「自然に」と「自然と」の違い3※微毒アリ編
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486031711&owner_id=5019671
mixi日記2010年08月29日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1571263432&owner_id=5019671
テーマトピは下記。
【「と」の使い方】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=55864554
下記の続きでもある。
29)【日本語アレコレ──「自然に」と「自然と」の違い】(2009年04月03日)(以下【1】と表記)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-305.html
30)【日本語アレコレ──「自然に」と「自然と」の違い2】(2009年04月07日)(以下【2】と表記)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-588.html
毒アリ編ですが、当面は公開制限はしません。トピにリンクを張ることもないでしょう。リンクを張る場合は前半を削除します。
(中略)
なんでそんな強引な考え方をする必要があるのかな。当方は副詞の「自然」に「と」がついたものだと思う。そのほうが素直だから。「自然と」が1語の単語として認められているかは微妙。たぶん現段階では辞書にもないから認められていないんだろうね。
ここから先は毒控えめで少しまともなこと?を書く。
【1】から抜粋する。(【一覧】部を再度調べ直してみた)
================================
1)副詞の働きをする「○○に」と「○○と」の違い
同じように両方の形をとるものとして思いつくもの。
「意外に」「意外と」
「割合に」「割合と」
「割に」「割と」
以前は「意外に」「割合に」「割に」が正しい日本語で、「意外と」「割合と」「割と」は俗語、話し言葉の類いとされていたはず。最近は採用している辞書もあるらしい。古い話は記憶に頼っているだけなので、強く主張する気はない。
「自然に」「自然と」も、ほぼ同様だと思っていた。古い用例があるから、「自然と」もアリなんだろう。ただ、個人的には、「自然と」は使いにくい。原則として「自然に」を使う。ほかも同様で、「○○に」が自然な日本語だと思う。
念のため、ネット辞書と手元の『広辞林』(1988年版)で調べてみる。
大辞泉 大辞林 広辞林
意外と 有 無※1 無
割合と 無 無※2 無
割と 有※3 有 有
※1 なぜか調べることさえできない(泣)
※2 「割と」の意味に「わりあいと」があるのに項目がない(笑)
※3 「割に」と同じ、とあるからフツーに考えれば「割に」が本筋だろう。
================================
【一覧】部分の再調査結果
大辞泉 大辞林 広辞林 品詞
意外と 無※1 有 無 「意外」名詞/形容動詞
割合と 無※2 無※3 無 「割合」名詞/副詞
割と 有※4 有 有 「割」名詞
自然と 無※5 無※6 無※7 「自然」名詞/形容動詞/副詞
※1 「意外」の項に下記の注あり。
◆現在では「意外に」と同様、「意外と知られていない事実」のように「意外と」の形も用いられる。
※2 「割合」の項の副詞の用例に「―(と)やさしい問題」とあり。
※3 「割合」の項の副詞の用例に「―(と)早く治る」とあり。「割と」の意味に「わりあいと」があるのに項目がない(笑)
※4 「割に」と同じ、とあるからフツーに考えれば「割に」が本筋だろう。
※5 「自然」の項の副詞の用例に「無口だから―(と)友だちも少ない」「大人になれば―(と)わかる」とあり
※6 「自然」の項の副詞の[1]に(「に」や「と」を伴うこともある)とあり。
※7 「自然」の項の副詞の用例に「―(―に・と)ねむくなる」とあり。
3つの辞書を見比べた結果わかること。
意外と 1語と見るか否かは説が分かれる。
割合と 1語ではないらしい。副詞の「割合」+「と」と考えるのが素直だろう。
割と 1語と考えることができる。
自然と 1語ではないらしい。副詞の「自然」+「と」と考えるのが素直だろう。
疑問が残るのは「意外と」。1語ではないとすると、「意外と」をどう考えればよいのか。この「と」はなんなのか。【1】で見たように、『大辞泉』によると「ある状態を説明する意を表す」のは副詞に付いた場合だけ。これは『大辞泉』がヘンなんだろう。
ほかの辞書をひく。
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%A8&dtype=0&dname=0ss&stype=1&pagenum=1&index=113712900000
================================
と
1 (格助)
[5]動作・状態の様子を表す。
きっぱり―あきらめる
ぐらぐら―揺れる
あふれた水が道路を川―流れる
貴公子然―すます
意外―いい出来だ
================================
この[5]と考えるのが妥当だろう。「意外と」の用例も出ている。ほかの用例を見ればわかるように、副詞のほかに名詞に付くことがある。手元の『広辞林』には「状態を強めていう」として、何につくと限定してはいない。
そう考えると、「自然と」は名詞の「自然」+「と」と考えてもいいのかもしれない。
(中略)
ここで話は少しかわる。
自分ではどう使っているか、ってことなら事情は大きくかわる。
【1】で書いたように「意外と」「割合と」「割と」「自然と」は原則的に使わない。どうしても俗語っぽく感じるので、原則的には「に」を使う。話し言葉っぽい雰囲気を出すために、あえて「と」を使うこともあるけど。
「○○と」と「○○に」ではニュアンスが異なるという主張を目にすることがある。否定する気はないけど、肯定する気はもっとない。そんな微妙な違いは理解できないし、説明のしようもない。
「自然」を副詞で使うか否かに関しては、使わない。なんか異和感があるから。
さらに言うと、「自然に」も滅多に使わない気がする。「おのずと」「必然的に」などを使う。
ただ、このあたりは好みの問題だから、人に強制する気はさらさらない。まして自分の異和感を理由に「自然」の副詞用法はおかしい、なんてムチャを書いたりはしない。
仕事のゲラでまじめな文章に「割合と」とあったら、〈本来は「割合に」〉くらいのメモはつけるかもしれないけど。ホントにつけたこともあったような……。
「○○と」と「○○に」は基本的にいれかえが可能だと思うが、例外もある。
1)割に安い
2)割と安い
1)と2)はほぼ同義で、どちらでもおかしくない。
3)その割に安い
4)その割と安い
4)はかなりヘン。理由は見当もつかない。
5)意外に安い
6)意外と安い
5)と6)はほぼ同義で、どちらでもおかしくない。
7)意外に感じられる
8)意外と感じられる
8)はちょっとヘン。理由は見当もつかない。
【1】で書いたように、『大辞泉』の用例にある「無口だから―(と)友だちも少ない」も「に」にはしにくい。この理由も見当がつかない。
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【「と」の使い方】
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下記の続きでもある。
29)【日本語アレコレ──「自然に」と「自然と」の違い】(2009年04月03日)(以下【1】と表記)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-305.html
30)【日本語アレコレ──「自然に」と「自然と」の違い2】(2009年04月07日)(以下【2】と表記)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-588.html
毒アリ編ですが、当面は公開制限はしません。トピにリンクを張ることもないでしょう。リンクを張る場合は前半を削除します。
(中略)
なんでそんな強引な考え方をする必要があるのかな。当方は副詞の「自然」に「と」がついたものだと思う。そのほうが素直だから。「自然と」が1語の単語として認められているかは微妙。たぶん現段階では辞書にもないから認められていないんだろうね。
ここから先は毒控えめで少しまともなこと?を書く。
【1】から抜粋する。(【一覧】部を再度調べ直してみた)
================================
1)副詞の働きをする「○○に」と「○○と」の違い
同じように両方の形をとるものとして思いつくもの。
「意外に」「意外と」
「割合に」「割合と」
「割に」「割と」
以前は「意外に」「割合に」「割に」が正しい日本語で、「意外と」「割合と」「割と」は俗語、話し言葉の類いとされていたはず。最近は採用している辞書もあるらしい。古い話は記憶に頼っているだけなので、強く主張する気はない。
「自然に」「自然と」も、ほぼ同様だと思っていた。古い用例があるから、「自然と」もアリなんだろう。ただ、個人的には、「自然と」は使いにくい。原則として「自然に」を使う。ほかも同様で、「○○に」が自然な日本語だと思う。
念のため、ネット辞書と手元の『広辞林』(1988年版)で調べてみる。
大辞泉 大辞林 広辞林
意外と 有 無※1 無
割合と 無 無※2 無
割と 有※3 有 有
※1 なぜか調べることさえできない(泣)
※2 「割と」の意味に「わりあいと」があるのに項目がない(笑)
※3 「割に」と同じ、とあるからフツーに考えれば「割に」が本筋だろう。
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【一覧】部分の再調査結果
大辞泉 大辞林 広辞林 品詞
意外と 無※1 有 無 「意外」名詞/形容動詞
割合と 無※2 無※3 無 「割合」名詞/副詞
割と 有※4 有 有 「割」名詞
自然と 無※5 無※6 無※7 「自然」名詞/形容動詞/副詞
※1 「意外」の項に下記の注あり。
◆現在では「意外に」と同様、「意外と知られていない事実」のように「意外と」の形も用いられる。
※2 「割合」の項の副詞の用例に「―(と)やさしい問題」とあり。
※3 「割合」の項の副詞の用例に「―(と)早く治る」とあり。「割と」の意味に「わりあいと」があるのに項目がない(笑)
※4 「割に」と同じ、とあるからフツーに考えれば「割に」が本筋だろう。
※5 「自然」の項の副詞の用例に「無口だから―(と)友だちも少ない」「大人になれば―(と)わかる」とあり
※6 「自然」の項の副詞の[1]に(「に」や「と」を伴うこともある)とあり。
※7 「自然」の項の副詞の用例に「―(―に・と)ねむくなる」とあり。
3つの辞書を見比べた結果わかること。
意外と 1語と見るか否かは説が分かれる。
割合と 1語ではないらしい。副詞の「割合」+「と」と考えるのが素直だろう。
割と 1語と考えることができる。
自然と 1語ではないらしい。副詞の「自然」+「と」と考えるのが素直だろう。
疑問が残るのは「意外と」。1語ではないとすると、「意外と」をどう考えればよいのか。この「と」はなんなのか。【1】で見たように、『大辞泉』によると「ある状態を説明する意を表す」のは副詞に付いた場合だけ。これは『大辞泉』がヘンなんだろう。
ほかの辞書をひく。
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%A8&dtype=0&dname=0ss&stype=1&pagenum=1&index=113712900000
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と
1 (格助)
[5]動作・状態の様子を表す。
きっぱり―あきらめる
ぐらぐら―揺れる
あふれた水が道路を川―流れる
貴公子然―すます
意外―いい出来だ
================================
この[5]と考えるのが妥当だろう。「意外と」の用例も出ている。ほかの用例を見ればわかるように、副詞のほかに名詞に付くことがある。手元の『広辞林』には「状態を強めていう」として、何につくと限定してはいない。
そう考えると、「自然と」は名詞の「自然」+「と」と考えてもいいのかもしれない。
(中略)
ここで話は少しかわる。
自分ではどう使っているか、ってことなら事情は大きくかわる。
【1】で書いたように「意外と」「割合と」「割と」「自然と」は原則的に使わない。どうしても俗語っぽく感じるので、原則的には「に」を使う。話し言葉っぽい雰囲気を出すために、あえて「と」を使うこともあるけど。
「○○と」と「○○に」ではニュアンスが異なるという主張を目にすることがある。否定する気はないけど、肯定する気はもっとない。そんな微妙な違いは理解できないし、説明のしようもない。
「自然」を副詞で使うか否かに関しては、使わない。なんか異和感があるから。
さらに言うと、「自然に」も滅多に使わない気がする。「おのずと」「必然的に」などを使う。
ただ、このあたりは好みの問題だから、人に強制する気はさらさらない。まして自分の異和感を理由に「自然」の副詞用法はおかしい、なんてムチャを書いたりはしない。
仕事のゲラでまじめな文章に「割合と」とあったら、〈本来は「割合に」〉くらいのメモはつけるかもしれないけど。ホントにつけたこともあったような……。
「○○と」と「○○に」は基本的にいれかえが可能だと思うが、例外もある。
1)割に安い
2)割と安い
1)と2)はほぼ同義で、どちらでもおかしくない。
3)その割に安い
4)その割と安い
4)はかなりヘン。理由は見当もつかない。
5)意外に安い
6)意外と安い
5)と6)はほぼ同義で、どちらでもおかしくない。
7)意外に感じられる
8)意外と感じられる
8)はちょっとヘン。理由は見当もつかない。
【1】で書いたように、『大辞泉』の用例にある「無口だから―(と)友だちも少ない」も「に」にはしにくい。この理由も見当がつかない。
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