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このマンガを読め! 2005~2008

mixi日記2008年1月18日

 年明け早々に入手して、4年分ズルズルと読んでしまった。4冊並べて装丁の統一感のなさに呆れる。意識的にやっているんだろうけど、毎年判型までかえる目的がわからない。2008年版の表紙は……江口寿史ですか。さすが「イラストも描けるマンガ家」と呼ばれるだけある。でもなあ、江口さんを使うならもう少し活かし方がないのかなあ。全般に本の作り方としては残念なところも目立つ。どう見ても潤沢な予算があるとは思えないからしょうがないと言えばしょうがないけど。とりあえず、各年の上位作品をリストアップする。

●2005
1 PLUTO 浦沢直樹・手塚治虫
2 DEATH NOTE 大場つぐみ
3 夕凪の街 桜の国 こうの史代
4 愛すべき娘たち よしながふみ
4 のだめカンタービレ 二ノ宮知子
6 おおきく振りかぶって ひぐちアサ
7 刺星 中野シズカ
8 シグルイ 南條範夫(作)・山口貴由(画)
8 団地ともお 小田扉
10 水鏡奇譚 近藤ようこ
11 バジリスク 甲賀忍法帳 南條範夫(作)・せがわまさき(画)
11 ヒストリエ 岩明均
13 シガテラ 古谷実
13 血だるま剣法 おのれらに告ぐ 平田弘史
13 プラネテス 幸村誠
13 マエストロ さそうあきら
13 万祝 望月峯太郎
13 魔女 五十嵐大介
19 ハチミツとクローバー 羽海野チカ
19 ホムンクルス 山本英夫

●2006
1 失踪日記 吾妻ひでお
2 きょうの猫村さん ほしよりこ
3 大奥 よしながふみ
4 もやしもん 石川雅之
5 働きマン 安野モヨコ
6 愛がなくても喰ってゆけます。 よしながふみ
7 僕の小規模な失敗 福満しげゆき
8 シグルイ 南條範夫(作)・山口貴由(画)
9 監督不行届 安野モヨコ
10 ハチミツとクローバー 羽海野チカ
11 スラムダンク、あれから10日後 井上雄彦
11 へうげもの 山田芳裕
13 俺と悪魔のブルーズ 平本アキラ
13 コーヒーもう一杯 山本直人
13 ジャカランダ しりあがり寿
16 ヴィンランド・サガ 幸村誠
16 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 安彦良和
16 NANA 矢沢あい
16 ピアノの森 一色まこと
16 よつばと! あずまきよひこ

●2007
1 デトロイト・メタル・シティ 若松公徳
2 舞姫 テレプシコーラ 山岸涼子
3 へうげもの 山田芳裕
4 群青学舎 入江亜季
5 大阪ハムレット 森下裕美
6 鈴木先生 武富健治
7 ハチミツとクローバー 羽海野チカ
8 真説 ワールド・イズ・マイン 新井英樹
9 いけちゃんとぼく 西原理恵子
9 岳 石塚真一
9 臨死!!江古田ちゃん 瀧波ユカリ
12 大奥 よしながふみ
12 少女ファイト 日本橋ヨヲコ
12 世界の孫 SABE
12 わにとかげぎす 古谷実
16 ディアスポリス リチャード・ウー(脚本)・すぎむらしんいち
16 長い長いさんぽ 須藤真澄
16 凪渡り 高浜寛
16 パーマネント野ばら 西原理恵子
16 闇金ウシジマくん 真鍋昌平

●2008
1 海街diary1 蝉時雨のやむ頃 吉田秋生
2 ハチワンダイバー 柴田ヨクサル
3 フラワー・オブ・ライフ よしながふみ
4 山へ行く 萩尾望都
5 レッド 山本直樹
6 闇金ウシジマくん 真鍋昌平
7 海獣の子供 五十嵐大介
8 アンラッキーヤングメン 大塚英志(作)・藤原カムイ(画)
9 盆堀さん いましろたかし
10 ボーイズ・オン・ザ・ラン 花沢健吾
11 HUNTER×HUNTER 冨樫義博
12 Real Clothes 槇村さとる
13 大東京トイボックス うめ
13 トロイメライ 島田虎之介
13 よつばと! あずまきよひこ
16 大阪ハムレット 森下裕美
16 邪眼は月輪に飛ぶ 藤田和日郎
16 精G ひさうちみきお
16 船を建てる 鈴木志保

 うーむ。なんと申しましょうか。『このマンガがすごい』とほぼ一緒と言うべきか、まったく嗜好が違うと言うべきか。細かいことを分析していくと、長大な論文になる可能性もある。とりあえず、さわりだけ(と、誤用だか正用だかわからない曖昧な使い方をしてみる)。
 識者が選ぶ昨年度のベストスリーは、『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』『ハチワンダイバー』『フラワー・オブ・ライフ』あたりでいいのかな。『君に届け』になると、もう意見が分かれてしまう。個人的に興味が湧くのは、2年前からランキングに入っている『よつばと!』、「モーニング」から移籍した(『ブラックジャックによろしく』と違って何も話題になっていない)『大東京トイボックス』あたりかな。
 気になった記述をメモしていく。
 2005年版のP.71~の記述によると、2004年にマンガの新刊の発行点数が1万点を超えた。それ以前に表紙に「新刊発行点数一万冊」とうたってある。単純計算で1日30冊弱。このうちコンビニ向け単行本が1300点。安直に作った再編集本のことだろう。近年やたらに目立つけど、そんなに出てるのね。あんなことをやっておいて「ブックオフがなんたら」「マンガ喫茶が云々」言うのはどうなんだろう。
 2006年版P.66の記述によると、「マンガ出版は96年以降、とくに雑誌は売上・部数ともに前年比割れを続け」ているそう。P.79の記述だともっとヤバい。2004年度は前年比売上が2.2%、部数が3.6%減。部数は10年連続で前年割れ。
 その一方で、2006年版P.80にあるすごい話。パチンコ・パチスロのキャラクター使用料。契約金が2000万円程度。使用料率は価格の10%が相場。遊技機の価格は5万円くらいなので、1台5000円くらいだとか。ちなみに売上トップと思われる「北斗の拳」は60万台以上売れている。となると使用権は30億円を超えるって。計算合ってる?
 呉智英は倉本遼のことが気になるらしく、2006年版(P.86)と2008年版(P.158)の座談会で話題にしている。倉科名義と元々の司敬のほかに高村圭、火野俊平ってペンネームも使っているらしい(ネット情報によると、滝上峻、兜司郎なんてのもあるらしい)。いったいどれだけの連載をもっているのか見当もつかない。まともに論評する気にならないのはわかる。あの人たちが認めたがらないことも、予想がつく。でもどんなに否定的な意見が飛び交っても、ここまで売れちまえば勝ちだろうな。
 2008年版P.149の柴田ヨクサルの話。「ヤングアニマル」の大看板だった柴田は、将棋マンガを描きたくて「ヤングジャンプ」に移った。「ヤングアニマル」では将棋マンガは地味だからダメって断られたとのこと。そんな事情があったのに、なぜか「ヤングアニマル」は羽海野チカの将棋マンガを始めている。相当話がよじれてるな。『ハチクロ』のあとに将棋マンガを描きたいって言ってた羽海野チカは、媒体がないので集英社から白泉社に移った印象がある。白泉社にしてみれば「地味だ」と断ったけど、『ハチワンダイバー』が予想外に盛り上がっているんで、将棋マンガもイケると考えたんだろうな。ブタを引いたとしか言いようがない。

【続きは】↓
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フリーランスの編集者兼ライターです。

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