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「醜化語」の「ご」「お」

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671

mixi日記2011年09月09日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1772923487&owner_id=5019671

 世の中には美化語というものがある。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1551125802&owner_id=5019671
 
 下記のトピの「990」~「992」のやり取り(「立派」は矛盾語のトピhttp://mixi.jp/view_bbs.pl?id=49592413にも登場した)を見て、ふと思った。
 美化語にはならない「ご」や「お」もあるのでは……。
【日頃おかしいと思う日本語の使われ方】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=697073&comm_id=125916


「ご立派」だと、美化語と醜化語(「しかご」って読んでね←意味不明)の両方がある。
  ご立派な心がけですね。
 
 ホントに立派な心がけに対してこう言えば美化語。たいしたことがない心がけに対して言えば嫌味なので醜化語。つまり、「ご」がつくと、善悪どちらの意味でも「立派」の意味合いが強調される観がある。
 ちょっとニュアンスは違う気がするが、「ご挨拶」あたりも両方の意味がある。
 やはり両方の意味で使えるのは「ご苦労」。通常は美化語だけど、「ご苦労(さま)なこった」とかになるとかなりタチの悪い醜化語。
164【突然ですが問題です【日本語編2】──「お疲れさまです」「ご苦労さまです」 解答編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1456439444&owner_id=5019671

 いつでも醜化語になる一貫性のあるご立派な例を探した。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%94%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%9D%E3%81%86&stype=0&dtype=0
================================
ご‐たいそう【御大層】
[名・形動]他人のする大げさなことを、冷やかし、あざけっていう語。ぎょうさん。「―な理屈を並べる」
================================

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%9D%E3%81%86&dtype=0&stype=0&dname=0na&pagenum=11
================================
たい‐そう【大層】
【1】[形動][文][ナリ]
1 程度や分量がはなはだしいさま。たいへん。ひどい。「―な暑さ」「―な剣幕で怒りだす」
2 おおげさなさま。ぎょうさん。「つまらないことを―に言う」
3 大規模なさま。りっぱであるさま。「―な学者」「―な披露宴」
【2】[副]非常に。たいへん。「―役に立つ」
[用法] 大層・大変――「大層(大変)面白い映画だった」「私は大層(大変)驚いた」など、はなはだしさをいう場合には相通じて用いられる。◇「大層」は「大変」に比べ、やや改まった場面で使う。「大層困惑致しおります」◇おおげさなさまを表す「大層」に「御(ご)」が付いて、あまりにもおおげさである、おおげさなわりに中身がないの意で使われることがある。「御大層なあいさつにはあきれた」「御大層な結婚式でうんざりした」◇「大変」には容易でない、重大だ、の意の形容動詞用法がある。「あの山に登るのは大変だ」「大変なことになった」など。なお、「大層だ」の形は普通は使われない。
================================
〈「御(ご)」が付いて、あまりにもおおげさである、おおげさなわりに中身がないの意で使われることがある〉の部分がわかりにくい。「ご大層」の形がそういう意味で「使われることがある」(そうでない場合もある)のか「大層」がこのような意味で「使われることがある」(「ご」がつかないこともある)のか。辞書はこういう二義性のある表現をしてはいけません。
 一般には「大層」だといい意味(「大層な学者」とか)と中立(「very/大変」の意味)がある。「つまらないことを大層に言う」だと、ちょっと微妙だけど悪い意味だろうな。これが「ご大層」なら常に悪い意味だろう。

「お」の場合はどうか。
 うまい例を思いつかないorz。
 まあ、性格の悪いヤツが使うと、かなりの割合で「ご」も「お」も悪い意味にとれる気がする。「お嬢さま」「お坊ちゃま」「お気の毒」……etc.。だから思いつかないのか!(←意味不明)
「お世話」にはちょっと醜化語のニュアンスがある気がする。典型的なのは「大きなお世話」。ただ、「大きな世話」でも同じ意味だから「お」の働きではないと言われると困る。
「お堅い」も少しだけ醜化語のニュアンスがある気がする。
 これ、前に辞書で見たぞorz。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%8A&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=02053600&pagenum=11
 ↓↓
https://kotobank.jp/word/%E5%BE%A1-448357#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
================================
お【▽御】
[接頭]《「おん(御)」の音変化で、中世以降の成立》
6 形容詞・形容動詞に付く。
エ からかい、皮肉、自嘲(じちょう)などの気持ちを表す。「―高くとまっている」「―熱い仲」
================================
※『大辞林』には「お荷物」の例あり。
 ただし、「お高く」「お熱い」「お荷物」は「お」をとると意味がかわる気がする。こういうのは接頭語から派生した成句? 「お生憎さま」あたりはダブルの醜化語か。
「お愛想」「ご愛嬌」は微妙すぎてよくわからん。

「御(ご)」の項もひいてみたが、皮肉とかの記述はない。それは片落ち(やっぱヘン)ってもんじゃないかな。
「Web辞書も捨てたもんじゃない」って気持ちは数分しか持続しなかったorz。
 ちなみに「さま(様)」なんてのも、ほとんどのものが醜化語用法があると思う。書きはじめると長くなるのでパス(笑)。

 表の形にまとめると下記のようになりそう(相当あやしい)。

     美化語 醜化語 いい意味 悪い意味 中立
挨拶                △    ◯
ご挨拶  ◯   △
苦労           △    ◯    ◯
ご苦労  ◯   △
立派           ◯    △     
ご立派  ◯   △
大層           ◯    ◯    ◯
ご大層  X   ◯ 
世話           ◯    △    
お世話  ◯   △
荷物                     ◯
お荷物  ◯   △

様    ◯   △

【追記】
 ついさっき放映された『ペケポン』のMAX敬語で、「大袈裟」(「大げさ」だったかな)のMAX敬語が「ご大層」だと言っていた。
 完全に終わってる。
 辞書を見てもわかる。どちらかと言うと悪口や皮肉なのよ。MAX敬語のわけがない。「ご」がつくから丁寧な言い方だと思うのは大間違いだよ。



【20120626追記】
【読書感想文/『敬語』(菊地康人/講談社学術文庫/1997年2月10日第1刷発行)──予想していたことではあるが……。】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2415.html
================================引用開始
【引用部】
「お/ご」を付けて皮肉や茶化した表現とすることが固定化した例としては、「ご大層・ご乱行(らんぎょう)・ご乱心・おあいにく様」などがある。これらは美化語とも言いにくい(なお「おあいにく様」は皮肉でなく使う場合もないわけではない)。(P.376)
 これはかの有名な醜化語ですね(笑)。そうか「ご大層」以外にも醜化語限定がこんなにあるのか。
569)突然ですが問題です【日本語編67】──美化語の悪用 ご大層 ご苦労 お荷物【解答?編】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2140.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1774719941&owner_id=5019671
 ちょっと気になったのは〈なお「おあいにく様」は皮肉でなく使う場合もないわけではない〉って部分。どんな場合があるのだろう。
 ちなみに、P.382では〈皮肉や茶化した表現として固定化したもの〉として〈「ご大層・おあいにく様」など〉としている。
================================引用終了

「お役所」はどうなんだろう。 
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突然ですが問題です【日本語編66】──究極 至高 至極【解答?編】

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671

mixi日記2011年09月04日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1770982212&owner_id=5019671

 まず問題を再掲する。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1769214642&owner_id=5019671


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【問題】
 下記の辞書の記述を参考に、「究極」「至高」「至極」の違いを簡単に説明しなさい。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%A9%B6%E6%A5%B5&stype=0&dtype=0&dname=0na
================================
きゅう‐きょく〔キウ‐|キユウ‐〕【究極/窮極】
[名](スル)物事をつきつめ、きわめること。また、その最後の到達点。究竟。「―の目的」
  「この機器を益々修改(しゅうかい)し、工巧を―しければ」〈中村訳・西国立志編〉
================================

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%87%B3%E9%AB%98&stype=0&dtype=0
================================
し‐こう〔‐カウ〕【至高】
[名・形動]この上なく高く、すぐれていること。また、そのさま。最高。「―な(の)精神」「―至善」
================================

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%87%B3%E6%A5%B5&stype=0&dtype=0
================================
し‐ごく【至極】
[名・形動]

1 極限・極致に達していること。この上ないこと。また、そのさま。
  「―の貧生で、…按摩をして凌いで居る者がある」〈福沢・福翁自伝〉
  「女道衆道の―をあらはす要文」〈浮・禁短気・二・目録〉

2 きわめて道理にかなっていること。また、そのさま。至当。
  「兄を殺そうとした自分が、かえって犬に食われて死ぬ。これより―な天罰はない」〈芥川・偸盗〉
  「これでごきげんの直るやうにと、―なる事を申し出だせば」〈浮・親仁形気・一〉

3 他人の意見などをもっともだと思って、それに従うこと。納得。
  「母が言葉をひとつも忘れなといへば、娘も是を―して」〈浮・織留・二〉

[副]その状態・程度が、これ以上はないというところまでいっているさま。きわめて。まったく。「―便利である」「―ごもっとも」

[接尾]形容動詞の語幹や状態性名詞に付いて、この上なく…である、まったく…だ、などの意を表す。千万(せんばん)。「残念―」「迷惑―だ」
================================

 ありがちな答えを先に書いておく。
「究極のメニュー」は山岡志郎側が提案する。ムダな負け戦が多くて苦しむ。
「至高のメニュー」は海原雄山側が提案する。ムダに原価率が高くて苦しむ。
「至極のメニュー」は上級生などが強制する。ムダな鍛錬に下級生が苦しむ。

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【解答?例】
 こんな微妙な違いはわかりません。(←オイ!)
 ほとんど違いがないことは辞書を見ればわかる。(←オ~イ!)
 ただし、主観で語っていいなら、かなり違うと思う。
「究極」は3つのなかでイチバン一般的な言葉だろう。慣用句で真っ先に浮かぶのは「究極の選択」。この場合は「この上ない」より「この下ない」のニュアンスが強いことが多い。
「至高」は、気高いイメージがある。海原雄山以前にこんな言葉はほとんど見なかった。自分では使ったことがない。気低いキャラで悪かったね。
 問題は「至極」。個人的には「名詞」「形容動詞」としては使わない。「誤用」と断言するには少しだけ躊躇いを感じるけど。『大辞泉』を見てもわかるように、昔はけっこう使ったようだ。某専門雑誌で「至極の○○」が頻出していて、気になってしかたがなかった。まともな出版物でもたま~に目にする。当方の目撃例は↓にあげておく。
 さらに言うと、「副詞」「接尾語」としての用法も、決して新しい感じはない。ギャグっぽくジジむささを出すとき以外はオススメできない。


【朝日新聞から総索引(2002年~)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
●2003年12月~2004年6月
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-235.html
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04-1-1
【1月】
1月9日
 テレビ欄(朝刊40面)の番組紹介で「恋の至極は忍ぶ恋」というタイトルが目に止まる。紹介記事は、次のように結んでいる。
=================================
 こんな言葉が紹介される。「恋の至極は、忍ぶ恋と見立て候」。まさに、しかり。
=================================
 出典は不明。やっぱ『葉隠』なんかね(2003年7月の日記参照)と思いながらネットで検索してみると、そのとおりらしい。引用文なんだからインネンつけてもしょうがない(正確には「しようがない」なのかな。個人的にはやはり「しょうがない」のほうが自然に感じられる)が、ヘンなものはヘン。百歩譲って、当時はこういう用法があったかもしれないと考えてもいい。現代語ではないって点は譲りたくない。
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●2004年7~12月
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-236.html
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【9月】
04-9-1
9月6日
 パネリストや観客が支持した、至極の満点メニューとは何か。(朝刊40面)
 テレビ番組の紹介記事。こんなところで「至極」のこんな用法にお目にかかるとは。
 無理に解釈すると、「満点になるのが当然の」みたいな意味にとれなくはない。「当然の満点のメニュー」とか「必然の満点のメニュー」って意味。無理だね。やはり「極上」の意味で使っているとしか思えない。
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●2003年7月の日記
〈『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。〉の読書感想文。
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  恋の至極はしのぶ恋にあり!(p.262)
 伴宙太ののセリフ。「葉隠」の中にある言葉らしいが、梶原一騎のことだから、真実は不明。p.344には「おそらく独自の入手先があるんだと思われる」などと書いてある。問題は「至極」の用法。某誌以外でこの使い方を見たのは初めて。
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「過」の話──過ぎたるはバーボン造りには向かない

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671

mixi日記2011年09月03日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1770675547&owner_id=5019671

 テーマトピは下記なんだろうか。
【日頃おかしいと思う日本語の使われ方】(993)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=697073
================================
週刊「エコノミスト」8月2日号編集後記より。(以下引用)「小学校のように学生を家庭訪問したり、朝起きられない学生のためにモーニングコールのサービスをする大学もある」という。大学生に対して、過保護すぎるのではないだろうか?(引用終わり)……「過保護すぎる」?
================================

 考えはじめてドツボにはまる。

 いろいろな要素があるので、「過」にはどんな意味があるか、というところから始める。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E9%81%8E&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=20835300&pagenum=1
================================
か【過】
[音]カ(クヮ)(呉)(漢) [訓]すぎる すごす あやまつ あやまち よぎる

[学習漢字]5年
1 通りすぎる。「過客・過程・過渡/一過・経過・通過・濾過(ろか)」
2 時間がたつ。すぎ去る。「過去・過日・過般・過年度」
3 事態をそのままにしてすごす。「看過・黙過」
4 ある範囲や基準をこえる。「過激・過酷・過剰・過度・過半・過分・過不足/超過」
5 あやまつ。あやまち。「過誤・過失/罪過・大過」
================================

「過保護」は「4」だろう。ほかに「過食」なんてのもある。
 このテの言葉で誤用の話の定番と言うと、「過半数を超える」(「越える」ではないか、という話はパス)。「半数を超える」か「過半数に達する」あたりにするべきだろう。個人的には「重言」は「誤用」とはちょっと違うと思っているが、その話もパス。
7)【重言の話1】(2008年07月30日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=886320216&owner_id=5019671

 考えるべきことがいくつかある。
1)「4」の意味の言葉に「すぎる」をつけると重言なのか
 厳密に考えれば重言だろう。ひらがなだとわかりにくいが、「過ぎる」と漢字で書くとよくわかる。このあたりは「犯罪を犯す」「立場に立つ」を想起させる。
「過激」は「激し過ぎる」で、「過酷」は「酷(むご? ひど?)過ぎる」ってことだろう。それに「過ぎる」をつければ当然意味がダブる。

2)「過保護」は「保護」が「過ぎる」?
 1)のように考えるなら、「過保護」は「保護」が「過ぎる」ってことになる。それはヘンじゃないか? 「過度(度が過ぎる)」な「保護」と考えようか。「保護」の範疇を超えると考えてもいいか。

3)いいかえの方法
「過保護すぎる」が重言とすると、どうすればいいか。思いつくままに書いてみる。
  あまりにも過保護
  目に余る過保護
  度を超した過保護(これも重言?)
  常識はずれの過保護
  非常識な(ほどの)過保護
  過保護にもほどがある

 ただ、これらのいいかえも重言と言えば重言じゃないかな。井上ひさし風に言えば重言ではなく強調かもしれない。
「あまりにも過保護」はOKで「過保護すぎる」「行きすぎた過保護」が重言というのはスッキリしない。字面だけの問題では。このあたりは、「異和感を感じる」は重言だけど、「異和感を覚える」はOK(個人的には「重言風」と考えている。↑のリンク先参照)って話に似ている気がする。そこまで厳密に考えちゃダメか。
 まあ、もうひとつの考え方をしようか。簡単にいいかえがきくんだからゴチャゴチャ言わずに避けるべき。
 でも「過激すぎる」「過酷すぎる」あたりならフツーに使っちゃいそうだな。
「過信しすぎる」なんてのもあるな。
 書き忘れるとこだったけど、けっこう重要なポイントがある。「過保護すぎる」は重言ではなく強調と考えたしても、この文は異様。「強調」のあとが「ではないだろうか」は相当ヘン。
「どう考えても絶対に間違いなくヘンなのではないだろうか」みたいなもの。
 直前に文が「片たり」になっている点は多めに見よう。(←何様)

 下記あたりも関係してくるな。「~すぎる」はあまりにもメンドーすぎる。
122【「~すぎる」の反対語は?】2010年01月29日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1400545218&owner_id=5019671
177【「早計すぎる」「早計にすぎる」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1468139824&owner_id=5019671
361)「~すぎる」 【2】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1641982180&owner_id=5019671
突然ですが問題です【日本語編29】「すぎる」のナゾ──【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1653260201&owner_id=5019671


【トピへのコメントを日記形式で書く理由──返信コメントは原則的にトピにお願いします】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1468087432&owner_id=5019671
※あくまで原則論
 マイミクさんは例外
 なんらかの理由でトピには書きにくい場合も例外
  こうして例外がふえていく(泣)

【追記】
 関連のありそうな言葉をメモしておく。

  過多 過少 過大 過小
  誇大
  想像を絶する(やりすぎ)
  言葉を失う(やりすぎ)
  カケラもない
  微塵もない

「あげく」と「末」の違い 日本語

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671

mixi日記2011年09月02日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1770191980&owner_id=5019671

 テーマトピは下記。
【あげく、末に の違いと使い方】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64642071&comm_id=398881

 似たような言葉の違いを考える方法。
 まずgoo辞書の類語辞書をひくことをオススメする。これにピッタリの項目があれば、ほぼ解決することもある(例外は多い)。
http://dictionary.goo.ne.jp/
「末」で検索すると。比較されているのは、「終わり(おわり)/しまい/末(すえ)/最後(さいご)/最終(さいしゅう)」。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/14846/m0u/%E3%81%99%E3%81%88/

 こうなると、「あげく」と「末」を比較すること自体が的外れ、って可能性がある。その場合は投げ出すのが正解。
 ただちょっと考えると、「あげく」を「末」に置きかえられそうな例は浮かんでくる。
 ということで、投げ出さずに先に進む。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%8F&stype=0&dtype=0
================================
あげ‐く【挙(げ)句/揚(げ)句】
1 連歌・連句の最後の七・七の句。→発句(ほっく)

2 終わり。結果。末(すえ)。「苦労した―が失敗とは情けない」

3 (副詞的に用いて)結局のところ。その結果として。現在では、連体修飾語を上に付けて用いることが多い。「さんざん迷った―買ってしまった」
================================

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%9C%AB&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=09815100&pagenum=1
================================
すえ〔すゑ〕【末】
1 (本(もと)に対して)続いているものの先端の方。末端。「毛の―」
  
2 川下(かわしも)。下流。
  「山中の渓流の―である河は」〈大岡・野火〉

3 中央から離れた端の所。場末・野ずえ・末席など。「―の座」

4 本筋から隔たった物事。つまらないこと。「そんな細かいことは―の―だ」

5 物事の行われたのち。あげく。「ごたごたの―落ち着く」「苦心の―完成した」

6 ある期間の終わりのほう。「今月の―」

7 一生の最後の時期。晩年。「人一代の―」

8 今からのち。行く末。将来。「―が思いやられる」

9 子孫。「源氏の―」

10 一番あとに生まれた子。末っ子。「―は女です」

11 仏教がおとろえ人心がすさみ、道徳も秩序も乱れ衰えた時代。末世(まっせ)。「世も―となる」

12 短歌の下(しも)の句。

13 (本(もと)に対して)後編。

14 神楽歌を奏するのに、神座に向かって右方の座席。また、そこにすわる奏者。

15 草木の伸びている先。こずえ、枝先など。
  「うぐひすの…紅梅の―にうち鳴きたるを」〈源・若菜上〉

16 山頂。山のいただき。
  「高山、短山(ひきやま)の―より」〈祝詞・六月晦大祓〉

17 江戸時代、将軍・大名などに仕えた女中。おすえ。

18 身分の低いもの。下等。下級。
  「―の傾城四人まゐりて」〈浮・一代男・八〉
================================

「あげく」の「1」は本来の意味なんだろう。これがなぜ「1」なのかは不明(通常辞書は使用例の多い順に並んでいるはず……たびたび違うってことは、この認識がおかしいのだろうか)。専門用語に近いのでここでは無視する。
「あげく」の「2」は、「末」の「5」とほぼ同じだろう。両方の例文は、{あげく/末}のどちらを入れても異和感がない。「あげく」の「3」が「2」とどう違うのか、よくわからない。ちょっとニュアンスが違うが、「末」の「5」とほぼ同じだろう。互換性もある。

 確認にため『大辞林』もひいてみた。「あげく」に関しては『大辞林』にほうがずっとマシな気がする。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%8F&stype=1&dtype=0&dname=0ss
================================
あげく0 【挙(げ)句・揚(げ)句】
〔補説〕 [2] が原義
[1]いろいろやってみた結果。結局のところ。副詞的にも用いる。
  さんざん苦労した―がこの始末だ
  いろいろ難癖をつけた―、何も買わずに帰った

[2]連歌・連句において最後の句のこと。
⇔発句(ほつく)
→(句)挙げ句(あげく)の果て
================================

 ここまででわかること。
「あげく」に比べて「末」のほうがはるかに用途が広く、「あげく」とほぼ同じ意味もある。「あげく」はたいてい「末」に置きかえることができるが、逆が成立するケースは限られている。
 ちなみに、両方に助詞の「に」をつけて「あげくに」と「末に」で比べても同様だろう。「あげくに」や「末に」を一語と考えるか否か、品詞は何かなんてことは関知しない。
514)【突然ですが問題です【日本語編53】──はじめに 次に 先に】【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1747707250&owner_id=5019671

 ここから先は主観をまじえる。
「あげく」は、たいていよくないことに使われる。よくないことは「あげく」の後ろにあることが多いが、前にあることもある。一方、「末」はよいことにもよくないことにも使われる。
 Web辞書の「あげく」の項にあった例文を見てみよう。
  1)苦労したあげくが失敗とは情けない
  2)さんざん迷ったあげく買ってしまった
  3)さんざん苦労したあげくがこの始末だ
  4)いろいろ難癖をつけたあげく、何も買わずに帰った

 1)は「苦労」で「失敗」とダブルで来ている。「好運が続いたあげくがあのザマとは情けない」のように、前にいいことをもってくることができなくはない。でも異和感がある。
 2)は「迷った」で「買ってしまった」。「買った」なら善悪のないフツーの言葉だが、「~しまった」に否定的なニュアンスが伴う。「さんざん迷ったあげく買ったらとてもいい選択だった」にできなくはないが、個人的にはいい結果の場合「あげく」は使わない。
 3)「苦労」で「この始末」だからダブル型。
 4)「難癖」。「買わず」は善悪のないフツーの言葉。ただ、この例文は店側の立場(もしくはそれに近い立場)で書いていると思われる。気持ちとしては「買わずに帰りやがった」ってところだろう。
 少しまじめに辞書をひけば、このくらいのことはわかるはずなんだけどなぁ。

 こういう「あげく」の負のニュアンスを端的に表わしているのが、「あげくの果て」。これも『大辞林』はちゃんとリンクを張っている。『大辞泉』しっかりしろー。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0ss/100222000010/
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挙げ句(あげく)の果て
「挙げ句」を強調した言い方。いろいろな経過をへた最後。とどのつまり。
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 ただし、負のニュアンスについてはふれていない。よけいなことを書かないようにしているのかもしれない(「辞書はそういうもの」とも言えるし、「怠慢」とも言える)。ただ、「好運が続いたあげくの果てに大成功をおさめた」といった使い方は相当異様。「あげくの果て」の場合は、たいてい前も後ろもよくないことになる。
「あげくの果て」と言うなら「あげくの末」もアリなのかもしれないが、関知したくない。
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