下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html日本語アレコレの索引(日々増殖中)【5】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1669912728&owner_id=5019671
mixi日記2011年01月30日から
タイトルは、本文とあまり関係ありません。(←オイ!)
で、テーマサイトは下記。
【あるの尊敬語など】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59690195
質問の雰囲気を残したいので全文を転載する(さすがに余計な改行は削除する)。
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敬語を勉強している者ですが、
ある問題で
A 王さんはご兄弟がいらっしゃいますか。
B いいえ、_______。私は一人っ子です。
私はおりません。と書きましたが、問題の答えはございません。でした。
いろいろと調べているうちに、ござります。は
1.居る、行くの尊敬語
2.あるの丁寧語 とありました。
ございません、も言えるのかどうか意見を聞きたくトピックを作成させていただきました。
それから「ある」の尊敬語ってあるんですかね。
質問はおありになりますか。等
よろしくお願いいたします。
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要約すると質問は2つだろう。
A 「いいえ、ございません。私は一人っ子です。」と言えるか否か。
B 「ある」の尊敬語は何か
つい最近考えたこと。
偶然か必然か、敬語表現にはいろいろな意味で使えるものが多い。「行く」と「来る」なんて紙一重って気がする。英語のcomeの話を絡めると収拾がつかなくなり、tobiクンの大嫌いな下ネタの話にも手が届く……。
以下、非常におおざっぱに書く。基本的にWeb辞書の『大辞泉』を信用?する。『大辞林』の記載と大きく異なる場合は注記する。辞書の引用は末尾参照。
メンドーな話になるのでやめようと思った(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1663229795&owner_id=5019671のコメント欄を参照)が、結局書いておく気になる。できるだけ簡単に済ませたい。
1)いらっしゃる
本動詞としては「行く」「来る」「居る」の尊敬語。
「おいでになる」という意味らしい。
補助動詞としては「ある」「いる」の尊敬語。
本動詞(仮にこう呼ぶ)の「居る」はリンク先を見ると「おる」らしいので、「いる」の尊敬語ではない。ホントかよ。でも「居る」の意味に〈「いる」の古風な、または尊大な言い方〉とあるから、「いる」の尊敬語の意味もあるんだろう。ここで「おる」と「いる」の話を始めるとエラいことになるのでやめておく。同じようなもの、と考えて問題はないだろう。
補助動詞の「ある」の尊敬語の用例を思いつかないが、『大辞林』も同じように書いてあるんだから、たぶんあるんだろう。
2)おいでになる
本動詞としては「行く」「来る」「居る」の尊敬語。
「いらっしゃる」という意味らしい。
補助動詞としては「……ている」の意の尊敬を表す。
本動詞としては「いらっしゃる」と「おいでになる」はほぼ同じもののようだ。補助動詞としては、なぜ「おいでになる」が「尊敬語」でなくなったのかは不明。これも「尊敬語」じゃないかね。「尊敬語」と「尊敬を表す」を同じ意味で使っているなら、辞書として相当ヤバいのでは。ただ、『大辞林』も「尊敬を表す」にしているってことは、何か深いわけがあるんだろう。さらに、「ある」の意味がなくなったのはなぜ?
誰か「いらっしゃる」の〈「補助動詞」の「ある」の尊敬語の用例」〉を教えてください。きっとそれはこの辞書に記述を信じるかぎり、絶対に「おいでになる」にはできないのだろう。
ちなみにここまでの『大辞泉』の記述は、『大辞林』もほぼ同じ。パクリとも思えるほど同じ。
違いがあるとすると、『大辞林』は「いらっしゃる」の本動詞の意味を〈「行く」「来る」「居る」の尊敬語〉にしている(この「居る」が「いる」なのか「おる」なのかは不明)。そいでもって「おいでになる」の本動詞の意味を〈「来る」「行く」「いる」の尊敬語〉にしている。「居る」と「いる」をどう使い分けているんだろう。この段階ですでに気が狂いそうになっている。責任者出てこーい!
さて、気を取り直してここからが本題。
「ございます」が何かと考えると、元々は「ござる」だろう。
「ござる」の「丁寧語」が「ござります」で、その変形が「ございます」。このあたりの詳しい話は本題には関係なので省略する。
3)ござる
本動詞としては「いる」「ある」「行く」「来る」の意の尊敬語。
「ある」の意の丁寧語。「5」の意味はパス。
補助動詞としては「ある」「いる」の意の丁寧語。
4)ござります
本動詞としては「来る」「行く」「いる」の意の尊敬語。
「いらっしゃいます」という意味らしい。
本動詞としては「ある」の丁寧語。「ございます」という意味らしい。
補助動詞としては
「ある」「いる」の丁寧語の「ござる」を、さらに丁寧にいった語。
5)ございます
本動詞としては「ある」の意の丁寧語。「あります」より丁寧な言い方。
補助動詞としては「ある」の意の丁寧語。
蛇足と言えば蛇足だけど、3)はちょっと注意が必要。この「丁寧語」はほぼ古語の世界で、現代語の「丁寧語」とはちょっと意味合いが違う。
現代語の感覚だと、「ござる」は常体で、「丁寧語」は「ございます」になる(はず)。昔は、「ござる」が「丁寧語」だったのだろうか。辞書によると、現代語の「ます」「です」に相当するのは「はべり」「候ふ」だったらしい。そうなると「ござはべり」「ござ候ふ」は二重敬語なんだろうか(笑)。知らね。
「ござる」→「ござります」→「ございます」
と見比べていてわかること。
・「ござる」→「ござります」の段階の変化
「ある」の尊敬語の意味がなくなっている。そもそも「ある」の尊敬語と丁寧語の両方の意味があるのが微妙すぎてどういうことなのかわからない。
・「ござります」→「ございます」の段階の変化
本動詞としては「来る」「行く」「いる」の意の尊敬語の意味がなくなっている。
補助動詞としては「いる」の丁寧語の意味がなくなっている。
■辞書を信じたとりあえずの結論。
A 「いいえ、ございません。私は一人っ子です。」と言えるか否か。
前半部の意味するところは通常「いいえ、いません」だろう。
この「いません」を「ございません」にできるか否か。
「ございます」には「います」の意味はないので、「言えない」。
ただし、「いいえ、ありません。私は一人っ子です。」がアリだとすると話はかわってくる(下記参照)。
B 「ある」の尊敬語は何か
本動詞の「ある」の尊敬語はない。
あえて言うなら「ござる」。ただし、尊敬語なので、自分のことには使えない。
「○○先生には受賞歴がござる」
ならOKなんだろう。これが現代語としてどの程度自然なのかは当方には判断できない。忍者のハットリくんがこんな言葉づかいをしていたような……。
「ございます」には「ある」の尊敬語の意味はない。したがって「○○先生には受賞歴がございます」は丁寧語ではあっても尊敬語ではない。
補助動詞の「ある」の尊敬語は「いらっしゃる」。用例は不明。
ここまでを踏まえると、トピの質問&回答コメントにはヘンなところがいくつかあることがわかる(略……細かくあげようとすると気が遠くなる)。
■辞書を踏まえた当方の主観
「いいえ、ありません。私は一人っ子です。」はアリか。
個人的には、使わない。しかし、「間違い」と断言する気はない。
そうなると、「いいえ、ございません。」が間違いとする根拠はなくなる。
関連する話は下記かな。
174)【「持っている」 「ある」 「いる」】日本語しつもん箱
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1466830181&owner_id=5019671
331)【「持っている」 「ある」 「いる」】【2】日本語
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1617788120&owner_id=5019671
【「持っている」 「ある」 「いる」】【1】【2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1212.html
辞書を信じると、「○○先生には受賞歴がござる」は尊敬語で、「○○先生には受賞歴がございます」は尊敬語ではないらしい。ホントにそうなんだろうか。納得できないけど、辞書に逆らう勇気はない。
まあ、たしかに「当方は文法は嫌いでございます」は尊敬語ではないか。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%A3%E3%81%97%E3%82%83%E3%82%8B&stype=0&dtype=0&dname=0na
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いらっしゃ・る
[動ラ五(四)]《動詞「いらせらる」(下二段)が変化して五段(四段)活用化したもの》
1 「行く」「来る」「居る」の尊敬語。おいでになる。「休日にはどこへ―・るのですか」「先生が―・った」「明日は家に―・いますか」
2 (補助動詞)
(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)「ある」「いる」の尊敬語。「原稿を書いて―・る」
(形容詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形、また形容動詞の連用形に付いて)補助動詞「ある」「いる」の尊敬語。「いつもお若くて―・る」「ご健康で―・る」
◆連用形が丁寧の助動詞「ます」に続くときには、「いらっしゃいます」の形をとる。また、語源は「入らせらる」であるから、「居らっしゃる」と書くのは誤り。
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B&stype=0&dtype=0
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おいで‐に‐な・る【▽御▽出でになる】
[動ラ五(四)]
1 「行く」「来る」「居る」の尊敬語。いらっしゃる。「日曜日は教会へ―・るそうです」「もう―・るころだろうとお待ちしておりました」「明日はお宅に―・りますか」
2 (補助動詞)動詞・形容詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて、…ている、の意の尊敬を表す。「調べものをして―・る」「ご機嫌よくて―・る」
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%94%E3%81%96%E3%82%8B&stype=0&dtype=0
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ござ・る【御座る】
[動ラ四]《四段動詞「ござある」の連体形「ござある」の音変化》
1 「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
「お奏者はどこもとに―・るぞ」〈虎明狂・餅酒〉
2 「ある」の意の尊敬語。おありになる。
「茗荷(めうが)をこし召さぬほどに、御失念は―・るまい」〈虎清狂・鈍根草〉
3 「行く」「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
「いや、誰ぞと存じたれば、やれやれようこそ―・ったれ」〈虎清狂・禁野〉
4 「ある」の意の丁寧語。あります。ございます。
「奏聞申サウズル事ガ―・ル」〈天草本伊曾保・イソポが生涯〉
5 正常な状態でなくなる。
1)恋をする。ほれる。
「内儀は―・ったふりしてしなだれかかれば」〈浮・夫婦気質・下〉
2)食べ物が腐る。
「この魚はちと―・った目もとだ」〈滑・膝栗毛・初〉
3)(「腹がござる」の形で)腹が減る。
「なんと、腹が少し、―・ったぢゃあねえか」〈滑・膝栗毛・四〉
6 (補助動詞)補助動詞「ある」「いる」の意の丁寧語。…でございます。…ております。
「おざれ事で―・らう」〈虎清狂・鈍根草〉
◆室町時代から江戸時代までは広く用いられたが、否定形には室町時代には「ござない」が、江戸時代では「ござらぬ」が使われた。また、江戸時代に入ると「まする」「ます」を伴う形がしだいに一般化し、現代では特殊な場合を除いて「ございます」の形が普通になった。
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%94%E3%81%96%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99&stype=0&dtype=0
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ござり‐ま・す【御座ります】
[動サ特活]《「ござる」の連用形に助動詞「ます」が付いてできた語》
1 「来る」「行く」「いる」の意の尊敬語。動作・存在の主を敬って用い、高い敬意を表す。いらっしゃいます。
「申し、頼うだ人、―・するか」〈虎寛狂・粟田口〉
2 「ある」の丁寧語。ございます。
「都にないと申す事が御座らうか。都には―・せう」〈虎寛狂・末広がり〉
3 (補助動詞)補助動詞「ある」「いる」の丁寧語の「ござる」を、さらに丁寧にいった語。
「ことのほかおもしろう―・する」〈虎寛狂・秀句傘〉
◆活用は「ござりませ(ござりましょ)・ござりまし・ござります(ござりまする)・ござります(ござりまする)・ござりますれ・〇」。現代では「ございます」よりも古風な言い方。
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%94%E3%81%96%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99&stype=0&dtype=0
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ござい‐ま・す【御座います】
[動サ特活]《「ござります」の音変化。近世江戸以来の語》
1 「ある」の意の丁寧語。「あります」より丁寧な言い方。「おあつらえ向きのお品が―・す」「何も―・せんが、どうぞ召し上がれ」
2 (補助動詞)補助動詞「ある」の意の丁寧語。「すでにお願いして―・す」「いかがお過ごしで―・しょうか」「ただ今ご紹介いただいた田中で―・す」「おめでとう―・す」「いっそ死にとう―・す」
◆活用は「ございませ(ございましょ)・ございまし・ございます・ございます・ございますれ・〇」。「ござります」より丁寧の度合いが低く、打ち解けたときに用いられ、さらに、なまって「ござえます」「ごぜえます」ともなる。また、「さようでござい」などの「ござい」は「ございます」のぞんざいな言い方。2の「…でございます」の形は口語文体の敬体の一で、「です」体・「ます」体・「であります」体に対して「でございます」体とよばれることがある。
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E4%B8%81%E5%AF%A7%E8%AA%9E&stype=0&dtype=0
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ていねい‐ご【丁寧語】
敬語の一。話し手が聞き手に対し敬意を表して、丁寧にいう言い方。現代語では「ます」「です」などの助動詞、古語では「はべり」「候ふ」などの補助動詞をつけていう。
◆「(で)ございます」は「ます」「です」よりも高い敬意を表す。
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【追記】
あまりにも訳がわからないので、「4」のコメントを入れる。
ほぼ1日後、「5」「6」のコメントが入る。
(略)