下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html日本語アレコレの索引(日々増殖中)【5】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1669912728&owner_id=5019671
mixi日記2011年02月23日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1678641207&owner_id=5019671 テーマサイトは下記。
【日本語 位 の読み方の質問です。「くらい」 か 「ぐらい」か。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1356138753
何度か取り上げた問題に、別の側面が出てきた。ちょっと虚をつかれた(笑)。
まず、質問の全文を転載する。
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日本語 位 の読み方の質問です。「くらい」 か 「ぐらい」か。
日本語 位 の読み方の質問です。「くらい」 か 「ぐらい」か。
オーストラリアの高校生に日本語の会話を教えてるのですが、漢字の 「位」 の読み方について
はっきりせず困っています。
日本語の質問に答える練習で その質問は 「日本語をどのぐらい(何年間)勉強していますか。」
というものです。 こたえは 「12年位です。」 なのですが、私は単純に質問が 「ぐらい」 となって聞いているので
「12年ぐらいです。」 という答えの例を出しました。 ところが学校の先生は 「12年くらい」と訂正されたのです。
先生の判断が正しいと思いますが、一応、はっきりしたく質問させていただきました。
それと数字が前にくると 「KURAI」になって 言葉がくると 「GURAI」 になるなどの
ルールがあるものなのでしょうか? 教えていただけませんか?
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質問は2つある。
1)「位」を「ぐらい」と読むのは×なのか。
2)「くらい」と「ぐらい」の使い分けのルールがあるのか。
とりあえず質問に答えよう。
1)は一般に×ではないけど、厳密には×とされても文句は言えない。したがって、先生の言っていることは正しい。
ただし、設問が「ぐらい」なんだから、「12年ぐらい」を訂正するならキチンと説明しないと誤解を招く。
2)は「使い分けのルール」はない。ただし、ニュアンスの違いはあるらしい。ほんとに微妙な違いだから、「ない」が正解だろう。
1)の話から見ていこう。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E4%BD%8D&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=00920920813900&pagenum=1
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い【位】
[音]イ(ヰ)(呉)(漢) [訓]くらい
[学習漢字]4年
1 その物の置かれた場所や立場。「位相・位置/体位・転位・部位・方位」
2 官職などにおける地位・身分。「位階/栄位・王位・学位・官位・高位・皇位・在位・爵位・叙位・譲位・即位・退位・地位・優位」
3 比べたり量ったりするときの基準。「単位・本位」
4 等級。また、順位を表す語。「一位・首位・順位・上位・段位・品位」
5 人の敬称。「各位」
[名のり]くら・たか・ただ・ただし・つら・なり・のり・ひこ・ひら
[難読]三位一体(さんみいったい)・従三位(じゅさんみ)
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見てのとおり「位」には「ぐらい」の読みはない。
「12年位」の場合は連濁で「ぐらい」と読んでも間違いではないだろう。ただ、〈厳密には「くらい」〉と主張する人がいるなら反論する気はない。
これは訂正した先生が悪いのではなく、問題(集?)が悪い。質問では「ぐらい」で答えが「位」はありえない。
2)に関しては下記のトピで諸説が飛び交った。
【「くらい」と「ぐらい」】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=28491946
気になったコメントをメモしておく。
「3」。『基礎日本語辞典』によると〈「この・その・あの・どの」には「くらい」が用いられるが、その他の品詞には「ぐらい」の形で続くことが多い〉。
「7」。〈「これっくらいのお弁当箱に」のように、前に「っ」があると「~ぐらい」にはならない〉。
「15」(当方のコメント)
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15
最近に自分の語感に自信がなくなっています。
この問題に関しても、まったくわからなくなっています。
当方には「ぐらい」と「くらい」の違いがまったくわかりません。「これっくらい」(このご指摘は新鮮でした)のような例外を除くと(やはりこれは重言ですか)、どちらを使ってもいいと思っています。
ほんのわずかな違いをあげると、「ぐらい」がなんとなく男性的で、「くらい」がなんとなく女性的、という気がするだけです。個人的には当然のように「ぐらい」を選び、長年使ってきました。
ところがです。
この数年の間に、ライターが「ぐらい」と書いてきた原稿をわざわざ「くらい」に直す編集者を2人見ました。〈「くらい」が正しい日本語〉と感じている人がいるらしい、ということです。
何を根拠にしているのかぜひ知りたいと思っています。よろしくお願いします。
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『明鏡国語辞典』も、↑の『基礎日本語辞典』と同様に、こそあど系の連体詞には「くらい」がつくとしているらしい。
下記のサイトが詳しい。
http://yeemar.seesaa.net/article/14552277.html
ただし、「ぐらい」にしても何もおかしくはない。そういう傾向があると言えるかもしれない、くらいのことだろう。