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将棋マンガの話──2011年4月の朝日新聞から

【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html

【2011年4月】

11-04-1
4日
 昨夏の全国選手権決勝で興南(沖縄)に1―13で大敗。記憶は色あせない。(朝刊13面)
 渡辺芳枝記者。選抜高校野球決勝戦に記事。かなり微妙かな。「色あせない」のは「いい記憶」だと思う。もちろん、どんなに輝いた記憶でもしだいに「色あせる」ことはあるけど。書き手が言いたいのは「(苦い)記憶が消えない」ってことだろう。「消せない」「拭えない」なども同様で、悪い記憶限定って気がする。


11-04-2
6日
昨季の盗塁数34は12球団で断然最下位だった。(朝刊14面)
 野田枝里子記者。困った。「断然最下位」って何もおかしくないはずだが、なんかヘンな感じに見えてしまう。かと言って「ダントツの最下位」は使いたくない。やはり「大差の最下位」くらいかな。
【「ダントツの最下位」ってどうなんだろう】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1463660924&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1178.html


11-04-3
27日
候補手を煮詰めてはアッサリはずされるという繰り返しに、検討陣からはため息がもれ喚声が上がった。(朝刊31面)
 剣記者。名人戦第1局の観戦記。微妙。この「煮詰めて」の使い方はよく見る明らかな誤用とは違うが、はたして正用なんだろうか。フツーに考えるなら「候補手を絞り込んで」くらい? なら「煮詰めて」と大差ないか。


11-04-4
27日
「1手指したほうがよく見える」の声がここかしこから聞こえたが、個々に尋ねると封じ手以降は後手側を持ちたいという意見が大勢を占めた。(朝刊31面)
 ↑の続き。どうでもいいけど妙に情緒的な文章だな。昔ながらの観戦記を思わせる、とも言える。ただ、昔は観戦記のスペースが大きかったから許されることで……。問題は「ここかしこ」。確認のための辞書をひくと、こういう言葉もある。個人的な語感だと「そこかしこ」なんだけど。2つの言葉の意味の違いは、微妙すぎてわからない(泣)。こういう場合に使うことにも異和感があるが、うまく説明できない。


11-04-5
27日
押しも押されもせぬ球界のエースとなった男が、しみじみと振り返った(朝刊17面)
 坂名信行記者。ダルビッシュの話。「押しも押されもせぬ」か。誤用ではない。誤用ではないけど、こんな言葉を使わなくてもさ。やはり単に「球界のエース」でいいと思う。最近こういうときに「絶対エース」みたいな言い回しを見るけど、まだ俗語レベルかな。
【朝日新聞から番外編?──tobirisuのdomisu】
1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-292.html
【伝言板 板外編3──文語調の表現は避ける】
1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-43.html


11-04-6
29日
頑張れ、とは絶対に書きたくなかった。(朝刊27面)
 岡田健記者。卓球の福原愛選手が背中のゼッケンに「一歩ずつ前へ歩めますように」と書いていたという。このところ、「頑張れ」って言葉の評判が非常によろしくない。「すでに頑張っている人に言ってはいけない」ってのはそのとおりだと思う。「頑張れ」は上から目線に感じられて好きではない。
【「頑張れ」「がんばれ」】(2010.12.25)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1711.html
 少し前から、鬱病の人に「頑張れ」は禁句、と言われるようになった。今度の大震災の被災者に対しても「頑張れ」はダメらしい。それは理解できても、ほかになんと言えばいいのかわからない(泣)。


11-04-7
29日
 ブームを反映するように、将棋マンガも花盛り。『ハチワンダイバー』の監修を努める鈴木八段は、ストーリーに合った棋譜作りに頭を悩ます毎日だ。八段は作品中にも登場するのだが、「本物より格段に強いのにバカな勝負に明け暮れるので気恥ずかしい」と苦笑する。本局記録係の天野貴元三段(石田和雄九段門下)は『ひらけ駒!』の監修担当。こちらは将棋の魅力にハマっていく母子を描くほのぼの系である。(朝刊28面)
 剣記者。名人戦観戦記に将棋マンガのことが紹介されていた。もはや安定期に入った観のある『ハチワンダイバー』は別格として、このところ将棋マンガがブームになりつつある。主なものをあげる。

 下記の続きになる。
【将棋10&マンガ77/最近のマンガから20100418】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1181.html
 下記のコミュも要参照。
【将棋漫画好き】
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2693744

  1)『しおんの王』かとりまさる原作/安藤慈朗作画
  2)『3月のライオン』羽海野チカ(先崎学監修)
  3)『王狩』青木幸子(飯島栄治監修)
  4)『ひらけ駒!』南Q太

 このほかに『雪と花』(門脇由)なんてのもあるらしい。
http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20110107/1294326084
 1)が中途半端に終わったには痛かった。原作者のかとりまさるは林葉直子のペンネーム。林葉直子に関しては毀誉褒貶あるだろうが、史上最強クラスの女流棋士だと思っている。ただ容貌も含めて二物も三物ももっていたことが不幸だった気がする。
『3月のライオン』に関してはパス。
 読んでいてイチバン(これは主観的な感想なので、さすがに誤用ではないだろう)おもしろいのは『王狩』だろう。作者の青木幸子は将棋のことはあまり詳しくないらしい。それであれだけのストーリーを構築できるものなんだ。
 たしか、『ひらけ駒!』の監修者は伏せられていたような。そりゃそうだよ。三段と言えばイチバン(これも誤用か?)勉強するべき時期だろう。そんなことしていてはいけない。
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2011年3月の朝日新聞から

【索引】
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●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
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【2011年3月】
11-03-01
12日
「みなし児のバラード」(朝刊e1面)
 中島鉄郎記者。最近脚光を浴びるタイガーマスクの話。『みなし児のバラード』をタイガーマスクの主題歌と書いている。タイガーマスクの主題歌は『行け!タイガーマスク』だろう。『みなし児のバラード』は後テーマソングとかエンディングソングとか言われるもののはず。
 それはどうでもいいけど、『みなし児』って新聞は使うのね。固有名詞だからどうにもならないか。でもそれなら『みなしごハッチ』はなんで『みつばちハッチ』に改名させられたの?
出ネ──「みなしご」は放送禁止用語なんだろうか
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-943.html

11-03-02
14日
身重の妻亡くした美容師(朝刊14面)
【「なくなる」「亡くなる」考】
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 阿部朋美記者。震災で妻を失った美容師が、ボランティアで散髪をする様子を伝える記事の見出し。ここでは「亡くした」としている。朝刊の社会面などと呼ばれるページには、このところ「亡くなられた方々」という特大活字が躍っている。もしここで「亡くなられた」とするべきと考えるなら、美容師の記事の見出しも「亡くされた美容師」とするべきではないのだろうか。「亡くなる」「亡くす」に関しては改めて書きたい。

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