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「故事ことわざ」の寿命

日本語アレコレ】
 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【8】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1821744441&owner_id=5019671

mixi日記2012年05月29日から

 テーマサイトは下記。
【「格言」は、永遠ですか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1088118575

 質問のタイトルがそのまま質問の内容。
 多くの故事ことわざ(質問は「格言」だけど、いつもこの書き方をしているもんで)は半永久的な寿命をもっていると思う。ああいうのはいわば「世知」の集大成だから、そうそうかわってもらっちゃ困る。しかし、なかにはとても「永遠」とは言えないものもある。
 理由はいくつかあると思うが、とりあえず3つあげておく。
1)意味がかわってしまった
 正確に書くなら、故事ことわざ側の意味がかわったわけではなく、受け取られ方がかわったのだが……。
【板外編11】新死語──使いにくくなった言葉たち
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-905.html
================================引用開始
  1)犬も歩けば棒に当たる
   正 でしゃばってよけいなことをすると、ロクなことがない
   誤 積極的に動き回れば、幸運に出合うことがある
  2)他山の石
   正 反面教師として役立つ他者の行動のこと。「彼らの失敗を他山の石とし
     て、慎重に計画を見直す」のように使う
   誤 「先生の教えを他山の石として、肝に銘じます」のように、見習うべき
     言動などに使うのは誤り
  3)情けは人のためならず
   正 人にかけた情けは、めぐりめぐって自分に返ってくるものである
   誤 むやみに情けをかけるのは甘やかすことになるので、結局その人のため
     にならない
 
 1)はあまりにも誤用されることが多かったせいか、「誤」の解釈も許容されるようになってしまいました。「犬も歩けば棒に当たるというぐらいだから、やってみる価値はある」という使い方もできるということです。
 2)と3)は、現段階では「誤」の解釈はあくまでも誤用と考えられていますが、将来的にどうなるかはわかったものではありません。このように「誤」の解釈が広まったのは、それだけ誤用されることが多いからです。
「故事ことわざ」を誤用しないためには、正しい意味を確認したうえで使えばよいのですから、さほど問題はありません。しかし、たとえ正しい意味で使っていても、文章がむずかしい印象になることもあるので、安易には使わないほうがよいと思います(★ページ参照)。
================================引用終了

 かわってしまった意味で広まれば、それはそれで通用していくからいい。「良貨は悪貨を駆逐する」とか「隗より始めよ」あたりは、誤用(とも言いにくいが)のほうが一般的になって広がっているから、それはそれで使われるだろう。
 誤用と正用の両方が普及していると、意味がわからなくなるから使いにくくなる。そうなると消えていく可能性が高い。

2)社会の情勢がかわってしまった
「情けは人のためならず」の「誤用」が広まったのもこのパターンかもしれない。世の中が世知辛くなって世知が通用し辛く(これが書きたかった?)なったんだろうね。
「渡る世間に鬼はなし」なんてのも通用しないだろうな。
「人の噂も七十五日」も、もうダメだろうな。昨今の風潮だと、たいていの噂は2週間くらいじゃなかろうか。1か月ももてば立派なものだよ。

3)死語を含んでいる場合
 一部に死語を含む(重言っぽい)と、その故事ことわざも必然的に死語になる。
 たとえば「子は鎹」。「鎹」の実物を見たことがあるのはどの世代までだろう。ここが意味不明だと「子はカスがいい」(出来の悪い子ほど可愛い)ってギャグのほうが強くなりそう。
 当然「豆腐に鎹」も通用しないだろう。このテのものはいくらでもありそう。下記あたりもダメかも。
「糠に釘」……危険なことのたとえ。それは床に釘。
「提灯に釣り鐘」……あんまり客が来ないので細かいのを用意していない。それは提灯の釣りがねえ。
「羹に懲りて膾を吹く」……前田敦子グッズにお金をかけすぎて、catfishを引っ掛ける。なんのこっちゃ。
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