発売開始 新発売 新発見 就航中
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354427241&owner_id=5019671
mixi日記2010年05月15日から。
下記の続き?
「故障中」は誤用なのだろうか
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-44.html
テーマサイトは下記。
【「発売開始」は正しいですか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1040804765
質問の内容はタイトルのとおり。
まず結論を書いてしまう。
論理的に考えれば「発売開始」はたしかにおかしい。「発売」か「販売開始」にするべきだろう。
これを「重言」と考えるか否かは微妙。たしかに「重言」と言えば「重言」なのだが、個人的には別の問題だと思う。重言に関しては下記参照。
【重言の話4(第1稿) 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-863.html
個人的には、「瞬間」と「継続」の問題と考えている。この概念を正確に表わすのはむずかしい。簡単に言うと、動詞(この場合は正確には「名詞」)のなかには「瞬間」の意味合いが強いものがあり、一般の動詞とはちょっと違う性質がある、ってことになる。
本来は「瞬間」を表わす「発売」は「開始」とは結びつかない。「発射開始」「出発開始」とかも相当異様。
じゃあ「発売開始」は誤用かと言うと、「こっちはフツーに使うでしょうね」としか言いようがない。
ここから先は問題を3つに分けてみる。
1)「瞬間」に関係する言葉&「継続」に関係する言葉
「瞬間」を表わす言葉をいくつかあげる。
「開戦」「終戦」「開幕」「閉幕」
「開○」という言葉の多くはこれだろう。こういう言葉に「開戦開始」とか使うと相当異様。すでに「瞬間」の意味があるのに、さらに瞬間の意味がある「開始」をつけるからだろう。
「開始」と逆の意味合いをもつのが「中」だろう。こちらは「継続」に関係する。
「中」の場合は「継続」を表わすたいていの言葉につけることができるが「瞬間」を表わす言葉とは相性が悪い。瞬間の意味合いをもつ「開戦」と組み合わせて「開戦中」などとすると、これはこれで異様。
2)「瞬間」でもあり「継続」でもある言葉
これは前に(【「故障中」は誤用なのだろうか】)でいくつかあげた。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-44.html
================================
「瞬間」だけど「継続」でもあるって言葉はいくらでもある。
対になっている言葉なのに「入院」は「瞬間」&「継続」だけど、「退院」は「瞬間」だけ。だから「入院中」はアリだけど「退院中」はナシ。
それがなぜか「入学」と「退学」(フツーは「卒業」か)はどちらも「瞬間」。
================================
このほかに「故障」「出願」「申請」なども微妙。
先日、本来は「瞬間」のはずの「就航」にも「継続」の意味が認められていることを発見して驚いた。思わず【「故障中」は誤用なのだろうか】に追記してしまった。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E5%B0%B1%E8%88%AA&stype=1&dtype=0
================================
しゅう‐こう〔シウカウ〕【就航】
[名](スル)
1 船舶や航空機が初めて航路につくこと。「世界最大のタンカーは明日―する」
2 船舶や航空機がその航路で運行されていること。「現在―している船」
================================
3)「発売」の特殊性
「発売」「発見」「発病」「発狂」などは本来は「瞬間」だろう。一方「発言」「発表」は「瞬間」より「継続」のニュアンスが強そう。
「瞬間」なんだから「発売開始」「発見開始」「発病開始」はヘン。
「瞬間」なんだから「発売中」「発見中」「発病中」もヘンなはず。
こう並べると、「発売開始」「発売中」は異和感が弱いことがわかる。
もうひとつ、論理的に考えると「新発売」もヘンになる。「新」の場合は「新発見」もさほどおかしくない。
このあたりは論理的にどうのこうのできる問題ではないと思う。矛盾語のひとつとして許容するしかない。
【論理的には説明できない「矛盾語」たち──日本語はむずかしい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-904.html
o( ̄ー ̄;)ゞううむ
相当あやしげなことを書いてるなぁ。この話だと先行研究もありそうだ。大丈夫なんだろうか。
「発売開始」が重言だとしよう。ここでさらに「~から発売開始」だと「三重言」なのかという話を始めると、事態は収拾不能になる(笑)。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354427241&owner_id=5019671
mixi日記2010年05月15日から。
下記の続き?
「故障中」は誤用なのだろうか
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-44.html
テーマサイトは下記。
【「発売開始」は正しいですか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1040804765
質問の内容はタイトルのとおり。
まず結論を書いてしまう。
論理的に考えれば「発売開始」はたしかにおかしい。「発売」か「販売開始」にするべきだろう。
これを「重言」と考えるか否かは微妙。たしかに「重言」と言えば「重言」なのだが、個人的には別の問題だと思う。重言に関しては下記参照。
【重言の話4(第1稿) 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-863.html
個人的には、「瞬間」と「継続」の問題と考えている。この概念を正確に表わすのはむずかしい。簡単に言うと、動詞(この場合は正確には「名詞」)のなかには「瞬間」の意味合いが強いものがあり、一般の動詞とはちょっと違う性質がある、ってことになる。
本来は「瞬間」を表わす「発売」は「開始」とは結びつかない。「発射開始」「出発開始」とかも相当異様。
じゃあ「発売開始」は誤用かと言うと、「こっちはフツーに使うでしょうね」としか言いようがない。
ここから先は問題を3つに分けてみる。
1)「瞬間」に関係する言葉&「継続」に関係する言葉
「瞬間」を表わす言葉をいくつかあげる。
「開戦」「終戦」「開幕」「閉幕」
「開○」という言葉の多くはこれだろう。こういう言葉に「開戦開始」とか使うと相当異様。すでに「瞬間」の意味があるのに、さらに瞬間の意味がある「開始」をつけるからだろう。
「開始」と逆の意味合いをもつのが「中」だろう。こちらは「継続」に関係する。
「中」の場合は「継続」を表わすたいていの言葉につけることができるが「瞬間」を表わす言葉とは相性が悪い。瞬間の意味合いをもつ「開戦」と組み合わせて「開戦中」などとすると、これはこれで異様。
2)「瞬間」でもあり「継続」でもある言葉
これは前に(【「故障中」は誤用なのだろうか】)でいくつかあげた。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-44.html
================================
「瞬間」だけど「継続」でもあるって言葉はいくらでもある。
対になっている言葉なのに「入院」は「瞬間」&「継続」だけど、「退院」は「瞬間」だけ。だから「入院中」はアリだけど「退院中」はナシ。
それがなぜか「入学」と「退学」(フツーは「卒業」か)はどちらも「瞬間」。
================================
このほかに「故障」「出願」「申請」なども微妙。
先日、本来は「瞬間」のはずの「就航」にも「継続」の意味が認められていることを発見して驚いた。思わず【「故障中」は誤用なのだろうか】に追記してしまった。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E5%B0%B1%E8%88%AA&stype=1&dtype=0
================================
しゅう‐こう〔シウカウ〕【就航】
[名](スル)
1 船舶や航空機が初めて航路につくこと。「世界最大のタンカーは明日―する」
2 船舶や航空機がその航路で運行されていること。「現在―している船」
================================
3)「発売」の特殊性
「発売」「発見」「発病」「発狂」などは本来は「瞬間」だろう。一方「発言」「発表」は「瞬間」より「継続」のニュアンスが強そう。
「瞬間」なんだから「発売開始」「発見開始」「発病開始」はヘン。
「瞬間」なんだから「発売中」「発見中」「発病中」もヘンなはず。
こう並べると、「発売開始」「発売中」は異和感が弱いことがわかる。
もうひとつ、論理的に考えると「新発売」もヘンになる。「新」の場合は「新発見」もさほどおかしくない。
このあたりは論理的にどうのこうのできる問題ではないと思う。矛盾語のひとつとして許容するしかない。
【論理的には説明できない「矛盾語」たち──日本語はむずかしい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-904.html
o( ̄ー ̄;)ゞううむ
相当あやしげなことを書いてるなぁ。この話だと先行研究もありそうだ。大丈夫なんだろうか。
「発売開始」が重言だとしよう。ここでさらに「~から発売開始」だと「三重言」なのかという話を始めると、事態は収拾不能になる(笑)。
スポンサーサイト