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第1151回「あなたの癖は?」──やはりイチバンひどいのは「足」でしょうね。一日革靴をはいていた日などハンパではありません。

 とんでもなく、クセ!

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「なくなる」「亡くなる」考〈1〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486031711&owner_id=5019671

mixi日記2010年10月12日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1600713314&owner_id=5019671

 テーマトピは下記。
【おかしい、と思うのは自分だけ?】(903~)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=9829840

「亡くなる」は敬語か否か。
 ずっと前から引っかかっているテーマのひとつ。
 以前、下記のトピの「6」に書いたことを一部抜粋(重言)する。このトピの本題はどこに行ってしまったんだろう(泣)。
【「お承りできません」&二重敬語をめぐって】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43858453&comm_id=365263
================================
 本流の話を少しでも進めたいので、叩き台としてやや無謀なコメントを入れます。
 当方が思いついた「二重敬語」(的なもの)です。 許容されているか否かは不明です。

5 亡くなられる
 以前、原稿に出てきた芸能人に関して「亡くなられた」と書いたら「亡くなった」に修正されたことがある。
 修正した理由は2つ考えられる。
A:とくに敬意を払う必要がないから
B:二重敬語だから
「亡くなる」は「死ぬ」の婉曲表現で、尊敬語ではないだろう。
 ただ、一般に「敬語」と考えられている気がする。個人的には「昨年父が亡くなって……」の類いの表現には異和感がある。
「父が死んで……」でいいのでは。もしくは「父が他界して……」とか。
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 辞書で見る限り、「亡くなる」に敬語の意味合いはない。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B&dtype=0
================================
なく‐な・る【無くなる/亡くなる】
[動ラ五(四)]
2 (亡くなる)「人が死ぬ」の婉曲的な言い方。「恩師が―・られた」
================================
 仮に「亡くなる」が敬語表現なら、「恩師が亡くなられた」は二重敬語になる。辞書がわざわざそういう用例あげるのはマズいでしょうに。
 Web辞書『大辞林』のほうは「無くなる」と「亡くなる」を別の項目にしているが、「亡くなる」の記述自体はほぼ同様。
 手元の『広辞林』にいたっては「婉曲」なんて書き方もしていない(笑)。

 Wikipediaで、ちょっと気になる記述を見つけた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%AC%E8%AA%9E
「死ぬ」の「尊敬語」として「お亡くなりになる」「亡くなられる」「逝去する」をあげ、「丁寧語」として「亡くなる」をあげている。ちょっと待て。「逝去する」は「尊敬語」なのか? ってことは「ご逝去になる」は二重敬語なのか。
「亡くなる」には下記の注がついている。ということは、尊敬表現ではないけど、尊敬表現的ってことだろうか。
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日本国語大辞典(小学館)は「尊敬表現や謙譲表現を用いるべき人に対しても、単に「なくなる」ということもできる。」としている。
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 そいで、テーマトピの話になる。
「904」のコメントによると、『新明解国語辞典』はWeb辞書とほぼ同様らしい。
 問題は「905」のコメント。
 一部を抜粋(重言)する。
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 本来『亡くなる』は尊敬語で、身内に対して使うことも避けられていたわけですが、かなり早い時期(江戸~明治頃)から、ただの丁寧語に変化してきているようです。
 既に一部の辞書で婉曲表現(=丁寧語)と認められていることもあり、一概に二重敬語とは言えない──というのが現状でしょう。
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 信頼できるかたのコメントだから鵜呑みにしてもいいのだが、生真面目なtobiクンは、「907」で確認のコメントを入れた。お返事まだかな?
「(身内が)亡くなりました」と聞くと、ムズ痒くなるのは、当方の感覚が「江戸~明治頃」以前だからなんだろうか(泣)。

 こういうときの裏技で、手元の『古語辞典』(角川書店)をひく。意味は下記の2つで、現代語と大差がない。少なくとも古語の「亡くなる」に敬語のニュアンスはないようだ。
  1)うせる。消える。尽きる。
  2)死ぬ。

 ……とここまで書いて待っていたら、「908」のコメントが入った。
 重要なリンクをいくつか教えてもらった。当方が検索したときにはロクなものが見つからなかったのに……(泣)。
 信頼できるのは下記のNHKの『気になることば』だろう。えっ? バックナンバーは「整理中」ではなく、なくなってるの? なんということを……。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:qRPRtnbTnksJ:www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2005/04/0406.html+%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%B0+%E4%BA%A1%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B+%E5%B0%8A%E6%95%AC%E8%AA%9E
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4月6日(水)
ペットが亡くなる!?
『ペットが亡くなった・・・』ペットも家族の一員という考え方が強くなってきていますが、でもやっぱり違和感がありますよね。そもそも「亡くなる」は人間に対して使う言葉です。また一方で、「亡くなる」を自分や身内に使うのも、おかしいと思う方も多くいらっしゃるかもしれません。しかし、辞書で見てみると、「亡くなる」は“人が死ぬことをやや婉曲にいった”もので、尊敬語などの敬語では無いのです。婉曲に「死ぬ」ことを言う丁寧語なので、本来は、自分にも身内にも使ってよい言葉で、実際江戸時代の文献にも「親が亡くなりました」といった用例も載っています。尊敬語にするには、「お亡くなりになる」と「お」をつけると丁寧になりますよね。そうはいっても、例えば自分に対して、「自分が亡くなった後に・・・」などと使うには、やはり違和感がある人が多いのではないでしょうか。尊敬語ではないとはいえ、敬意を表したい相手に対しても使える言葉なので、同じ言葉を自分に対して使うことに抵抗があるのでしょう。いずれにしても、「ペットが亡くなる」は、おかしな表現ということになるでしょう。
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>尊敬語にするには、「お亡くなりになる」と「お」をつけると丁寧になりますよね
 それは違うだろ。「お~になる」の形で尊敬語になるはず。
 それはそれとして、「尊敬語ではないとはいえ、敬意を表したい相手に対しても使える言葉なので、同じ言葉を自分に対して使うことに抵抗があるのでしょう」か。そういうことなんだと思う。
 
 あと、下記の「Yahoo!知恵袋」も参考になった。当方の主観は、この質問者にきわめて近い。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011329660
 一部を抜粋(重言)する。
================================
(1)「亡くなったXXさん/XX部長/XX先生はよく○○を‥‥」(XX=先輩,上司,先生など)
(2)「亡くなったYYさんは常々‥‥」(YY=後輩,部下)
(3)「亡くなったZZさんは以前から‥‥」(ZZ=赤の他人)
(4)「亡くなった祖父は○○で‥‥」
(5)「亡くなったポチが大好きだった○○を‥‥」(ポチ=愛犬の名前)
という文があったとしたら,

(1)(2)(3)は当然OK。むしろ死んだXX/YY/ZZと言ったらそちらの方が不遜。
(4)は違和感があり,「死んだ祖父が‥‥」と言うべきじゃないの?と感じます。
(5)は論外で,「死んだポチが‥‥」以外にはあり得ない,と思います。
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「なくなる」「亡くなる」考 〈2〉
──XXXは既にお亡くなりになられております Yahoo!知恵袋

mixi日記2011年03月07日から

 テーマサイトは下記。
【お客様から当社のXXX(役員)が亡くなったかどうかの質問に対して……】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1457053229

 質問文のほぼ全文を転載する。
================================
お客様から当社のXXX(役員)が亡くなったかどうかの質問に対して、
「XXXは既にお亡くなりになられております」
という表現は正しいでしょうか?
”お亡くなりになられております”という部分が正しい表現なのか混乱しております。
================================

「お亡くなりになられております」
 間違いではないのだろうが、あまりにもクドい。
 いったい何重構造なんだろう。こういう作業はあんまり好きじゃないんで、何も調べずに乱暴に分解していく。
  お亡くなりになられております
  →お亡くなりになられています+おります(謙譲?)
  →お亡くなりになっています+なられて(尊敬?)+おります(謙譲?)
  →亡くなっています+「お~なりになる」(尊敬)+なられて(尊敬?)+おります(謙譲?)

 ここまで分解(三重敬語?)したうえで、さらに「亡くなる」を身内に使うことの是非が出てくる。
 ↑の〈1〉で書いたように、「亡くなる」は敬語表現ではないが敬意を表わす印象がある。身内には使わないほうが無難だろう。
 ならどう言うか。
 Wikipediaによると「逝去する」も尊敬語らしい。そうなると、「死去する」あたりか。個人的には「死」を使わない「他界する」がいいと思う。
 これを丁寧語にすると、「他界しました」「死去しました」。
 丁寧度を上げるなら「他界いたしました」「死去いたしました」。
 謙譲語(と言うのにはちょっと疑問も感じる)にするなら「他界しております」「死去しております」。
「「他界しました」(「他界いたしました」の原形?)と「他界しています」(「他界しております」の原形?)のニュアンスの違いを考えはじめると、またメンドーなことになりそうだ(笑)。


【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫/2010年3月10日第1刷発行)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
================引用開始
【引用部】
Q.「なくなる」は「死ぬ」の尊敬語ですか。
 「死ぬ」という直接的な表現を避けて婉曲に述べた故人への配慮の表現ですが、身内にも使うので、普通の意味での尊敬語とはいえません。むしろ美化語(→§52)系でしょう。「なくなられる」「おなくなりになる」と言って初めて尊敬語になり、これは身内には使えません。(P.61)
 ひとつ疑問が解けた。「なくなる」自体はやはり尊敬語ではない。
【「なくなる」「亡くなる」考 】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1600713314&owner_id=5019671
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1684998175&owner_id=5019671
================引用終了
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tobi

Author:tobi
フリーランスの編集者兼ライターです。

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