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「斜に構える」をめぐって【2】

 下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1129089107&owner_id=5019671

mixi日記2009年12月02日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353365897&owner_id=5019671

 下記の続き。
「斜に構える」をめぐって【1】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-873.html

「斜に構える」の意味と用法を考えるための調査は続く。
 とりあえず、辞書を引こうか。(←まずそっちが先だろ!)

 ネット辞書から。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%96%9C%E3%81%AB%E6%A7%8B%E3%81%88%E3%82%8B&dtype=0&dname=0na&stype=0&pagenum=1&index=09838808424800

【『大辞泉』】=========================
斜(しゃ)に構・える

1 剣道で、刀を斜めに構える。
2 身構える。改まった態度をする。
・「風上へ―・え、糸のように目を細くして立ち竦んでいる」〈里見・多情仏心〉
3 物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨む。「世間に対して―・える」

◆この句の場合、「斜」を「ななめ」とは読まない。

【『大辞泉』】=========================
斜(はす)に構・える

「斜(しゃ)に構える」に同じ。
================================

【『大辞林』】=========================
斜(しゃ)に構(かま)・える

[1]剣道で、刀を敵に対して斜(なな)めに構える。
[2]物事に正面から接するのでなく、ことさらずれた対応の仕方をする。
・―・えた態度
[3]物事に対して十分に身構える。改まった態度をとる。
・伴蔵は蚊帳の中に―・へて待て居る〔出典: 怪談牡丹灯籠(円朝)〕
================================

 あのね。辞書っていうのは、複数の意味がある場合、よく使われる意味を先にもってくるもんだよね。どっちもイチバンに剣道の話をもってくるのはどうなの?
「1」の意味で使っている例があるならもってきなさいよ。少なくとも当方は見たことがない。剣道の試合や時代小説の立ち合いで、上段に構えることや正眼に構えることはあるだろう。でも「斜に構える」ことはめったにないと思うよ。なにより、「刀を斜に構えた」なら文字どおりの意味で、慣用句でもなんでもない。辞書にのせる意味はないよ。そこから派生して「2」や「3」の意味で使われるってことでしょ。しっかりしてよ。
 で、注目ポイントがあと2つある。
 ひとつめ。『大辞泉』に「斜(はす)に構・える」が「斜(しゃ)に構える」と同じと書いてあること(後述)。
 もうひとつ。『大辞泉』と『大辞林』で「2」「3」の順番がいれかわっている理由はわからない。ただ、どちらも誤用と正用を併記している。簡単に言うと「露悪的」か「改まった」か。どちらが本来の形なのかは用例を見ればすぐにわかる。古い書物では「改まった」の意味で使われている。
 ここまでは冷静でいられた。念のため、手元の辞書を引く。

【『広辞林』】=========================
しゃ【斜】はすかい。ななめ。〈―に構・える〉1)手にする武器を斜めに構える。2)身構えする。気取った態度をとる。
================================
 
 ここまでも冷静って言うよりね……。
 話の都合上、辞書を引いた順番を入れ替えている。実際は最初に引いたのは下記の『成語林』。このテの慣用句なんかの辞書としては信頼を置いている。これを読んで動揺してしまった。

【『成語林』】=========================
斜に構える
(剣術で、刀を斜め下にさげて構えることから)正面から立ち向かわず、きどったり、皮肉な態度をとったりするする。
【注意】「ななめに構える」と読むのは誤り。
================================

 何度か読み返すうちに、冷静さを取り戻す。
 この記述がヘンなんだよ。「剣術で~ことから」という書き方は適切だろう。先の辞書もこういう書き方をするべき。ただし、「刀を斜め下にさげて構える」ってどういうこと。その場合剣先はどうなってるの? 剣先が上を向けた状態で握った柄を下げるのはちょっと異和感。フツーに考えると、剣先は下を向いているよね。それは下段の構えだから変則的で、、意味がかわってくる(「地ずり八双」とかは正式な呼称ではないらしい)。
 最大の問題は「きどる」の解釈。
 どこまで行ってもわかりにくいorz。
 ネット辞書(『大辞泉』)を引く。下記の「1」だろう。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%8D%E3%81%A9%E3%82%8B&dtype=0&dname=0na&stype=0&pagenum=1&index=05162004317700

================================
き‐ど・る【気取る】[動ラ五(四)]

1 体裁をつくろい、もったいぶったり、とりすましたりする。「人前で―・る」「―・った話し方」「―・らない人柄」
================================

 これに関してはほかの辞書も似たようなもの。
 さて、「きどる」は「露悪的」と「改まった」のどちらに近いのか?
 これがどちらにもとれそうだから話が混乱する。
『成語林』の記述を見るに、「正面から立ち向かわず」なんだから、「露悪的」に近いと解釈するのが素直だろう。それは近年広まった解釈だろう。なんの注釈もなしにそっちだけを書くのはマズいだろう。
 これが『広辞林』だと事情がかわる。
「身構えする。気取った態度をとる」の「気取った」はどっちかと言うと、「改まった」だろうな。もし「露悪的」の意味で書いてるなら、正反対の意味をなんの断わりもなく併記していることになる。もしそうなら、それなりの書き方をしないと●●だよ。

 やや煮詰まった(誤用だって!)ので話をかえよう。
 そもそも当方はなぜ「斜に構える」を「露悪的」の意味で使うのは誤用、と認識したのか。昔のことは覚えていない。ただ、誤用関係の本で何回も目にした気がする。なかでも強烈に印象に残っている呉智英の本。書名が……わからないので検索してみた。「藤原喜明 斜に構える」で見つけた。(全文は末尾に)
http://blogs.dion.ne.jp/henachoco/archives/3350301.html 

 1988年の刊行直後に買ったはず。もうそんなにたつのねorz。
 手元の現物が見つからない。明確な記憶(ケッ!)とほぼかわらないので、↑のサイトを信じることにする。
「真摯さに欠ける皮肉な態度を意味するのではなく、刀を斜めに構える、すなわち刀を抜いて正眼に構えることで、相手の出方に対し十分な身がまえをすること」
 まあ、そんなとこだ。
 このサイトの正眼の話に踏み込むと、話がさらにややこしくなるのでやめておく。
 こうして見ていくと、当方が【1】で書いたことはおかしくないはず。
 辞書の記載も、『成語林』を別にすれば、本来はそういう意味だったことがうかがえる。

 では、「斜に構える」はどのように使えばいいのか。
 おそらく、どのような形ででも使わないほうがいいと思う。
【1】で、「役不足」が正しく使われている例を紹介した。再度リンクを張っておく。
【よく目にする誤用の御三家】2008年03月16日
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

「役不足」が正しく使われている実例は珍しいと思うが、意味が決まっているのだから同じようなものを考えることはできる。
 ところが「斜に構える」の場合は、辞書を見ても「露悪的」と「改まった」という正反対みたいな意味があるのだから、使いようがない。
 結局、いいかえるしかないのか。
 本来の意味の「改まった」なら、「正々堂々」とか「真摯に」とか……まあ、こちらの使い方は少ないか。
 新しい意味の「露悪的」なら、「物事を斜めに見る」とか「シニカルな態度をとる」あたりが無難な気がする。「斜めに構える」とか「ハスに構える」でもいいかなと思ったが、『大辞泉』や『成語林』にしかられそうなのでやめておく。
 
 こうして、またひとつ使えない言葉が増えてしまう(泣)。
 
 ちなみに、温泉などに入っヌクヌクになった場合は、「改まった」とはちょっと違います。
 いつの間にか貯金箱がいっぱいになった状態も、「改まった」とはちょっと違います。
 さらにちなみに、『成語林』にしかられるのはとってもイヤ。ユウコ●ンならしかられてみたいかも。


http://blogs.dion.ne.jp/henachoco/archives/3350301.html
================引用開始
斜にかまえる


言葉につける薬

呉智英氏の著作"言葉につける薬"で「斜にかまえる」という言葉が、真摯さに欠ける皮肉な態度を意味するのではなく、刀を斜めに構える、すなわち刀を抜いて正眼に構えることで、相手の出方に対し十分な身がまえをすることなのだと読んだのは、ずいぶん前の話だが、その際腑に落ちない箇所が一つあった。

それは、文庫版の補論にあるプロレスラー藤原喜明氏のエピソードで、彼が鳶職人であった父親を「高い足場の上でダボシャツにお守り下げて鉢巻き姿、斜に構えてぎゅうっとにらんだ写真が何枚もあった」と語った言葉に対し、呉氏が「知識人ではなく肉体労働者の方が正しい言葉を使っていることに私は感動を覚えた」と記している所である。

僕は中学の時に剣道をかじった事がある。正眼の構えとは竹刀の先端を相手の喉元に向け正対する事だと教わった。

右足は前に置き左足は後方に引くが、上体は相手に正対する。

(今になって思えばこれも腑に落ちないのだが)呉氏の文章にある"刀を斜めに構える"が、構えた姿を横から見た状態、すなわち、手元が臍の辺りで、切っ先が相手の喉の高さまで斜めに上がっている事を指すのなら、確かにその一点を持って"斜"の構えであると言う事も出来る。

しかし、構えている本人に取って、斜めと言う意識は無い。刀は真っ直ぐ相手の喉元に向けられている。それが正眼の構えなのだ。

刀を持った状態でさえ、斜めの部分を探すのに、無理やりなこじつけを必要とするのに、得物を持たない藤原氏の父親が斜に構えた姿と言うのは一体どういうものだろう。体を開いて身体を斜めにした状態、すなわちダークダックスがデューワーとやる時に取る姿勢以外考えられない。

・・・

正眼の構え=相手に正対すると捉えていた僕にとって、この疑問は頭の片隅にずうっと居心地悪く転がっていた。

最近はネットという便利な物があるから、もちろんそれで調べても見たが、今ひとつ納得の行く答えは得られなかった。

だが、今回蓮翠さんの記事にコメントした事をきっかけに、再び調べて見た結果、自分なりの結論を得る事が出来た。

木刀を握ってみると分かるのだが、僕が習った正眼の構えで上体を相手に正対させる姿勢には無理がある。

刀を握る際には右手が前方に、左手が手元に来る。その間は握りこぶし二つほど開けるだろうか。

この状態で剣先を相手の喉元に向け、自然な姿勢をとろうとするならば、右肩が前に出て左肩は後ろに引くのが合理的であろう。

さらに右足を前に、左足をやや開いて後方に引けば、身体のどこにも無理な捩れが生じず、楽な姿勢で構える事が出来る。

孫悟空が棒を構えた姿勢と言えば分かり易いだろうか。

思えばこの姿勢は、フェンシングやボクシングのファイティングポーズに共通する物であり、それら二つの競技では上体を相手に正対させる構えは取らない。

ボクシングで上体を相手に正対させる事があるとしたら、明日のジョーがノーガード戦法を取る時以外ないだろう。

・・・

十分な身がまえをする時、身体は自然に斜に構えられる事になるのだ。

僕が習った剣道の正眼の構えは、たぶん現代剣道において一般的な物なのだとおもうのだが、その正眼の構えと、古来からある剣術の正眼の構えとは実は別物なのではなかろうか。

正眼がどういう構えであるのかはともかく、斜の構えというのはこういうものではないかという物に出会った。

「現代タイ捨流剣法免許皆伝秘話 - 加来耕三 -」

このエッセイにある加来耕三氏の写真がそれである。

改めて呉氏の文章を読んでみると、相手に向かって正対するとは一言も書いていない。刀を斜めに構えて十分に身構えると書いている。

辞書を引いてもそうだ。「何かに対し、構え過ぎるほどの姿勢を取る」これは新明解第四版、広辞苑第三版では「身構える、改まった態度をする」とあり、正対するとは一言も書いていない。

どうも、正眼(青眼)の構えすなわち相手に正対する物という誤解が呉氏の文章を誤って読解する原因になっていたのではないかと思う。
================引用終了


【20100218追記】
 下記のサイトを見つけた。やはりちゃんと辞書類を踏まえたやり取りは信頼が置ける。
http://kotobakai.seesaa.net/article/8238179.html
================引用開始
2005年10月17日
「斜に構える」についての不審
【315】
「斜に構える」についての不審
Yeemar
- 04/8/22(日) 13:22 -
----
「斜に構える」(しゃにかまえる)とはどういう意味か。それは「正対する」ということである。『広辞苑』にもそう載っている――と、ことばに関る仕事の方(かりにAさん)から伺い、おどろきました。

まずその『広辞苑』を見ると、初版では
剣道で、手にしている得物をななめに構える。また、身構する。改まる。気取った態度をする。
第2版・第3版では
剣道で、刀をななめに構える。転じて、身構える。改まった態度をする。
第4版では
剣道で、刀をななめに構える。転じて、身構える。改まった態度をする。また、正面から対応せず、皮肉な態度をとる。
第5版(現在)では
剣道で、刀をななめに構える。転じて、身構える。改まった態度をする。また、正面から対応せず、皮肉な態度をとる意にもいう。
とあり、「正対する」とは書いてありません。ただし「改まった態度をする」とは書いてあり、この部分が「正対する」となんとなく通ずるようでもあります。とはいえ、この「改まった態度」は「身構えた態度」ということでしょう。

「春色梅児誉美」(1832-33)には「(此糸という花魁が)どうして恥をすゝがんと胸をいためて、湯どのより出るらう(廊)下の中の間に、しやにかまへたる彼(かの)鬼兵衛」とあります。『日本古典文学大系』の注には「ふくむ所ある姿勢をして」。にやにやしながら懐手でもしていたのか。あごでもさすっていたのか。

『三省堂国語辞典』(第5版)では、「しゃにかまえる」と「はすにかまえる」とを区別している模様。「しゃにかまえる」は、「刀をななめに構える」ものの、体の向きは(言及はないが)正面を向いているようです。一方、「はすにかまえる」は、「相手をまっすぐに見ず、からだをななめにして対する」と釈しています。

Aさんは、このあたりのことを言われたものかもしれません。真相は現時点ではよくわかりません。


【316】
Re:「斜に構える」についての不審
佐藤
- 04/8/23(月) 19:27 -
----
▼Yeemarさん:
>ただし「改まった態度をする」とは書いてあり、この部分が「正対する」となんとなく通ずるようでもあります。とはいえ、この「改まった態度」は「身構えた態度」ということでしょう。


「改まった態度をする」の意味があるとは知りませんでした。勉強になりました。『新明解』第5版に
(b)何かに対し、構え過ぎるほどの姿勢を取る
とあり、『新明解古語』補注版第2版に
(2)しゃちこばって構える。きちんとした態度をする
とあります。このあたりになると、「正対する」により近いニュアンスになりますね。「全力でことにあたるべく身構える」のような語釈も浮かんできますが、私自身用例に当たりきれてないので何とも。
なお『新明解古語』は元になった姿勢を次のように記します。この構えがどういう時に取られるものなのかが分かると糸口になりそうですが。
剣道用語で、刀をさげて両手で柄を持ち、刀を筋違いにして向こう斜めに構えることから



【317】
Re:「斜に構える」についての不審
KS
- 04/8/24(火) 14:23 -
----
▼佐藤さん:
>「改まった態度をする」の意味があるとは知りませんでした。勉強になりました。『新明解』第5版に

『新明解古語』補注版第2版に
>
(2)しゃちこばって構える。きちんとした態度をする
とあります。このあたりになると、「正対する」により近いニュアンスになりますね。


同感です。
 一般の使用例では「正面から(正攻法で)対処しないで皮肉やからかいの態度で臨む」の意(正対とは逆の用例)が多い様に思いますが、これは本来の意味とは間違った使用例なのでしょうか。
「流れに掉さす」もそのうちに流れに逆らうの意味が一般化していく?様に。
 


【319】
Re:「斜に構える」についての不審
佐藤
- 04/8/25(水) 22:39 -
----
▼KSさん:
> 一般の使用例では「正面から(正攻法で)対処しないで皮肉やからかいの態度で臨む」の意(正対とは逆の用例)が多い様に思いますが、これは本来の意味とは間違った使用例なのでしょうか。


↓んん、ここまで言い切れる人がいるとは……
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/reader/200406/2004062700059.htm#0003


【320】
Re:「斜に構える」についての不審
KS
- 04/8/26(木) 10:38 -
----
▼佐藤さん:
この種の言葉(専門用語が一般化したもの)には本来の意味とは違う解釈や使われ方をするものがままありますね。
 「若干16歳でオリンピック出場」とか云いますが、語源は「弱冠」で20歳。「…本来「じゃっかん」は20歳であり、16歳や21歳であってはいけないのだ…」と子どもの頃国語の先生に教えられたのが印象に残っています。


【321】
斜の構え
佐藤
- 04/8/29(日) 16:50 -
----
実際、どんな構え方なのか。とりあえず香取神道流という流派の画像がありました。
http://members.hknet.com/~cjj/japanese/shinto/shinto.html

一方で「青眼の構え等と言われる斜の構え」といった表現もあり、(流派によっては)最も基本的な構えを「斜の構え」と言ったのか。http://www5a.biglobe.ne.jp/~ichini/bbs7/799658955847011.html

流派によって「斜の構え」で表す姿勢が異なるので、それを反映して「斜に構える」が「正対する/正対しない」両用の意味で使われるようになったのか…… この考えに拘泥するつもりはありませんが、とりあえず、可能性の幅を見極めるために挙げておきますね。


【322】
Re:「斜に構える」についての不審
岡島昭浩
- 04/8/29(日) 22:12 -
----
『日本国語大辞典』の「正構」のところに、「斜に構える」の用例がありました。
せい-こう【正構】[名】受太刀(うけたち)の構(かま)えの一つ。正しい構えで相手の刀を受けとめること。*浄瑠璃・道中龜山噺-六「臂を落して斜に構へるせいこうの受方も、はて能教へたものじゃよな」


また、『近世上方語辞典』では、
剣道で、剣・棒などを斜めに構える。一説、笏(しゃく)に構えるか。
としています。〈ななめに構えていないじゃないか〉という意識からそのような語源説が出てきたのでしょうか。

『嬉遊笑覧』巻四武事には、
斜に構る
○(安斎随筆)に、しやにかまへるといふ俗語剣術より出たる詞なり 立て刀を提げ両手に柄を持刀をすぢがひになして向ふを斜に構へると云なり かやうの事何のわけも知らずして人なみにいふこと多し 扇をしやにかまへ其外何にてもかまへる物ある也 さもなき空手にいふはいかヾといへり おもふに空手にて正体に居らず筋かひにかまへたらんは斜にかまふなるべし(葉子譜)【(広百川学海)癸集に収む】刻画品の骨牌に斜眼また斜歯といへるあり 其図を見るに牌の縁の黒き処上下にすぢかひて星あるは斜眼なり 歯のかたも筋かひたるは同じ斜といふ事是にて明らかなり
とありました。
================引用終了




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テーマ : ことば
ジャンル : 学問・文化・芸術

「斜に構える」をめぐって【1】

 下記の仲間。
●日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1129089107&owner_id=5019671

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353273124&owner_id=5019671

 昨日の日記のコメント欄で「斜に構える」の話を書こうとして迷路に入る。
「斜に構える」ってホントはどういう意味で、どう使うべきなんだろう。
 ムヤミに長くなりそうなので、2回に分ける。
 まず、【1】で過去にmixi日記に書いたことを確認する。

【読書感想文『「超」文章法』】2008年10月06日(2003年1月に書いたもの)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=954734558&owner_id=5019671
================================
【引用部】
 斜に構えた辞典は、そのまま引用に使える。有名なのはビアースの『悪魔の辞典』だが、かなり棘(とげ)があるので、一般向きではないかもしれない。(p.149)

 この「斜に構える」は、さすがに誤用だろう。本来の意味である「身構えた」「気取った」の意味に取れなくはないが、相手が『悪魔の辞典』じゃ誤用の意味の「ひねくれた」「冷笑的な」ぐらいの意味にとられる可能性が高い。
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【よく目にする誤用の御三家】2008年03月16日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=746503742&owner_id=5019671
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 3)(斜に構える)はもはや誤用とはいえない気もする。1)や2)の誤用は目にしたことがない天下の朝日新聞様でも、3)に関してはもっぱら誤用のほうを使っている。これに関しては「○月の朝日新聞から」のシリーズで何度か書いているので、興味のある方はご確認いただきたい。
================================

 で、「○月の朝日新聞から」に何を書いたか確認してみた。

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04-9-2
9月8日
「きまじめに見てはいけない番組」というのがあると思う。後ろに引いたり、斜に構えたり。視聴者は自分なりの“距離”を取りながら見ているはず。(朝刊36面)
 こちらもテレビ番組の紹介記事。この「斜に構える」は誤用だろうな。意味としては眉に唾をつけながら」ぐらいがいちばん近い。そう考えると、「後ろに引いたり」も相当ヘン。あとの文にある「自分なりの“距離”」に対応しているんだろうが。
================================
07-7-3
12日
一票では変わらないと斜に構える御仁がいるが、棄権の零票ではなお変わらない。(朝刊1面)
 天下の(?)「天声人語」もこういう表現を使うようになったのね。「斜に構える」も使いやすいがために誤用として定着しつつある。「斜に構える」「さわり」「役不足」を、定着しつつある誤用の御三家と勝手に考えている。先に書いた「足元をすくう」や「射程距離」あたりもかなり危ういところにいる。ただ、「射程距離」はうるさく言う人が増えたせいか、「射程圏」とかにしている例も増えてきた気がする。辞書的には正しい「射程」は、さすがに言葉足らずの印象があるせいか、あんまり見ない。
================================
07-7-4
14日
特に20代は斜に構え、頑張るなんてかっこ悪いと思っていた。(23面)
「俳優」の濱田マリのコメント。ちょっと意外だったけど、最近の新聞は女性でも「俳優」って書くのかね。「女優」は性差別用語なんだろうか。なんか違うよな。
================================
07-12-3 
25日
 そう斜に構えなくても、という向きもあろう。(朝刊1面)
 7月にも「天声人語」に「斜に構える」が出てきた。同じ書き手だろうな。正用とも読めなくないからタチが悪い。
================================

 こうして並べてみて、微妙にズレている気がする。こんなに偉そうに書いて違っていたら、とんだ恥さらし……(泣)。


【続きは】↓
「斜に構える」をめぐって【2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-874.html

テーマ : 雑談
ジャンル : 学校・教育

おにーちゃんの知恵袋18──友達なくすな~

 下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1129089107&owner_id=5019671

mixi日記2009年12月01日から

 下記の仲間か?
●おにーちゃんの知恵袋 お品書き
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1328615684&owner_id=5019671



 こういう話をしても一般人に通じないだろうから控えているネタのひとつに、将棋の話がある。
 将棋の世界で使われる言い回しに「友達をなくす」というのがある。囲碁の世界でも言うか否かは不明。
 大昔にまだ若手だった先崎学(敬称略、以下同)が使っているのを見たか聞いたかしたのがこの言い回しとの出会いだった。
「友達をなくす」というのは、細かいニュアンスを別にすると、「ものすごく堅実な指し方」のこと。悪く言うと性格の悪い指し方。類語で言うと「安全勝ち」とか「勝負にカラい」とかは紀元前からあった。
 主として優勢のほうが、万が一にも負けない指し手を選ぶこと。ルール違反ではないし、悪いことではない。でもそこまでしなくても……という感じの指し方を言う。これをやられると、相手は精神的に大きなダメージを負う。「なぶり殺し」って言葉が近いかもしれない。
 何年か前にテレビ対局のゲストに来た森本レオ(有段者)が手堅い指し手に「友達なくすな~」と呆れた様子で言ったのが記憶に残る。
 繰り返すが、決して悪いことではないし、責められることではない。一部の棋士を除けば、一流のプロ棋士は皆カラい指し方をする。激カラ三兄弟とか呼ばれた、丸山忠久元名人(この棋士がまた人懐っこい顔をしてエグい手を指す)、藤井猛(お人好しの顔をしてエグい手を指す)、森内俊之元名人(見た目のまんまエグい手を指す)は3人ともA級(名人に次ぐ棋士の最上級クラスで、定員10人)にいる。


 先日、大学の同窓生と久しぶりに会った。
 そのなかに、高校の国語教師と学習塾講師がいた。この2人が「ラ抜き言葉」を使うのが最初から気になってはいた。一般人が使う分には何も言う気はない。ただ、そろそろ若手とは呼べない歳の国語教育者が……とは思っても温厚な常識人は黙っていた。
 話の流れで、世の中は「言うべきことは言わなければいけない」と言う話になった(ここ重要。試験に出ます)。そのテーマならカードは売るほどあるよ(笑)。

 さらに話は進み、クダンの2人が「ラ抜き言葉」の連発で応酬する。さすがに気になったが黙っている。こいつらだって、文章を書くときには使わない(はずだ)。
「だいたい若い頃って斜に構えてるもんだろ」と塾講師が言う。
 剣道経験者の高校教師は何も言わない。まあ、剣道を経験してても知らないヤツは知らないか。こうなると話し言葉限定で「ラ抜き言葉」を使う……ってのとは話が違う。「斜に構えて」が3回目に出たとき、たまりかねて口を挟んでしまった。
「それは誤用だよ」
 どこが誤用なのかわからないようだった。「誤解」と解釈したのかもしれない。メンドーなので説明はしなかった。
 そのうち高校教師が愛猫の話を始める。
 最近、猫の寿命が大幅にのびたらしい。たしかに昔は長命の猫はあまりいなかった気がする(磯野家のタマは除く。ついでに書くとドラえもん兄妹も除外したい)。犬はけっこう長生きしたけど。
 それは、食生活が改善されたためだとか。昔の猫が食べていた人間の残飯は栄養がないうえに塩分がきついのでみんな腎臓をやられて死んでいった。
 ホントなのか? 栄養面に関して人間で考えてみると、粗食のほうがはるかに健康的だろう(成育はよくないけどさ)。人間の寿命がのびたのは、食い物がよくなったせい? 最大の要因は衛生面を含む医学の進歩だろ。猫もそうだと思うよ。昔は猫を獣医に診せるなんてことはめったになかったよね。昔の猫がホントに腎臓をやられたかどうかはわからんけど。
 なおも猫話が続く。猫というのはとても賢くて飼い主の愛情に敏感なんだそうな。
 ちょっと待て。一般に、犬と猫のどちらが賢いのかな。一般に、犬と猫のどちらが飼い主の愛情に敏感かな。個体差があるだろうから許そうか。
 猫は愛情に敏感だから、捨てられると深く傷ついて生きる気力を失う。捨てられた猫は絶望して縁の下かなんかに潜んで動こうとせず、何かを食べる気力を失って餓死してしまう。
「この話を聞いて、感心したよ」
 という言葉に、さすがに黙っていられなくなる。
「センセーとしては、その感動的な話を生徒に教えてあげるのかな」
「機会があれば、ぜひしてやりたい」
「余計なお節介だとは思うけど、やめておいたほうがいいよ」
「どうしてだ? いい話じゃないか」
 頭悪すぎるみたいだから、どう言えばわかってもらえるかな。
 それは、簡単に言ってしまうと飼い猫だったから、餌の取り方を知らなかっただけじゃないか? あるいは環境への適応力が低いから、野良猫の社会になじめなかったってことだろう。なかにはそういう●●な猫もいるってことだろ。その賢さはタダモノじゃないね。
 いったん話しはじめたら徹底的に言うしかない。

・そんなに頭のいい動物なら、なんとしてでも元の家に戻ろうとしないか。賢いけど帰巣本能が弱いのかな。
・もしいまの話が真実なら、野良猫の数は激減してるよね。だって捨て猫は残らず餓死するんだから。
・猫の精神的なダメージって、そんなに分析が進んでんだ。カウンセリングの記録は残ってるのかな。

 みたいなことを、一方的にまくしたててしまった。
 多少以上にと言うか多少異常にアルコールが入っていたとは言え、ちょっと大人げなかったと反省している。
 途中からまったく話がかわって、できそこないの「天声人語」のようになってるなorz。

テーマ : ことば
ジャンル : 学問・文化・芸術

「怒髪天を衝く」「完璧」の語源〈毒抜き編〉※全体公開

【冒頭部は〈毒入り編〉と同じです】■■■■■■■■■■■■■■■

怒髪天を衝く」「完璧」の語源〈毒入り編〉※公開制限あり
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1344646857&owner_id=5019671

 下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1129089107&owner_id=5019671

mixi日記2009年11月22日から

 少し前に下記のトピが立った。
【髪の毛が逆立つ】正しい日本語、外来語が好き。 トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=48132058

 トピ主の「0」にはいろいろ書いてあるが、要は怒りの表現として使う「髪の毛が逆立つ」の語源が知りたいとのこと。猫の仕草が原点かという着眼点がおもしろい。気持ちはよくわかるけど、ちょっと違うと思う。
『ドラゴンボール』が原典に決まっている……当方の世代だとこの考え方がイチバン素直かも。

「1」のコメントで下記の辞書の記述が紹介される。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/140922/m0u/%E6%80%92%E9%AB%AA/
================================
どはつ 【怒髪】

激しい怒りのために逆立った毛髪。
――=冠(かんむり)(=天)を衝(つ)く
〔史記(藺相如伝)〕激しく怒って髪の毛が逆立ったすさまじい形相。
================================

 真っ先に浮かぶのはたしかに「怒髪天を衝く」。あとでよく考えたら、実際に「髪の毛が逆立つ」なんて表現を使うことがあるのだろうか、って疑問が湧いた。マンガではよく目にするけどさ。

 トピ主から「2」のコメントが入る。ツッコミどころが多すぎて、何をどう書いていいかわからなくなる。
 かろうじて「3」のコメントを入れた。

【tobiクンのコメント】=====================
いくつか質問があります。

1)「1」のコメントのリンク先はお読みですか?
「怒髪衝冠」のことが書いてありますよ。

2)「他」ってどこのことですか?
>他でも質問して調べてみたら、
 どこで質問してどのようなやり取りがあったのでしょうか。リンク先なりを教えていただけませんか。

3)文中の「壁」は「璧」ではありませんか(「完璧」は除く)
「壁」はもっていけないでしょう。
「璧」は「玉」の意味だと思います。
「完璧」の語源も「怒髪衝冠」と同様に『史記』(藺相如伝)のようです。

>何か関係はあるんですかね(∩)?
 関係があると言うか、その話が語源のはずです。
================================
 トピ主の「4」のコメントによると1)には気づかなかったらしい。2)は「質問広場」で訊いたらしい。
 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 mixi以外とのマルチポストか。実物に出会ったの初めてかもしれない。しかも先方のやり取りは削除してしまったとのこと。そうなると、もう何もわかりません。
 あれ。3)に対する回答はないの?

【ここから先が新規原稿】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 手元の『成語林』などを頼りにコメントを入れたが、あんまり気になるのでいろいろ検索してみた。本来は、図書館にでも行って調べるべきだろうが、そこまで気力が湧かない。
 結果。
 泥沼にはまって、訳がわからなくなりつつある。やはりちゃんと調べないとダメだな。と言いつつ、主にネットで調べた結果をもとに書いてしまう。

 こういうときに真っ先に調べるサイトに、「怒髪天を衝く」については書いていなかった。「完璧」については下記のように出ている。
『語源由来辞典』
http://gogen-allguide.com/ka/kanpeki.html

 ここで問題は、こういう記述が何を原典にしているのかということ。
 いろいろ見ると『史記』を引いているものと『十八史略』を引いているものがある。日本ではこの2冊の書物が同じようなものと考えられている。これは恐ろしいことらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%85%AB%E5%8F%B2%E7%95%A5
 この2冊の違いに関して、以前読んだ『お言葉ですが…3) 明治タレント教授』(高島俊男)の文春文庫p.132から引く。正直に書くと、当方もこれを読むまでは「どちらも中国の歴史書」くらいの認識だったorz。いえ、一方は「史略」ですから、簡易版だろうくらいには思っていましたがorzorz。
 高島先生によると、『十八史略』とは以下のようなものらしい。原文では“ ”は使わず傍点をつけている。
================================
 この本ができたのは元の初め、西暦で言うと一三〇〇年前後のころ、書いたのは曾先之(そうせんし)という人である。『十八史略』という題は、『史記』『漢書』等々“十八”種の“史”書の“あらまし”という意味。分量は、もとの十八史の何百分の一という小さなものである。
================================
 
 内容は〈子ども用の教科書〉といったところで〈今の日本で言えば『日本歴史ものがたり』〉なんだとか。室町時代後期頃に日本に入り、江戸時代以降に流行した。それでも江戸時代には、初心者用のものという認識があった。
 ところが〈明治以後漢文教科書に多く採用され〉、『史記』などの〈スーパークラスの古典籍との区別がわからなくなってしまった〉。このあとの記述はいま読み直してもおかしい。
================================
 これが自分の国のものなら、古事記や日本書紀は典拠になるが昭和になってからだれかが書いた『日本神話のおはなし』の類は典拠にならないことくらいだれでもわかるのだが、外国のものとなるとそれがわからない。一流と目される辞典が史記と十八史略とをならべて引く、というようなことがおこるのである。
================================

 そういうこってす。ネットで「完璧」について検索するとよくわかる。
 どうやって入力したか知らないが、典拠として『十八史略』を引いて書き下し文や現代語訳をつけているものがすごい数出てくる。
 当方が検索した限り、「完璧」と「怒髪衝冠」の解説になっているのは下記だと思う。
【怒髪衝冠】※後半のみ
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1327630358

 全文は下記だろうか。
http://homepage2.nifty.com/zaco/text/kan/shiki/shiki081_renpa.txt

 これが『十八史略』になると下記のようになる。
【完璧而帰(璧を完うして帰る)】
http://orange.zero.jp/teru.oak/gakusyu/18/heki/top.html

 両者を見比べると、「質問広場」で教えてくれた人も↑の『語源由来辞典』も、どちらを原典にしているのかはわからない。だから原典を明記しないとダメなのよ。
 まあ、幸いなことにこの場合は『十八史略』を典拠にしても間違いではない。(←オイ!)
 ただいずれにしても「壁」の話は出てこない。
 肝心の「怒髪衝冠」の話も、原典と「2」のコメントとでは微妙に違う。原典では、「髪を逆立て」たのは璧を取り返したあと。「2」のコメントだと、取り返すときに「髪を逆立て」ている。それはヘンでしょ。このあたりは元のやり取りが削除されているので、何も確認できません。

 段々訳がわからなくなりつつあるので、結論を確認しておくと、怒りで「髪を逆立て」るの原典は『史記』の「藺相如伝」(正確には「廉頗・藺相如列伝」?)に出てくるエピソード(おそらく「完璧而帰」というタイトル)。知名度では、同じ話に出てきてタイトルにもなっている「完璧」のほうが上だろう。
 スーパーサイヤ人がこのことを知っていたか否かは不明である。

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第862回「マジック(手品)をしたことありますか?」──第839回「手品できますか?」とどう違うんだろう

第839回「手品できますか?」──乗馬ではイチバン大切なものらしい

 無理っす。マジ無理っす。省略形がマジッす……マジック。
 ……何も思いつかない。
 手を替え品を替え。省略形が手品……ってことはありませんよね。
 
 乗馬ではイチバン大切なものです。
 てーじなテジナ……いくらなんでも苦しい。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

o( ̄ー ̄;)ゞううむ
ネタギレで苦しんでいるのは当方だけではないらしい。
 
【トラックバックテーマのバックナンバー】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-category-22.html

【全体のお品書き】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-132.html

こんにちは!トラックバックテーマ担当本田です。今日のテーマは「マジック(手品)をしたことありますか?」です。今日は12月3日ワン!ツー!スリー!から奇術の日だそうです。よく小学生のころ、トランプでマジックを練習したり、マジックキットを買ってみたり、何かひとつでも習得したい!とがんばっていました。しかし、今は何一つできませんちょっとしたときにさりげなくマジックができると格好いいですよねみなさまはマジ...
FC2 トラックバックテーマ:「マジック(手品)をしたことありますか?」


「前戯」は変換できるのだろうか(笑)

 下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1129089107&owner_id=5019671


【ネタ元】ITmediaニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0912/03/news024.html
================================
Googleが日本語入力システム参入 β版無料公開
Googleが日本語入力システムを公開した。Webから自動で辞書を生成。強力なサジェスト機能も備えている。

2009年12月03日 11時05分 更新

 Google日本法人は12月3日、同社初の日本語入力システム「Google日本語入力(ベータ)」を公開した。Webサイトから無料でダウンロードできる。

 Webから自動で辞書を生成、新語や専門用語、芸能人の名前なども網羅した。Web上の大量のデータから統計的言語モデルを構築し、変換エンジンを構成、高い変換精度を実現したという。冒頭の数文字を入力すると候補語を提示するサジェスト機能も搭載している。Windows XP/Vista/7(それぞれ32ビット版)とMacに対応する。

 同社のソフトウェアエンジニア3人が、20%ルール(勤務時間の20%を好きなことに使える制度)で開発をスタート。社内のエンジニアや社外のフリー日本語入力システム開発者などの協力を得て開発した。
================================

 例によってmixiニュースは途中で切れている(最後の段落がない)。なんでこういうことをするんだろう。

 この記事に関して知り合いから下記のコメントをもらった。
================================
日本語関係の話題ということで
Google が、日本語入力ソフトウェア(いわゆるIME)を作ったそうです。

http://googlejapan.blogspot.com/2009/12/google_03.html

Google が収集した膨大な Web データから、自動的・機械的に辞書を生成することで、「桁違いの語彙力」を実現したとか。

うーん、ヘンな日本語が広く定着するのを後押しするだけじゃないか…。
================================

 問題は「桁違いの語彙力」が何を意味するか。【ネタ元】を見ると予測変換が充実しているらしい。これは一長一短で、個人的な経験で言えば最終的にはこのテの機能は外すことが多い。
「ヘンな日本語が広く定着するのを後押しするだけ」って可能性は否定できない。青少年をこれ以上ミスリードするのはやめてね。
 教育的な意味合いを考えるなら、「前戯」はぜひ採用してほしいけど(笑)。これって最近のツールだと変換できるのかな?
 まさかと思うけど、「適宣」とか採用してないよね。
94)【ネットが広めた誤用……etc.──「教授する」か「教示する」か】11月24日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1346411816&owner_id=5019671

 できれば、ありがちな誤用を指摘してくれるなら助かるんだけどな。
 たとえば、当方は単語登録で「しゅし」と入れると〈「主旨」は使わない〉が出るようにしている。何回調べても忘れるから、こういう力業的な手段に出た。
 ↑で書いた「直裁」なんかも、〈「直截(ちょくせつ)」では?〉とか出るといいんだけど(それもウットーしいかな)。
 あと、「ひもとく」は「繙く」だけ出ればいいから。「紐解く」とか「ひも解く」なんてめったに使わないから、出なくていいよ。
【「紐解く」と「繙く」の違い】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=18459809

 ほかにも「さわり」「役不足」あたりには警告を出してほしい。「斜に構える」の警告は長くなるからパスしていいよ(笑)。
【よく目にする誤用の御三家】(2008年03月16日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=746503742&owner_id=5019671

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