことが多いので、この分類にした)。どちらにもとれる。これが④だと「限度」だろうな。
 ⑤の1つ目も「限度」だろう。これがペロリと食べたのなら「強調」になりそう。
 メンドーなのは⑤の2つ目。『日本語練習帳』が「再問題化」と呼んでいるのは、こういう用法らしい(正確にはわからない)。
 大野先生でも持て余したのね。そういうのは一種の特殊用法なんだから、「その他」にしておくほうが無難だろう。ちなみに、ハにはほかにも特殊用法がいくつかある。そういうのも全部「その他」のしておけばいいの。全部を網羅しようとするとむずかしくなる。
 ↑の1)~3)を知っていけば、90%以上は理解できるはずだから大丈夫だって。
【「ハ」の用法 男は度胸、女は愛嬌 春はあけぼの 東京は浅草にやってまいりました〈1〉〈2〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2177.html


これならわかる!? 助詞の「ハ」の使い方  教えてgoo〈2〉

 ご意見をうかがうために、mixiでトピを立てた。
【【「は」と「が」】外伝 初心者にもわかる助詞の「ハ」の使い方】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=83095700
 知識はあっても常識がないいつものホニャララのコメントがついてゲンナリした。
 この鼬コメントに関してはいろいろ思うところがあるが、それは別の機会に。

 で、あまり必要ではない後半部。
 〈1〉では助詞のハの80%は「主題」と書いた。
「主題ではなく主語を表わすのでは」という疑問が湧かないだろうか。このあたりをちゃんと説明しないと、「主語」「述語」になじんできた日本人はピンと来ない気がする。
「日本語には主語がない」って考え方はそのとおりだと思う。
 そのとおりだとハ(強調? 再問題化?)思いながら、自分の中にも納得できに気持ちがある。
「私は学生です」の「私」は主語じゃないのか?

 基本を理解するための考え方として、これは「主語」でもいいと思う。厳密に言うと「主語」ではない、と考えるのは上級者の仕事。もちろん、日本の国語教育が「日本語には主語がない」という考え方をしてくれるなら、それでもいい。
 現実には「主語」「述語」で育ってきてんだから、それを引っ繰り返すのはたいへんじゃないかな。だったら、そのまま「主語」でいいじゃん。「日本語には主語がない」と考えるのは、専門的な勉強を始めてからで十分だよ。
 もちろん、「主語」とはいいにく例も多々見られる。「きょうは……」あたりが典型だろうか。
「きょうは私がご飯を作る」の主語は……「私」だろうな。

 うんとシンプルに考える。
 助詞のハの80%は「主題」。ただ、そのなかには、義務教育で「主語」とされているものが相当含まれる。割合としては半分くらいでいいや。つまり、「主題」のうち半分は、「主題=主語」で、残りは、「主語」とは言いいにくいもの。
「私ハ学生です」とか「私ハご飯を作る」なら「主題=主語」だから、義務教育レベルの考え方で問題がない。うんと乱暴に書くと、ガに置きかえられそうなハは、「主題=主語」と考えていいはず。

 ついでに書くと……。
「きょうハいい天気です」だけなら「主題」。
「きょうハいい天気です。だから洗濯をします」でも、この段階では「主題」。
 これが「きょうハいい天気です。きのうまでハ雨続きでしたが」となるなら「対比」。
「きのうまでハ雨続きでしたが、きょうハ(試合があるので)晴れてほしかった」だと「対比」を通り越して「限度・強調」だろう。
 このあたりはいろいろな考え方ができると思う。
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「的」の話。

1036)【「的」の話────「わたし的には」「個人的には」「将来的には」】 辞書
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1912584154&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2863.html

1229)【「的」の話〈1〉 資料編 辞書】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1932107765&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3092.html

1485)突然ですが問題です【日本語編228】──「的」の使い方 個人的な考え 有効的な方法 直截的な表現 壊滅的な出来の悪さ【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1946042907&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3295.html

 ↓
【「的」の使い方──有効的 直截的 「和語+的」「代名詞+的」「壊滅的な出来(の悪さ)」】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12072189199.html


 下記もリンクをたどるとかなり役に立つ(はず)……と言うより笑える。
【有効的って言葉、間違った表現ですよね?】
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12172640097

「全然」「まったく」「とても」知恵袋〈1〉〜〈3〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486031711&owner_id=5019671

mixi日記2010年11月20日から

 このテーマに関しては何度か書いている。
【関連トピ紹介】11──全然+肯定形は是か非か
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=46001081

「全然+肯定形」に関しては下記がわかりやすいと思う。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1449225064
================================
●「全然+肯定形」
 結論だけ書きましょう。必ずしも間違いとは言いきれないようです。
「全然」の後ろは、もともとは肯定でも否定でも○だったようです。一時期肯定は×になったが、最近は「×とは言い切れない」という説が増加傾向にあるようです。
 ただし、現在の出版・編集の現場では基本的に肯定は×です(微妙かもしれませんが、少なくとも当方は×と考えています)。まともな出版物にはめったに出てこないはずです。

「全然+肯定形」をOKとする人は2派に大別できそうです。
  1)なぁーんにも考えてない人
  2)「全然」の使われ方を歴史的に考えて「間違いではない」とする人

 詳細は下記をご覧ください。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/2003/zenzen.htm
※いくつもの辞書を調べた信頼に値するレポート。ただし、これを根拠に「全然+肯定」は元々OKだった、と決めつけるのは短絡的でしょう。「全然+肯定」は「俗」という説もあるのですから。

 下記もご参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E7%84%B6
================================


 これに「まったく」「とても」がからむと、下記がわかりやすいだろう。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-195.html
【追記2】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「とても」「全然」「まったく」について再確認しておく。

「とても」は歴史的に見れば、昔は否定にしか使わなかった。芥川龍之介がそんなことを書いて物議を醸した記憶がある。
【芥川龍之介の「とても」】
http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20070616/p1
 現在の出版・編集の現場では肯定でも否定でも○。

「全然」は歴史的見れば諸説ある。どうやら、昔は肯定でも否定でも使ったらしい。
 現在の出版・編集の現場では否定にしか使わない。なかには許容する人もいるかもしれないが、個人的には×。

「まったく」は原則として否定にしか使わない。ただし、「まったくそのとおり」のように異和感のない場合もある。

「赤い本」には以下のように書いた。
================================
【練習問題18】
 次の文のなかでヘンなのはどれで、なぜヘンなのか理由を考えてください。
  1)この料理は全然おいしい。
  2)この料理はとてもおいしい。
  3)この料理はまったくおいしい。

 副詞のなかには、後ろに決まった表現が来るものがあります。たとえば、「けっして」という副詞を使った場合、後ろに来るのは「~ない」などの否定形で、肯定形が来ることはありません。同様に、「全然」の後ろも否定形が来るのが一般的です。1)のように「全然」が使われているのに後ろが「おいしい」という肯定形では、「係り結ばず」になってしまいます。
 近年、話し言葉の中で使われる「全然+肯定形」が「言葉の乱れ」として取りざたされていることは、ご存じのかたも多いでしょう。将来的にはわかりませんが、現段階では、まだヘンな形と考えられます。「現段階では」と書いたのは、「〇〇+否定形」のルールはくずれていくことが多い気がするからです。
「とても」もかつては後ろに否定形を伴う言葉でした。しかし現在では、2)のように「この料理はとてもおいしい。」といっても問題はありません。
「まったく」は、微妙な段階にあるようです。3)の「この料理はまったくおいしい。」や「まったくタメになる。」はヘンなのに、「まったくそのとおりです。」という使い方なら問題は感じられません。「まったく」は、基本的には後ろに否定形が来るようですが、肯定形が来てもヘンではない場合もあるということです。
 このように考えると、「まったく+肯定形」は近々ふつうの表現になり、やがては「全然+肯定形」もヘンではなくなる可能性があると思います。
================================


 さて、これを踏まえて今回のテーマサイトは下記。
【「全然大丈夫」、「全然いい」の全然に代わる言葉を教えてください!】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1250521727

 質問の内容はタイトルのとおり。
 こういう観点になると、話がちょっとかわってくる。ちょっとメンドーな話なんで、いつも以上にクドく書く(笑)。
 原点に立ち返って辞書をひく。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%85%A8%E7%84%B6&dtype=0
================================
ぜん‐ぜん【全然】
【1】[ト・タル][文][形動タリ]余すところのないさま。まったくそうであるさま。
「―たるスパルタ国の属邦にあらずと雖も」〈竜渓・経国美談〉
【2】[副]
1 (あとに打消しの語や否定的な表現を伴って)まるで。少しも。「―食欲がない」「その話は―知らない」「スポーツは―だめです」
2 残りなく。すっかり。
「結婚の問題は―僕に任せるという愛子の言葉を」〈志賀・暗夜行路〉
3 (俗な言い方)非常に。とても。「―愉快だ」
================================

■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%85%A8%E7%84%B6&dtype=0&dname=0ss
================================
ぜんぜん0 【全然】
1 (副)
[1](打ち消し、または「だめ」のような否定的な語を下に伴って)一つ残らず。あらゆる点で。まるきり。全く。
雪は―残っていない
金は―ない
―だめだ
[2]あますところなく。ことごとく。全く。
一体生徒が―悪るいです〔出典: 坊っちゃん(漱石)〕
母は―同意して〔出典: 何処へ(白鳥)〕
[3]〔補説〕 話し言葉での俗な言い方
非常に。とても。
―いい
2 (ト|タル)
[文]形動タリ
すべてにわたってそうであるさま。
実に―たる改革を宣告せり〔出典: 求安録(鑑三)〕
================================

 ほぼ同じなので、以下は『大辞泉』をベースに書く。
 副詞の「1」は「全然+否定形」。ここはスルーしていいだろう。
「2」と「3」を見ると、「全然+肯定」は2種類あることがわかる。
「2」の意味だと、「まったく」にできなくはなさそうだ。ただし、例文を見ればわかるように、これが現代の用法になるか否かは疑問。
「3」の「非常に、とても」の意味は「俗な言い方」になっている。

 さて、元々の質問を見よう。
「全然大丈夫」「全然いい」はOKか。偶然か必然か、この質問は非常によくできている。
「全然大丈夫」は「2」の用法で、「全然いい」は「3」の用法だろう。この用法の是非は今回の話題ではないのでパス。
「代わる言葉」を考える。
「2」はあえて言うなら「まったく大丈夫」。ただ、これはちょっとヘン。↑に書いたように「まったく」は「まったく+肯定形」にできるが、「まったく大丈夫」は……(詳しくは↓参照)。
 回答コメントのなかに「まったく問題がない」とかにするべきといった記述がある。そのとおりだと思うが、それなら「全然問題がない」でも問題がなくなる。
「全然大丈夫」の「全然」にかわる言葉ってないんじゃないだろうか(だからこそ、「全然大丈夫」の類いが広まる)。
 イチバンわかりやすいのは「全然」を使わずに「大丈夫」にしてしまうこと。(←オイ!)
 どうしてもというなら、「全面的に大丈夫」とか「どこから見ても大丈夫」とか……かなりヘンだよ。強調したいなら、「盤石」とか「万全」などに言いかえるべきでは。
「3」の言いかえはいろいろありそう。「very」の意味になるものならほぼOKみたい。
「非常にいい」「とてもいい」「すごくいい」……etc.
 語感が近いという意味では「断然いい」がオススメかも。


 以下は泥沼に足を踏み入れるヨタ話。やや錯綜気味(泣)。
「大丈夫」関係だと、最近こんな話があった。
【「大丈夫ですか」考 日本語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1553.html

「大丈夫」の用途が広がっていることと、「全然大丈夫」が広まっていることは、多少は関係あるのかも。

 もっと大きな発見をした。
「まったく」は基本的には「まったく+否定形」だが、場合によっては「まったく+肯定形」も成り立つ理由は、辞書の記述で一応の説明ができる気がする。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8F&dtype=0
================================
まったく【全く】
[副]《形容詞「まったい」の連用形から》
1 完全にその状態になっているさま。すっかり。「―新しい企画」「回復の希望は―絶たれた」
2 打消しの語を伴って、完全な否定の意を表す。決して。全然。「彼は事件とは―関係がない」「―話にならない」
3 ある事実・判断を強調する気持ちを表す。本当に。実に。「今日は―寒い」「―けしからん話だ」「―君の言う通りだよ」
================================
 この『大辞泉』の記述は相当ヒドい。うっかり騙されるところだった。

 気を取り直して『大辞林』をひく
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8F&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=118493700000&pagenum=1
================================
まったく0 【全く】
(副)
〔補説〕 形容詞「まったい(全)」の連用形から
[1]否定表現と呼応して、それを強調する。全然。まるっきり。
―お酒を飲まない
人が―訪ねて来ない
[2]
(ア)完全に。すべて。
家具を―新しくする
―健康になった
―の素人
勝負―終へて帰途に就く頃は雨も―晴れにき〔出典: 筆まかせ(子規)〕
(イ)肯定表現と呼応して、それを強調する。自分の言うことにうそや誇張のないことを示す。本当に。実に。
―彼にも困ったものだ
―其のつもりで言つたんですが〔出典: 婦系図(鏡花)〕
(ウ)相手の言うことに同感であることを示す。本当に。実に。
―そのとおりだ
『末が思いやられるね』『―だ』
→(句)全くのところ
→(句)全くもって
================================

(ア)は「全面的に」に近い。 
  家具を全面的に新しくする
  全面的に健康になった
  全面的に素人(これは相当ヘン)
(イ)は「very」に近い。(ア)か(イ)か微妙な例がけっこうある気がする。
  非常に彼にも困ったものだ
 この語順だと少しおかしいが、「彼にも(まったく/非常に)困ったものだ」なら異和感は薄れる。「彼は(まったく/非常に)困ったものだ」の形ならさらに自然になる。
(ウ)は書きかえがむずかしいが、「まさに」あたりだろうか。

 ここで『大辞泉』の「1」「3」用例が(ア)~(ウ)のどれになるか考えてみる。
「まったく新しい企画」……おそらく(ア)の意味で使っているが、(イ)の意味にもとれなくはない珍例。説明もなしにこれを出すのは不適切だろう。
「回復の希望はまったく絶たれた」……(ア)の意味
「今日はまったく寒い」(イ)の意味
「まったくけしからん話だ」(イ)の意味 ※(ア)ともとれる?
「まったく君の言う通りだよ」(ウ)の意味
 不用意に珍例をもってきているうえに、相当ニュアンスが違う(イ)と(ウ)を混同している。

 個人的な語感では、(イ)の用法には異和感がある。
「まったくけしからん」とか「まったくくだらない」が許容できるのは、形は肯定形だけど意味が否定的だからだろう。「まったく寒い」「まったくおもしろい」「まったくきれい」などの肯定的な使い方は相当ヘン。「まったく大丈夫」がヘンなのもそのせいだろう。
「まったく大丈夫」は特殊で、たぶん一般には許容されている。「大丈夫=問題ない」のニュアンスが強いので、肯定形なのに否定形のニュアンスを含んでいる気がする(なんのこっちゃ)。「全然大丈夫」が受け入れられている理由は、こうとでも考えないと納得がいかない。
 これが「まったくすばらしい」だとアリの気がする。大絶賛だと(ア)に近づくからだろうか。
 同じように否定的なのに「まったくダメだ」はアリで「まったくヘンだ」はヘンに感じる。
 おそらく、「まったくダメ」は「全面的にダメ」のニュアンスが強いからOKなのだろう(「とてもダメ」にはしにくい)。「まったくヘン」は「とてもヘン」のニュアンスが強いから×なのだろう。
「とてもヘン」とは言っても、「非常にヘン」がちょっとヘンなのはなぜ、とか考えると深みにはまる(泣)。
「まったくヘン」は「全面的にヘン」ともとれるのでは、とか考えると深みにはまる(大泣)。
 
 さらに言うと、「全然ダメ」はなぜか許容できる。理由はまったくわからない(号泣)。


 最後に、根拠の希薄な暴論を吐いておく。
 あくまでも個人的な語感で……。
「まったく」は「おもしろい」などの肯定的な言葉とは相性が悪い。しかし、否定的な肯定形となら使える。
「全然」もその傾向がある。ただ、現状で許されるのは「全然ダメ」「全然違う」「全然別」あたり。「全然つまらない」は微妙。
 今後、「全然」の浸食は次の順で進む。どこまで立ち会えるんだろう(泣)。
  否定的な肯定形(現状はここくらい?)→フツーの肯定形→「very」の意味


【追記】
「否定的な肯定形」(形は肯定形だけど意味が否定的なもの)にはいろいろある。
「違う」「別(のこと)」……etc.
 これらと「まったく」「全然」などの組み合わせの是非を確認しておく。

       まったく 全然 とても 非常に
〈「very」系〉
けしからん  ○    X  △    ○ 
 ※「とてもけしからん」が△の理由は不明
くだらない  ○    X  ○    ○  
つまらない  ○    △  ○    ○ 
 ※「全然つまらない」は微妙

〈「全面的」系〉
ダメ     ○    ○  X    X   
違う     ○    ○  X    X
別(のこと) ○    ○  X    X

 一部の例外はあるが、だいたい以下の傾向がある。
まったく 「全面的」「very」の両方の意味で使える
全然   「全面的」の意味で使える
とても  「very」の意味で使える
非常に  「very」の意味で使える
 ただし、「否定的な肯定形」で、「全面的」の意味であっても、個人的には避けたい。

【2011年02月03日追記】
 昨日、ドラマ『美しい隣人』の中で仲間由紀恵が「全然平気」と言った。
 困ったことに、「全然大丈夫」に覚える異和感さえなかった。
「全然+フツーの肯定形」がOKになる日は近いのか。
 あるいは「全然大丈夫」と同様に「全然問題がない」と同じ意味だからなのか……。
 論理的に考えれば、「全然大丈夫」「全然平気」がOKになる理由はない。


 もろもろのことを考慮して下記にコメントした。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1074563295

================================引用開始
「全然」の使い方。

Yahoo!知恵袋に限っても過去に多数の質問が出ています。

歴史的なことに関しては、下記が詳しいようです。
【「全然大丈夫」というような全然~ないの言葉遣い】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1333690543
【「全然」の使い方】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1374560098
チェックすべきポイントは下記でしょう。
================================
ところが、昭和35年の文部省による教育指導要領で、多数=正しい、として、全然は否定を伴う、と規定してしまったために、話がややこしくなったわけです。 これは、当時、森鴎外の次女で随筆家・評論家の小堀杏奴(あんぬ)が、若者言葉への批判で「全然は否定形を伴わなければならない」と断言したことが大きな影響を及ぼした、とも言われているそうです。でもこの方、別に国語学者でもなんでもなく、洋画を学び画家と結婚し、その後、鴎外の回想記などを書いて鴎外研究に貢献した方です。
================================
この話はNHKの番組で紹介されて有名になったようです。
「小堀杏奴 みんなでニホンGO 全然」で検索するといろいろヒットします。

各種の辞書の解説は、下記をご参照ください。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/2003/zenzen.htm

個人的には下記のように考えています。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1053406780
================================引用終了

 下記の2記事は読みごたえがある。なくなると悲しいので、全文を転載しておく。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2444.html


●バイト敬語/若者言葉のコレクション
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1818.html


「全然」「まったく」「とても」知恵袋〈2〉


 以下は泥沼に足を踏み入れるヨタ話。やや錯綜気味(泣)。
「大丈夫」関係だと、最近こんな話があった。
【「大丈夫ですか」考 日本語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1553.html

「大丈夫」の用途が広がっていることと、「全然大丈夫」が広まっていることは、多少は関係あるのかも。

 もっと大きな発見をした。
「まったく」は基本的には「まったく+否定形」だが、場合によっては「まったく+肯定形」も成り立つ理由は、辞書の記述で一応の説明ができる気がする。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8F&dtype=0
================================
まったく【全く】
[副]《形容詞「まったい」の連用形から》
1 完全にその状態になっているさま。すっかり。「―新しい企画」「回復の希望は―絶たれた」
2 打消しの語を伴って、完全な否定の意を表す。決して。全然。「彼は事件とは―関係がない」「―話にならない」
3 ある事実・判断を強調する気持ちを表す。本当に。実に。「今日は―寒い」「―けしからん話だ」「―君の言う通りだよ」
================================
 この『大辞泉』の記述は相当ヒドい。うっかり騙されるところだった。

 気を取り直して『大辞林』をひく
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8F&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=118493700000&pagenum=1
================================
まったく0 【全く】
(副)
〔補説〕 形容詞「まったい(全)」の連用形から
[1]否定表現と呼応して、それを強調する。全然。まるっきり。
―お酒を飲まない
人が―訪ねて来ない
[2]
(ア)完全に。すべて。
家具を―新しくする
―健康になった
―の素人
勝負―終へて帰途に就く頃は雨も―晴れにき〔出典: 筆まかせ(子規)〕
(イ)肯定表現と呼応して、それを強調する。自分の言うことにうそや誇張のないことを示す。本当に。実に。
―彼にも困ったものだ
―其のつもりで言つたんですが〔出典: 婦系図(鏡花)〕
(ウ)相手の言うことに同感であることを示す。本当に。実に。
―そのとおりだ
『末が思いやられるね』『―だ』
→(句)全くのところ
→(句)全くもって
================================

(ア)は「全面的に」に近い。 
  家具を全面的に新しくする
  全面的に健康になった
  全面的に素人(これは相当ヘン)
(イ)は「very」に近い。(ア)か(イ)か微妙な例がけっこうある気がする。
  非常に彼にも困ったものだ
 この語順だと少しおかしいが、「彼にも(まったく/非常に)困ったものだ」なら異和感は薄れる。「彼は(まったく/非常に)困ったものだ」の形ならさらに自然になる。
(ウ)は書きかえがむずかしいが、「まさに」あたりだろうか。

 ここで『大辞泉』の「1」「3」用例が(ア)~(ウ)のどれになるか考えてみる。
「まったく新しい企画」……おそらく(ア)の意味で使っているが、(イ)の意味にもとれなくはない珍例。説明もなしにこれを出すのは不適切だろう。
「回復の希望はまったく絶たれた」……(ア)の意味
「今日はまったく寒い」(イ)の意味
「まったくけしからん話だ」(イ)の意味 ※(ア)ともとれる?
「まったく君の言う通りだよ」(ウ)の意味
 不用意に珍例をもってきているうえに、相当ニュアンスが違う(イ)と(ウ)を混同している。

 個人的な語感では、(イ)の用法には異和感がある。
「まったくけしからん」とか「まったくくだらない」が許容できるのは、形は肯定形だけど意味が否定的だからだろう。「まったく寒い」「まったくおもしろい」「まったくきれい」などの肯定的な使い方は相当ヘン。「まったく大丈夫」がヘンなのもそのせいだろう。
「まったく大丈夫」は特殊で、たぶん一般には許容されている。「大丈夫=問題ない」のニュアンスが強いので、肯定形なのに否定形のニュアンスを含んでいる気がする(なんのこっちゃ)。「全然大丈夫」が受け入れられている理由は、こうとでも考えないと納得がいかない。
 これが「まったくすばらしい」だとアリの気がする。大絶賛だと(ア)に近づくからだろうか。
 同じように否定的なのに「まったくダメだ」はアリで「まったくヘンだ」はヘンに感じる。
 おそらく、「まったくダメ」は「全面的にダメ」のニュアンスが強いからOKなのだろう(「とてもダメ」にはしにくい)。「まったくヘン」は「とてもヘン」のニュアンスが強いから×なのだろう。
「とてもヘン」とは言っても、「非常にヘン」がちょっとヘンなのはなぜ、とか考えると深みにはまる(泣)。
「まったくヘン」は「全面的にヘン」ともとれるのでは、とか考えると深みにはまる(大泣)。
 
 さらに言うと、「全然ダメ」はなぜか許容できる。理由はまったくわからない(号泣)。


「全然」「まったく」「とても」知恵袋〈3〉

 最後に、根拠の希薄な暴論を吐いておく。
 あくまでも個人的な語感で……。
「まったく」は「おもしろい」などの肯定的な言葉とは相性が悪い。しかし、否定的な肯定形となら使える。
「全然」もその傾向がある。ただ、現状で許されるのは「全然ダメ」「全然違う」「全然別」あたり。「全然つまらない」は微妙。
 今後、「全然」の浸食は次の順で進む。どこまで立ち会えるんだろう(泣)。
  否定的な肯定形(現状はここくらい?)→フツーの肯定形→「very」の意味


【追記】
「否定的な肯定形」(形は肯定形だけど意味が否定的なもの)にはいろいろある。
「違う」「別(のこと)」……etc.
 これらと「まったく」「全然」などの組み合わせの是非を確認しておく。

       まったく 全然 とても 非常に
〈「very」系〉
けしからん  ○    X  △    ○ 
 ※「とてもけしからん」が△の理由は不明
くだらない  ○    X  ○    ○  
つまらない  ○    △  ○    ○ 
 ※「全然つまらない」は微妙

〈「全面的」系〉
ダメ     ○    ○  X    X   
違う     ○    ○  X    X
別(のこと) ○    ○  X    X

 一部の例外はあるが、だいたい以下の傾向がある。
まったく 「全面的」「very」の両方の意味で使える
全然   「全面的」の意味で使える
とても  「very」の意味で使える
非常に  「very」の意味で使える
 ただし、「否定的な肯定形」で、「全面的」の意味であっても、個人的には避けたい。

【2011年02月03日追記】
 昨日、ドラマ『美しい隣人』の中で仲間由紀恵が「全然平気」と言った。
 困ったことに、「全然大丈夫」に覚える異和感さえなかった。
「全然+フツーの肯定形」がOKになる日は近いのか。
 あるいは「全然大丈夫」と同様に「全然問題がない」と同じ意味だからなのか……。
 論理的に考えれば、「全然大丈夫」「全然平気」がOKになる理由はない。


 もろもろのことを考慮して下記にコメントした。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1074563295

================================引用開始
「全然」の使い方。

Yahoo!知恵袋に限っても過去に多数の質問が出ています。

歴史的なことに関しては、下記が詳しいようです。
【「全然大丈夫」というような全然~ないの言葉遣い】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1333690543
【「全然」の使い方】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1374560098
チェックすべきポイントは下記でしょう。
================================
ところが、昭和35年の文部省による教育指導要領で、多数=正しい、として、全然は否定を伴う、と規定してしまったために、話がややこしくなったわけです。 これは、当時、森鴎外の次女で随筆家・評論家の小堀杏奴(あんぬ)が、若者言葉への批判で「全然は否定形を伴わなければならない」と断言したことが大きな影響を及ぼした、とも言われているそうです。でもこの方、別に国語学者でもなんでもなく、洋画を学び画家と結婚し、その後、鴎外の回想記などを書いて鴎外研究に貢献した方です。
================================
この話はNHKの番組で紹介されて有名になったようです。
「小堀杏奴 みんなでニホンGO 全然」で検索するといろいろヒットします。

各種の辞書の解説は、下記をご参照ください。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/2003/zenzen.htm

個人的には下記のように考えています。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1053406780
================================引用終了

 下記の2記事は読みごたえがある。なくなると悲しいので、全文を転載しておく。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2444.html


●バイト敬語/若者言葉のコレクション
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1818.html

「~なのかな」「~とは思います」「~と思います」〈1〉〜〈3〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【10】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1880457960&owner_id=5019671

mixi日記2013年08月05日から

 テーマトピは下記。
【「なのかな」と「とは思います」】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=48610257&comm_id=222342
================引用開始
「なのかな」と「とは思います」
2009年12月03日 17:17

今週発売の週刊朝日。その連載コラムで作家の内館牧子が辛辣に批判して書いています。「かな」の乱用、誤用、悪用の数々。私は数年前から非常に不快な思いでいました。やっとプロも気がついたか、とね。

以前にも類似トピを立てたのですが、以外にも反応はありませんでした。

断定してもいい表現の最後に「かな」(なのかな)をつけるタレント、スポーツ選手、そして政治家や官僚、一般市民たち。

どうしてこんな表現がまかり通るのでしょう。

最悪はこの「かな(なのかな)」に「とは思います」を続けること。

「やってもいいのかな、とは思います」
「面白い試合になるかな、とは思います」
「来年度にでも企画してもいいのかな、とは思います」

なんなんだよ、これ…。絶滅させましょう。
================引用終了


 何年も前に立ったトピで、頓挫していた。
 原因? 言葉の神様に訊いてください。
 当方はトピ主の責任が大きいと思う。いくつかあったちゃんとしたコメントに対してあんな書き方をしていたら、コミュニケーションにならない。
 数年ぶりにカラアゲされたので、思うところあって[29]のコメントを入れたが……やっぱりダメみたい。
 これ、ちゃんと書こうとするとものすごくたいへんだと思う。だって、文脈によっては何も問題がない表現なんだから。当然、文法的には何も問題がない。
 こういうのは、本来はインネンをつける側が論理的に説明すべきものだろう。論理で説明できないのなら、ヘンに感じる例を集めて考えるしかないのかな、とは思う(これはOKだよね)。
 問題を切り分けながら、順番に考えていきたい。以下、煩わしいので基本的にデス・マス体ではなく常体で見ていく。

【1】「~と思う」と「~とハ思う」の違い
 まず、この「ハ」の働き。辞書の全文は末尾に。
 かなり微妙で「3 強調」でもいいんだけど、説明の都合上「2 対比」と考えておく。このほかに「限定」なんて働きもあったと思うけど見つからない。このあたりをあまり厳密に考えても意味はないだろう。
「~と思う」は、ごくフツーの表現。どんな意味になるのかは説明不能。これに「ハ」がついて「~とハ思う」になると何がかわるのか。
 おそらく、この「ハ」は「モ」に近い。
「Aとハ思う」けど「Bとモ思う」し、「Cとモ思う」……かもしれない。
 大元を「Aとモ思う」にしても、大きな違いはないだろう。
 つまり、「~と思う」と比べると「~とハ思う」には「逆接」(「躊躇」と言ってもいい)のニュアンスがある。実際に言葉にはしなくても、含意している、と思われる。
 
【2】「~と思う」と「~と思いハする」の違い
 コメント[42]でおもしろい話が出る。なんでトピ主はスルーしているのだろう。ちゃんと「議論」に付き合ってくれそうな人が登場したのに。
【2】と【1】の「ハ」の働きはよく似ている。「~とハ思う」と「~と思いハする」はほぼ同義と言ってもいいかも。
 もちろん厳密に考えれば違っている。
「Aとハ思う」の含意は「でもBとモ思う」「でもCとモ思う」が本線。
「Aと思いハする」の含意は「でも疑問が残る」「でも賛成できない」「でも現実には無理」……etc.が本線だろう。
「逆接」や「躊躇」の方向性が微妙に違う。当方は通常、この程度のことは「大差なし」で押し切ることにしている。(←オイ!)

【3】「~かな」の問題点
 近年若年層の流行とされる曖昧表現のひとつなのだろう。個人的には若年層特有とは思わない。トピにも口癖にしている上司の例が出てくる。さらに言うと、「曖昧表現」が広がっているのではなく、「曖昧」と「極論」の二極化だと思う。もっとさらに言うと、単に日本語を使えない人が増えたので、こういう安易な表現に流れるのだと思う。
「~とか」「~のほう」などの仲間なのかな、とは思う(これはOKだよね。以下略)。
 ただ、そんなふうに乱暴にひとくくりにして「全部ダメ」と言うと、単なる●●になりかねない。「~とか」あたりは、フツーに使うなら何も問題はない。度が過ぎるとヒステリックな言葉狩り(重言?)にしか見えなくなる。
 まあ「~かな」と「~とハ思う」を組み合わせると、文脈によっては曖昧さが強調されることはありそうなんだけど、何も問題がないこともある。適切な文脈を用意してくれないと、何も判断できない。
696)【バイト敬語/若者言葉──「~とか」の話】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1820136974&owner_id=5019671
【バイト敬語/若者言葉の話】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1818.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1824951700&owner_id=5019671

【4】「~かな、とは思う」の実例
 トピに出てきた例文で確認する。

1)やってもいいのかな、とは思う
※これを「やってもいいのだろうか?」と異議を唱える表現と解釈しているが、それはムチャでは。「そんなことをやってもいいのかな、と思う」くらいならそのとおりかもしれないかな、とは思う。コメント[4]に出てくる書きかえ案は「私はやりたい、と思う」。それはそれでムチャじゃないかな、とは思う。
2)面白い試合になるかな、とは思う
※書きかえ案は「面白い試合になると思う」。ニュアンスがかなり違うかな、とは思う。
3)来年度にでも企画してもいいのかな、とは思う
※書きかえ案は「来年度に企画してみてはいかがですか? 」。ニュアンスがかなり違うかな、とは思う。なんで1)の書きかえ案と主語がかわっているのかな、とも思う。
4)もうそろそろ販売の方法を変えてみてもいいのかなぁ、とは思います
※上司のこの発言に対して「それは、変えるってことですか?」と訊くのはどうなんだろう。上司の答えは5)。
5)「いや、そうではなくて検討する時期に来ているのではないのかなぁ、と言うことです」
※これに対して「また同じことを言いましたね。じゃ、販売方法の見直しを検討するんですか?」って、喧嘩売ってるのかな?
「~とは思います」はどこに行ったの? これは単に上司の曖昧な表現(たぶん口癖)に苛立っているだけじゃないかな。個人的な苛立ちでしかなければ、共感してもらうのはけっこうたいへんだよ。

 前半が感覚的なのがマズいのか、とも思ったが、違うようだ。結局、これは個人の好みの問題じゃないのかな。
 文脈によってハ、「そこまで曖昧にする必要はない」ってケースもあるかもしれない。でもその文脈を示してもらえないと、判断できない。

6)そういう考え方もアリなのかな、とは思う
※これを「そういう考え方もアリだと思う」と同義と考えるのはいくらなんでも乱暴だろう。少なくとも当方はそんな無茶な発送はしない。配送センターが混乱しかねない。

 

■Web辞書『大辞泉』から
http://dictionary.nifty.com/word/%E3%81%AF?dic=daijisen
================引用開始


[係助]名詞、名詞に準じる語、活用語の連用形、助詞などに付く。
1 判断の主題を提示する意を表す。「犬―動物だ」「教育―国民の義務である」「黒牛潟潮干の浦を紅の玉裳裾引(すそび)き行く―誰(た)が妻」〈万・一六七二〉
2 ある事物を他と区別して、または対比的に取り立てて示す意を表す。「風―強いが、日―照っている」「夕されば小倉の山に鳴く鹿―今夜(こよひ)―鳴かず寝(い)ねにけらしも」〈万・一五一一〉
3 叙述の内容、またはその一部分を強調して明示する意を表す。「喜ばずに―いられない」「やがてわかって―くれるだろう」「死を恐れざるに―あらず、死の近きことを忘るるなり」〈徒然・九三〉
4 (文末にあって)感動・詠嘆を表す。…ことよ。…だなあ。…よ。「されど、門の限りを高う作る人もありける―」〈枕・八〉
5 (形容詞・打消しの助動詞「ず」の連用形に付いて)順接の仮定条件を表す。…のときは。…の場合は。…ならば。「験(しるし)なきものを思はず―一坏(ひとつき)の濁れる酒を飲むべくあるらし」〈万・三三八〉
◆係助詞「は」は現在では「わ」と発音するが、「は」で表記するのが普通。格助詞「を」、また「ときに」に付くときは、音変化して「をば」「ときんば」の形をとることもある。4については終助詞とする説もある。また、5については近世初期以降には「は」が音変化して、「くば」「ずば」の形をとることもあり、「ば」を接続助詞と解して仮定条件を表すこともあった。→をば →ときんば →ずば →ては
================引用終了


「〜していきます」「~していきたいです」「~していきたいと思います」
──「~なのかな」「~とは思います」「~と思います」〈2〉

mixi日記2014年07月08日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1929188749

 下記が関係あるかも。
1020)【「~なのかな」「~とは思います」「~と思います」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2842.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1908860625&owner_id=5019671

 テーマサイトは下記。
【「~して行きたい」「~して行きたいと思う」など。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12131579487

 まず質問の全文を引く。
================引用開始
「~して行きたい」「~して行きたいと思う」など。
例えば不祥事を謝罪するときに「今後このようなことの無いように気を引き締めて行きたい」と気を引き締めるのではなく 引き締めて行きたい。
「ただいまから成績を発表して行きたいと思います」発表するのではなく発表して行きたいなど。
何故ぼかすような表現なんでしょうか。
================引用終了

 発言者の立場によって、事情が微妙にかわってくる。話の内容を考慮して、例文は基本的にデス・マス体で考える。
 断定的な言い方から曖昧な言い方まで、いくつか段階がある。

●謝罪の言葉
1)今後このようなことのないように気を引き締めます
  ↓
2)今後このようなことのないように気を引き締めていきたいです
  ↓
3)今後このようなことのないように気を引き締めていきたいと思います

 大前提として、謝罪の場合は「いきたいと思います」ではなく「いく所存でございます」くらいのほうが自然だろう。
 1)が一番スッキリしている。「引き締める」か否かは個人の心がけの問題だから「たい」をつけるのはおかしい、というのはごもっとも。「たい」は希望や願望を表わす(辞書の引用は末尾)。
 このように断言すると、同じような事態が再発したときに責任を追及されそう。
 だから少しボカすのだろう。政治家などの常套手段(笑)。そこで2)のように「たい」をつける。「いく」とは断言できないが、「いきたい」。「いく」努力はするけど、「いけなかった」ら許してね。
 デアル体で「いきたい」と言えば何も問題がないが、これに「です」をつけて「いきたいです」にすると、ちょっと問題がある。むずかしい話は別として、「たい」の活用を見ると形容詞とほぼ同じことがわかる。
 つまり、「たいです」(「たかったです」も同様)に覚える異和感は「うれしいです」に覚える異和感とほぼ同じもの。「間違い」ではないが、『大辞林』が〈現在かなり広がっているが,多少ぎこちなさも感じられる〉としているのだから、避けるべきだろう。
【この文章〈「形容詞終止形」+「です」〉は文法的に正しいですか】教えて!goo
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2891.html

 避ける方法はいろいろ考えられるが、一番安直なのは「〜と思います」をつけること。こうして3)のような形が広まることになる。
 2)の形を避けるのが「たいです」に対する異和感のせいか否か正確なところは、本人に確認しないとわからない。
「希望」にさらに「〜と思う」をつけるんだから、クドい印象になるのは当たり前。

●所信表明の言葉
「所信表明」というといかめしいが、プロ野球の新人の入団挨拶と考える。
1)一生懸命頑張ります
  ↓
2)一生懸命頑張りたいです
  ↓
3)一生懸命頑張りたいと思います
 1)がスッキリしているが、ちょっと控えめに言うなら2)、「たいです」に異和感があれば3)になるのだろう。
 これが「一生懸命頑張って新人王をとります」だとビッグマウスになる。3)のパターンが自然だろう。

 これが子供の将来の夢で「野球選手になります」だと2)が自然な気がする。もちろん3)でも構わない。「海賊王に、おれはなる」のほうが威勢はいいけど(笑)。



http://kotobank.jp/word/%E3%81%9F%E3%81%84?dic=daijisen&oid=11083400
================引用開始
デジタル大辞泉の解説
たい 【たい】

[助動][たかろ|たく・たかつ|たい|たい|たけれ|○]《希望の助動詞「たし」の連体形「たき」の音変化》動詞、および助動詞「れる」「られる」「せる」「させる」の連用形に付く。
1 話し手の希望を表す。「御飯を食べたい」「日比(ひごろ)月日がおがみたいと思うたに」〈虎明狂・腰祈〉
2 話し手以外の人の希望を表す。「読みたいなら貸すよ」「やめたい人はやめればいい」
3 「ある」「である」「なさる」「くださる」や尊敬の助動詞「れる」「られる」に付いて、他に対する希望・要求を表す。…てほしい。「正直者がばかを見ない世の中でありたい」「別表を参照されたい」
◆「たい」が他動性の動詞に付く場合、希望の対象を表すのに、「水を飲みたい」「水が飲みたい」のように「…ヲ…タイ」「…ガ…タイ」の両形を、室町時代以来用いてきている。連用形「たく」の音便形「とう(たう)」は中世から行われているが、現代語では、「ございます」「存じます」を伴うときにかぎって行われる。また、接続助詞「て」を伴う場合、「たくって」となることもある。3は多く文章語に用いる。
================引用終了

 ちょっとメモ。
バイト敬語/若者言葉──「~とか」の話
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2310.html
================引用開始
 こうなると、近年の若者言葉に特有の曖昧表現、というククリ方もできそうな気がする。ただ、それは少し違うのでは、って気もする(「曖昧表現」の一方で「氏ね」などの直截な表現も目立つ。二極化と言うほうが正確だろう。)。
================引用終了


──「~なのかな」「~とは思います」「~と思います」〈3〉
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12245302735.html

 テーマサイトは下記。
【「は」が入ると、途端にやる気がないように思えるのはなぜ?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9624045.html
===========引用開始
以下の文章をご覧ください。

A「頑張ってみようと思います」
B「頑張ってみようとは思います」

A「やってみたいと思います」
B「やってみたいとは思います」

A「続けてみたいと思います」
B「続けてみたいとは思います」

A、Bどちらもほとんど同じ文章ですが、Aと比較してBは、「は」が入っています。
この「は」が入るだけでAと比較すると途端に「やる気のなさ」「100%全力を尽くす気がない」「上辺だけ」「本音じゃないよ、建前さ」という感じが際立ちます。

なぜでしょうか? 
===========引用終了

「途端にやる気がないように思える」ってフレーズに笑ってしまった。
 この「ハ」は【限定】と考えると判りやすいだろう。

A「頑張ってみようと思います」
B「頑張ってみようとは思います」
「頑張ってみようと思う」はそのままの意味。
「頑張ってみようハ思う」だと、その気があるけど、【あるだけ】。ほんとに「頑張ってみる」ことができるかは未知数。そりゃ覇気が感じられない。

 似たような言い方に下記がある。
C「頑張ってみようと思いハします」
 こちらも、思うけど【思うだけ】。そりゃダメだって。これはBよりもヒドい気がする。

【限定】も悪い意味だけではない。もっと元気いっぱいの場合もある。 
A「腹筋なら500回できる」
B「腹筋なら500回ハできる」
 これだと、Bでも覇気が感じられる。まあ限定しないAのほうが元気って気もするけど。


 以下は余談。
 格助詞の「ハ」にはいくつかの働きがある。
 かのベストセラー『日本語練習帳』は「ハ」お働きを4つに分けている。
===========引用開始
1)問題(topic)の下に答えを持ってくるよう予約する
2)対比
3)限度
4)再問題化  
===========引用終了

 説明はむずかしいだけでちょっとヒドいので、おすすめハ【限度……対比かも】できない。
 今回「ハ」は厳密に言うと「4)再問題化」だと思うけど、難しく考える必要はない。「3)限度」でいいだろう。
 一般的な「ハ」の用法のほとんど1)だけど、それだけでは説明できない例が出てくる。
 詳しくは下記をご参照ください。すんごく長い。勉強が好きな人にハ【対比かな】おすすめかも。
【チャレンジ日記──「は」と「が」 毒抜き編 〈1〉~〈7〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-592.html

 ちなみに名著の4分類にも入らない特殊な用法もある。これはホントに特殊なんで、別に考えるほうがよいだろう。
【「ハ」の用法 男は度胸、女は愛嬌 春はあけぼの 東京は浅草にやってまいりました〈1〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2177.html


【20170207追記】
 いかんなぁ。焦り気味で書くとボロボロだな。
〈格助詞の「ハ」〉って、いつから「格助詞」になったんだよ。じゃあ何助詞かって言うと、係助詞だろうな……メンドーなんで「助詞」って呼んでおく。文法音痴がバレバレ(泣)。まぁ、本題には関係しないからいいかっ。

 本題の「ハ」の働きを【限度】と言い切れるか否かは、実はけっこう微妙。
 念のため、辞書を再掲する。
https://kotobank.jp/word/%E3%81%AF-597777#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
===========引用開始
大辞林 第三版の解説


( 係助 )
〔現在では「わ」と発音する。助詞「を」の下に付くとき、「をば」となることがある〕
種々の語や文節、活用語の連用形などに接続する。多くの事柄の中から、一つのものを取り出して提示するのが本来の用法である。
①特に一つの物事をとりあげて提示する。 「お酒-ぼくが買う」 「食事-もうすんだ」
②題目を提示して、叙述の範囲をきめる。 「象-鼻が長い」 「ぼく-学生だ」 「今日-よい天気だ」
③二つ以上の判断を対照的に示す。 「行き-よいよい、帰り-こわい」 「親に-孝行、友人に-信義」
④叙述を強める。
㋐〔格助詞・副詞などに付いて〕 意味や語勢を強める。 「たいてい-、そのまま帰る」 「君と-もう会わない」
㋑〔動詞・形容詞の連用形、および助詞「て・で」に付いて〕 一続きの叙述の一部分を強調する。 「絶対に行き-しない」 「なるほど美しく-ある」 「少なくともわかって-いる」 「まだ書いて-いない」 「真実で-ない」
⑤〔「…(で)は…(だ)が」の形で〕 譲歩の気持ちを表す。活用語の連用形に付くこともある。 「雨も、降り-降ったが、ほんのわずかだ」 「ごめんどうで-ございますが」
⑥動作・作用の行われる条件・事態を表す。現代語では「ては」の形で用いられるが、古語では「ずは」「くは」「しくは」などの形をとることもある。 「不正があって-ならない」 「おこられて-大変だ」 「会社として-万全の備えをするつもりです」 「忘れて-夢かとぞ思ふ/伊勢 83」 「あらたまの年の緒お長くあひ見ず-恋しくあるべし/万葉集 4408」 「鶯の谷よりいづるこゑなく-春くることをたれかしらまし/古今 春上」 「恋しく-形見にせよとわが背子が植ゑし秋萩/万葉集 2119」 → ずは(連語) ・ ずば(連語)
⑦文末にあって、終助詞的に用いられる。体言や活用語の連体形に接続して、感動の意を表す。よ。「はも」「はや」などの形をとることがある。 「歯固めの具にももてつかひためる-/枕草子 40」 「あはれ、それを奉り鎮め給へりし-や/大鏡 道長」
⑧(文末にあって終助詞的に用いられ)話し手自身に対して、念を押すような気持ちでの詠嘆を表す。 「すはよい-とて追たそ/史記抄 3」 「又五十字、百字有る歌もあらう-さて/狂言・萩大名 虎寛本」 〔⑦ は上代では「はや」「はも」の形をとる。⑧ は中世以後の用法。近世では「わ」と表記されることが多くなり、現代語で主として女性が用いる終助詞「わ」の源流となる〕 → はや ・ はも(連語) ・ わ(終助)
===========引用終了

「再掲」してみてもそんなに大きくかわっているはずはなく、ほぼ記憶どおり。
『大辞林』の[4]は【限度】ではなく【強調】と考えている。このあたりは、どちらでもいいとも言える。
 その気ハあるけど、【あるだけ】 ……なら【限度】。
 一応頑張ってハみるけど、みるけどさぁ……なら【強調】。このあたりは【言い訳】のほうがピッタリだと思うが、辞書はよほどのことがないとそんな書き方はしない(笑)。

平成23年度「国語に関する世論調査」に対する疑問 失笑 失恋 失効 失念 失禁〈1〉〜〈3〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月29日から

 下記の続き。
【「言葉遣いに気を使っている人」が8割超……噓おっしゃい(失笑)】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1871850778&owner_id=5019671

 文化庁の平成23年度「国語に関する世論調査」の結果が発表されたのが20日。いろいろ疑問を感じ、書こう書こうと思って書けずにいた。もう夏炉冬扇(どこのジジイだ)かと思ったが、29日の「天声人語」が扱っていたので、考え直して書いておく。

>「なにげなくそうした」ということを,「なにげにそうした」と言う
 で、文化庁様としては「なにげに」はまだ許容してないということでよろしいのでしょうか。下記の●●辞書の版元をご指導いただけませんか。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%92%E3%81%AB&dtype=0&dname=0na&stype=3&index=20456800&pagenum=1
================================引用開始
なにげ‐に【何気に】
《「何気ない」の「ない」を取り、形容動詞活用語尾「に」を付けて副詞化した語》⇒何気ない[補説]
================================引用終了

>「寝る前に歯を磨きます。その時に…」ということを,「寝る前に歯を磨くじゃないですか,その時に…」と言う
 これは例文が悪い。そもそも「寝る前に歯を磨きます。その時に…」って言い回しが使われるのはどういうときか考えましょうよ。「歯の磨き方」という解説書ならアリでしょうが、会話でこんな言い方しますか? 「~じゃないですか」を使う人でも、こんな妙な使い方はしないでしょう。

 以下、◎印が正解です。メンドーなのでデアル体で書く。

>煮え湯を飲まされる
>  (ア) 信頼していた者から裏切られる◎・・・・・・・・・・・・・・・・・64.3%
>  (イ) 敵からひどい目に遭わされる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23.9%
 うーん、微妙。当方は両方の意味で使えると思っていたような……。味方限定ですか。しかも「信頼」している。こういう言葉を自分で使うことはまずないからなぁ。ちなみに「敵から」ではなく「敵に」では。

>うがった見方をする
>  (ア)物事の本質を捉えた見方をする◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・26.4%
>  (イ)疑って掛かるような見方をする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48.2%
 これも微妙。当方の語感だと「うがった見方」は「深読みした見方」くらいの意味(妙な日本語だな)。ほぼ(ア)だろな。(イ)ってことはない。
 下記にある古い辞書の記述は興味深い。ただ、この記述が「疑って掛かるような見方をする」と通じるか否かはなんとも……。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7710167.html
 下記あたりだともう何が争点なのか……。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1494524579
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1494524484

>にやける 例文:彼はいつもにやけている。
>  (ア)なよなよとしている◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.7%
>  (イ)薄笑いを浮かべている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76.5%
 これには参った。個人的には「正用」の使い方は目にしたことがない。しかも「誤用」のほうはかなりの頻度で見聞している。ほとんど使われない言葉なら辞書の意味と合致していてもいなくてもあまり問題はない。でもこれは……。

>失笑する 例文:彼の行為を見て失笑した。
>  (ア)こらえ切れず吹き出して笑う◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.7%
>  (イ)笑いも出ないくらいあきれる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60.4%
「笑いも出ないくらいあきれる」なんて解釈があることに驚く。「笑いを失う」と考えれば、そうとれなくもない。失格/失恋/失効……の仲間かも。以前、別の意味で「失笑」について教えてもらった。
【気になった言葉を挙げていきます】(226&243~245)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=12&comm_id=365263&id=2501635
 当方の語感では、「失笑する」は「こらえ切れず苦笑してしまう」くらいの意味。「吹き出し」はしない。

>割愛する 例文:説明は割愛した。
>  (ア) 不必要なものを切り捨てる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65.1%
>  (イ) 惜しいと思うものを手放す◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17.6%
 これも異和感がある。「割愛」をよく見るのは「紙面の都合で一部割愛する」のような例文。「手放す」よりも「(やむをえずに)省略する」に近い。

「天声人語」の全文は下記。
================================引用開始
2012年9月29日(土)付

 生まれては消え、消えては生まれ。うたかたのような言葉の中にも、生き延びて市民権を得るものがある。腹が立つ意味の「むかつく」もどうやら根を張ったらしい。日常会話で使う人が全体の約半数、30代までに限れば4分の3を超えるそうだ▼文化庁の国語世論調査は毎年、ひとしきりの話題を提供してくれる。今年の調べでは、「なにげなく」を「なにげに」と言う人が約3割いた。「正反対」を「真逆(まぎゃく)」、「中途半端でない」を「半端ない」がともに2割強と聞けば、言葉は生きものだと痛感する▼この手の言葉は、若者の間から生まれて、年かさの世代へ攻め上がる。年配層は眉間(みけん)にしわが寄るが、「真逆」も「半端ない」も16~19歳では6割以上が使っている。遠からず定着と相成るのだろう▼これを乱れと見るか、言葉の賑(にぎ)わいと見るか。茨木のり子さんに「日本語」と題する詩がある。〈制御しがたい奔流は/濁りに濁り/溌剌(はつらつ)と流れてゆくがいい/決壊を防ごうと たとえ百万人/力を併せて清潔なダムを作ってみても/そこに魚は住まないだろう〉▼茨木さんは別の随筆で、聞き苦しい言葉は無数にあると言いつつ、「いやな日本語を叩(たた)きつぶせば、美しい日本語が蘇(よみがえ)るというものでもないだろう」と書いていた▼曖昧模糊(あいまいもこ)を「あいもこ」、かくかくしかじかでを「かくしかで」――などと若者言葉は多彩だ。眉が八の字になりかけるが造語の才には脱帽する。頑迷にならず、迎合もせず、生きた濁流を眺めようか。
================================引用終了


失笑 失恋 失効 失念 失禁〈2〉  
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12244656755.html

 直接的には下記の続きだろうな。
【平成23年度「国語に関する世論調査」に対する疑問】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2518.html
 以下は一部の抜粋(重言)。
===========引用開始
>失笑する 例文:彼の行為を見て失笑した。
>  (ア)こらえ切れず吹き出して笑う◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.7%
>  (イ)笑いも出ないくらいあきれる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60.4%
「笑いも出ないくらいあきれる」なんて解釈があることに驚く。「笑いを失う」と考えれば、そうとれなくもない。失格/失恋/失効……の仲間かも。以前、別の意味で「失笑」について教えてもらった。
【気になった言葉を挙げていきます】(226&243~245)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=12&comm_id=365263&id=2501635
 当方の語感では、「失笑する」は「こらえ切れず苦笑してしまう」くらいの意味。「吹き出し」はしない。
===========引用終了

 トピのやり取りを保全しておく。

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[226] 2008年05月28日 19:30

S
>225

(略)
それと、意外に思われるかもしれませんが、「失笑」には本来、「軽蔑して笑う」というニュアンスはありません。ほとんどの人が間違えていますので気をつけましょう。(^^;

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[243] 2008年05月30日 01:35

tobirisu

(略)
>225
>Sさん

>それと、意外に思われるかもしれませんが、「失笑」には本来、「軽蔑して笑う」というニュアンスはありません。ほとんどの人が間違えていますので気をつけましょう。(^^;

 あせり気味に辞書を確認しました。たしかにおっしゃるとおりですね。誰も食いつかないってことは常識……と考えてさらに汗が(泣)。
 ただ、「失笑を買う」とか「失笑を禁じえない」という慣用句の場合は「軽蔑して笑う」のニュアンスですよね。
 これは誤用が広まってからできた慣用句ってことでしょうか。

 恥をかくついでに質問をもうひとつ。
「失笑」の「失」ってどういう働きをしているのでしょうか。 
  1)うしなう……失格/失恋/失効など
  2)そこなう……失策/失言など
「失礼」あたりはどちらともとれる……。
 で、「失笑」は、「笑いをそこなう」?

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[244] 2008年05月30日 02:08

A
>243 2008年05月30日 01:35 tobirisu さん

(略)
>「失笑」の「失」ってどういう働きをしているのでしょうか。

「失禁」の「失」と同じだと思います。
「無意識に~してしまう」「~をとめられない」というところでしょうか。

とすると、今気づきましたが、
「失禁」って、「“禁”を禁じえない」のような、ちょっと面白い言葉かもしれません。

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[245] 2008年05月30日 02:27

A
追って気づきましたので、連投失礼します。

243 2008年05月30日 01:35 tobirisu さん
>「失笑を買う」とか「失笑を禁じえない」という慣用句の場合は「軽蔑して笑う」のニュアンス

いや、「失笑を買う」のほうは、本来の「失笑」を「されてしまう(ようなことをした)」ということで
意味は通ると思います。

「失笑を禁じえない」のほうは、言われてみれば、
本来の意味だとすると重複表現っぽくなってしまいますね。

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[246] 2008年05月30日 18:17

S
225で最初に「失笑」について書いたSです。

実はこれ、最近の「おバカブーム」「インテリブーム」「雑学ブーム」でその種のTV番組が乱立していますが、そういった番組のひとつで紹介されていたもので、私自身、それまでは誤解した意味で「失笑」を捉えていました。

「軽蔑して笑う」意味としては、「冷笑」というのがありますが、最近は「失笑」が幅を利かせていて、あまり耳にしません。
ただ、自分の感覚では「冷笑」には「とことん見下す」ニュアンスがあるのに対し、「失笑」(もちろん誤用としてですが)には「軽く見下す」ニュアンスがあって、そんなに悪くないと思っています。

「一生懸命」が本来「一所懸命」の誤用でありながらも、もはや主流になっているように、「失笑」も誤用の意味が定着してもそんなに悪くないんじゃないかなと思っています。

ついでに似たような事例を幾つか。

「姑息」に「ひきょう」や「ずるい」というニュアンスはありません。
「陳腐」に「古臭い」や「程度が低い」というニュアンスはありません。
「憮然」に「むっとして不機嫌になる」というニュアンスはありません。
「こじゃれた」に「ちょっとお洒落な」というニュアンスはありません。

全部最近のTVを観て自分の用法が誤っていたことを知らされた言葉です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



失笑 失恋 失効 失念 失禁〈3〉  
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12244668613.html

 テーマサイトは下記。
【失笑の誤用の方の意味の熟語ってないですか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9620268.html
===========引用開始
文章を書くときに「呆れて笑いを失う、まったく笑えない」
みたいな状況を表したい事態によく直面します。
つい、失笑した…と書きたくなるのですが、それは誤用なので、
その間違った方の意味の熟語があれば教えて欲しいです。
===========引用終了

 まず「失」の働きを確認する。
https://kotobank.jp/word/%E5%A4%B1-521044#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
===========引用開始
デジタル大辞泉の解説
しつ【失】
1 うしなうこと。損失。
2 あやまち。失敗。「利潤に耽るは商人の失」
3 きず。欠点。「学者の失は人を侮(あなど)る」
4 野球で、失策の略。エラー。「三失」「遊失」


しつ【失】[漢字項目]
[音]シツ(漢) [訓]うしなう うせる
[学習漢字]4年
1 なくす。うしなう。うせる。「失業・失点・失望・失恋/遺失・消失・焼失・喪失・損失・得失・紛失・忘失・滅失・流失」
2 うっかり出してしまう。「失禁・失言・失笑」
3 あやまち。しくじり。「失策・失敗/過失」 
===========引用終了

[漢字項目]のほうがわかりやすいだろう。『大辞泉』の[漢字項目]は、ちょっとした漢和辞典のように使える(「使えない」ことも多かった気がするけど)。
 うーむ。「うっかり出してしまう」か。これは「うっかり〜してしまう」でよいのでは。「うっかり禁を出す」って……。「うっかり出してしまう」だとほかにもいろいr……ぐゎ、何をするんだ。
 言うまでもなく、「失笑」の誤用は「1」の意味で解釈したのだろう。ただなぁ。〈1〉〈2〉で見た「国語に関する世論調査」だと6割超が誤用しているそうな。そんな●●がホントにそんなにいるんだろうか。

 それは別にして、本題。
「正用」の「失笑」の類語なら「苦笑」「苦笑い」「微苦笑」「薄笑い」あたりが近いかな。
「誤用」の「失笑」の類語は……熟語限定だと浮かばないorz。
「茫然(自失)」「唖然」あたりだろうか。
 ちょっと捻って「脱力」かな。
 熟語でなければ、「ドン引きする」「しらける」「呆れる」「言葉を失う」あたりだろうか。
「言葉を失う」つながりで「閉口(する)」もアリかも。

 こういう事態がさらに悪化すると、「失言」は「言葉を失う」こと、なんて珍解釈も出てくるのだろうか。なんだかなぁ。
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