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突然ですが問題です【日本語編97】──MAX敬語その6 20110120

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【7】
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mixi日記2012年01月20日から


【問題】
 次の女性新入社員の社長に対する発言の(  )内を、前後のつながりを考慮しながらMAX敬語(最上級の敬語)にかえなさい。

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1)それは(さっき)もおっしゃいました
ヒント:「先ほど」ではありません。

2)(うまく)出来上がりましたね
ヒント:社長がつくったタコ焼きを評して。番組では食べてはいなかったが、見た目だけでは正解にたどりつけない可能性が高い。ひとくち食べたあとの言葉と考えてほしい。

3)お嬢様の(お幸せ)をお祈り致します。
ヒント:「ご多幸」ではありません。

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 MAX敬語関連のバックナンバー。

481)突然ですが問題です【日本語編43】──MAX敬語【解答?編】
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491)突然ですが問題です【日本語編47】──MAX敬語0603【解答?編】
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520)突然ですが問題です【日本語編55】──MAX敬語0715【解答?編】
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549)突然ですが問題です【日本語編63】──MAX敬語その4 0805【解答?編】
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602)突然ですが問題です【日本語編77】──MAX敬語その5 1021【解答?編】
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【番組内の解答?例】

1)先刻
2)あじよく
3)ご多祥


【よくわからない解説】
 いつものことながら、今回もなかなか……。
 番組内の解説を付記しているブログあったので、転載しておく。3)に関しては、番組内で言っていた記憶がないorz。
http://songofnep.exblog.jp/17102606/
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さっき→先刻
さっき=「さき」の間に「っ」を入れた言葉。経緯が落ちる
(例)おっきい、きったない
先刻=先に刻(時を表す刻)をつけることで敬意が高くなる。

うまくできあがりましたね。
「うまく」→あじよく
あまい→うま→上手
意味がぼんやりした言葉
味が良い→味がよく→上手
限定した意味からできた言葉

お嬢様のお幸せをお祈りいたします
「お幸せ」→ご多祥(ごたしょう)
幸せ=もともと「手枷(てかせ)」(自由を奪う事)が無くなるという意味からできた言葉(間接的)
ご多祥=羊→神様にささげるめでたい物。元から「幸せ」という意味を含んだ言葉
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 順番に見ていこう。
1)さっき→先刻
「さっき」にゾンザイな響きがあることは同感。そのため、一般には「先ほど」などにするべきとされているはず。
 敬語関係の名著とされる『敬語』『敬語再入門』(ともに菊地康人著)は、「準敬語」という考え方を打ち出している。
 準敬語になるのは、「美化語」と「改まり語」。
 美化語の話は、とりあえずパス。「改まり語」の例として「本日」「先程」をあげている(『敬語再入門』p.117)。『敬語』p.377では、「一昨日(いっさくじつ)・昨日(さくじつ)・明日(みょうにち)・明後日(みょうごにち)・昨晩・明晩」など多数の「改まり語」の例をあげている。
 閑話休題。なんて正しい使い方だろう。(←ヤカマシ!)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1323.html  

「さっき」に比べると、「先ほど」(「先程」でも同様)のほうが改まった感じになる。しかし、「先ほど」より「先刻」のほうが敬度が高い理由をキチンと説明できる人がいたらぜひ教えてほしい。
 
2)うまく→あじよく
 番組を見たかぎり、味見はしていない。味を確認していないものに対して「あじよく」と言えるのだろうか。「形よく」「美しく」「味よさそうに」「味よさげに」(←オイ!)あたりならアリかもしれない。うんとヒネると、囲碁などで「形がよい」ことなどを「味よく」と使うことがあるが、このニュアンスを説明するのはむずかしいorz。
 仮に味を見たあとだとする。
「おいしく」「美味に」「あじよく」のうちどれの敬度が高いか理由をキチンと説明できる人がいたぜひ教えてほしい。
「絶妙の味に」「究極の味に」「至高の味に」「至極の味に」(←たぶん誤用だって!)
「この世のものとは思えない美味に」……それは敬語ではなく単なるヨイショ。

3)お幸せに→ご多祥
「お幸せに」「ご多祥」「ご多幸」のうちどれの敬度が高いか理由を……しつこい。
 たしかに、敬語には、使用頻度の高いものほど敬度が薄れる傾向がある。「敬度逓減」とか言うらしい。だからと言って使用頻度の低いもののほうが敬度が高いとは限らない。そんなことを言いはじめたら、古語や死語のほうがMAX敬語に近いってことになる。そんなバカな。
 このコーナー、たしか次週もあるんだよな(黒笑)。
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突然ですが問題です【日本語編96】──霙 みぞれ

 下記の仲間。
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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【7】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1789673749&owner_id=5019671

mixi日記2012年01月20日から

【問題】
 答えは見当もつきません。アンケートです。
 下記の1)~のなかで、不自然に感じるものをあげなさい。
  1)霙が降りはじめた
  2)雨が霙にかわった
  3)雪が霙にかわった
  4)霙まじりの雨が降っている
  5)霙まじりの雪が降っている
  6)かき氷は霙に限る


【解答?例】

 6)はネタなのでパス。
 4)5)は厳密に言えば誤用らしい。
 2)と3)のどちらが自然なのかは気象庁にでも訊いてください。

【よくわからない解説】
 まず辞書をひく。

■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E9%9C%99&stype=0&dtype=0
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みぞれ【×霙】
1 雪が空中でとけかかって、雨とまじって降るもの。ひさめ。《季 冬》「淋(さび)しさの底ぬけて降る―かな/丈草」
2 かき氷に蜜をかけたもの。
================================

■Web辞書『大辞林』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E9%9C%99&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=118777400000&pagenum=1
================================
みぞれ0 【▼霙】
[1]雪が空中で解けかけて雨まじりに降るもの。ひさめ。冬の初めや終わりに多い。[季]冬。
[2]かき氷に蜜(みつ)をかけた食べもの。
[3]〔補説〕 [1] のように見えるところから
大根下ろしのこと。
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 1つ大きな発見があった。「霙」と「氷雨」って同じなんだ。「氷雨」をひくと頭がグチャグチャになる。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%B2%E3%81%95%E3%82%81&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=15424800&pagenum=1
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ひ‐さめ【氷雨】
1 雹(ひょう)や霰(あられ)のこと。《季 夏》
2 冷たい雨。また、みぞれ。《季 冬》
================================

「霙」と「氷雨」と「雹」と「霰」と「冷たい雨」はみんな同じものらしい。そんなバカな。この話に踏み込むと泥沼になりそうなのでパス。

 で、「霙」の話。
「雪が空中でとけかかって、雨とまじって降るもの」と「雪が空中で解けかけて雨まじりに降るもの」だからほぼ同じだな。
 ちなみにクイズじゃないんだから雪は「解けない」と思うけど、「雪解け」とも書くからこの話もパス。
「とけかかった雪」と「雨」がまじっているんだから、「霙まじりの雨(雪)」はありえない。
 ただ、蝦夷育ちの主観全開で書かせてもらうと、「霙まじりの雪」はフツーに言う。「霙まじりの雨」は、めったに言わない。
 だいたい次のように変化する。逆方向は記憶にない。
  (雨→)霙→雪
 霙が限りなく雪に近づいた状態を「霙まじりの雪」と呼んでいると思う。
 逆に(正用?)、限りなく雨に近いけど、ほんの少し霙がまじっているのを「霙まじりの雨」と呼ぶかは微妙。それこと「氷雨」じゃないのかね。
 ネット検索してみた。

“霙まじりの雨”の検索結果約……約 42,700 件
“みぞれまじりの雨”の検索結果約……約 157,000 件
“霙まじりの雪”の検索結果約……約 15,500 件
“みぞれまじりの雪”の検索結果約……約 57,800 件

 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 世間では「みぞれ(霙)まじりの雨」のほうが優勢らしい。
 なかにはこんあサイトがあった。これは信用していいだろう。

【「みぞれまじりの雨」という言い方は正しい?】
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/090.html
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「みぞれまじりの雨」という言い方は正しい?
2001.12.01

Q 先日の番組で、北日本からのリポートを聞いていたら「けさは、みぞれまじりの雨が降っています」と伝えていました。「みぞれまじりの雨」という言い方はおかしいのではないでしょうか。

Aご指摘のとおりです。

解説
「みぞれ」は、雨と雪が同時に降る現象(すでに両方がまじっている状態)です。『学術用語集―気象学編』でも、「mizore/みぞれ」の項は「sleet; rain and snow mixed [together]」と記述されています。つまり、「みぞれ」の中に「雨」がまじったり「みぞれ」の中に「雪」がまじったりすることは、現象としてありえないということになります。このため、「みぞれまじりの雨(雪)」という言い方は、的確・適切な表現ではありません。
ところで、その冬初めて降った「みぞれ」の場合は、気象観測では「初雪」とされます。なお、俳句や演歌の歌詞に登場することが多い「氷雨(ひさめ)」は、「ひょう」「あられ」と並んで「みぞれ」とも同じ意味で一般に使われていますが、気象用語としては使いません。
(『改訂版気象ハンドブック』P152、P267、P102  『ことばのハンドブック』P177参照)
「ゆで汁のけぶる垣根やみぞれふる」(一茶)
(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)
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Author:tobi
フリーランスの編集者兼ライターです。

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