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2012年9月の朝日新聞から

【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html


【2012年9月】
12-09-01
1日
瀬古利彦や佐々木七恵をはじめ、陸上長距離で1980年代に多くの五輪代表が輩出した名門が、約60年の歴史に幕を閉じる。(朝刊22面)
 阿久津篤史記者。エスビー陸上部廃部の記事。問題は「~を輩出する」か「~が輩出する」なのか。1面のダイジェスト部分?にも「~が輩出する」が使われていた。どちらも間違いではない。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2150.html
 個人的な語感では「~を輩出する」なんだけど、そんなことを言ってもしかたがないか。


12-09-02
6日
18歳で初タイトルを取り、天才の名をほしいままにした屋敷だが、当時と今では別人だ。(朝刊19面)
 青記者。将棋の観戦記。「ほしいまま」とかな書きすればギリギリ正用なのかなぁ。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119811


12-09-03
9日
実戦の△8六桂は文字通りの切り札だが、▲9三歩成りの飛車取りがその攻めを緩和している。(朝刊17面)
 青記者。将棋の観戦記。だから、どこが「文字通り」なの?


12-09-04
11日
「潮時と思った」(朝刊14面)
 記者不明。オリックスの田口選手の引退の記事。これは見出し。本文中にも「潮時かなと思った」とある。典型的な誤用だろう。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116139


12-09-05
12日
抜け目なく点を取れたのは大きい。(朝刊32面)
 内海亮記者。サッカーの岡崎選手のコメント。この言葉を使ったのか、見出しに「抜け目なく一発」って文字がデカデカと。やはり異和感がある。この場合、「ぬかり」に言いかえるのはちょっとヘン。「すかさず」「そつなく」あたりかな。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2372.html


12-09-06
15日
 今期のパ・リーグを代表する左腕同士の投げ合い。(朝刊23面)
 記者不明。なんという微妙な例。「同士」がなくても意味がかわらないから「重言」なのかもしれない。しかし「同士」って、たいてい重言っぽい気もする。よくわからない。
「男同士の友情」……重言っぽい
「いとこ同士で話し合う」……重言っぽい
「本人同士で話し合う」……この「同士」は削除できない
「初対面同士」……この「同士」は削除できない


12-09-07
16日
生き様に一本の太い芯が通った。(朝刊18面)
 野村周平記者。大相撲の記事。これもなぁ。誤用か否かは別として、「生き様」はおおげさ。これは妙義龍が立ち合いの変化をしなくなった話なんだから、「相撲」「取り口」あたりでOKだろう。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119378


12-09-08
29日
「天声人語」が気になった。
【平成23年度「国語に関する世論調査」に対する疑問】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1873341727&owner_id=5019671
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突然ですが問題です【日本語編138】── MAX敬語その13 20120914

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月17日から

【問題】
 次の女性新入社員の社長に対する発言の(  )内を、前後のつながりを考慮しながらMAX敬語(最上級の敬語)にかえなさい。

1)もう(がっかり)です
2)このような無礼を(お許し)下さい
3)(誤魔化し)は止めて下さい
4)もっと(楽)にして下さい


 MAX敬語関連のバックナンバー。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2378.html





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突然ですが問題です【日本語編137】──敬語に関するサイトから2

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月12日から

【問題】
 下記は、敬語に関するサイトに書かれていることです。不適切な点を指摘しなさい。

【~敬語~】
================================引用開始
~敬語~

敬語は仕事にも日常にもついてまわるもの。
なのに複雑でわかりにくいときているものですから大変です。

敬語をスマートに使いこなすには、やはり日頃からの心掛けが大切ですので、鬼教官(!?)もっちがみっちりきっちり敬語のイロハをここでご説明します!!

まだ転職をお考えでない方も、学生の方も、とにかく必見の特集です。


まずは、よく間違って使われる敬語をいくつかご紹介します。

◆間違って使われている敬語◆

①「とんでもございません」
よく使われる言葉ですが、これは完全な誤りです。
これを聞いて「ええー!?」と驚く方も多いと思いますが、誤りなのです。
実は「とんでもない」で一つの言葉で、これを二つに分けて、「ない」の部分だけを「ございません」に変えることはできないのです。
正しくは「いいえ、とんでもないです」。
より丁寧に言う場合は、「いいえ、とんでもないことでございます」となります。
いやホント、敬語は難しいんです・・・。

②「一緒に参りましょう」
これもよく使われる間違った敬語です。
「参る」は謙譲語です。この使い方だと一緒に行く相手もへりくだった表現となってしまいます。
この場合は「お伴いたします」や「ご案内いたします」が正しい使い方です。

③「佐藤様でございますか?」
「ございます」は謙譲語です。「もっちでございます」と、自分のことを言う時に使用します。
「こちらでございます」というような丁寧語でも使えますが、お客様に対して使う尊敬語にはなりませんので、ご注意を。
正しくは「佐藤様でいらっしゃいますか?」。

④「あなたが申されたように・・・」
「申す」もまた謙譲語です。これに「れる・られる」をつけても尊敬語にはなりません。
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」なので、「あなたがおっしゃいましたように・・・」が正解です。

⑤「どうぞお召し上がり下さい」
これは二重敬語の典型です。
「食べる」の尊敬語「召し上がる」に「お~になる」をつけたもので見事な誤りです。
これを正しく言うには、「どうぞ召し上がって下さい」です。


代表的な例を挙げてみましたが、いかがでしたでしょうか?
なんだか正しい使い方は素っ気無くて無礼な印象を受ける方もいるかと思いますが、これが正しい敬語であり、ビジネスマナーとして最低限身に付けていなくてはいけない知識です。
================================引用終了



【解答?例】
①「とんでもございません」
「完全な誤り」などと断言してよいのでしょうか。
 文化庁はこの言い方を許容しています。「敬語の指針」P.47から引用します。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
================================引用開始
【解説1】「とんでもございません」(「とんでもありません」)は,相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現であり,現在では,こうした状況で使うことは問題がないと考えられる。
================================引用終了
 敬語関係の名著として知られる『敬語再入門』は、きわめて曖昧な書き方で言葉を濁しています。とても「完全な誤り」とは思えません。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
>正しくは「いいえ、とんでもないです」
「形容詞+です」は別の問題がかかわってきます。
「形容詞+です」の形は昭和27年に文化庁が認めてしまい、現在では広く許容されているようです。しかし「ない」に「です」をつける場合は、「ないです」ではなく「ありません」が一般的な形でしょう。
 これは「矛盾」なのかもしれません。
「とんでもない」に「です」をつける場合は「とんでもないです」にできなくはないのでしょう。個人的には強い異和感があります。「とんでもないです」が正しい、としている文献があれば是非教えてください。
 根本的な問題として、これは敬語の問題でしょうか。「です」は丁寧語ではあっても、「形容詞+です」(「楽しいです」「うれしいです」など)の是非は、一般に敬語の問題ではないと思います。
 
②「一緒に参りましょう」
 基本的には、「一緒に行く相手もへりくだった表現」でしょう。
 ただ、これが適切な場面は多いと思います。目上の者が目下の者に言うのなら何も問題がないのでは。真っ先に浮かんだのは、茶道の師匠(女性)が、お供の弟子を促すシーン。「一緒に参りましょう」と言うと、どうして誤用なのでしょう。
 目下の者が目上の者に言う場合。これは微妙。下記を見ると「失敬ではない」ようです。リンク先では相当過激な書き方をしているので、たぶん問題はないのでしょう。個人的には使いません。そもそも目上の人に対して「~しましょう」の類いは極力避けるべきだと思っていますし……。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1294512522

⑤「どうぞお召し上がり下さい」
「お召し上がり下さい」はたしかに二重敬語ですが、これも文化庁が許容している形です。
【チャレンジ日記──二重敬語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2422.html
================================引用開始
(2) 「二重敬語」とその適否
一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。例 えば,「お読みになられる」は,「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更 に尊敬語の「......れる」を加えたもので,二重敬語である。
「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣として定着しているものもある。
【習慣として定着している二重敬語の例】
・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語I)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる
================================

「見事な誤り」とは言えないはずです。むしろ「召し上がって下さい」より敬度が高く、一般的な形では。
 ちなみに「見事な誤り」は、「立派な犯罪」と同様にほぼ「誤用」だと思います。

 このあとにある特定形の「尊敬語」「謙譲語」の表にも疑問を感じます。一部文字がズレていて読めないのですが、見える範囲で気になる点だけあげます。
「当社」「当方」「当店」は謙譲語でしょうか。
「本状」は謙譲語でしょうか。
「私見」「所見」は謙譲語でしょうか。「私見」には謙遜のニュアンスはありますが、謙譲語ではないはずです。「愚見」なら謙譲語だと思います。

よくある誤用11~15


【よくある誤用11──ことわざの迷走2 他山の石 枯れ木も山の賑わい 君子は豹変す】

 下記の続きです。
【よくある誤用2──ことわざの迷走 情けは人のためならず 犬も歩けば棒に当たる 隗より始めよ】

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114824




他山の石

正 戒め(反面教師)になる他者の失敗

誤 手本になる他者のすぐれた言動
「他山の石以て玉を攻むべし」と続く。質の悪い石でもいい石を磨くのに役立つ、くらいの意味。

■Web辞書『大辞泉』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=他山の石&stype=0&dtype=0

================================引用開始

他山(たざん)の石(いし)
よその山から出た、つまらない石。転じて、自分の修養の助けとなる他人の誤った言行。「他社の不祥事を―として会計の透明化をはかる」→他山の石以て玉を攻むべし
◆質の悪い石でも玉を磨くのに役立つということから、良い言行を手本にする意味で使うのは誤り。
文化庁が発表した平成16年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「他人の誤った言行も自分の行いの参考となる」で使う人が26.8パーセント、間違った意味「他人の良い言行は自分の行いの手本となる」で使う人が18.1パーセントという結果が出ている。

================================引用終了


 詳しくは下記をご参照ください。

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-905.html

 下記のようなやり取りは「他山の石」にできるかも。
 なぜこれがBAになるのか?
「他山の石」と「反面教師」は、ほぼ同じ意味だろう。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1280361162





枯れ木も山の賑わい
正 つまんないものでも、ないよりはマシ
誤 人がたくさん集まれば賑やかになってよい
昔、「枯れ木も山の賑わいと言いますから是非ご出席ください」と恩師を誘った●●がいる、という笑い話を聞いた。「笑い話」ではなくなっているらしい。
そう言えば最近、「人数合わせ」って言葉も見聞するなぁ。そんな言葉あるんだろうか。

■Web辞書『大辞泉』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=枯れ木&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=03744100&pagenum=1

================================引用開始

枯(か)れ木(き)も山(やま)の賑(にぎ)わい
《枯れ木も山に風情を添えるのに役立つ意から》つまらないものでも、ないよりはましであることのたとえ。
◆文化庁が発表した平成16年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「つまらないものでも、ないよりはまし」で使う人が38.6パーセント、間違った意味「人が集まればにぎやかになる」で使う人が35.5パーセントという結果が出ている。

================================引用終了


君子は豹変す
正 態度が急に悪いほうにかわること
誤 立派な人ほど自分の過ちを潔く認めて改めること

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1093873645
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1301.html



【よくある誤用12──もはや誤用とは言えない2 こだわる/こだわり 生き様 さらなる】

 たまーに、「誤用」という意見を見聞するけど「それはちょっと……」と思う例。個人的にはできるだけ使わないようにしていますが……。

こだわる/こだわり
 本来は悪い意味。「つまらないないことにこだわる」のように使われた。いまでは善い意味で使われるほうが多いだろう。「こだわりの味」などの使い方を頻繁に見る。あまりにも便利なので、使うことがある。乱用するのはやめましょう。

生き様
「様(ざま)」は元々、罵り言葉に近い。「ざまを見ろ」などと使う。「死に様」はただの「死に方」ではなく「ろくでもない死に方」のニュアンスが強かった。ところが、いつもの間にか「生き様」という言葉ができ、しかも善い意味で使われるようになった。「彼の生き様に感動した」……本来はありえない。「オレの生き様を見せてやる」……勝手にどうぞ。
 作家の小林信彦が「嫌いな言葉」としてあげていた記憶がある。「忌み嫌っていた」と言ってもいいかも。

さらなる
 これは辞書を見ても何も問題を感じない。経済学者の野口悠紀雄が忌み嫌っている。
「野口悠紀雄 さらなる」で検索するといろいろ出てくる。根拠がイマイチわからないまま、要注意の言葉のリストに入れている。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2326757.html


 もしかすると、翻訳調に感じられるのが不評の原因かもしれない。その意味では「より速く」の「より」に似ているかも。これも「more」の直訳だからという理由で嫌われていた時期があった。いまはそういう意見は少数派になってしまった。

http://biztranslator.blog108.fc2.com/blog-entry-610.html



【よくある誤用13──かなり微妙な線 破天荒 助長 鳥肌が立つ】


「誤用」なのか「誤用でない」のか微妙すぎて、何がなんだかわからなくなっている言葉もあります。新しい意味で使われることが多いのに、辞書はそんな意味を認めていない……こうなると使い方がわからず、結局使えない言葉になってしまいます。

破天荒
 ドラマの常識外の主人公を形容するときなどにおなじみです。本来は違う意味ですが、新聞などでも目にするので、もう許容されているのかも。現段階では辞書は新しい使い方を認めていないようなので、「型破り」くらいに言いかえるべきでしょう。


■Web辞書『大辞泉』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=はてんこう&stype=0&dtype=0

================================引用開始

は‐てんこう〔‐テンクワウ〕【破天荒】
[名・形動]前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。前代未聞。未曽有(みぞう)。「―の試み」「―な大事業」

◆「天荒」は未開の荒れ地の意。唐の時代、官吏登用試験の合格者が1名も出なかった荊州は人々から「天荒」といわれていたが、劉蛻(りゅうぜい)が初めて合格して「天荒を破った」といわれたという、「唐言」「北夢瑣言」の故事から。
文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、「彼の人生は破天荒だった」を、本来の意味である「だれも成し得なかったことをすること」で使う人が16.9パーセント、間違った意味「豪快で大胆な様子」で使う人が64.2パーセントという逆転した結果が出ている。

================================引用終了





助長

 これも誤用の例としてあげられることが多い言葉です。どんな意味で使われるのか不明になり、結局使えない言葉になっているような……。
 誤用のしかたは2パターンあるようです。
 まず、本来の意味は下記の辞書の[2] です。手助けしようとして裏目に出る、くらいの意味です。この意味で使っている例はほとんど見ません。いまは、[1]の意味で使われているようです。しかし、よく見ると[1]の意味は2通りあります。どちらも力を添えることですが、方向性が2つあります。
「発言力を助長する」だと「善い方向」です。「不良性向を助長する」だと「悪い方向」です。元々の意味からかわってきた当初は、「悪い方向」限定だったはずです。いまでは「善い方向」にも使えるような……。
 こんな訳のわからない言葉を正確に使う自信がないので、自分では使いません。
 

■Web辞書『大辞林』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=じょちょう&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=109764100000&pagenum=1

================================引用開始

じょちょう[―ちやう] 0 【助長】
(名) 
スル 
[1] 力を添えて、成長・発展を助けること。ある傾向をさらに著しくすること。
  発言力を―する
  不良性向を―する
[2] 〔補説〕 苗の生長を助けようとして無理に引き伸ばし、根を抜いてしまったという「孟子(公孫丑上)」の故事から
不要な助力をして、かえってそこなうこと。

================================引用終了



 

鳥肌が立つ

 本来「鳥肌」は、恐怖や嫌悪感や寒さで「立つ」ものでした。いまは「感動」でも立つような。きっと、人体の皮膚の構造がかわってきたのでしょう(笑)。辞書はまだ本来の意味しか認めていないようです。これは自分でも使うかも……。

■Web辞書『大辞泉』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=とりはだ&stype=0&dtype=0

================================引用開始

とり‐はだ【鳥肌】
1 皮膚が、羽をむしり取った鳥の皮のようにぶつぶつになる現象。また、その肌。寒さや恐怖などによって立毛筋が収縮し毛が立って起こる。粟(あわ)はだ。「―が立つ」
2 ざらざらしている皮膚。鮫肌(さめはだ)。

================================引用終了



【よくある誤用14──なんかカッコいいからね すべからく 欲しいまま 組みしやすい】

「よくある誤用」2と11のように、ことわざを間違って使うのは「誤用」のなかでもかなりみっともない例でしょう。同じくらいみっともないのは、文語調の言葉を使って間違ってしまう例です。気持ちはわかります。文語調の言葉ってカッコいいんですよね。恥をかきたくなかったら、使う前に辞書をひきましょう。
 カッコよさそうな言葉を使って間違う代表格は、「よくある誤用1」で見た「役不足」でしょうね。
 個人的には、こんな言葉は使いません……と言うより使えません(泣)。



すべからく

 文化庁の平成22年度「国語に関する世論調査」に、「すべからく」の解釈に関する調査結果がのっています。
「全て、皆」を選んだ人が38.5%
「当然、是非とも」を選んだ人が41.2%
 正しい意味をわかっている人のほうが多いのは、ちょっと意外な気がしました。当方が見聞する例は、ほとんどが「すべて」の意味で使っているからです。
 ただし、厳密に言うと「すべからく」は「すべからく~すべし」としなければなりません。ここから派生して「すべからく……しなければならない」のような形も認められているようです。なにしろ、あの丸谷才一が使うくらいですから。

■Web辞書『大辞泉』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=すべからく&stype=0&dtype=0

================================引用開始

すべから‐く【▽須く】
[副]《動詞「す」に推量の助動詞「べし」の付いた「すべし」のク語法から。漢文訓読による語》多くは下に「べし」を伴って、ある事をぜひともしなければならないという気持ちを表す。当然。「学生は―学問を本分とすべきである」
◆近年、「すべて」の意で使う例が多くあるが、誤り。文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「学生はすべからく勉学に励むべきだ」を、本来の意味である「当然、ぜひとも」で使う人が41.2パーセント、間違った意味「すべて、皆」で使う人が38.5パーセントという結果が出ている。

================================引用終了



欲しいまま

「天才の名を欲しいままにする」……よく見る言い回しですが、誤用です。この「ほしいまま」は「欲しい」とは別の言葉です。
「天才の名をほしいままにする」ならどうか。これも本来は誤用です。周囲が「天才」と認めている、では元の意味とかけ離れてしまいます。自分で自分のことを「天才」と言いつづけているなら、正用かもしれませんが。とは言え、新聞でも目にするので、そのうち許容されるんでしょうね。ε= (´∞` ) ハァー

■Web辞書『大辞泉』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=ほしいまま&stype=0&dtype=0

================================引用開始

ほしい‐まま【▽縦/▽恣/×擅】
[形動][文][ナリ]《「ほしきまま」の音変化》思いのままに振る舞うさま。自分のしたいようにするさま。「権力を―にする」「―な空想にひたる」

================================引用終了



組みしやすい
「組みしやすい相手と侮る」……よく見る言い回しですが、誤用です。漢字で書くなら「組み」ではなく「与」です。おそらく「組みやすい」(これも相当ヘンな言い方ですが……)と勘違いしたのでしょう。「くみしやすい」なら、誤用ではありません(個人的には疑問もありますが……)。でも、こんな古くさい言葉を使う必要がありますか?
■Web辞書『大辞泉』から

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=くみしやすい&stype=0&dtype=0

================================引用開始

くみし‐やす・い【▽与し▽易い】
[形][文]くみしやす・し[ク]相手として扱いやすい。相手として恐れるに足りない。「―・い相手」

================================引用終了



【よくある誤用15──清濁の問題 まぬかれる ぎごちない くらい/ぐらい】

  世の中は 澄むと濁るで大違い 刷毛に毛があり ハゲに毛がなし

 こういうのは「俗謡」でよいのでしょうか? 正確な呼称をご存じのかた、教えてください。


 言葉のちょっとした違いに注目して「どちらが正しいのか?」というのはネット上でよく見る質問です。ちょっとした違いでまったく意味がかわることもありますが、大差がないこともあります。以前、「まぬかれる」や「ぎごちない」は聞いたことがないので方言、という主張を見て呆れてしまったことがあります。調べもせずにこういう乱暴なことを書くと恥をかきます。


まぬかれる/まぬがれる

 どちらもフツーの日本語です。いまは「まぬがれる」が優勢のようですが、本来の形は「まぬかれる」でした。常用漢字表が改定される前には、「免れる」は「まぬかれる」としか読めないルールでした。改定されて、やっと〈「まぬがれる」とも〉読めることになりました。



ぎこちない/ぎごちない

 どちらもフツーの日本語です。いまは「ぎこちない」が圧倒的に優勢のようですが、本来の形は「ぎごちない」でした。



くらい/ぐらい

 これも「どちらが正しいのか攻撃」を受けているのを見たことがあります。どちらでも同じようなものです。「くらい」が正しいと主張する人もいるようなので、厳密には「くらい」と読むべきかもしれません。「この・その・あの・どの」などの後ろに来るときは「くらい」とする説もあります。個人的には、どんな場合も「ぐらい」でいい気がします。

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1826.html




 清濁の問題でとんでもないのは、「すさまじい」。いろいろな形が許容されているようです。いかんなぁ。こんなしょうもない雑学に走っては……。

■Wikipediaから
http://ja.wikipedia.org/wiki/三省堂国語辞典

================================引用開始

『三国』独特の項目
『三省堂国語辞典』が、いち早く新しい語や用法を取り入れた例を、以下に若干挙げる。なお、これらのうちには、後に他の国語辞典も採用するようになったものも含まれる。
「あっけらかんと」 以前は「口をあけてぼんやりしているようす」という意味しかなかった。ところが、「明るくてこだわらないようす」という意味や、「あけっぱなしでかくさないようす」という意味が生まれていることが用例で分かり、第3版から収録された。
「気が置けない」 「気がね・遠慮しなくていい」という意味のほかに、「気がゆるせない」の意味で使う者が現れた。第3版以降、この意味が「〔誤って〕」と冠して収録された。
「すさまじい・すさましい・すざましい・すざまじい」 いずれも、実際にある語形である(「すさまじい」の項目に列記されている)。これらの語形をすべて収録した辞書は、いまだにないと思われる。実際に用例を確認しなければ、このような記述はできない。第3版から収録された。
(以下略)

================================引用終了

バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365


よくある誤用15──清濁の問題 まぬかれる ぎごちない くらい/ぐらい

世の中は 澄むと濁るで大違い 刷毛に毛があり ハゲに毛がなし
 こういうのは「俗謡」でよいのでしょうか? 正確な呼称をご存じのかた、教えてください。

 言葉のちょっとした違いに注目して「どちらが正しいのか?」というのはネット上でよく見る質問です。ちょっとした違いでまったく意味がかわることもありますが、大差がないこともあります。以前、「まぬかれる」や「ぎごちない」は聞いたことがないので方言、という主張を見て呆れてしまったことがあります。調べもせずにこういう乱暴なことを書くと恥をかきます。

まぬかれる/まぬがれる
 どちらもフツーの日本語です。いまは「まぬがれる」が優勢のようですが、本来の形は「まぬかれる」でした。常用漢字表が改定される前には、「免れる」は「まぬかれる」としか読めないルールでした。改定されて、やっと〈「まぬがれる」とも〉読めることになりました。

ぎこちない/ぎごちない
どちらもフツーの日本語です。いまは「ぎこちない」が圧倒的に優勢のようですが、本来の形は「ぎごちない」でした。

くらい/ぐらい
 これも「どちらが正しいのか攻撃」を受けているのを見たことがあります。どちらでも同じようなものです。「くらい」が正しいと主張する人もいるようなので、厳密には「くらい」と読むべきかもしれません。「この・その・あの・どの」などの後ろに来るときは「くらい」とする説もあります。個人的には、どんな場合も「ぐらい」でいい気がします。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1826.html


 清濁の問題でとんでもないのは、「すさまじい」。いろいろな形が許容されているようです。いかんなぁ。こんなしょうもない雑学に走っては……。
■Wikipediaから
http://ja.wikipedia.org/wiki/三省堂国語辞典
================================引用開始
『三国』独特の項目
『三省堂国語辞典』が、いち早く新しい語や用法を取り入れた例を、以下に若干挙げる。なお、これらのうちには、後に他の国語辞典も採用するようになったものも含まれる。
「あっけらかんと」 以前は「口をあけてぼんやりしているようす」という意味しかなかった。ところが、「明るくてこだわらないようす」という意味や、「あけっぱなしでかくさないようす」という意味が生まれていることが用例で分かり、第3版から収録された。
「気が置けない」 「気がね・遠慮しなくていい」という意味のほかに、「気がゆるせない」の意味で使う者が現れた。第3版以降、この意味が「〔誤って〕」と冠して収録された。
「すさまじい・すさましい・すざましい・すざまじい」 いずれも、実際にある語形である(「すさまじい」の項目に列記されている)。これらの語形をすべて収録した辞書は、いまだにないと思われる。実際に用例を確認しなければ、このような記述はできない。第3版から収録された。
(以下略)
================================引用終了

バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365

よくある誤用14──なんかカッコいいからね すべからく 欲しいまま 組みしやすい

「よくある誤用」2と11のように、ことわざを間違って使うのは「誤用」のなかでもかなりみっともない例でしょう。同じくらいみっともないのは、文語調の言葉を使って間違ってしまう例です。気持ちはわかります。文語調の言葉ってカッコいいんですよね。恥をかきたくなかったら、使う前に辞書をひきましょう。
 カッコよさそうな言葉を使って間違う代表格は、「よくある誤用1」で見た「役不足」でしょうね。
 個人的には、こんな言葉は使いません……と言うより使えません(泣)。


すべからく
 文化庁の平成22年度「国語に関する世論調査」に、「すべからく」の解釈に関する調査結果がのっています。
「全て、皆」を選んだ人が38.5%
「当然、是非とも」を選んだ人が41.2%
 正しい意味をわかっている人のほうが多いのは、ちょっと意外な気がしました。当方が見聞する例は、ほとんどが「すべて」の意味で使っているからです。
 ただし、厳密に言うと「すべからく」は「すべからく〜すべし」としなければなりません。ここから派生して「すべからく……しなければならない」のような形も認められているようです。なにしろ、あの丸谷才一が使うくらいですから。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=すべからく&stype=0&dtype=0
================================引用開始
すべから‐く【▽須く】
[副]《動詞「す」に推量の助動詞「べし」の付いた「すべし」のク語法から。漢文訓読による語》多くは下に「べし」を伴って、ある事をぜひともしなければならないという気持ちを表す。当然。「学生は―学問を本分とすべきである」
◆近年、「すべて」の意で使う例が多くあるが、誤り。文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「学生はすべからく勉学に励むべきだ」を、本来の意味である「当然、ぜひとも」で使う人が41.2パーセント、間違った意味「すべて、皆」で使う人が38.5パーセントという結果が出ている。
================================引用終了
【文化庁月報 平成24年7月号(No.526)】
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2012_07/series_10/series_10.html 

欲しいまま
「天才の名を欲しいままにする」……よく見る言い回しですが、誤用です。この「ほしいまま」は「欲しい」とは別の言葉です。
「天才の名をほしいままにする」ならどうか。これも本来は誤用です。周囲が「天才」と認めている、では元の意味とかけ離れてしまいます。自分で自分のことを「天才」と言いつづけているなら、正用かもしれませんが。とは言え、新聞でも目にするので、そのうち許容されるんでしょうね。ε= (´∞` ) ハァー
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=ほしいまま&stype=0&dtype=0
================================引用開始
ほしい‐まま【▽縦/▽恣/×擅】
[形動][文][ナリ]《「ほしきまま」の音変化》思いのままに振る舞うさま。自分のしたいようにするさま。「権力を―にする」「―な空想にひたる」
================================引用終了


組みしやすい
「組みしやすい相手と侮る」……よく見る言い回しですが、誤用です。漢字で書くなら「組み」ではなく「与」です。おそらく「組みやすい」(これも相当ヘンな言い方ですが……)と勘違いしたのでしょう。「くみしやすい」なら、誤用ではありません(個人的には疑問もありますが……)。でも、こんな古くさい言葉を使う必要がありますか?
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=くみしやすい&stype=0&dtype=0
================================引用開始
くみし‐やす・い【▽与し▽易い】
[形][文]くみしやす・し[ク]相手として扱いやすい。相手として恐れるに足りない。「―・い相手」
================================引用終了

バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365

【北64/帰省日記2010年夏編5──引っ越し先の「桔梗」襲撃(笑)】

 アップするのを忘れてました。

 下記の仲間。
●北海道ネタなんでもかんでも(空腹時の閲覧厳禁) お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-763.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1317597935&owner_id=5019671

mixi日記2010年08月26日から


●18日
 池田町のワイン城へ。
 昨年何気なく買った「清見の丘」が思いのほかおいしかったので、「ぜひ行きたい」と家人が狙っていた。なんせワイン城内でしか売っていない稀少品なのよ。
 ワイン城に到着したら、ちょっと風景を撮影して売店に直行。慌ただしく買い物をして出てきた。なんつう客だ。
 配送料を確認すると、1本から16本までは1箱とのこと。なんだかんだ見繕って、10本も注文してしまった。昨日のチーズと合わせて、当分ホニャララな日々が続くんだろうな。
【北59/最近おいしかったもの81──北海道直送のアスパラガス】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1506033388&owner_id=5019671



DSC01570-500.jpg
 手前のブドウの木は畑と言うよりサンプルみたいなもの。背後の観覧車は遠くからも見えるんでいい目印になる。人が乗っているのを見たことはない(笑)。


DSC01572-500.jpg
 ワイン城の前庭?から見た風景。池田駅にちょうど電車が停まっていた。この日もピーカンだったが、なぜか写真を撮ると曇り空っぽい。

 ワイン城を出る頃には13時過ぎ。
 最後の昼食をどうするか相談し、「桔梗」に行ってみようという話になる。一昨年に訪れて以来、夢にまで見ていた。http://mixi.jp/view_diary.pl?id=911752661&owner_id=5019671
 今春に音更町に移転したという話を聞いて場所をチェックしていた。
http://u.tabelog.com/monolover/r/rvwdtl/1310893/

 池田町から音更なら、十勝川温泉を抜けたほうが早い。その程度の土地勘はある(笑)。
 途中で電話を入れ、間違いなく営業していることを確認してから向かう。「奥さんにひと目惚れして、も一度ひと目だけでも逢いたくて……」(ダジャレ好きのストーカー?)
 食い物がかかっていたからだろうか、まったく迷わずにたどり着いた。

DSC01577-500.jpg
 外観はいたって平凡。

 オススメは「豚丼と蕎麦のセット」945円。
 半盛り豚丼と半盛り蕎麦。以前に店で出していた1人前の蕎麦とミニ豚丼に比べて、蕎麦は半量になって豚丼は増量されているとのこと。メニューにはないが、蕎麦を1人前にすることもできるそうなんで、当方のはそっちにしてもらった。1102円(157円増し)だから、こっちのほうがお得感がある。

DSC01581-500.jpg

DSC01585-500.jpg
 上が蕎麦を1人前にしてもらったもの。
 下が通常の「豚丼と蕎麦のセット」。
 差がわからないって? 実際に見たときにはかなり違ったんだけどさ。こういうのは同ピン(同様の構図&同様の縮尺)で撮らなきゃダメだな。
 でね。豚丼ってどこで食べても外れがないし、旨いヤツはたしかに旨い。大きな欠点は「飽きる」ってこと。このあたりは好みの問題もあるのかな。鰻丼とかもそうだけど、あの濃い味を黙々と食べ続けるのは、年寄り(←オイ!)にはきつい。半分くらいがちょうどいい感じがする。取り合わせるメニューとして冷たい蕎麦はかなり有力だと思う。
 で、桔梗の蕎麦は香りが強い。これも一概には言えないらしく、米で言う白米に近い更級だとあまり香りはしない。米で言う玄米に近い田舎そばほど香りが強い。極端な例だと、あえて殻をまぜて香りを強くしていることもあるらしい。
 とは言え、当方なような単純な舌だと、香りがあるほうがありがたく思える。市販に乾麺ではあの風味は出せない。(←当たり前だ!)

DSC01588-500.jpg
 食べ終わって表に出ると、前庭?に植えている蕎麦を収穫していた。だいたい10人前の蕎麦がとれるとか。これって買った蕎麦粉と同じような味になるんだろうか。ちなみに、蕎麦の実はとんでもなく堅いので、脱穀するのにシートを被せて車で轢くんだって(ホントか?)。そんな話は聞いたけど、人には言えない。

DSC01592-500.jpg
 店の西側は「むつみアメニティパーク」という人を舐めているかのような名称の公園。かなりの広さがあり、ほぼ中央に位置する噴水が涼しげ。

 国道に戻り、帯広とは逆方向へ北進。以前にも行ったことがある音更の道の駅へ。この時期はJAの出店が見逃せない。
 トウモロコシを家人の実家に送る。店頭に並んでいたLサイズなら1本70円だが、1本100円の2Lサイズをひと箱お願いした。
 明日(19日)の朝もぎのトウモロコシが、21日には届くはず。

DSC01596-500.jpg
 道の駅の売店で買った黒豆ソフト200円。バニラなんかもあったが、あえて邪道系を。いやー。この味は侮れない。「豆の十勝」とはよく言ったもんだ。


桔梗




関連ランキング:そば(蕎麦) | 帯広駅

よくある誤用13──かなり微妙な線 破天荒 助長 鳥肌が立つ

「誤用」なのか「誤用でない」のか微妙すぎて、何がなんだかわからなくなっている言葉もあります。新しい意味で使われることが多いのに、辞書はそんな意味を認めていない……こうなると使い方がわからず、結局使えない言葉になってしまいます。

破天荒
 ドラマの常識外の主人公を形容するときなどにおなじみです。本来は違う意味ですが、新聞などでも目にするので、もう許容されているのかも。現段階では辞書は新しい使い方を認めていないようなので、「型破り」くらいに言いかえるべきでしょう。

■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=はてんこう&stype=0&dtype=0
================================引用開始
は‐てんこう〔‐テンクワウ〕【破天荒】
[名・形動]前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。前代未聞。未曽有(みぞう)。「―の試み」「―な大事業」

◆「天荒」は未開の荒れ地の意。唐の時代、官吏登用試験の合格者が1名も出なかった荊州は人々から「天荒」といわれていたが、劉蛻(りゅうぜい)が初めて合格して「天荒を破った」といわれたという、「唐言」「北夢瑣言」の故事から。
文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、「彼の人生は破天荒だった」を、本来の意味である「だれも成し得なかったことをすること」で使う人が16.9パーセント、間違った意味「豪快で大胆な様子」で使う人が64.2パーセントという逆転した結果が出ている。
================================引用終了


助長
 これも誤用の例としてあげられることが多い言葉です。どんな意味で使われるのか不明になり、結局使えない言葉になっているような……。
 誤用のしかたは2パターンあるようです。
 まず、本来の意味は下記の辞書の[2] です。手助けしようとして裏目に出る、くらいの意味です。この意味で使っている例はほとんど見ません。いまは、[1]の意味で使われているようです。しかし、よく見ると[1]の意味は2通りあります。どちらも力を添えることですが、方向性が2つあります。
「発言力を助長する」だと「善い方向」です。「不良性向を助長する」だと「悪い方向」です。元々の意味からかわってきた当初は、「悪い方向」限定だったはずです。いまでは「善い方向」にも使えるような……。
 こんな訳のわからない言葉を正確に使う自信がないので、自分では使いません。
 
■Web辞書『大辞林』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=じょちょう&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=109764100000&pagenum=1
================================引用開始
じょちょう[―ちやう] 0 【助長】
(名)
スル
[1] 力を添えて、成長・発展を助けること。ある傾向をさらに著しくすること。
  発言力を―する
  不良性向を―する
[2] 〔補説〕 苗の生長を助けようとして無理に引き伸ばし、根を抜いてしまったという「孟子(公孫丑上)」の故事から
不要な助力をして、かえってそこなうこと。
================================引用終了
 

鳥肌が立つ
 本来「鳥肌」は、恐怖や嫌悪感や寒さで「立つ」ものでした。いまは「感動」でも立つような。きっと、人体の皮膚の構造がかわってきたのでしょう(笑)。辞書はまだ本来の意味しか認めていないようです。これは自分でも使うかも……。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=とりはだ&stype=0&dtype=0
================================引用開始
とり‐はだ【鳥肌】
1 皮膚が、羽をむしり取った鳥の皮のようにぶつぶつになる現象。また、その肌。寒さや恐怖などによって立毛筋が収縮し毛が立って起こる。粟(あわ)はだ。「―が立つ」
2 ざらざらしている皮膚。鮫肌(さめはだ)。
================================引用終了


 バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
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よくある誤用12──もはや誤用とは言えない2 こだわる/こだわり 生き様 さらなる

 たまーに、「誤用」という意見を見聞するけど「それはちょっと……」と思う例。個人的にはできるだけ使わないようにしていますが……。

こだわる/こだわり
 本来は悪い意味。「つまらないないことにこだわる」のように使われた。いまでは善い意味で使われるほうが多いだろう。「こだわりの味」などの使い方を頻繁に見る。あまりにも便利なので、使うことがある。乱用するのはやめましょう。

生き様
「様(ざま)」は元々、罵り言葉に近い。「ざまを見ろ」などと使う。「死に様」はただの「死に方」ではなく「ろくでもない死に方」のニュアンスが強かった。ところが、いつもの間にか「生き様」という言葉ができ、しかも善い意味で使われるようになった。「彼の生き様に感動した」……本来はありえない。「オレの生き様を見せてやる」……勝手にどうぞ。
 作家の小林信彦が「嫌いな言葉」としてあげていた記憶がある。「忌み嫌っていた」と言ってもいいかも。

さらなる
 これは辞書を見ても何も問題を感じない。経済学者の野口悠紀雄が忌み嫌っている。
「野口悠紀雄 さらなる」で検索するといろいろ出てくる。根拠がイマイチわからないまま、要注意の言葉のリストに入れている。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2326757.html
 もしかすると、翻訳調に感じられるのが不評の原因かもしれない。その意味では「より速く」の「より」に似ているかも。これも「more」の直訳だからという理由で嫌われていた時期があった。いまはそういう意見は少数派になってしまった。
http://biztranslator.blog108.fc2.com/blog-entry-610.html


 バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365

北83/2012夏・北海道旅行の話9──19日1 富良野~帯広編

 下記の仲間。
●北海道ネタなんでもかんでも(空腹時の閲覧厳禁) お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-763.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1317597935&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月10日から



 朝食後、富良野を出て帯広に向かう。
 途中、いくつか寄り道をした。ひとつ目が「南富良野道の駅―南ふらの」。
http://www.hokkaido-michinoeki.jp/data/3/each.htm

 主な目的はトイレ休憩。何かおもしろいものがないかな、と思ったがフツーだった。あとは帰るだけなら買いたいものがいろいろあったが、今回はパス。
 ひとつ発見した。JA富良野の近くに湖池屋の工場があるらしい。カルビーの大きな工場が芽室町にあるウワサは訊いていたけど。
http://koikeya.co.jp/news/detail/321.html

 ふたつ目の寄り道はベアマウンテン。http://www.sahoro.co.jp/bear
 ここには3年前に来ている。
【北12/帰省日記6──熊山】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-226.html
 このとき家人が気に入ったヒロキは、他界してしまっていた。


DSC03838.jpg
 少し詳しく書くと、ここの楽しみ方は2通りに大別できる。サファリ仕様のバスの車窓から見物。熊が走路に来るように餌を撒いているなんてことは書けない。


DSC03852.jpg
 もうひとつが、「ベアポイント」。大きなガラス窓の向こうに池が設けられていて、熊が水浴びにくる。ベアポイント建物の屋上から飼育員が餌を撒くので、熊は上方を見つめている。その表情がどこか哲学的。


DSC03854.jpg
 高級品の熊掌を撮りたくて接写したら、いろいろ写り込んで心霊写真のようになってしまった。


 お昼も回ったことだし、ランチタイム。「新得そばの館」へ。
http://tabelog.com/hokkaido/A0111/A011102/1025102/dtlphotolst/1/
http://www.shintokusoba.co.jp/tp14_43.html
 4年前に蕎麦を食い倒したとき、ここはなぜかノーチェックだった。少し遠いからなあ。
【最近おいしかったもの15──帰省日記1~4 蕎麦を食らう】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-550.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-552.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-553.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-554.html

【北64/帰省日記2010年夏編5──引っ越し先の「桔梗」襲撃(笑)】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1568902179&owner_id=5019671


DSC03857.jpg

DSC03860.jpg
 せいろ・豚丼セット1150円。どこがこんな悪いことを始めたのか知らないが、このアイデアは秀逸。蕎麦だけだとボリューム感がない。豚丼ってクドい。この組み合わせだととっても美味。


 あと寄ったのは「みのり~む」。「寄った」と言うより、ここがイチバンの目的だった観がある。
http://www.memuro.info/osusume/minori.htm
 相変わらず多彩なトウモロコシが。今年はゴールドラッシュが目立った。家人の母が、ありえない数を予約していたような……。
 


新得そばの館




関連ランキング:そば(蕎麦) | 新得町その他


北82/2012夏・北海道旅行の話8──18日3 新富良野プリンスホテル「きたぐに」編

 下記の仲間。
●北海道ネタなんでもかんでも(空腹時の閲覧厳禁) お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-763.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1317597935&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月05日から

 長めの散歩?の前に、夕食をどうするかの打ち合わせをした。
 ホテルは郊外にあり、繁華街に出るにはタクシーを使うことになる。ガイドブックには魅力的な店もいくつかあったが、是が非でもという感じではない。
 ホテル内で済ませようという話になった。レストランはいくつかあるが、コース料理を食べる気にはならない。
 旅行に出ると、つい食べすぎてしまう。ここまでの食事内容や明晩のことを考えると、ちょっとセーブするべき……という自制心が働き、居酒屋っぽい店を選ぶ。大人の旅はこういう配慮も必要。部屋にある飲食施設案内を見ると見ると妙にしょぼかった。あとで調べてわかったが、ここは直営ではなくテナントらしい。冷遇されているのはそのため?
「炭焼処きたぐに」
http://tabelog.com/hokkaido/A0104/A010403/1026742/
http://nishikawashokuhin.jp/gaishoku/kitaguni.php

 店はお散歩コースから戻った入り口のそばにある(ほかのレストランは上階)。
 店に予約を入れて部屋に戻り、まずはひと風呂浴びる。ここの大浴場は別棟になっていて、750円もとられる。そりゃ3回は入らないと……。
 風呂上がりにほぼ手ぶらでお店に。
 居酒屋なんて失礼なことを思ったことを詫びる。和食の店と言うべきだろう。そりゃホテル内の飲食店だもんね。これがアタリだった。
 当初の予定を無視して、また暴食してしまった。大人の旅は、こういう柔軟性も重要。臨機応変と言う。
 しばらく体重計に乗れない(泣)。
 

DSC03810.jpg
 お通し。梅海月の和え物とか説明された。冬瓜、蒲鉾、蒟蒻の煮物がついていた。こういうお通しはうれしいんだけど、明細を見ると500円か。うーん。


DSC03812.jpg
 厚切りベーコン炭焼き650円。ほぼ毒の味。


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 真ゾイの昆布〆820円。「北海道を代表する白身魚」だとか。ホッケだろう、と言うのは田舎者?か。刺身のツマになっている紅白の紐状のものが正体不明。このあといろいろな料理についてきた。「海草を煮てから固めたもの」と説明されたが、何がなんだか。


DSC03819.jpg
 富良野野菜のチーズ焼き790円。昼にもこんなの食べたなぁ……。


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 自家製豆腐のサラダ650円。


DSC03828.jpg
 イカ一夜炙り焼き650円。なんてことないメニューだけど、これが旨かった。身がすんごくやわらかくて、滋味豊か。歯があまり丈夫でないかたでも美味しくいただけて、おかわりしてしまったほど。今回の旅行で食べたもののなかでベスト5に入ると思う。貧乏性と申しましょうか……。


DSC03832.jpg
 柳葉魚(オス)780円。本物の柳葉魚って、なんでこんなにバカ高いんだろうね。メニューに「オス」と「メス」があった。確認すると、一般には子持ち柳葉魚が知られるが、身肉はオスのほうが美味だとか。たしかに、そんな気がした(弱気)。


DSC03833.jpg
 帆立貝バター焼780円。これは予想どおりの味。不味いわけがない。


DSC03835.jpg
 五貫盛り1690円。鉄火巻420円。葉わさび巻400円。これもフツーと言えばフツーかな。ああ、さばがり巻きが食いたい。




炭焼処きたぐに




関連ランキング:居酒屋 | 富良野駅


北81/2012夏・北海道旅行の話7──18日2 新富良野プリンスホテル編

下記の仲間。
●北海道ネタなんでもかんでも(空腹時の閲覧厳禁) お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-763.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1317597935&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月03日から

 モタモタしているうちに9月になってしまった(泣)。

 15時前にはホテルに入った。予約していた新富良野プリンスホテルが、施設内にいろいろなものがあるから。

 目的のひとつが「風のガーデン」。元々ゴルフ場だった敷地の一部をパークゴルフ場にして……ほかはどうしたんだ? とにかく一部をガーデンにしてドラマの撮影に使ったらしい。このほかに、『優しい時間』に出てきた「森の時計」も敷地内にある。
http://www.princehotels.co.jp/newfurano/facility/garden/
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グリーンハウス「風のガーデン」とブリティッシュガーデン
フジテレビ開局50周年記念ドラマ「風のガーデン」で使用した施設を一般公開いたします。
2008年10月よりテレビ放映されていた『風のガーデン』は、『北の国から』、『優しい時間』に続く“富良野三部作・最終章”として作られました。
富良野を舞台とし広大なブリティッシュガーデンを二年がかりで造成。主人公の家族が育てたこのガーデンには、 計365種類の花が季節ごとに咲き美しい癒しの風景が楽しめ、またハウス内はドラマを再現するセットとなっております。
================================引用終了

http://www.princehotels.co.jp/newfurano/restaurant/morinotokei/
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珈琲 森の時計
おすすめのメニュー・フェア
森の時計メニュー
レストラン特長
作家・倉本聰氏のテレビドラマ「優しい時間」で主人公が開いた喫茶店。落ち着いた豊かな時間を過ごせる場所大きな窓からは季節で変わる森の移ろいを静かに楽しむことができます。
================================引用終了



DSC03797.jpg
 風のガーデンの入り口のゲート。


DSC03791.jpg
 ドラマの中でも重要な役割を果たしていた建物。このほかにもドラマ終了後にカフェだのアイスクリームの店だのを敷地内につくっている。


DSC03792.jpg
 中井貴一が住まいにしていたキャンピングカー。案内に従って進んだら、こんな遠くからしか見えない。金返せ。


DSC03794.jpg
 トイレはこんな感じ。


DSC03798.jpg
 単なる売店を「ガブリエルの家」って……そういうのアリ?


DSC03800.jpg
 ここでも蜻蛉をやたらと見た。なかでもこのテーブルは何かをしみ込ませているのか、群がっていた。


DSC03801.jpg
 イメージ(笑)。


DSC03803.jpg
 これは正確にはガーデンの外だが、カサブランカがあんまりにも見事だったもんで……。


DSC03809.jpg
 もうひとつが「ニングルテラス」。
http://210.148.60.129/furano/resortnews/winter/ningleterrace.html
 こちらはオープン間もないときに一度来たことがある。今年オープン17周年ってことは、そんなにたつんだ……。あのときは宿泊先のサホロリゾートから、道に迷いながら向かった。まともな地図もなしによくたどりついたもんだ。
 敷地内に小さな小屋が点在し、工芸品を販売している。こういうのが好きな人は何時間でも過ごせるんだろうな。


DSC03804.jpg
 通路脇に置かれていたナゾの物体。


DSC03806.jpg
 裏に回って正体が判明した。大木の根っこだったらしい。

マンガ119/最近のマンガから20120923──最近のmixiって……

 下記の仲間。
【マンガ関連なんでもかんでも】 お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-765.html

 どさくさまぎれのPR。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-242.html

mixi日記2012年09月23日から

『気まぐれコンセプト』(第1392回)。9月17日発売の「ビッグコミックスピリッツ」に掲載されていた。
 主要登場人物ヒライ(だったと思う)のコメントによると、ネットの人気ジャンル(?)は下記のように変遷している。
 ブログ
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 mixi
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  ↓
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 これに従うなら、mixiは3代前のツールになる。一時の盛り上がりがなくなっているのはしかたがないのかもしれない。
 それに近頃のホニャララぶりはちょっとヒドいかも。
 足跡機能がなくなった頃、mixiのアクティブなメンバーが減ったことを詳しく調べたレポートを読んだ記憶がある。
 ひとつの要素として、日記を書く人が激減した。日記の通しナンバーの動きを執拗に調べていた。現在はそのときよりもさらに減っているだろう。しかし、その分「ボイス」を書く人が増えているので、なんとも言えない。
 ニュース日記を書く人は減ったと思う。足跡機能がなくなっては、張り合いがなかろうに。

 それ以上に実感できるのは、コミュへのコメント数が減っていること。これもトピの通しナンバーを追えばある程度はわかるのかもしれない。当方の参加コミュの「最新コメント」の半数くらいはマルチポストのオフ会の告知という悲惨な状況になっている。管理人が放置するから、カラアゲを続けるトピ(正確には「イベント」)も多い。
 個々のコミュで酔態(違う!)ぶりをカウントすることもできる。一例をあげる。
 Excel関係の最大コミュで新しく立てられたトピの数。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=68282691&comm_id=2106
================================引用開始
119
2012年09月22日 16:26

2012年08月 17
2012年07月  7
2012年06月 21
2012年05月 14
2012年04月 15
2012年03月 13
2012年02月  9
2012年01月 14
2011年12月  7
2011年11月 22
2011年10月 12
2011年09月 11
2011年08月 11
2011年07月 16
2011年06月 15
2011年05月 17
2011年04月 23
2011年03月 17
2011年02月 20
2011年01月 16
2010年12月 24
2010年11月 27
2010年10月 43
2010年09月 28
2010年08月 16
2010年07月 29
2010年06月 33
2010年05月 37
2010年04月 50


今後はどうなる!?

(以前も、件数をカウントして、分析?をして下さった方がいたと思うけど、その書込みは見つからなかったりします。)
================================引用終了

 当方がよくコメントを入れている日本語関係のコミュはもっと悲惨。
 ほぼ全滅状態で、たまーにホニャララなコメントが入る程度。
 あれだけいた「教えてちゃん」はいなくなった? かなりの部分はYahoo!知恵袋などに流れていると思う。ただ、あの場も自分の意見を書くだけで、「やり取り」ってものがないので発展性を感じない。

 なら新しいジャンルにシフトしていけば……とは思う。一応ブログ、Twitter、Facebookのアカウントを持って、連動させてはいる。だが、当方の頭がかたいのか、どうもTwitterやFacebookのおもしろさがイマイチわからない。
 コミュに近い機能もあるらしいが、活用のしかたがよくわからない。
 どうしたもんか。

よくある誤用1~10

【よくある誤用1──誤用の御三家 さわり 役不足 斜に構える】

 ひと口に「誤用」と言ってもいろいろなレベルがあります。
 よく目にするけど明らかな誤用。
 やはり誤用だよなぁ……というレベルのもの。
 もはや誤用とは言いにくいもの。
 一部の辞書が認めてしまったもの。
 目にする機会の多い「誤用」の例を見ていきます。

 まず、当方が「誤用の御三家」と呼んでいるもの。「斜に構える」に関しては誤用のほうが広まって、もはや「使えない言葉」になったような……。
 詳しくはリンク先をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

さわり
================引用開始
「さわり」は「山場」とかって意味。まあ簡単に言ってしまうと、曲のサビ。テレビなんかで「ほんのさわり」とか言って最初の部分とかを紹介してるのは誤用です。でもね。テレビで頻繁に誤用してると、それは瞬く間に誤用ではなくなるの。こうして日本語は破壊されていく。
================引用終了

 文化庁の調査では、世間では誤用の意味で考えている人が半数を超えるとか。
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2011_07/series_08/series_08.html
================引用開始
「話のさわりだけ聞いた。」などと使う「さわり」。「国語に関する世論調査」では,「さわり」の意味を「話などの最初の部分のこと」と考える人が半数を超えているという結果が出ました。この言葉の本来の意味を確かめましょう。
問1 「さわり」は,元々,邦楽に関係する言葉だそうですが,その意味を詳しく教えてください。
答 「さわり」は義太夫節の最大の聞かせどころ,聞きどころとされている箇所を指した言葉でした。それが転じて,音楽や物語の最も感動的な部分,話や文章の要点などという意味で使われています。
(以下略)
================引用終了

役不足
================引用開始
この言葉はもともとは芝居の用語で、「役者の格に比べて、割り当てられた役が軽すぎる」ことを指したといわれます。これが転じて、一般社会でも「当人の力量に比べて役割などが軽い」という意味で使われるようになりました。
 ところが、実際の使用例を見ると、ほとんどが正反対の「力不足」「力量不足」「荷が重い」「荷が勝つ」の意味で使われています。おそらく、「役不足」のほうが語感がよいからです。もう少し正確にいうと、「役不足」のほうがカッコよくて言葉に迫力が感じられるからでしょう。
 この誤用が頻繁に出てくるのは、マンガの対決シーンです。
「キサマじゃ役不足だ!」
 と相手をののしるときに使われます。
================引用終了

斜に構える
================引用開始
「役不足」が正しく使われている実例は珍しいと思うが、意味が決まっているのだから同じようなものを考えることはできる。
 ところが「斜に構える」の場合は、辞書を見ても「露悪的」と「改まった」という正反対みたいな意味があるのだから、使いようがない。
 結局、いいかえるしかないのか。
 本来の意味の「改まった」なら、「正々堂々」とか「真摯に」とか……まあ、こちらの使い方は少ないか。
 新しい意味の「露悪的」なら、「物事を斜めに見る」とか「シニカルな態度をとる」あたりが無難な気がする。「斜めに構える」とか「ハスに構える」でもいいかなと思ったが、『大辞泉』や『成語林』にしかられそうなのでやめておく。
================引用終了

 下記のリストから順次あげていこうと思います。
【もうダメかもリスト】〈2〉──けっこう厳選(笑)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2266.html



【よくある誤用2──ことわざの迷走 情けは人のためならず 犬も歩けば棒に当たる 隗より始めよ】


「故事ことわざ」が誤用されることも多いようです。よく目にする例をあげておきます。それぞれの正しい意味と、誤った解釈は次のとおりです。

情けは人のためならず
正 人にかけた情けは、めぐりめぐって自分に返ってくるものである
誤 むやみに情けをかけるのは甘やかすことになるので、結局その人のためにならない
「誤」の意味で使われることも多いようですが、まだかろうじて「正」のほうが優勢でしょう。 

犬も歩けば棒に当たる 
正 でしゃばってよけいなことをすると、ロクなことがない
誤 積極的に動き回れば、幸運に出合うことがある
 あまりにも誤用されることが多かったせいか、「誤」の解釈も許容されるようになってしまいました。辞書によっては「誤」の意味を許容しています。「犬も歩けば棒に当たるというぐらいだから、やってみる価値はある」という使い方もできるということです。

隗より始めよ
正 大きな事をするには、手近なことから始めよ
誤 事を始めるには、まず自分自身が率先垂範せよ
 すでに「誤」の意味のほうが一般的になっています(「正」の意味では使いにくいからでしょう)。いつから「誤」の用法が一般的になったのでしょうね。少なくとも『成語林』が発刊された1992年には「率先垂範」の意味が認められています。


 詳しくは下記をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1301.html


 下記あたりも、誤用されることが多い「故事ことわざ」です。これに関しては改めて。
人間万事塞翁が馬
他山の石
枯れ木も山のにぎわい
君子は豹変す



【よくある誤用3──朝日新聞の場合  憮然/ぶぜん 足元をすくう/すくわれる ダントツ/断トツ】

 個人的に、ネットで見かける誤用はできるだけ気にしないことにしています。妙な日本語や微妙な日本語が多くて、気にしているとキリがありません。その点、まともな出版社の紙媒体はヘンな日本語がほとんどないので安心できます。なかでも信頼しているのは朝日新聞です。
 とは言え、近年は朝日新聞でも疑問を感じる文章を目にすることが多いような……。ほかの媒体のことは考えたくありません。
「檄を飛ばす」「ごぼう抜き」「白羽の矢が立つ」あたりは、もう諦めるしかないでしょう。詳しくは改めて……。
「よくある誤用1」で書いた「斜に構える」や「よくある誤用2」で書いた「隗より始めよ」も、近年は誤用の意味のほうが一般的な気がするので目をつぶります。
 それでも……下記あたりはまだ気になります。

憮然/ぶぜん 
正 失望・落胆している様子
誤 腹をたてている様子
 朝青龍の記事では度々「憮然/ぶぜん」が出てきた。あの人の態度を「失望・落胆した様子」ととっていたら、そのほうが問題だろう。

足元をすくう/すくわれる
 意味の上での「誤用」ではなく、語形の上での「誤用」。「足をすくう/すくわれる」が正しい。一部の辞書は「足元をすくう/すくわれる」は誤用と明記するようになった。それだけ問題視されているのだろう。

ダントツ/断トツ
「ダントツの最下位」とか「ダントツの2位」とかは、さすがにダメだろう。「ダントツ」は「断然トップ」を略した言葉だから、「ダントツの首位」も「重言」だと思う。「重言」の話を始めると、頭の痛いことがあって……。 


【朝日新聞から総索引(2002年~)】で検索してみた。このうちどれくらいがホントの誤用なのかは不明。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
ぶぜん→4件
足元→15件
ダントツ→3件
断トツ→2件



【よくある誤用4──「重言」は誤用ではないが…… 立場に立つ 犯罪を犯す 被害を被る】

「重言」は誤用ではなく、「無神経な表現」とでも言うべきでしょう。
ただ、ひと口に「重言」と言ってもいくつかのレベルがあるようです。「重言」の多くは、下記のように簡単に修正できます。

過半数を超える→過半数に達する/半数を超える
思いがけないハプニング→思いがけない出来事/ハプニング
元旦の朝→元旦/元日の朝
ハッキリと断言する→ハッキリ言う/断言する

しかし、なかには簡単には直せないものもあります。
「歌を歌う」は「重言」ではなく、言語学では「同族目的語」などと呼ばれるそうです。簡単には修正できません。
以下にあげるのも、「重言」と呼ぶべきか否か、意見が分かれるようです。Yahoo!知恵袋に限っても、何度も繰り返して(これも重言?)話題になっています。

消費者の立場にたって考える
なぜ犯罪をおかすのか
東日本が甚大な被害をこうむった

「重言」ではないとしても、「立場に立つ」「犯罪を犯す」「被害を被る」という表記にすると漢字の重複が気になりませんか。修正案をあげておくのでご参照ください。

立場に立つ
■修正案
側に立って/立場になって/立場で/立場から
これらの修正案は、いずれも「立場にたって」よりも語感が悪い気がします。つい重言を使ってしまう例が多い理由は、この語感の悪さです。原文が「消費者の立場にたって商品を開発する」なら、「立場を考えて」「立場を考慮して」など、修正の選択の幅が多少広がりますが、やはり語感は「立場にたって」より劣る気がします。

犯罪を犯す
■修正案
罪を犯す/犯罪に走る
この修正案は、あまりよい例とはいえません。修正するのが非常にむずかしい例です。「犯罪を犯す」と「罪を犯す」では、言葉のニュアンスが違ってきます。「犯罪」は刑法に背く行為で、「罪」は良心に背く行為という感じでしょうか。「犯罪に走る」なら意味はかわりませんが、大げさな印象になります。

被害を被る
■修正案
害を被った/損害を被った/被害を受けた/被害に遭った
これもあまりよい修正案とはいえません。「被害」と「害」「損害」とでは、「犯罪」と「罪」以上に言葉のニュアンスが違っていると思います。「被害を受けた」は、厳密に考えると重言でしょう。「被害に遭った」は有力な修正案ですが、↑の例文の場合はしっくりしない気がします。
言葉のニュアンスをかえずに重言を修正するためには、次のように書きかえる方法もあります。
なぜ犯罪をおかすのか
→なぜ犯罪が生まれるのか
→なぜ犯罪が起きるのか
東日本が甚大な被害をこうむった
→東日本では甚大な被害が生じた
ただし、原文が「人はなぜ犯罪をおかすのか」のときには、この書きかえはできません。

詳しくは下記をご参照ください。
【伝言板 板外編5──重言の話3】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-59.html
【重言の話4(第1稿)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-863.html



【よくある誤用5──言いかえがむずかしい(泣) 確信犯 なし崩し 潮時】

 誤用に関する書籍は数多くあります。ネット上でも玉石混淆でさまざま意見が流布しています。誤用であることを頻繁に指摘されながら、それでも誤用されることが多い言葉があります。
 おそらく、適切な言いかえがむずかしいからでしょう。それが見つからないと誤用は減らず、やがては誤用のほうが幅をきかせるようになります。
 ↓の言葉に関して、自分で「正」の意味で使ったことはありません。たぶん通じないし……。

確信犯
正 自らの行為を正しいと信じて行なう犯罪
誤 悪いのを承知で行なう犯罪
尖閣諸島の映像流出からもう2年近くたつ。あのときには「確信犯」という言葉が飛びかった。流出した人は、「自分の行動は間違っていない」と考えている。しかし、「甘んじて刑にも服す」とも考えている。ホントの確信犯なら「これで罪に問われるなら、法律が間違っている」と主張するところじゃないか?
■「誤」の意味を表す言いかえ案
ありません。キッパリ<( ̄- ̄)>
しかたがないので、「誤」の意味で「確信犯的」と使うことにしている。

なし崩し/なしくずし
正 物事を少しずつ片づけていくこと
誤 成り行きでウヤムヤにしてしまうこと
「なし崩しに原発を再稼働する」なんて表現をよく見るような。
■「誤」の意味を表す言いかえ案
「成り行きで」「ウヤムヤのうちに」くらいだろうか。

潮時
正 好機。物事を始めたり終えたりする好機
誤 物事をやめる時機
スポーツ選手の引退のコメントなどに出てくる。「そろそろ潮時と思いました」
たしかに「物事を終える好機」と考えれば誤用ではないかもしれないが、やはり誤用だろう。株式取引で、高値がついているときに「そろそろ潮時」と売り抜けるなら正しい使い方だろう。
■「誤」の意味を表す言いかえ案
「年貢の納め時」って言い方はあるが、ちょっと古くさい。しかもこの言葉は独身者が「身を固める時」に使う印象が強い。

詳しくは下記をご参照ください。
【確信犯】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1626.html
【なし崩し/なしくずし】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2445.html
【潮時】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2440.html



【よくある誤用6──誤用とは言い切れない例 申し訳ありません とんでもありません とんでもないです】

「誤用」とされる言葉にはいろいろなパターンがあります。なかには、誤用ではないのに誤用扱いされている可哀想な言葉もあります。もっとも、「誤用ではない」のなかには、「元々誤用ではない」ものもあれば誤用が広まったために許容されるようになったものもあります。
  
申し訳ありません/ございません
 昔、「申し訳ありません/ございません」は「誤用」という記述を何かで読んだ気がしますが、そんな曖昧な記憶では根拠を示しようがありません。
 現在でも、ネット検索すると「申し訳ない」が一語の形容詞であることを理由に、「申し訳ありません/ございません」を誤用とする記述を目にします。
 本当にそうなのでしょうか。
 たとえばWeb辞書『大辞泉』には下記のように書いてあります。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=申し訳ない&stype=0&dtype=0
================================引用開始
もうしわけ‐な・い〔まうしわけ‐〕【申(し)訳無い】
[形]
1 言い訳のしようがない。弁解の余地がない。相手にわびるときに言う語。「世間に対し?・い気持ちで一杯だ」「不始末をしでかして?・い」
2 相手に無理な依頼ごとをして、すまないという気持ちを表す語。「?・いが、あしたにしてもらいたい」
[派生] もうしわけながる[動ラ五]もうしわけなげ[形動]もうしわけなさ[名]
◆「申し訳」に「ない」の付いた複合形容詞で一語とするが、「申し訳」は名詞としても使うし、「申し訳がない」「申し訳が立たない」という言い方もある。従って丁寧に言おうとして「申し訳ありません」「申し訳ございません」と言うのを、一概に誤りとは言えないであろう。
================================引用終了

『明鏡国語辞典』にも「丁寧形の『申し訳ありません』『申し訳ございません』が多く用いられる」と明記されているそうです。
 どうやら、「誤用」とするのは無理がありそうです。


とんでもありません/ございません
 これも諸説あるところですが、平成19年に文化庁が「敬語の指針」で許容してしまいました。そのため、Web辞書『大辞泉』は下記のように書いています。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=とんでもない&stype=0&dtype=0
================================引用開始
とんでも‐な・い
[形]《「とでもない」の音変化》
1 思いもかけない。意外である。「―・い人にばったり出会う」「―・い発明」
2 もってのほかである。「―・い悪さをする」
3 まったくそうではない。滅相もない。相手の言葉を強く否定していう。「―・い、私は無関係だ」
◆「とんでも」に「ない」の付いた形だが、「とんでも」が単独で使われた例はなく、「とんでもない」で一語と見るのがよい。とすれば、「ない」を切り離して「ありません」「ございません」と置き換えて丁寧表現とするのは不適切で、丁寧に言うなら「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」「とんでものうございます」と言わなければならない。しかし、最近は「とんでもありません」「とんでもございません」と言う人が多くなっている。
平成19年(2007)2月文化審議会答申の『敬語の指針』では、相手からのほめ言葉に対して謙遜しながら軽く打ち消す表現として「とんでもございません(とんでもありません)」を使っても、現在では問題ないとしている。
なお、「とんでもない」には「もってのほかだ」と強く否定する意味もあり、「とんでもないことでございます」を使う場合は注意が必要と『指針』は述べている。
================================引用終了

 これも、「誤用」とするのは無理があるようです。
 ただし個人的には、「とんでもありません/ございません」には異和感があるので原則として使いません。
 おそらく……「申し訳ありません/ございません」は元々誤用ではないのでしょう。「申し訳がありません」のように「が」を入れれば、何も問題がないはずです。
「とんでもありません/ございません」のほうは、元々は誤用ですが、許容されたのでしょう。
 このあたりのことは、専門家におまかせします。
 個人的には、「元々どうであったか」にはあまり興味が湧きません(「教養」としては知っておくべきでしょうが)。「現在どのように使われているか(使うべきか)」のほうが重要な気がするからです。

とんでもないです
「とんでもありません/ございません」は誤用で、「とんでもないです」が正しい、と書いてあるとサイトを見たことがあります。
 これがまた微妙な話で、「形容詞+です」(「うれしいです」「楽しいです」など)を認めるか否か、という問題が関係します。昭和27年に文化庁が「形容詞+です」を許容してしまったため、現在の文法書や辞書は許容しているはずです。
 当方はこの形に異和感があるので、原則的に使いません。
 ただし、「形容詞+です」には異和感がない人でも、「ないです」には異和感があるのでは。これは「ありません」にするほうが自然で、「ないです、は間違い」と主張する人もいるようです。
 この形には個人的に「とんでもありません/ございません」以上に強い異和感があるので原則として使いません。

 文化庁のルールに従うなら、「とんでもありません/ございません」もOKです。「とんでもないです」も「誤用」とは言えないのかもしれません。
「~ない」形の形容詞はほかにも多数あります。

  仕方ない/他愛ない/しようがない……etc.

 このなかには「~ありません」「~ございません」にしてもおかしくないものもあります。すべてを同列に扱うことに無理を感じます。
 
 詳しくは下記をご参照ください。
【「~ない」形の形容詞の迷宮】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1814.html



【よくある誤用7──よくある誤用7──ネットが広めた誤用 ご教授ください ご存知のとおり 直裁な言い方】



近年急速に広まっている誤用のほとんどは、ネットが関係している気がします。
なかには、ネット上のやり取りから生まれたと思われるものもあります。

ご教授ください
================================引用開始
微妙な例で真っ先に浮かぶのは、「ご教授ください」。
これは誤用で「ご教示ください」が正しい、と主張する人がいる。当方はそこまで主張する気にはなれない。
「教授」をネット辞書(『大辞泉』)で引く。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=教授&stype=0&dtype=0
きょう‐じゅ〔ケウ‐〕【教授】
[名](スル)
1 学問や技芸を教え授けること。「書道を―する」
2 児童・生徒・学生に知識・技能を授け、その心意作用の発達を助けること。
3 大学や高等専門学校・旧制高等学校などで、研究・教育職階の最高位。また、その人。「大学―」
〈[名](スル)〉になっているから、「教授する」は文法的には間違っていない。したがって、「ご教授します」も「ご教授ください」も間違いではない。
文法的には間違っていないが、一般的に使うか否かは別の話になる。
こうなると辞書は役に立たず、主観の問題になってくる。
個人的には、「ご教授ください」は使わないし、相当異和感がある。これを使うとしたら、偉い人が偉そうに語る場合。
「ご教授いたそう」
それは偉そうだな(笑)。専門的で高度な知識なら「ご教授」でもいい気がする。
ネットで使われる例は、「○○について教えてください」くらいの意味だから。「教えてください」で十分だと思う。「教えていただけませんか」くらいのほうが丁寧か。少し改まった感じにするなら「ご教示ください」だろう。
一般的に考えても、「ご教授」するからには、それなりの内容でなくては困る。辞書の「1」例にある「書道を教授する」はアリだろう。これは逆に「教示する」にはしにくい。
実際に目にする例だと、囲碁・将棋(これは「技芸」だろうか)だろう。その場合は「(一局)ご指南ください」「(一局)ご指南いたしましょう」とか言う。「指南」は少し語感が古いから、現代なら「指導」のほうが自然かもしれない。
「ご教授ください」が広まったのは、おそらくそのほうが「ご教示」より丁寧な印象があるみたいに誤解されたから。それがネットで使われるようになってとんでもないスピードで流布した。もはや止めようがない気がする。
こういう例はほかにもあるんだろうな。
================================引用終了


ご存知のとおり
================================引用開始
「存知」は言葉としては存在するが、「ぞんち」(もしくは「ぞんぢ」)と読む別の言葉。
「ご存知でしょうが」とするのは誤用と言ってしまっていいだろう。
ところが、この用例が異様に多い。グーグル検索で「ご存知」を検索すると、約17,500,000 件もある。
なかには、テレビドラマのタイトルまである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ご存知!旗本退屈男
これは、一部の変換ツールが「ごぞんじ」で「ご存知」と変換するからとしか思えない。当方はマイクロソフト系があやしいと睨んでいる。どなたか検証してください。
手元の『朝日新聞の用語手びき』の使い分けを確認した。いつもは表記の話だと真っ先にこれをひくんだけど、なぜかやっていなかった。単純な表記の問題と考えてなかったんだろうな。
「御」と「お」の使い分けに関しては記載がない。まあ、「お」にするものだろう。
「御」と「ご」の使い分けに関して。
〈接頭語〉は「ご」。これは「一般の接頭語」ということだろう。
ご縁/ご協力/ご多分に漏れず/ご本尊
〈接頭語のうち漢字で書く習慣が強いものや、固有名詞に近いもの〉は「御」。
御所/御前試合/御用邸……etc.
ちなみに、「ごぞんじ」に関しては単独の項目があり、〈御存知→ご存じ〉になっている。
今度は『記者ハンドブック』(共同通信社)をひく。「御」と「お」の使い分け、「御」と「ご」の使い分けに関してはほぼ同様。「ご」の用例のなかに「ご存じ」が入っている。
こう見ていくと、「ご存知」と書く理由はない。
================================引用終了


直裁な言い方
 あまりにも誤用が多いせいか、Web辞書は「直截」の慣用読みとして「ちょくさい」を認めたようです。とは言え、「直裁な言い方」の類いまでは認めていません(これはさすがに認めないでしょう。当分の間は……)。
================================引用開始
これは問題の根が深い。
何よりの証拠に「直裁」で検索すると約278万件も(!)引っかかってくる。もちろん、正しく「直裁」の意味(「ただちに裁決する」くらいの意味)で使っている例もあるんだろうけど、そんなに使用頻度の高い言葉ではないから大半は誤用だろう。
「直裁」は意味が違うから、正しくは「直截」。「直截」で検索すると、約18.3万件。誤用の10分の1以下(笑)。
まず問題は「直截」をなんて読むか。一般には「ちょくさい」の気がする。それは慣用読みで、正しくは「ちょくせつ」。慣用読みにあれほど寛容(単なる偶然です。ダジャレのつもりはありません)で片端から無節操に採用しているIMEが、「ちょくさい」を採用していないらしい。Macintoshのことえりが採用していないことは少し前に気づいていた。今回のことから判断すると、MS-IMEも採用していない。そりゃダメだよ。「ちょくさい」だと思い込んでいる人が、変換して「直裁」しか出てこなきゃ、字が似ているから絶対この字が正しいと思っちゃうよ。
【20110226追記】
最近、「直裁」のほかに「直載」と書く例もふえているらしい。
http://www.google.co.jp/search?client=safari&rls=ja-jp&q=直載&ie=UTF-8&oe=UTF-8&redir_esc=&ei=n3FoTeq4CYbuvQOBh4DkAg
いまさらながら「直截」を辞書でひいてみた。Web辞書は「慣用読み」として「ちょくさい」を認めている。まあ、これだけ誤読が増えるとしょうがないよな。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/14730712185100/
===============
ちょく‐せつ【直×截】
[名・形動]《慣用読みで「ちょくさい」とも》
1 すぐに裁断を下すこと。また、そのさま。「―な(の)処置」
2 まわりくどくなく、ずばりと言うこと。また、そのさま。「簡明―な表現」
===============
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=ちょくせつ&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=112878100000&pagenum=1
===============
ちょくせつ0 【直▼截】
(名・形動)
[文]ナリ
[1]まわりくどくないこと。ずばりということ。また、そのさま。
―簡明
語を出すに軽快にして―なる〔出典: 即興詩人(鴎外)〕
[2]ためらわずただちに決裁すること。
〔補説〕 「ちょくさい」は慣用読み
===============
================================引用終了


下記あたりも相当危うい気がします。これに関しては改めて。
すべからく
ほしいままにする
くみしやすい
詳しくは下記をご参照ください。
【ネットが広めた誤用……etc.──「教授する」か「教示する」か】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-869.html
【ネットが広めた誤用……etc.2──「ご存じのとおり」か「ご存知のとおり」か】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-903.html
【ちょっと気になる誤用の話──直裁ないいかたをする 直截 ちょくさい ちょくせつ 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-294.html



【よくある誤用8──よくある誤用8──読み方の問題 他人事(ひとごと/たにんごと) 善し悪し(よしあし/よしわるし) 十分(じゅうぶん/じっぷん/じゅっぷん) 】

 読み方にかかわる誤用もけっこうあるようです。「雰囲気」は「ふんいき」か「ふいんき」か……なんてホニャララなことを書く気はありません。そんなものはどんな辞書をひいても簡単にわかるはずです。

他人事(ひとごと/たにんごと)
 本来は「ひとごと」。近年は「たにんごと」と読んでも「間違い」とは言えないようです。
================================引用開始
 Web辞書(全文は↓)を見ると、『大辞泉』は「たにんごと【他人事】」の項を立てて〈◆本来は「ひとごと」と読んだ語。〉としている。
『大辞林』は問答無用で「ひとごと」にふっている。ただし、「ひとごと」の説明の中に「たにんごと」とある。どう考えているのかよくわからない。
 結論を書くと、「ひとごと」と読むのが一般的だろうが、もはや「たにんごと」を誤用とするのも無理だろう。自分では「ひとごと」としか読まないけど。「たにんごと」って言葉自体が、比較的新しい言葉だと思う。
================================引用終了

善し悪し(よしあし/よしわるし)
 本来は「よしあし」でしょう(根拠が希薄なので断言はできません)。でも一部の辞書が認めている「よしわるし」を誤用とは言えません。
================================引用開始
【問題】
 次の1)~4)のなかから「善し悪し」を「よしわるし」と読むことの解説として適切なものを選びなさい。
  1)単なる誤用
  2)最近Web辞書が広めた許容の例
  3)古くから認められている読み方
  4)その他
【解答?例】
 不本意ながら3)です。
 考えようによっては4)とも言えそうです。
「善し悪し」には、「善悪」という意味と「一長一短」という意味がある。ただ、「類似品の善し悪しを見分ける」のような例だと、どちらなのか微妙な気がするけど。
一部の辞書は、どちらの意味でも「よしわるし」とも読めるとしている。
 一部の辞書は、「一長一短」という意味に限って「よしわるし」とも読めるとしている。
================================引用終了

十分(じゅうぶん/じっぷん/じゅっぷん)
 常用漢字表が改訂される前は、「じゅうぶん」か「じっぷん」でした。一般には「じゅっぷん」と読む人が多くても、ルールとしては「じっぷん」。
 子供が漢字のテストで「じゅっぷん」と書いて×にされた、と憤慨する親がいたとか……。
 常用漢字表が改訂され、「じゅっぷん」も許容されました。教育現場が混乱しないのでしょうか。
================================引用開始
 問題は「10分」。これは昔からよく話題になるテーマで、「じゅっぷん じっぷん」で検索すると山ほど出てくる。歴史的なことも踏まえた下記がわかりやすいかも。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=119628801&sort=1
 問題を切り分ける必要はないのかな。
 そもそも「10分」と「十分」って、読み方はおなじなの?(意味がかわる「じゅうぶん」に関しては考えない)
 たとえば「一人」「一つ」を「ひとり」「ひとつ」と読むのはOKだが、「1人」「1つ」を「ひとり」「ひとつ」と読むのはおかしい、と主張する人がいる。一理あると思う。そういう主張をする人は「10分」をなんて読むのだろう。「10」は「じゅう」としか読まないだろう。少し無理すれば「とう」なんだろうな。
 そんな意地悪を言ってもしょうがないから、「10分」と「十分」はほぼ同じということにしよう(笑)。
 編集・出版業の常識として、「十分」を「じゅっぷん」と読んだら間違い。アナウンサーの現場では「じゅっぷん」も許容とか言われても困る。
 歴史的なことはよくわからないが、常用漢字表を見れば明らか。「十」の読みは「ジュウ・ジッ・とう・と」しかないから、「じゅっぷん」にはならない。これは小学校の低学年で習うらしい。一般には「じゅっぷん」と言っている人が多いかもしれないが、だからと言って常用漢字表を無視してもらっては困る。学校教育は常用漢字表に準じているはずだし、編集・出版業だって、基本的には常用漢字表に従っている。
「実際にはこう言っている」なんてことを言いはじめると、「女王」はどうする「体育」はどうするという話になる。そーゆーことって書くのか、って話も出てくるし、はては最近は「ふいんき」と言う人が多いなんてヨタ話も出てくる(笑)。
 ちなみに、「一人」を「ひとり」と読むのも変則的だが、これは常用漢字表の【付表】にあるから何も問題はない。
================================引用終了
 これが古くからの考え方。ただし。2010年にルールが少しかわった。「十」に「ジュウ」「ジッ」のほかに「ジュッ」の音が加わった。あくまでも「許容」の形だが、今後はこちらが主流になる可能性が高い。
「改定常用漢字表」(「新常用漢字表」とも呼ばれる)(P.66)
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/kaitei_kanji_toushin.pdf
================================引用開始
ジュウ  十字架,十文字  十重二十重(とえはたえ) 二十・二十歳(はたち) 二十日(はつか) ジッ  十回   「ジュッ」とも。
とお  十,十日
と  十色,十重
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 詳しくは下記をご参照ください。
【表記の話8──「他人事」「人事」「人ごと」「ひとごと」「たにんごと」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1941.html
【善し悪し よしあし よしわるし】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2232.html
【10分の読み方は「じっぷん」か「じゅっぷん」か、はたまた……】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1462.html



【よくある誤用9──それも誤用とは言えない 一所懸命/一生懸命 独壇場/独擅場 喧々諤々/喧々囂々/侃々諤々


 本来は○○だけど、△△も許容される……という例は多いようです。どちらが正しい形か、というのはもっともな疑問ですが、あまりこだわっても仕方がない気がします。
 Yahoo!知恵袋に限っても、そういった質問が繰り返し登場していて食傷気味です。

一所懸命/一生懸命
 これがイチバン知られているのでは。
 本来は「一所懸命」。元々は土地を命懸けで……そのとおりです。
http://gogen-allguide.com/i/issyoukenmei.html
 でも「一生懸命」が「間違い」ではありません。現代の出版物などは、ほとんどが「一生懸命」を使っています。

独壇場(どくだんじょう)/独擅場(どくせんじょう)
 本来は「独擅場」でした。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1412335714
 でも「独壇場」が「間違い」ではありません。むしろ「独擅場」などと書いたら、そちらのほうが間違いと思われかねません。

喧々諤々/喧々囂々/侃々諤々
 本来は「喧々囂々(けんけんごうごう)」と「侃々諤々(かんかんがくがく)」です。意味は辞書をひいてください。
 いつからか、両者も混交した「喧々諤々(けんけんがくがく)」が使われるようになりました。「それは誤用」と主張する人も多いようです。
 でもちょっと待ってください。
『広辞苑』は、1991年の段階で「喧々諤々」を採用しています。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-date-20120323.html
================================引用開始
『お言葉ですが…9) 芭蕉のガールフレンド』高島俊男
10-3-6  p.47~のテーマは〈ケンケンガクガク?〉。
『広辞苑』は1991年の第4版の段階で喧々諤々を採用しているらしい。フーン。ってことは、世間的には「喧々諤々」が誤用と言い切れなくなって20年近くたつのね。
================================引用終了
Web辞書『大辞泉』も「喧々諤々」を認めています。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=けんけんがくがく&stype=0&dtype=0
================================引用開始
けんけん‐がくがく【×喧×喧×諤×諤】
[ト・タル][文][形動タリ]《「けんけんごうごう(喧喧囂囂)」と「かんかんがくがく(侃侃諤諤)」とが混同されてできた語》大勢の人がくちぐちに意見を言って騒がしいさま。「―たる株主総会の会場」
================================引用終了
 個人的には、さすがに「喧々諤々」は使いません。でも、「誤用」と主張する気もありません。こんなに古くから許容されているのですから、しかたがありませんって。



【よくある誤用10──もはや誤用とは言えない ごぼう抜き 檄を飛ばす 白羽の矢が立つ】

 元々の意味を考えれば誤用なんだけど、もはや誤用とは言えなくなっている言葉の話。なんの役にも立たない……かもしれませんが、知っていて損はないでしょう。
 下記の3例はいずれも本来は誤用ですが、テレビ、新聞などでもよくお目にかかります。

ごぼう抜き
駅伝の実況なんかでおなじみの表現ですが、元々は誤用です。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=ごぼうぬき&stype=0&dtype=0
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ごぼう‐ぬき〔ゴバウ‐〕【▽牛×蒡抜き】
1 牛蒡を引き抜くように、棒状のものを力を入れて一気に引き抜くこと。
2 多くの中から一つずつを勢いよく抜くこと。座り込みの人などを一人ずつ排除したり、人材を引き抜いたりする場合に用いる。また、競走などで、数人を一気に抜くことにもいう。「ピケ隊を―にする」「一〇人を―にして堂々入賞する」
================================引用終了
 元々は、「1」の意味から派生した「2」の前半の意味で使われていました。「ピケ隊をごぼう抜きにする」……ここまで死語感(誤用?)が強い言い回しも珍しい。
 駅伝などで使われる「ごぼう抜き」は「数人を一気に抜くこと」でしょう。元々は誤用でも、辞書にものっているし、広く使われています。でもちょっと待って。たとえば100mくらいの間に数人を抜くのは「一気に抜くこと」になるでしょう。10kmの区間で、1人抜き、2人抜き……結果的に10人抜いたとして、「一気に抜くこと」になってますかね。

檄を飛ばす
 スポーツの試合で、ベンチの監督や控えの選手が指示や応援の声をかけることを「檄を飛ばす」などと言います。これは二重の意味で誤用です。これを「誤用」とする指摘は結構見るかもしれません。下記の辞書も「誤用」にしています。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=げき&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=05538300&pagenum=1
================================引用開始
げき【×檄】
1 古代中国で、召集または説諭の文書。木札を用いたという。めしぶみ。さとしぶみ。
2 自分の考えや主張を述べて大衆に行動を促す文書。檄文。ふれぶみ。
◆誤用が定着して、励ますこと、また、励ましの言葉や文書の意味でも用いる。
================================引用終了
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=げき&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=05538300&pagenum=1
================================引用開始
檄(げき)を飛(と)ば・す
自分の主張や考えを広く人々に知らせる。また、それによって人々に決起を促したりする。
◆誤用が定着して「がんばれと励ます」「激励する文書を送る」という意味でも用いられる。文化庁が発表した平成19年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」で使う人が19.3パーセント、間違った意味「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」で使う人が72.9パーセントという逆転した結果が出ている。
================================引用終了
 辞書の「檄を飛ばす」の説明は言葉足らずです。
「檄」(「檄文」もほぼ同義)は、大衆の決起などを促すための文書のことで、木札に書き記しました。木編がついているのはそのせいでしょう。「檄を飛ばす」は、その「檄」を各地に送ることを言いました。「檄」を使わずに、各地に送りもせずに、単に「自分の主張や考えを広く人々に知らせる」ことを「檄を飛ばす」というのは相当ヘンです。
 現代の用法に戻って……。たとえば「維新の会」の代表が、地方の同士に決起を促す手紙を書けば、これは「檄を飛ばす」でしょう。
 ベンチからの声援は、当然文書ではありませんし、決起も促していません。「激励」の「激」と「檄」を勘違いして使いはじめたのではないかと……。
 とはいえ、「檄を飛ばす」は新聞などでもよく目にします。たいていは、「活を入れる」「声援を送る」の意味です。

白羽の矢が立つ
 同じような意味で「白羽の矢を立てる」とか「白羽の矢が当たる」という使い方も見ます。「間違い」とは言えないのかもしれませんが、異和感があります。慣用句を微妙にかえると、非常に気持ちの悪い感じになります。
「白羽の矢が立つ」は、本来は犠牲者として選ばれることです。これがいつの間にか「抜擢」の意味で使われるようになりました。本来の意味で使っている例は見た記憶がありません。まあ大敗がほぼ決まっている選挙直前に選ばれる党代表の候補者なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」かもしれませんが。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=白羽の矢&stype=0&dtype=0
================================引用開始
白羽(しらは)の矢が立・つ
《人身御供(ひとみごくう)を求める神が、その望む少女の家の屋根に人知れずしるしの白羽の矢を立てるという俗説から》多くの中から犠牲者として選び出される。また、一般に多くの中から特に選び出される。「社長候補として―・った」
◆文化庁が発表した平成17年度「国語に関する世論調査」では、「美術館建設の候補地として、この村に白羽の矢が当たった」という言い方が「気になる」と答えた人が58.3パーセント、「気にならない」と答えた人が35.3パーセントという結果が出ている。
================================引用終了 

詳しくは下記をご参照ください。
【「好ましい日本語」をめぐって31くらい──「好ましくなった言葉」補足編】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2449.html
「12」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【白羽の矢】
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=
下記がいいかな。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-36.html
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7-5
25日
早川が左手中指のけがで登録を抹消され、2軍で打率2位と結果を残していた角中に白羽の矢が立った。(21面)
 これは「もう誤用とはいえない」例なんだろうな。少し前に朝日新聞の投書欄で、「本来は人身御供の意味で使う白羽の矢を……」みたいな意見を読んだ気がする。メモしとくんだった。そりゃごもっともなんだけど、もう無理でしょ。本来の意味で使ってる例なんて、記憶にない。まあ選挙惨敗後に起用される新首相なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」なんだろうけど。そういうふうに「誤用」と決めつける意見を、なんの注釈もなく掲載する見識ってどうなんでしょ。あくまでも「誤用」とするのが社の方針なら、ほかの記事中でこういう使い方はしないでほしい。いくらでもほかに書き方はあるでしょ。「抜擢」とか。「お鉢が回る」ってはたぶん意味が違うんだろうな(それ以前に死語かな)。
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 ちょっと気になって「白羽の矢が立つ」に関して『大辞泉』に出ている〈平成17年度「国語に関する世論調査」〉を見てみた。あまりのムチャクチャぶりに言葉を失う。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h17/kekka.html

「9.使う言い方,気になる言い方」の(2)気になる言い方であげられている言葉は5つ。

(1)うそをついて〈あとで後悔した〉
(2)早起きして行ったのに,順番を〈一番最後〉にされた
(3)今年の〈元旦の夜〉は,みんなで初もうでに行こうよ
(4)その方法は,〈従来から〉行われていたやり方だ
(5)美術館建設の候補地として,この村に〈白羽の矢が当たった〉

 これって何を訊きたいの? (1)~(4)までは重言の話。(5)も重言になるか考えたが、どう考えても重言ではない。手当たりしだいにあげたってこと?
 (5)の気になる箇所の可能性は2つある。
1)「白羽の矢が立つ」をいい意味で使うのはOKか
2)「白羽の矢が立つ」を「白羽の矢が当たる」と言ってもOKか
 当方は1)に関してはもうしかたがないかな、と思う。でも2)に関しては相当気になる。答えとしては「気になる」。答えた人はどこが気になったのだろう。
 結論を書こう。2箇所問題のある設問をしたのでは、どんな結論が出ても参考にならない。「意味が違っていても」「形が違っていても」なんにも気にならないっていう●●の割合を調べたいのなら話は別だが。
================================引用終了

よくある誤用11──ことわざの迷走2 他山の石 枯れ木も山の賑わい 君子は豹変す

 下記の続きです。
【よくある誤用2──ことわざの迷走 情けは人のためならず 犬も歩けば棒に当たる 隗より始めよ】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114824 


他山の石
正 戒め(反面教師)になる他者の失敗
誤 手本になる他者のすぐれた言動
「他山の石以て玉を攻むべし」と続く。質の悪い石でもいい石を磨くのに役立つ、くらいの意味。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=他山の石&stype=0&dtype=0
================================引用開始
他山(たざん)の石(いし)
よその山から出た、つまらない石。転じて、自分の修養の助けとなる他人の誤った言行。「他社の不祥事を―として会計の透明化をはかる」→他山の石以て玉を攻むべし
◆質の悪い石でも玉を磨くのに役立つということから、良い言行を手本にする意味で使うのは誤り。
文化庁が発表した平成16年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「他人の誤った言行も自分の行いの参考となる」で使う人が26.8パーセント、間違った意味「他人の良い言行は自分の行いの手本となる」で使う人が18.1パーセントという結果が出ている。
================================引用終了

 下記のようなやり取りは「他山の石」にできるかも。
 なぜこれがBAになるのか?
「他山の石」と「反面教師」は、ほぼ同じ意味だろう。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1280361162


枯れ木も山の賑わい
正 つまんないものでも、ないよりはマシ
誤 人がたくさん集まれば賑やかになってよい
昔、「枯れ木も山の賑わいと言いますから是非ご出席ください」と恩師を誘った●●がいる、という笑い話を聞いた。「笑い話」ではなくなっているらしい。
そう言えば最近、「人数合わせ」って言葉も見聞するなぁ。そんな言葉あるんだろうか。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=枯れ木&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=03744100&pagenum=1
================================引用開始
枯(か)れ木(き)も山(やま)の賑(にぎ)わい
《枯れ木も山に風情を添えるのに役立つ意から》つまらないものでも、ないよりはましであることのたとえ。
◆文化庁が発表した平成16年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「つまらないものでも、ないよりはまし」で使う人が38.6パーセント、間違った意味「人が集まればにぎやかになる」で使う人が35.5パーセントという結果が出ている。
================================引用終了


君子は豹変す
正 立派な人ほど自分の過ちを潔く認めて改めること
誤 態度が急に悪いほうにかわること
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1093873645
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1301.html

「好ましい日本語」をめぐって31くらい──「好ましくなった言葉」補足編

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2011年01月22日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1661091393&owner_id=5019671

【好ましくなった言葉】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59500832
 上記のトピの個々の語句の補足(「の」の4連発だ)が長くなるとうっとーしいのでこっちに書きます。

リスト■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1【こだわる/こだわり】
2【ヤバい】
3【普通】
6【生き様】
7【デキ婚】
8【ジンクス】
9【犬も歩けば棒に当たる】
11【情けは人のためならず】
12【白羽の矢】
13【斜に構える】
16【鳥肌が立つ】
17【微妙】
18【田舎】
19【楽天的】【自己主張】


 下記の考え方と通じるかもしれない。
【トピへのコメントを日記形式で書く理由──返信コメントは原則的にトピにお願いします】※あくまで原則論/マイミクさんは例外
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1468087432&owner_id=5019671


「6」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【生き様】
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%A7%98&stype=0&dtype=0
================================
いき‐ざま【生き様】
《「死に様(ざま)」からの連想でできた語とされる》その人が生きていく態度・ありさま。生き方。「はげしい―を描く」
================================
〈「死に様(ざま)」からの連想でできた語〉とあるように、昔は「生き様」なんて言葉はないとされていた(たぶん)。
 様態を表わす「様(ざま)」が、そもそもあまり好ましい言葉ではなかった(はず)。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%96%E3%81%BE&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=09041007431800&pagenum=1
================================
ざま【▽様/▽態】
[名]《「さま」の音変化》ようす・なりふり・しわざなどをあざけって言う語。「その―はなんだ」
[接尾]⇒さま(様)
================================

「生き様 死に様」で検索する。
 Wikipediaの「日本語の誤用」がヒットするのに、該当ページには見当たらない。削除されたのかな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%AA%A4%E7%94%A8

「生き様」に関してはいままでにも何回か書いている。全部引用するとエラいことになる。
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=%C0%B8%A4%AD%CD%CD


「7」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【デキ婚】
 ぐわっ。とられた。
 そうか。
「デキ婚/でき婚/できちゃった婚/できちゃった結婚」が正当化されたのはたしかに安室奈美恵の影響がありそうだな。昔は「婚前交渉」すらタブーだったのに……。
 Wikipediaによると、「婚前妊娠」なんて言葉もあったらしい。その頃は「ふしだらな……」とか「世間体が悪い……」とか言ったんだろうな。「shotgun marriage」か。そういう言い方もあったな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%B5%90%E5%A9%9A


「8」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ジンクス】
 本来は好ましくない意味しかなかった。
『大辞泉』はそんなことは頓着せず。これは『大辞林』の立場が正しいだろう。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9&stype=0&dtype=0&dname=0na
================================
ジンクス【jinx】
縁起のよい、または悪い言い伝え。また、縁起をかつぐ対象とする物事。「緒戦は勝てないという―がある」「―を破る」
================================

■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9&stype=0&dtype=0&dname=0ss
================================
ジンクス1 【jinx】
因縁のように思う事柄。縁起。本来は縁起の悪い物事をいう。
―を破る
================================

 英和辞典は、当然好ましくない意味しかのせていない。
『eプログレッシブ英和中辞典』
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=jinx&stype=0&dtype=1
================================
jinx
[名]((略式))(…に)悪運をもたらす(とされる)人[物],縁起の悪い人[物]((on ...));((単数形で))悪運;不運の時期・状態
put a jinx on
…に不幸をもたらす
break [smash] a jinx
ジンクスを破る
There seems to be a jinx on everything I do.
することなすことけちがついて回るようだ.

━━[動](他)((略式))
1 …に悪運[不幸]をもたらす,けちをつける.
2 …を台なしにする.
================================

『新グローバル英和辞典』
 この書き方が正確か。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=jinx&stype=0&dtype=1&dname=1ss
================================
jinx発音を聞く

[名]?縁起の悪いもの[人];つきまとう不運[悪運], 鬼門;([注意]日本語では良いことにも使われるが, 英語では悪いことにのみ使う).

That put a ~ on him.
それが彼のけちのつき始めだった.

━━[動](他)
?話に不幸をもたらす.
================================


「9」「11」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 困ったもんだ。また噛み付き2号がからんでくる。し・つ・こ・い・!
【「好ましい日本語」をめぐって30くらい──噛み付き2号はほかの人にもイヤガラセをしてるらちい】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1661047906&owner_id=5019671
「好ましくない」やり取りになるから、やめてもらえないかな。
 なんで管理人さんは何も言わないんだろう。

「出:小学校の図書館にあったことわざ辞典」……そんないい加減な記憶で書名もわからないような辞典を出典にされてもコメントのしようがない。「第3の意味」なんてどこから出てきたんだろう。

【犬も歩けば棒に当たる】
【情けは人のためならず】
 これに関しては、下記かな。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1360517677&owner_id=5019671
================================
 1)~3)は、「故事ことわざ」の誤用の例として取りあげられることが多い、という点が共通しています。それぞれの正しい意味と、誤った解釈は次のとおりです。

  1)犬も歩けば棒に当たる
   正 でしゃばってよけいなことをすると、ロクなことがない
   誤 積極的に動き回れば、幸運に出合うことがある
  2)他山の石
   正 反面教師として役立つ他者の行動のこと。「彼らの失敗を他山の石とし
     て、慎重に計画を見直す」のように使う
   誤 「先生の教えを他山の石として、肝に銘じます」のように、見習うべき
     言動などに使うのは誤り
  3)情けは人のためならず
   正 人にかけた情けは、めぐりめぐって自分に返ってくるものである
   誤 むやみに情けをかけるのは甘やかすことになるので、結局その人のため
     にならない
 
 1)はあまりにも誤用されることが多かったせいか、「誤」の解釈も許容されるようになってしまいました。「犬も歩けば棒に当たるというぐらいだから、やってみる価値はある」という使い方もできるということです。
 2)と3)は、現段階では「誤」の解釈はあくまでも誤用と考えられていますが、将来的にどうなるかはわかったものではありません。このように「誤」の解釈が広まったのは、それだけ誤用されることが多いからです。
「故事ことわざ」を誤用しないためには、正しい意味を確認したうえで使えばよいのですから、さほど問題はありません。しかし、たとえ正しい意味で使っていても、文章がむずかしい印象になることもあるので、安易には使わないほうがよいと思います(★ページ参照)。
================================

 ちなみに最近のWeb辞書だと、好ましい意味(元々誤用)と好ましくない意味(本来の意味)の両方を採用している。
■Web辞書(『大辞泉』から)※『大辞林』もほぼ同様
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%8A%AC%E3%82%82%E6%AD%A9%E3%81%91%E3%81%B0%E6%A3%92%E3%81%AB%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8B&stype=0&dtype=0
================================
犬(いぬ)も歩けば棒に当たる
1 何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。
2 出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。
================================

 少し前のまともな紙の辞書なら、「好ましくない意味」が本来の意味とちゃんと書いてあるはず。手元の『成語林』(1992年刊)だと「本来の意味は1)だが、今日では、2)の意味で使われることが多い」と用法の解説がある。1)は当然「好ましくない意味」で2)が「好ましい意味」。

「情けは人のためならず」のほうは、Web辞書にも明記されている。これがいつグチャグチャになるのかは、言葉の神様に訊かないとわからない。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E6%83%85%E3%81%91%E3%81%AF%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%9A&stype=0&dtype=0
================================
情けは人の為(ため)ならず
情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。
〔補説〕 近年、誤って本人の自立のために良くないと理解されることがある
================================


「12」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【白羽の矢】
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=%C7%F2%B1%A9%A4%CE%CC%F0
 下記がいいかな。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-36.html
================================
7-5
25日
 早川が左手中指のけがで登録を抹消され、2軍で打率2位と結果を残していた角中に白羽の矢が立った。(21面)
 これは「もう誤用とはいえない」例なんだろうな。少し前に朝日新聞の投書欄で、「本来は人身御供の意味で使う白羽の矢を……」みたいな意見を読んだ気がする。メモしとくんだった。そりゃごもっともなんだけど、もう無理でしょ。本来の意味で使ってる例なんて、記憶にない。まあ選挙惨敗後に起用される新首相なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」なんだろうけど。そういうふうに「誤用」と決めつける意見を、なんの注釈もなく掲載する見識ってどうなんでしょ。あくまでも「誤用」とするのが社の方針なら、ほかの記事中でこういう使い方はしないでほしい。いくらでもほかに書き方はあるでしょ。「抜擢」とか。「お鉢が回る」ってはたぶん意味が違うんだろうな(それ以前に死語かな)。
================================


「13」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【斜に構える】
 これもちゃんと書こうとするとえらいことに(泣)。
「斜に構える」をめぐって【1】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353273124&owner_id=5019671
「斜に構える」をめぐって【2】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353365897&owner_id=5019671



「16」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【鳥肌が立つ】

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E9%B3%A5%E8%82%8C&stype=0&dtype=0
================================
とり‐はだ【鳥肌】
1 皮膚が、羽をむしり取った鳥の皮のようにぶつぶつになる現象。また、その肌。寒さや恐怖などによって立毛筋が収縮し毛が立って起こる。粟(あわ)はだ。「―が立つ」

2 ざらざらしている皮膚。鮫肌(さめはだ)。
================================

 本来は寒さや恐怖によって立つものだった。あと、嫌悪感ってのもある(サブイボ?……どうやら関西弁らしい)。
 それがいつの間にやら、感動したときに立つものになった。ただ、人間の生理的な反応なんだから簡単にかわるとは思えない。感動したとき(たとえばスポーツでありえないプレーや展開を見たとき)に立つ鳥肌のことを、昔はなんて言ってたんだろう。


「17」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【微妙】

 へー、微妙の本来の意味って「玄妙」みたいなものなんだ。勉強になった。たしかに「こういった微妙な表現が魅力」のような言い方はするね。
 下記の『大辞泉』を見ても、「1」にその意味が出ている。ふーむ。若者言葉の用法まで出ている。本来、こういう機動力はWeb辞書の強みだよな。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%BE%AE%E5%A6%99&stype=0&dtype=0
================================
び‐みょう〔‐メウ〕【微妙】
[名・形動]

1 趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。みみょう。
  「此―な叙景の筆の力が」〈独歩・武蔵野〉
2 一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま。「気持ちが―に変化する」「セーフかアウトか―な判定」「愛国主義と国粋主義の―な関係」
3 《「微妙に」の形で》少々。やや。「―に歪んで見える線」「彼の話には―に嘘が混じっている」
4 《若者言葉。「ビミョー」と書くこともある》否定的な気分を婉曲にあらわす言葉。明言したくないときなどにも使う。「『テストできた?』『―』」

[派生] びみょうさ[名]
================================


【20120922補足】
「補足」の続きも書かなきゃいかんなぁ……。

 ちょっと気になって「白羽の矢が立つ」に関して『大辞泉』に出ている〈平成17年度「国語に関する世論調査」〉を見てみた。あまりのムチャクチャぶりに言葉を失う。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h17/kekka.html

「9.使う言い方,気になる言い方」の(2)気になる言い方であげられている言葉は5つ。

(1)うそをついて〈あとで後悔した〉
(2)早起きして行ったのに,順番を〈一番最後〉にされた
(3)今年の〈元旦の夜〉は,みんなで初もうでに行こうよ
(4)その方法は,〈従来から〉行われていたやり方だ
(5)美術館建設の候補地として,この村に〈白羽の矢が当たった〉

 これって何を訊きたいの? (1)〜(4)までは重言の話。(5)も重言になるか考えたが、どう考えても重言ではない。手当たりしだいにあげたってこと?
 (5)の気になる箇所の可能性は2つある。
1)「白羽の矢が立つ」をいい意味で使うのはOKか
2)「白羽の矢が立つ」を「白羽の矢が当たる」と言ってもOKか
 当方は1)に関してはもうしかたがないかな、と思う。でも2)に関しては相当気になる。答えとしては「気になる」。答えた人はどこが気になったのだろう。
 結論を書こう。2箇所問題のある設問をしたのでは、どんな結論が出ても参考にならない。「意味が違っていても」「形が違っていても」なんにも気にならないっていう●●の割合を調べたいのなら話は別だが。

「ご説明していただく」「ご説明をしていただく」Yahoo!知恵袋

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月20日から

 テーマサイトは下記。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1194250246
================================引用開始
ご説明して頂くは、ご~する。で、まちがいですが、ご説明をして頂くは、どうでしょうか?をが入るとどうなりますか?
================================引用終了

 まず「ご説明していただく」について。下記に書いたことを踏まえて、再度整理する。
235)【「お○○してください」「ご○○してください」「お~してください」「ご~してください」☆日本語教師☆】玉石混交
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1332.html
272)【「ご○○する」「お○○する」【仮】日本語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1455.html

「お/ご~していただく」に関しては、『敬語再入門』が再三取り上げている。§22、§42、§70などにあるが、ここでは§42にある解説を援用する。
「ご説明していただく」の原形(敬語でない形)は「説明してもらう」だろう。
「説明してもらう」を敬語にすると、
説明して→ご説明になって(尊敬語)
もらう→いただく(謙譲語I)
 両方敬語にすると
①「ご説明になっていただく」
 となる。実際にはこの形はほとんど使われず、縮約形とも言える
①’「ご説明いただく」
 になる。どちらか一方を敬語にする場合は、後半を敬語にして
②「説明していただく」
 になる。これを前半だけを敬語にして「ご説明になってもらう」は不自然。
 当然のことながら、敬度の高さは①>①’>②になる。でも①はほとんど見ないような……。
 ちなみに、この場合「説明して」を敬語にした形は「ご説明して」ではない。
 もっとシンプルに「説明する」で考えるとわかる。「説明する」の謙譲語(I)が「ご説明する」で、尊敬語が「ご説明になる」(「説明される」の形もあるが、「もらう/いただく」に接続できない)。この場合、「説明する」のは相手なので、相手の動作に謙譲語を用いるのは原則的に不可。ただし、↑の「235)」のように、「お/ご~してください」が間違いにならない特殊な例もある。

 さて、虚をつかれたのは「ご説明をしていただく」。「を」があるとないとではちょっとかわる。「ご説明をしていただく」の原形は「説明をしてもらう」だろう。これは先に見た例とは敬語表現の成り立ちが違う。
説明→ご説明(尊敬語の接頭語)
~をしてもらう→~をしていただく(「~をなさっていただく」はクドすぎる)
 これだと問題は感じられない。ただ、個人的な語感では「ご説明をしていただく」はちょっとひっかかる。おそらく、典型的な誤用の「ご説明していただく」と形がよく似ているからだろう。解決策は2つ。
1)「ご」をとって、「説明をしていただく」にする(②に「を」を加えた形になる)
2)「をして」をとって「ご説明いただく」にする(①’になる)
 これは、後半を「~くださる」(尊敬語)にしてもほぼ同じことが言える。命令形にした「~ください」もたぶん同じだろう。

 この「お/ご~をしていただく/くださる」の話は、『敬語再入門』には見当たらない。「を」のない形は再三出てくるが。
『敬語再入門』の元本とも言える『敬語』は、倍近いボリュームがあるのに、やはり見当たらない。スッポリ抜けている……というべきだろうか。
 よく似ている「お/ご~をいただく/くださる」なら、『敬語』に出てくる。この話は↑の「235)」で引用した。
================================引用開始
【引用部】
「お/ご~~してくださる(ください)」「お/ご~~していただく」は、一般に誤り。
  ─→『して」を取って、「お/ご~~くださる(ください)」「お/ご~~いただく」と言えばよい。

 「一般に」にと書き添えたのは、特別な場合には、この「お/ご~~してくださる(ください)」「お/ご~~していただく」という形が誤りでなく使われる場合もありうるからなのだが、これについてはあとで触れるとしよう(二六六~二六七頁)。だが、それはかなり特別な場合なので、一般にはこの形は誤りと覚えておいてよい。
 〈語形〉について、ほかに細かい点をいくつか補足しておこう。まず、「お/ご~~をくださる」「お/ご~~をいただく」と、「を」を入れて使う形について。この形は時々使う人があり(とくに「いただく」の場合に多いようである)、なぜか国会の質問や答弁で「お調べをいただく」「ご審議をいただく」などと頻繁に耳にするのだが、私の語感では、いささか耳障りである。読者には、「お偉方がお使いになるのだから正しいのだろう」などと安易に真似をしないようにお勧めしておきたい。ただし、「お許しをいただく」「ご指導をいただく」などのように、「お/ご~~」の部分が名詞としての独立性を十分にもち、かつ、「いただく」が単に「恩恵を得る」意にとどまらず「相手側から話手側に向かう行為などを受ける」という方向性をもった意で使われる場合ならば、「を」を入れても不自然ではない。(P.209~210)
 前半は下記の問題にかかわる。あのときは新鮮な発見の気がしたが、けっこうよく見る問題らしい。
235)【「お○○してください」「ご○○してください」「お~してください」「ご~してください」☆日本語教師☆】玉石混交
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1515394161&owner_id=5019671
 後半は下記で少し書いて挫折した話。〈名詞としての独立性を十分にもち、かつ、「いただく」が単に「恩恵を得る」意にとどまらず「相手側から話手側に向かう行為などを受ける」という方向性をもった意で使われる場合〉ってどういう場合なんだろう(泣)。
441)【「サ変動詞」(熟語動詞)の怪】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1691633286&owner_id=5019671
================================引用終了

よくある誤用10──もはや誤用とは言えない ごぼう抜き 檄を飛ばす 白羽の矢が立つ

 元々の意味を考えれば誤用なんだけど、もはや誤用とは言えなくなっている言葉の話。なんの役にも立たない……かもしれませんが、知っていて損はないでしょう。
 下記の3例はいずれも本来は誤用ですが、テレビ、新聞などでもよくお目にかかります。

ごぼう抜き
駅伝の実況なんかでおなじみの表現ですが、元々は誤用です。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=ごぼうぬき&stype=0&dtype=0
================================引用開始
ごぼう‐ぬき〔ゴバウ‐〕【▽牛×蒡抜き】
1 牛蒡を引き抜くように、棒状のものを力を入れて一気に引き抜くこと。
2 多くの中から一つずつを勢いよく抜くこと。座り込みの人などを一人ずつ排除したり、人材を引き抜いたりする場合に用いる。また、競走などで、数人を一気に抜くことにもいう。「ピケ隊を―にする」「一〇人を―にして堂々入賞する」
================================引用終了
 元々は、「1」の意味から派生した「2」の前半の意味で使われていました。「ピケ隊をごぼう抜きにする」……ここまで死語感(誤用?)が強い言い回しも珍しい。
 駅伝などで使われる「ごぼう抜き」は「数人を一気に抜くこと」でしょう。元々は誤用でも、辞書にものっているし、広く使われています。でもちょっと待って。たとえば100mくらいの間に数人を抜くのは「一気に抜くこと」になるでしょう。10kmの区間で、1人抜き、2人抜き……結果的に10人抜いたとして、「一気に抜くこと」になってますかね。

檄を飛ばす
 スポーツの試合で、ベンチの監督や控えの選手が指示や応援の声をかけることを「檄を飛ばす」などと言います。これは二重の意味で誤用です。これを「誤用」とする指摘は結構見るかもしれません。下記の辞書も「誤用」にしています。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=げき&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=05538300&pagenum=1
================================引用開始
げき【×檄】
1 古代中国で、召集または説諭の文書。木札を用いたという。めしぶみ。さとしぶみ。
2 自分の考えや主張を述べて大衆に行動を促す文書。檄文。ふれぶみ。
◆誤用が定着して、励ますこと、また、励ましの言葉や文書の意味でも用いる。
================================引用終了
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=げき&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=05538300&pagenum=1
================================引用開始
檄(げき)を飛(と)ば・す
自分の主張や考えを広く人々に知らせる。また、それによって人々に決起を促したりする。
◆誤用が定着して「がんばれと励ます」「激励する文書を送る」という意味でも用いられる。文化庁が発表した平成19年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」で使う人が19.3パーセント、間違った意味「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」で使う人が72.9パーセントという逆転した結果が出ている。
================================引用終了
 辞書の「檄を飛ばす」の説明は言葉足らずです。
「檄」(「檄文」もほぼ同義)は、大衆の決起などを促すための文書のことで、木札に書き記しました。木編がついているのはそのせいでしょう。「檄を飛ばす」は、その「檄」を各地に送ることを言いました。「檄」を使わずに、各地に送りもせずに、単に「自分の主張や考えを広く人々に知らせる」ことを「檄を飛ばす」というのは相当ヘンです。
 現代の用法に戻って……。たとえば「維新の会」の代表が、地方の同士に決起を促す手紙を書けば、これは「檄を飛ばす」でしょう。
 ベンチからの声援は、当然文書ではありませんし、決起も促していません。「激励」の「激」と「檄」を勘違いして使いはじめたのではないかと……。
 とはいえ、「檄を飛ばす」は新聞などでもよく目にします。たいていは、「活を入れる」「声援を送る」の意味です。

白羽の矢が立つ
 同じような意味で「白羽の矢を立てる」とか「白羽の矢が当たる」という使い方も見ます。「間違い」とは言えないのかもしれませんが、異和感があります。慣用句を微妙にかえると、非常に気持ちの悪い感じになります。
「白羽の矢が立つ」は、本来は犠牲者として選ばれることです。これがいつの間にか「抜擢」の意味で使われるようになりました。本来の意味で使っている例は見た記憶がありません。まあ大敗がほぼ決まっている選挙直前に選ばれる党代表の候補者なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」かもしれませんが。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=白羽の矢&stype=0&dtype=0
================================引用開始
白羽(しらは)の矢が立・つ
《人身御供(ひとみごくう)を求める神が、その望む少女の家の屋根に人知れずしるしの白羽の矢を立てるという俗説から》多くの中から犠牲者として選び出される。また、一般に多くの中から特に選び出される。「社長候補として―・った」
◆文化庁が発表した平成17年度「国語に関する世論調査」では、「美術館建設の候補地として、この村に白羽の矢が当たった」という言い方が「気になる」と答えた人が58.3パーセント、「気にならない」と答えた人が35.3パーセントという結果が出ている。
================================引用終了 

詳しくは下記をご参照ください。
【「好ましい日本語」をめぐって31くらい──「好ましくなった言葉」補足編】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2449.html
「12」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【白羽の矢】
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=
下記がいいかな。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-36.html
================================
7-5
25日
早川が左手中指のけがで登録を抹消され、2軍で打率2位と結果を残していた角中に白羽の矢が立った。(21面)
 これは「もう誤用とはいえない」例なんだろうな。少し前に朝日新聞の投書欄で、「本来は人身御供の意味で使う白羽の矢を……」みたいな意見を読んだ気がする。メモしとくんだった。そりゃごもっともなんだけど、もう無理でしょ。本来の意味で使ってる例なんて、記憶にない。まあ選挙惨敗後に起用される新首相なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」なんだろうけど。そういうふうに「誤用」と決めつける意見を、なんの注釈もなく掲載する見識ってどうなんでしょ。あくまでも「誤用」とするのが社の方針なら、ほかの記事中でこういう使い方はしないでほしい。いくらでもほかに書き方はあるでしょ。「抜擢」とか。「お鉢が回る」ってはたぶん意味が違うんだろうな(それ以前に死語かな)。
================================

「言葉遣いに気を使っている人」が8割超……噓おっしゃい(失笑)

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月20日から

 毎年毎年、なんでこう微妙にズレた調査をするのだろう。やるならやるで、もう少しなんとかなりませんかね。
 たとえがさぁ。「言葉遣いに気を使っている人は、10~50代の各年代で8割を超える」って、こういうふうに訊かれれば、たいていの人は「はい」って答えるよ。ただ、ホントに「気を使っている」かどうかは別の話。しかも、「気を使っている」方向性が年々間違った方向に向かっている気がする。だって、こんなに「気を使っている」人が多いのに、猛スピードで破壊されていくってどういうことよ。まあ、そんな実態は調べようがないだろうが……。
 今回調査したのは、下記のような言葉らしい。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h23/pdf/h23_chosa_kekka.pdf


【7.ふだんの言い方について】
「あの人は走るのがすごく速い」ということを,「あの人は走るのがすごい速い」と言う
「あの人みたいになりたい」ということを,「あの人みたくなりたい」と言う
「なにげなくそうした」ということを,「なにげにそうした」と言う
「あの人は私より1歳上だ」ということを,「あの人は私より1コ上だ」と言う
「とてもきれいだ」ということを「チョーきれいだ」と言う
「腹が立つ」ということを「むかつく」と言う
「寝る前に歯を磨きます。その時に…」ということを,「寝る前に歯を磨くじゃないですか,その時に…」と言う
「とても明るい」ということを,「全然明るい」と言う
「しっかり,たくさん食べよう」ということを「がっつり食べよう」と言う
「正反対」ということを「真逆(まぎゃく)」と言う
「中途半端でない」ということを「半端ない」と言う
「ゆっくり,のんびりする」ということを「まったりする」と言う

 個人的な話をさせてもらうと、このなかで「真逆」だけは使いことがある。もちろん私的な文章限定。
「寝る前に歯を磨きます。その時に…」……もう少しマトマな日本語でお願いします。
「まったり」って新語なの? ほかにも「新語」ではないものがある気がする。

世論調査


【9.言葉の意味】(◎印が正解)
煮え湯を飲まされる
  (ア) 信頼していた者から裏切られる◎・・・・・・・・・・・・・・・・・64.3%
  (イ) 敵からひどい目に遭わされる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23.9%
  (ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.9%
  (ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.3%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6.6%

うがった見方をする
  (ア)物事の本質を捉えた見方をする◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・26.4%
  (イ)疑って掛かるような見方をする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48.2%
  (ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.1%
  (ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.9%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20.3%

にやける 例文:彼はいつもにやけている。
  (ア)なよなよとしている◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.7%
  (イ)薄笑いを浮かべている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76.5%
  (ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0%
  (ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.8%

失笑する 例文:彼の行為を見て失笑した。
  (ア)こらえ切れず吹き出して笑う◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.7%
  (イ)笑いも出ないくらいあきれる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60.4%
  (ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.7%
  (ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.1%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.2%

割愛する 例文:説明は割愛した。
  (ア) 不必要なものを切り捨てる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65.1%
  (イ) 惜しいと思うものを手放す◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17.6%
  (ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.7%
  (ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.3%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12.3%

「にやける」はまったく知らなかった。「失笑する」は「こらえ切れず吹き出して笑う」は少し違うだろ。
「割愛する」も「惜しいと思うものを手放す」もちょっと違う気がする。


【10.慣用句等の認識と使用】
(1)「本心でない上辺だけの巧みな言葉」を
  (a)口先三寸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56.7%
  (b)舌先三寸◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23.3%
  (a)と(b)の両方とも使う・・・・・・・・・・・・4.4%
  (a)と(b)のどちらも使わない・・・・・・・・12.5%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0%

(2)「何かを食べたくなる,転じて,あることをしてみようという気になる」ことを
  (a)食指が動く◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38.1%
  (b)食指をそそられる・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.4%
  (a)と(b)の両方とも使う・・・・・・・・・・・・3.2%
  (a)と(b)のどちらも使わない・・・・・・・・19.3%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8.0%

(3)「ひっきりなしに続くさま」を
  (a)のべつくまなし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32.1%
  (b)のべつまくなし◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42.8%
  (a)と(b)の両方とも使う・・・・・・・・・・・・・1.5%
  (a)と(b)のどちらも使わない・・・・・・・・・18.1%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.5%

(4)「世間の人々の議論を引き起こすこと」を
  (a)物議を醸す◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58.0%
  (b)物議を呼ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21.7%
  (a)と(b)の両方とも使う・・・・・・・・・・・・・2.9%
  (a)と(b)のどちらも使わない・・・・・・・・・12.1%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.2%

(5)「快く承諾すること」を
  (a)一つ返事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46.4%
  (b)二つ返事◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42.9%
  (a)と(b)の両方とも使う・・・・・・・・・・・・・2.1%
  (a)と(b)のどちらも使わない・・・・・・・・・6.5%
  分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.1%


【ネタ元】時事通信社
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120920-00000098-jij-soci
================================引用開始
「まったり」「がっつり」多用=20~30代の半数超―「にやける」正解は1割台
時事通信 9月20日(木)17時10分配信
 20~30代の6割以上が「ゆっくり、のんびりする」の意味で「まったりする」を使い、7割の人が「にやける」(なよなよしている)の意味を取り違えていたことが20日、文化庁の国語に関する世論調査で分かった。
 言葉遣いに気を使っている人は、10~50代の各年代で8割を超えるなど、過去2回の調査と比べ最多だった。
 一方、話し言葉として新語を普段使うか尋ねると、「まったり」や、「しっかり、たくさん」という意味で「がっつり」を使うと答えた人は10代でほぼ半数、20代で6割を超えた。
 「中途半端でない」という意味での「半端ない」、「正反対」を表す「真逆」を使う人も10代で6割を超え、10~30代を中心に新語を使う人の割合が高かった。
 一方、「にやける」や「割愛」(惜しいものを手放す)の意味を正しく理解していた人は1割台にとどまり、それぞれ「薄笑いを浮かべる」、「不要なものを捨てる」と間違えている人が多かった。「舌先三寸」を「口先三寸」とするなど慣用句の誤用も目立った。
 文化庁国語課は「言葉は変わっていくので、全て誤用と言い切れない」とする一方、「意味を理解せぬまま誤った使われ方を見聞きし、そのまま覚えてしまうのではないか」としている。 
================================引用終了

■「まったり」「がっつり」多用=20~30代の半数超―「にやける」正解は1割台
(時事通信社 - 09月20日 18:05)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2160862&media_id=4



平成23年度「国語に関する世論調査」に対する疑問

mixi日記2012年09月29日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1873341727&owner_id=5019671

 文化庁の平成23年度「国語に関する世論調査」の結果が発表されたのが20日。いろいろ疑問を感じ、書こう書こうと思って書けずにいた。もう夏炉冬扇(どこのジジイだ)かと思ったが、29日の「天声人語」が扱っていたので、考え直して書いておく。

>「なにげなくそうした」ということを,「なにげにそうした」と言う
 で、文化庁様としては「なにげに」はまだ許容してないということでよろしいのでしょうか。下記の●●辞書の版元をご指導いただけませんか。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%92%E3%81%AB&dtype=0&dname=0na&stype=3&index=20456800&pagenum=1
================================引用開始
なにげ‐に【何気に】
《「何気ない」の「ない」を取り、形容動詞活用語尾「に」を付けて副詞化した語》⇒何気ない[補説]
================================引用終了

>「寝る前に歯を磨きます。その時に…」ということを,「寝る前に歯を磨くじゃないですか,その時に…」と言う
 これは例文が悪い。そもそも「寝る前に歯を磨きます。その時に…」って言い回しが使われるのはどういうときか考えましょうよ。「歯の磨き方」という解説書ならアリでしょうが、会話でこんな言い方しますか? 「~じゃないですか」を使う人でも、こんな妙な使い方はしないでしょう。

 以下、◎印が正解です。メンドーなのでデアル体で書く。

>煮え湯を飲まされる
>  (ア) 信頼していた者から裏切られる◎・・・・・・・・・・・・・・・・・64.3%
>  (イ) 敵からひどい目に遭わされる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23.9%
 うーん、微妙。当方は両方の意味で使えると思っていたような……。味方限定ですか。しかも「信頼」している。こういう言葉を自分で使うことはまずないからなぁ。ちなみに「敵から」ではなく「敵に」では。

>うがった見方をする
>  (ア)物事の本質を捉えた見方をする◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・26.4%
>  (イ)疑って掛かるような見方をする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48.2%
 これも微妙。当方の語感だと「うがった見方」は「深読みした見方」くらいの意味(妙な日本語だな)。ほぼ(ア)だろな。(イ)ってことはない。
 下記にある古い辞書の記述は興味深い。ただ、この記述が「疑って掛かるような見方をする」と通じるか否かはなんとも……。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7710167.html
 下記あたりだともう何が争点なのか……。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1494524579
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1494524484

>にやける 例文:彼はいつもにやけている。
>  (ア)なよなよとしている◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.7%
>  (イ)薄笑いを浮かべている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76.5%
 これには参った。個人的には「正用」の使い方は目にしたことがない。しかも「誤用」のほうはかなりの頻度で見聞している。ほとんど使われない言葉なら辞書の意味と合致していてもいなくてもあまり問題はない。でもこれは……。

>失笑する 例文:彼の行為を見て失笑した。
>  (ア)こらえ切れず吹き出して笑う◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.7%
>  (イ)笑いも出ないくらいあきれる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60.4%
「笑いも出ないくらいあきれる」なんて解釈があることに驚く。「笑いを失う」と考えれば、そうとれなくもない。失格/失恋/失効……の仲間かも。以前、別の意味で「失笑」について教えてもらった。
【気になった言葉を挙げていきます】(226&243~245)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=12&comm_id=365263&id=2501635
 当方の語感では、「失笑する」は「こらえ切れず苦笑してしまう」くらいの意味。「吹き出し」はしない。

>割愛する 例文:説明は割愛した。
>  (ア) 不必要なものを切り捨てる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65.1%
>  (イ) 惜しいと思うものを手放す◎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17.6%
 これも異和感がある。「割愛」をよく見るのは「紙面の都合で一部割愛する」のような例文。「手放す」よりも「(やむをえずに)省略する」に近い。

「天声人語」の全文は下記。
================================引用開始
2012年9月29日(土)付

 生まれては消え、消えては生まれ。うたかたのような言葉の中にも、生き延びて市民権を得るものがある。腹が立つ意味の「むかつく」もどうやら根を張ったらしい。日常会話で使う人が全体の約半数、30代までに限れば4分の3を超えるそうだ▼文化庁の国語世論調査は毎年、ひとしきりの話題を提供してくれる。今年の調べでは、「なにげなく」を「なにげに」と言う人が約3割いた。「正反対」を「真逆(まぎゃく)」、「中途半端でない」を「半端ない」がともに2割強と聞けば、言葉は生きものだと痛感する▼この手の言葉は、若者の間から生まれて、年かさの世代へ攻め上がる。年配層は眉間(みけん)にしわが寄るが、「真逆」も「半端ない」も16~19歳では6割以上が使っている。遠からず定着と相成るのだろう▼これを乱れと見るか、言葉の賑(にぎ)わいと見るか。茨木のり子さんに「日本語」と題する詩がある。〈制御しがたい奔流は/濁りに濁り/溌剌(はつらつ)と流れてゆくがいい/決壊を防ごうと たとえ百万人/力を併せて清潔なダムを作ってみても/そこに魚は住まないだろう〉▼茨木さんは別の随筆で、聞き苦しい言葉は無数にあると言いつつ、「いやな日本語を叩(たた)きつぶせば、美しい日本語が蘇(よみがえ)るというものでもないだろう」と書いていた▼曖昧模糊(あいまいもこ)を「あいもこ」、かくかくしかじかでを「かくしかで」――などと若者言葉は多彩だ。眉が八の字になりかけるが造語の才には脱帽する。頑迷にならず、迎合もせず、生きた濁流を眺めようか。
================================引用終了

よくある誤用8──他人事(ひとごと/たにんごと) 善し悪し(よしあし/よしわるし) 十分(じゅうぶん/じっぷん/じゅっぷん)

 読み方にかかわる誤用もけっこうあるようです。「雰囲気」は「ふんいき」か「ふいんき」か……なんてホニャララなことを書く気はありません。そんなものはどんな辞書をひいても簡単にわかるはずです。

他人事(ひとごと/たにんごと)
 本来は「ひとごと」。近年は「たにんごと」と読んでも「間違い」とは言えないようです。
================================引用開始
 Web辞書(全文は↓)を見ると、『大辞泉』は「たにんごと【他人事】」の項を立てて〈◆本来は「ひとごと」と読んだ語。〉としている。
『大辞林』は問答無用で「ひとごと」にふっている。ただし、「ひとごと」の説明の中に「たにんごと」とある。どう考えているのかよくわからない。
 結論を書くと、「ひとごと」と読むのが一般的だろうが、もはや「たにんごと」を誤用とするのも無理だろう。自分では「ひとごと」としか読まないけど。「たにんごと」って言葉自体が、比較的新しい言葉だと思う。
================================引用終了

善し悪し(よしあし/よしわるし)
 本来は「よしあし」でしょう(根拠が希薄なので断言はできません)。でも一部の辞書が認めている「よしわるし」を誤用とは言えません。
================================引用開始
【問題】
 次の1)~4)のなかから「善し悪し」を「よしわるし」と読むことの解説として適切なものを選びなさい。
  1)単なる誤用
  2)最近Web辞書が広めた許容の例
  3)古くから認められている読み方
  4)その他
【解答?例】
 不本意ながら3)です。
 考えようによっては4)とも言えそうです。
「善し悪し」には、「善悪」という意味と「一長一短」という意味がある。ただ、「類似品の善し悪しを見分ける」のような例だと、どちらなのか微妙な気がするけど。
一部の辞書は、どちらの意味でも「よしわるし」とも読めるとしている。
 一部の辞書は、「一長一短」という意味に限って「よしわるし」とも読めるとしている。
================================引用終了

十分(じゅうぶん/じっぷん/じゅっぷん)
 常用漢字表が改訂される前は、「じゅうぶん」か「じっぷん」でした。一般には「じゅっぷん」と読む人が多くても、ルールとしては「じっぷん」。
 子供が漢字のテストで「じゅっぷん」と書いて×にされた、と憤慨する親がいたとか……。
 常用漢字表が改訂され、「じゅっぷん」も許容されました。教育現場が混乱しないのでしょうか。
================================引用開始
 問題は「10分」。これは昔からよく話題になるテーマで、「じゅっぷん じっぷん」で検索すると山ほど出てくる。歴史的なことも踏まえた下記がわかりやすいかも。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=119628801&sort=1
 問題を切り分ける必要はないのかな。
 そもそも「10分」と「十分」って、読み方はおなじなの?(意味がかわる「じゅうぶん」に関しては考えない)
 たとえば「一人」「一つ」を「ひとり」「ひとつ」と読むのはOKだが、「1人」「1つ」を「ひとり」「ひとつ」と読むのはおかしい、と主張する人がいる。一理あると思う。そういう主張をする人は「10分」をなんて読むのだろう。「10」は「じゅう」としか読まないだろう。少し無理すれば「とう」なんだろうな。
 そんな意地悪を言ってもしょうがないから、「10分」と「十分」はほぼ同じということにしよう(笑)。
 編集・出版業の常識として、「十分」を「じゅっぷん」と読んだら間違い。アナウンサーの現場では「じゅっぷん」も許容とか言われても困る。
 歴史的なことはよくわからないが、常用漢字表を見れば明らか。「十」の読みは「ジュウ・ジッ・とう・と」しかないから、「じゅっぷん」にはならない。これは小学校の低学年で習うらしい。一般には「じゅっぷん」と言っている人が多いかもしれないが、だからと言って常用漢字表を無視してもらっては困る。学校教育は常用漢字表に準じているはずだし、編集・出版業だって、基本的には常用漢字表に従っている。
「実際にはこう言っている」なんてことを言いはじめると、「女王」はどうする「体育」はどうするという話になる。そーゆーことって書くのか、って話も出てくるし、はては最近は「ふいんき」と言う人が多いなんてヨタ話も出てくる(笑)。
 ちなみに、「一人」を「ひとり」と読むのも変則的だが、これは常用漢字表の【付表】にあるから何も問題はない。
================================引用終了
 これが古くからの考え方。ただし。2010年にルールが少しかわった。「十」に「ジュウ」「ジッ」のほかに「ジュッ」の音が加わった。あくまでも「許容」の形だが、今後はこちらが主流になる可能性が高い。
「改定常用漢字表」(「新常用漢字表」とも呼ばれる)(P.66)
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/kaitei_kanji_toushin.pdf
================================引用開始
ジュウ  十字架,十文字  十重二十重(とえはたえ) 二十・二十歳(はたち) 二十日(はつか) ジッ  十回   「ジュッ」とも。
とお  十,十日
と  十色,十重
================================引用終了

 詳しくは下記をご参照ください。
【表記の話8──「他人事」「人事」「人ごと」「ひとごと」「たにんごと」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1941.html
【善し悪し よしあし よしわるし】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2232.html
【10分の読み方は「じっぷん」か「じゅっぷん」か、はたまた……】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1462.html

「アートアクアリウム展」金魚を愛でるか、はたまた……。

 3連休最終日の昨日、日本橋へ出かけた。目的は、マイミクさんに教えてもらった下記。
【5千匹の金魚が泳ぐ「アートアクアリウム展」東京・日本橋で開催】
http://www.fashionsnap.com/the-posts/2012-08-29/artaquarium-2012/
 家人に教えたら強~い興味を示し、「いくなら今日!」ということになった。当方にそれを拒む強さはなかった。


IMG_0098.jpg
 4時くらいに現地についたが、すんごい混み方。係員のプラカードが見えるだろうか。「90分待ち」って……。しかも整理券がでるわけでもなく、90分間行列なんてたえられない。どうもいまがピークっぽいので、出直すことにする。出るときには「60分待ち」になっていた。

 以前から東京駅の地下街に気になっているスポットがある、と家人が言う。ということで、東京駅方面へ。こういうとき、iPhotoの「Map」が役に立つ(笑)。
 駅の地下街に入る前に寄ったのは、「北海道フーディスト」。ここはオープン間もない時期に来たけど、商品が格段に充実した気がする。
http://www.foodist.co.jp/
 ビックリしたのは、ピリカグッズが各種出ていたこと。
http://goodspal.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=281831&csid=0
 正確に言うと、北海道各地で目にしたシロクマグッズが、ピリカグッズであったこと。札幌の円山動物園から旭山動物園に……って、グッズがつくられた2009年には、ピリカは帯広にいたんですけど。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-62.html 
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-68.html


スクリーンショット(2012-09-18 14.15.55)
 いろいろ買いたいものがあったが、このあとのことを考えると生ものは無理。ピリカのiPhoneケースとの二択の結果、家人が選んだのは下記。これについて、詳しいことは改めて。

 次に言ったのが、「東京おかしランド」。
http://www.tokyoeki-1bangai.co.jp/feature/okashi_land/
 断トツの人気店は「カルビープラス」。作りたてのポテチにチーズやチョコをトッピング……それは犯罪だろ。あまりにも行列がはてしないので諦めた。

 そこそこに切り上げて、日本橋に戻ってきたのが17時半。予想どおり、行列はなくなっていた。驚いたのは、フラッシュを焚かなければ撮影OKってこと。常識では考えられない。急遽iPhoneで撮影することに。念のためもっていったデジカメがバッテリー切れだった、なんてことは絶対にない!
 ちゃんとした写真が見たい人は、サイトを見てください。念のため、再度張っておきます。ただし、かなり重い。
http://www.fashionsnap.com/the-posts/2012-08-29/artaquarium-2012/

 でね。中はスゴい混雑。これね。レイアウトが悪いよ。メイン会場にいたるまでの狭い通路の壁面に水槽がはめ込んである。廊下の照明はほとんどなし。水槽の照明も刻々とかわるんで、まともな写真は撮れない。メイン会場のほうがずっと撮りやすいのだが、人々はそんなことには気づかない。
 運よく、比較的まともに撮れた写真。
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 メイン会場には、大水槽が並ぶ。これも刻々と照明がかわるので、タイミングで別の写真になる。離れると人ごみが邪魔だし、近づくと映り込みがスゴくて心霊写真になる(笑)。

 この水槽(金魚鉢?)がイチバン撮りやすかっただろうか。
 照明で色がかわるのがわかるだろう。
IMG_0118.jpg

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 夜店の金魚すくいではありません(笑)。


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 背景を屏風仕立てにした大水槽。


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 日本橋を出ると、もう夕食の時間。神楽坂で、魚串料理の店に入る。ここはいろいろな焼き魚が楽しめる。金の魚はいないけど。(←オイ!)
http://www.uokushi.com/


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 まぐろの生ハム530円。こういうのを食べると、鮪って「肉」なんだと思う。


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 奥が鱸のバジル280円、手前がホッケの一夜干し150円。


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 奥から、鮪ほほ肉ねぎま210円。鯵フライ103円。炙り〆鯖150円。


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 奥から、ちくわチーズ103円。烏賊フライ150円。鰯明太150円。

 金魚アート……プライスレス。

出ネ/136 ギャラを受け取ってこんなことを書くなら同罪以下

 下記の仲間です。
【出版とネットをめぐるあれこれ】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-468.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1234202257&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月18日から


 これはいくらんなんでもヒドくないか?
 国生さゆり(敬称略)の書いたことが事実だとする。
 しかし、ギャラを貰った仕事の内幕をこういう形で暴露(こういうのは「告発」とは言わない)するのは、プロの態度ではない。
 そもそも被災地を訪れるのを「旅番組」と考えるのが間違ってませんか? 
 イチバン問題になっている神社の件。ほかの取材先で話を聞いて予定外の場所に行くのがそんなにマズいこと? 
 取材先で興味深い場所があると聞いたら行ってみるのはフツーだと思う。「旅番組」ならね。
 そこで出演者が「ごめんなさい」してしまった。その様子が尋常でなければ、「似たような風景」の「海苔漁師さんのお宅」をキャンセルするのは当然では。誰が悪いの?
 当方は最初に読んだとき、彼女が霊感が強いのかと思ったが、そうでもないみたい。

 その後も、段取りがいろいろ狂ったようだが、これはスタッフ側の話も聞かないと原因がわからない。極端な話、彼女が原因なのかもしれない。それは彼女のブログを読むだけでは判断できない。
 現地の人にとっては、スタッフも出演者も同罪。イヤな印象が残ったとしたら、テレビ局に対してか、出演者に対してか。
 とにかく、注目度の高いブログでこういうことを一方的に書くからには、当然取材時にも抗議してるんだろうね。
 それでも納得が行かなくてこういうことをするってことは、事務所やマネージャーにも当然相談し、局側にも正式に抗議してるんだろうね。当然ギャラは返上してるよね。その局にはお出入り禁止だろうな。
 これで事が大きくなったら、番組は放映できなくなるよ。その場合の補償問題はどうなるんだろう。そこまで覚悟したうえでの「告発」なら、ある意味立派だけど、そうでなければプロ失格の偽善者って呼ばれるよ。

 下記の仲間。
【出版とネットをめぐるあれこれ】お品書き2
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1713732432&owner_id=5019671



【ネタ元】ナリナリドットコム
http://news.livedoor.com/article/detail/6959815/
================================引用開始
国生が“最悪の旅番組”を謝罪「不手際たくさんあってごめんなさい」。

2012年09月18日05時14分

提供:ナリナリドットコム

女優の国生さゆり(45歳)が9月17日、公式ブログで“最悪の旅番組”の収録を終えたことを報告し、番組制作に協力してくれた人たちに対して、数々の不手際があったことを謝罪している。

17日付けのエントリー「悔しい…」では、まず、「はじめてに近いくらいの最悪の旅番組の収録がおわったーーー」「疲れきってしまった」と、仕事で大変な思いをしたことを告白。国生は東日本大震災の被災地を訪れる番組の収録に参加していたが、ロケ先ではたくさんの不手際があったという。

一例として挙げている被災地での出来事はこうだ。「ご供養等にお参りさせて頂き 被災された方からお話しをお聞きしていて お話しの中に神社の話が出たら、神社を撮りに行きたいと急に予定を変更」した結果、「連れていかれたところは6メートルの津波に襲われ 250人の方たちが亡くなり いまだ、当時のままの家屋が残された廃墟に 倒壊した鳥居が無惨に転がっている場所」で、突然凄惨な光景を目の当たりにした国生は大きなショックを受け、撮影できない状態になったという。

予定は二転三転し、当初予定していた海苔漁師さん宅への訪問をキャンセルしたり、「打合せにないのに お願いしていないのにお昼ご飯出してもらえますか? といきなり取材先の人に言ったり」するなど、「突然思い立って行くことと行く場所のデリケートさと 前々から決まっていることをいとも簡単にくつがえす収録のやり方 撮影」が3日間続いたそうだ。

そうした撮影の仕方に、国生は「震災にあわれた方たちの今を皆さんに知って頂きたくてお邪魔したのに 反対に振り回してしまっているのではないかと考えこんでしまった」と悩み、「参った」とも。

そして取材に協力してくれる被災地の人たちの気持ちに「オンブに抱っこを繰り返すことはどうなんだろう?」と疑問を投げかけ、「今回の撮影にご協力頂きました三陸のみなさまありがとうございました。そして不手際がたくさんあってごめんなさい」と謝罪している。
================================引用終了

国生さゆりのブログの全文は下記。
http://ameblo.jp/kokusyou-sayuri/entry-11357088476.html

よくある誤用7──ネットが広めた誤用 ご教授ください ご存知のとおり 直裁な言い方

近年急速に広まっている誤用のほとんどは、ネットが関係している気がします。
なかには、ネット上のやり取りから生まれたと思われるものもあります。

ご教授ください
================================引用開始
微妙な例で真っ先に浮かぶのは、「ご教授ください」。
これは誤用で「ご教示ください」が正しい、と主張する人がいる。当方はそこまで主張する気にはなれない。
「教授」をネット辞書(『大辞泉』)で引く。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=教授&stype=0&dtype=0
きょう‐じゅ〔ケウ‐〕【教授】
[名](スル)
1 学問や技芸を教え授けること。「書道を―する」
2 児童・生徒・学生に知識・技能を授け、その心意作用の発達を助けること。
3 大学や高等専門学校・旧制高等学校などで、研究・教育職階の最高位。また、その人。「大学―」
〈[名](スル)〉になっているから、「教授する」は文法的には間違っていない。したがって、「ご教授します」も「ご教授ください」も間違いではない。
文法的には間違っていないが、一般的に使うか否かは別の話になる。
こうなると辞書は役に立たず、主観の問題になってくる。
個人的には、「ご教授ください」は使わないし、相当異和感がある。これを使うとしたら、偉い人が偉そうに語る場合。
「ご教授いたそう」
それは偉そうだな(笑)。専門的で高度な知識なら「ご教授」でもいい気がする。
ネットで使われる例は、「○○について教えてください」くらいの意味だから。「教えてください」で十分だと思う。「教えていただけませんか」くらいのほうが丁寧か。少し改まった感じにするなら「ご教示ください」だろう。
一般的に考えても、「ご教授」するからには、それなりの内容でなくては困る。辞書の「1」例にある「書道を教授する」はアリだろう。これは逆に「教示する」にはしにくい。
実際に目にする例だと、囲碁・将棋(これは「技芸」だろうか)だろう。その場合は「(一局)ご指南ください」「(一局)ご指南いたしましょう」とか言う。「指南」は少し語感が古いから、現代なら「指導」のほうが自然かもしれない。
「ご教授ください」が広まったのは、おそらくそのほうが「ご教示」より丁寧な印象があるみたいに誤解されたから。それがネットで使われるようになってとんでもないスピードで流布した。もはや止めようがない気がする。
こういう例はほかにもあるんだろうな。
================================引用終了


ご存知のとおり
================================引用開始
「存知」は言葉としては存在するが、「ぞんち」(もしくは「ぞんぢ」)と読む別の言葉。
「ご存知でしょうが」とするのは誤用と言ってしまっていいだろう。
ところが、この用例が異様に多い。グーグル検索で「ご存知」を検索すると、約17,500,000 件もある。
なかには、テレビドラマのタイトルまである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ご存知!旗本退屈男
これは、一部の変換ツールが「ごぞんじ」で「ご存知」と変換するからとしか思えない。当方はマイクロソフト系があやしいと睨んでいる。どなたか検証してください。
手元の『朝日新聞の用語手びき』の使い分けを確認した。いつもは表記の話だと真っ先にこれをひくんだけど、なぜかやっていなかった。単純な表記の問題と考えてなかったんだろうな。
「御」と「お」の使い分けに関しては記載がない。まあ、「お」にするものだろう。
「御」と「ご」の使い分けに関して。
〈接頭語〉は「ご」。これは「一般の接頭語」ということだろう。
ご縁/ご協力/ご多分に漏れず/ご本尊
〈接頭語のうち漢字で書く習慣が強いものや、固有名詞に近いもの〉は「御」。
御所/御前試合/御用邸……etc.
ちなみに、「ごぞんじ」に関しては単独の項目があり、〈御存知→ご存じ〉になっている。
今度は『記者ハンドブック』(共同通信社)をひく。「御」と「お」の使い分け、「御」と「ご」の使い分けに関してはほぼ同様。「ご」の用例のなかに「ご存じ」が入っている。
こう見ていくと、「ご存知」と書く理由はない。
================================引用終了


直裁な言い方
あまりにも誤用が多いせいか、Web辞書は「直截」の慣用読みとして「ちょくさい」を認めたようです。とは言え、「直裁な言い方」の類いまでは認めていません(これはさすがに認めないでしょう。当分の間は……)。
================================引用開始
これは問題の根が深い。
何よりの証拠に「直裁」で検索すると約278万件も(!)引っかかってくる。もちろん、正しく「直裁」の意味(「ただちに裁決する」くらいの意味)で使っている例もあるんだろうけど、そんなに使用頻度の高い言葉ではないから大半は誤用だろう。
「直裁」は意味が違うから、正しくは「直截」。「直截」で検索すると、約18.3万件。誤用の10分の1以下(笑)。
まず問題は「直截」をなんて読むか。一般には「ちょくさい」の気がする。それは慣用読みで、正しくは「ちょくせつ」。慣用読みにあれほど寛容(単なる偶然です。ダジャレのつもりはありません)で片端から無節操に採用しているIMEが、「ちょくさい」を採用していないらしい。Macintoshのことえりが採用していないことは少し前に気づいていた。今回のことから判断すると、MS-IMEも採用していない。そりゃダメだよ。「ちょくさい」だと思い込んでいる人が、変換して「直裁」しか出てこなきゃ、字が似ているから絶対この字が正しいと思っちゃうよ。
【20110226追記】
最近、「直裁」のほかに「直載」と書く例もふえているらしい。
http://www.google.co.jp/search?client=safari&rls=ja-jp&q=直載&ie=UTF-8&oe=UTF-8&redir_esc=&ei=n3FoTeq4CYbuvQOBh4DkAg
いまさらながら「直截」を辞書でひいてみた。Web辞書は「慣用読み」として「ちょくさい」を認めている。まあ、これだけ誤読が増えるとしょうがないよな。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/14730712185100/
===============
ちょく‐せつ【直×截】
[名・形動]《慣用読みで「ちょくさい」とも》
1 すぐに裁断を下すこと。また、そのさま。「―な(の)処置」
2 まわりくどくなく、ずばりと言うこと。また、そのさま。「簡明―な表現」
===============
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=ちょくせつ&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=112878100000&pagenum=1
===============
ちょくせつ0 【直▼截】
(名・形動)
[文]ナリ
[1]まわりくどくないこと。ずばりということ。また、そのさま。
―簡明
語を出すに軽快にして―なる〔出典: 即興詩人(鴎外)〕
[2]ためらわずただちに決裁すること。
〔補説〕 「ちょくさい」は慣用読み
===============
================================引用終了


下記あたりも相当危うい気がします。これに関しては改めて。
すべからく
ほしいままにする
くみしやすい
詳しくは下記をご参照ください。
【ネットが広めた誤用……etc.──「教授する」か「教示する」か】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-869.html
【ネットが広めた誤用……etc.2──「ご存じのとおり」か「ご存知のとおり」か】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-903.html
【ちょっと気になる誤用の話──直裁ないいかたをする 直截 ちょくさい ちょくせつ 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-294.html

突然ですが問題です【日本語編135】── 「お客様」「ご尊父様」は二重敬語?

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年08月26日から

【問題】
 下記の言葉について質問に答えなさい。
  1)ご利用客様
  2)お客様
  3)お父様
  4)ご尊父様

【問1】
 二重敬語になっているものを選びなさい。

【問2】
 不自然に感じられるものをあげ、理由を答えなさい。

【参考サイト】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1292143347



【解答?例】
【問1】
 一般には、どれも二重敬語ではない。

【問2】
「ご利用客様 」は不自然だが、論理的に理由を示すことはむずかしそう。


【よくわからない解説】

●「お/ご~様」は二重敬語か
 接頭語の「お/ご」は、尊敬語、謙譲語、丁寧語、美化語の4種類がある。↑の1)~4)は、尊敬語と考えるのが素直だろう。
【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫/2010年3月10日第1刷発行)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
================================引用開始
【引用部】
 なお、一つの語がいくつかの用法をもつ場合もあります。§48では、「お手紙」のように尊敬語・謙譲語I両方の用法をもつ主な語をリストしましたが、その中でも「おみやげ」などは、「先生からのおみやげ」(尊敬語)・「先生へのおみやげ」(謙譲語I)のほか「子どもへのおみやげ」のように美化語としても使います(あるいは、初めの二つも美化語と見てしまったほうがよいのかもしれません)。(P.124)
 接頭語の「お/ご」の解説のなかにある記述。「お/ご」は〈機能〉の面から見ると4種類ある。
1)尊敬語
2)謙譲語I
3)丁寧語
「お暑いですね」「お寒うございます」
4)美化語

 下記に書いたように、3つの〈機能〉をもつ「お/ご」はほかにもありそう。
673)緊急! 突然ですが問題です【日本語編92】──「お料理」「お手紙」の「お」の意味 【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1813769245&owner_id=5019671
 本書の解説中にあるようにすべてを「美化語」と考えるほうがいいのかもしれない。
================================引用終了

 一方、「様」は「尊敬の意味を表す接尾語」くらいでいいだろう。
【「様」考】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1609.html
『敬語再入門』のは、「様」に関する記述がほとんどない。元本とも言える『敬語』のほうではP.239~の「6 名詞・形容詞などについての尊敬語」のなかで少し出てくるが、『敬語再入門』の同項目には何も出てこない。ずいぶん軽んじられている。『敬語』P.244には、「様」の用例として「お母様」「お客様」が出てくる。それが二重敬語になるなんて記述はない。
 二重敬語の定義に関しては、文化庁の「敬語の指針」を見ておく。
【チャレンジ日記──二重敬語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2422.html
================================引用開始
(2) 「二重敬語」とその適否
一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。例 えば,「お読みになられる」は,「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更 に尊敬語の「......れる」を加えたもので,二重敬語である。
「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣として定着しているものもある。
【習慣として定着している二重敬語の例】
・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語I)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる
================================

 ちなみに『敬語』『敬語再入門』の著者は「敬語の指針」にかかわっている人なので、見解はほぼ同じと言っていい。
 どうやら二重敬語は動詞に限り、名詞に「お/ご」と「様」の両方がついた形などは、二重敬語とは呼ばないらしい。
 ある言葉に「お/ご」と「様」の両方がついた形が不自然に感じられるとしたら、それは慣例の問題であって、二重敬語の問題ではない。
 ↑の1)~4)のうち、2)~3)はフツーに使われる。このほか、お殿様、お嬢様など、フツーに使われる例は多い。4)はきわめて敬度が高い言い回しなので使用例が限られる気がする(弔電など)が、別に問題のある言い方ではない。
【「様」考】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1609.html
「お/ご」と「様」はどちらも尊敬語だから二重敬語、という考え方はできなくはないかも。もしこれが二重敬語で、「習慣として定着している二重敬語」だから許容されているのなら、文化庁の重大な手抜かりになる。疑問のあるかたは文化庁にお問い合わせください。

●「ご利用客様」はなぜ不自然か
「ご利用客様」は二重敬語ではないと思われるのに、不自然なのはなぜか。これがわからない。
【参考サイト】 の回答にある〈「利用客」という表現が、「(○○を)利用<する>客」という表現を短縮した形の熟語だから〉が説明になっているような気もする。しかし、「顧客」や「愛用者」の場合はどうなるのか、という疑問が残る。
 迷路に入ってトピも立ててみた。スッキリした答えにはたどり着けていないが、いくつかヒントをもらった。
「客」とよく似た使われ方をするのは「者」だろう。「人」も似ているが、「お/ご」がつかないので、ここでは外して考える。
【「ご利用客様」は二重敬語ですか?】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=71193828
 
 直接呼びかける場合、「○○様、○○を落とされましたよ」で考えると、「お客様」以外は入りにくい。「お客様」はいろいろな意味で例外なのかもしれない。
・直接呼びかける場合に使える
・「お客」だとほとんど敬語ではなく、「様」が必要
・「ご利用のお客様」のような使い方ができる(「皆様」「方々」に近い)

 困るのは、こういうのは見慣れてくると異和感が薄れること。
 そのせいもあって、ここから先は、かなり主観的な書き方になる。
 はじめは「お客様」以外で許容できるのは「ご愛用者」くらいかな、と思っていた。「ご愛用者様」はちょっと異和感があった。いろいろ見ているうちに、「これもアリかな」と思える例が段々ふえてきた。
 なんとなくの印象だと、「○○客」より「○○者」のほうが、いくらか「お/ご」との相性がいいのかもしれない。
 ただ、「客」も「者」も「お/ご」をつけるなら、「~の皆様」にするほうが無難で、「~の方々」「~(客/者)の方々」のほうがもっと無難だと思う。「~(客/者)の皆様」だと少し重複感があるが、「~(客/者)の方々」だとさほど気にならない。

スクリーンショット(2012-09-17 23.24.21)

よくある誤用6──誤用とは言い切れない例 申し訳ありません とんでもありません とんでもないです

「誤用」とされる言葉にはいろいろなパターンがあります。なかには、誤用ではないのに誤用扱いされている可哀想な言葉もあります。もっとも、「誤用ではない」のなかには、「元々誤用ではない」ものもあれば誤用が広まったために許容されるようになったものもあります。
  
申し訳ありません/ございません
 昔、「申し訳ありません/ございません」は「誤用」という記述を何かで読んだ気がしますが、そんな曖昧な記憶では根拠を示しようがありません。
 現在でも、ネット検索すると「申し訳ない」が一語の形容詞であることを理由に、「申し訳ありません/ございません」を誤用とする記述を目にします。
 本当にそうなのでしょうか。
 たとえばWeb辞書『大辞泉』には下記のように書いてあります。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=申し訳&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=22215118193300&pagenum=1
================================引用開始
もうしわけ‐な・い〔まうしわけ‐〕【申(し)訳無い】
[形]
1 言い訳のしようがない。弁解の余地がない。相手にわびるときに言う語。「世間に対し?・い気持ちで一杯だ」「不始末をしでかして?・い」
2 相手に無理な依頼ごとをして、すまないという気持ちを表す語。「?・いが、あしたにしてもらいたい」
[派生] もうしわけながる[動ラ五]もうしわけなげ[形動]もうしわけなさ[名]
◆「申し訳」に「ない」の付いた複合形容詞で一語とするが、「申し訳」は名詞としても使うし、「申し訳がない」「申し訳が立たない」という言い方もある。従って丁寧に言おうとして「申し訳ありません」「申し訳ございません」と言うのを、一概に誤りとは言えないであろう。
================================引用終了

『明鏡国語辞典』にも「丁寧形の『申し訳ありません』『申し訳ございません』が多く用いられる」と明記されているそうです。
 どうやら、「誤用」とするのは無理がありそうです。


とんでもありません/ございません
 これも諸説あるところですが、平成19年に文化庁が「敬語の指針」で許容してしまいました。そのため、Web辞書『大辞泉』は下記のように書いています。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=とんでもない&stype=0&dtype=0
================================引用開始
とんでも‐な・い
[形]《「とでもない」の音変化》
1 思いもかけない。意外である。「―・い人にばったり出会う」「―・い発明」
2 もってのほかである。「―・い悪さをする」
3 まったくそうではない。滅相もない。相手の言葉を強く否定していう。「―・い、私は無関係だ」
◆「とんでも」に「ない」の付いた形だが、「とんでも」が単独で使われた例はなく、「とんでもない」で一語と見るのがよい。とすれば、「ない」を切り離して「ありません」「ございません」と置き換えて丁寧表現とするのは不適切で、丁寧に言うなら「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」「とんでものうございます」と言わなければならない。しかし、最近は「とんでもありません」「とんでもございません」と言う人が多くなっている。
平成19年(2007)2月文化審議会答申の『敬語の指針』では、相手からのほめ言葉に対して謙遜しながら軽く打ち消す表現として「とんでもございません(とんでもありません)」を使っても、現在では問題ないとしている。
なお、「とんでもない」には「もってのほかだ」と強く否定する意味もあり、「とんでもないことでございます」を使う場合は注意が必要と『指針』は述べている。
================================引用終了

 これも、「誤用」とするのは無理があるようです。
 ただし個人的には、「とんでもありません/ございません」には異和感があるので原則として使いません。
 おそらく……「申し訳ありません/ございません」は元々誤用ではないのでしょう。「申し訳がありません」のように「が」を入れれば、何も問題がないはずです。
「とんでもありません/ございません」のほうは、元々は誤用ですが、許容されたのでしょう。
 このあたりのことは、専門家におまかせします。
 個人的には、「元々どうであったか」にはあまり興味が湧きません(「教養」としては知っておくべきでしょうが)。「現在どのように使われているか(使うべきか)」のほうが重要な気がするからです。

とんでもないです
「とんでもありません/ございません」は誤用で、「とんでもないです」が正しい、と書いてあるとサイトを見たことがあります。
 これがまた微妙な話で、「形容詞+です」(「うれしいです」「楽しいです」など)を認めるか否か、という問題が関係します。昭和27年に文化庁が「形容詞+です」を許容してしまったため、現在の文法書や辞書は許容しているはずです。
 当方はこの形に異和感があるので、原則的に使いません。
 ただし、「形容詞+です」には異和感がない人でも、「ないです」には異和感があるのでは。これは「ありません」にするほうが自然で、「ないです、は間違い」と主張する人もいるようです。
 この形には個人的に「とんでもありません/ございません」以上に強い異和感があるので原則として使いません。

 文化庁のルールに従うなら、「とんでもありません/ございません」もOKです。「とんでもないです」も「誤用」とは言えないのかもしれません。
「〜ない」形の形容詞はほかにも多数あります。

  仕方ない/他愛ない/しようがない……etc.

 このなかには「〜ありません」「〜ございません」にしてもおかしくないものもあります。すべてを同列に扱うことに無理を感じます。
 
 詳しくは下記をご参照ください。
【「~ない」形の形容詞の迷宮】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1814.html

進退勧告 一番最初に 栄光盛衰 帯同する

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年09月13日から

 金本選手の功績(功罪?)にふれる気はない。電撃発表の時期について口を挟む気もない。あまりにも日本語がホニャララなので気になった。サンケイスポーツって、スポーツ紙としてメジャーだよな。これはさすがに……。

 見出しや本文に出てくる「進退勧告」ってまともな言葉なんだろうか。
「勧告」は何かをすすめる(もっと言えば「強いる」)ことだろう。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%8B%A7%E5%91%8A&stype=0&dtype=0
================================引用開始
かん‐こく〔クワン‐〕【勧告】
[名](スル)ある行動をとるように説きすすめること。「辞職を―する」「人事院―」
================================引用終了
 
「引退勧告」ならわかるけど、「進退」を「勧告」するってどういうこと? 
「進退も含めて考えてみたらどうか」もよくわからない。「引退を含めて進退を考えてみては……」じゃないかな。

「一番最初に」……ほかのに比べればマトモかも。コメントに出てきた言葉だし……。

「栄光盛衰」……これがイチバン最悪(笑)。「栄枯」「盛衰」でなければ言葉の組み合わせがおかしい。まあ、「栄光」も「盛衰」するかもしれないけど。

 今後も1軍に帯同する金本は……「帯同」の意味は下記。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%B8%AF%E5%90%8C&stype=0&dtype=0
================================引用開始
たい‐どう【帯同】
[名](スル)一緒に連れていくこと。「技術者を―して現地に赴く」
================================引用終了

 本来は同行しなくてもいい者を「一緒に連れていくこと」だろう。今季は現役の金本が一軍選手として移動し、試合に出場するのは当然。それは「帯同」なの?


 下記の仲間でもある。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

【ネタ元】サンケイスポーツ
http://www.sanspo.com/baseball/news/20120913/tig12091305060013-n1.html
================================引用開始
虎・金本引退、南社長から進退勧告受け決断

 金本、進退勧告受け、引退-。阪神・金本知憲外野手(44)が12日、西宮市内で会見し、今季限りで現役引退することを表明。「こんな成績でも一生懸命励ましてくれて…」を嗚咽を漏らした。南信男球団社長(57)から「進退も含めて考えてみたらどうか」といわれ、10日間、熟考の末に決断。虎に名を刻んだ鉄人が21年のプロ野球人生に幕を閉じる。

 無数のフラッシュの中、21年間を凝縮した涙がこぼれ落ちた。慣れ親しんだ背番号「6」に身を包み、プロ野球生活への別れを告げた。10日間、一人悩み抜いての電撃発表。金本が今季限りでの引退を決めた。

 「タイガースの歴史の中で一番強くて、お客さんが入って一番人気があるときにプレーさせてもらって、タイガースに来てからは幸せな野球人生だったと思います」

 広島から2003年にFAで加入して、2度のリーグ優勝に貢献した。05年には打率・327、40発125打点でリーグMVPも獲得。1492試合連続フルイニング出場という世界記録を樹立する中、弱虎を常勝軍団に変えた。だが、栄光の日々は暗転した。

 「この3年間はみじめで自分がみっともなくて、かわいそうというか。自分で言うのもおかしいんですけど、こんなに苦しい人生はあるんかなという3年間でした」

 10年に右肩を故障。懸命のリハビリを続け、プレーはできるようになったが、本来の姿にはほど遠かった。バックホームどころか、カットマンまで投げるのが精いっぱい。こだわりを持つ本塁打は今季4本。8月25日の広島戦(マツダ)では左翼守備でランニングホームランを許す屈辱も味わった。

 そんな中、“進退勧告”を受けた。9月2日の試合前。南球団社長から「進退も含めて考えてみたらどうかと」と話があった。慰留をされたわけでも、来季のコーチ要請があったわけでもない。来季に向け、若返りを図るチームにあって、進退は自分に委ねられた。功労者の心は揺れ動いた。

 2日以降の試合は代打専門に。この間、4打数3安打1打点。「やりたい、やめたい、やっぱりやりたい。その繰り返し。打てなかったら辞めようとなるし、打ったらやりたいと。女との別れ話みたい」。苦悩の連続だったが、球団は今週末に中村GMを含め、拡大編成会議を行う。「いつまでも未練たらしくやるのもなと」。抱える右肩痛と世代交代を見つめ、この日、南球団社長に引退を申し入れた。

 「子供にいったら大泣きしてました。母親には一番最初に伝えました。(母は)体のケアをこれからしろと…」。言葉が出ない。涙をこらえきれなかった。

 「落ちぶれてからはバッシングとか多かったんですけど…」と嗚咽をもらし、「それでも、こんな成績でも一生懸命、励ましてくれたファンというか、弱っているときに支えてくれた人というのは恩義に思います」。

 金本の栄光盛衰と同じように阪神も今季5位に低迷。この日の甲子園も2万7754人と最低観客を更新。九回一死一塁で代打で登場すると、大歓声を受け、右中間へ強い当たりをみせたが、スーパーキャッチされた。この日の敗戦でシーズンの負け越しが決まった。

 「何とか1本打ちたい」。今後も1軍に帯同する金本は田淵幸一氏(現楽天ヘッドコーチ)を抜き、歴代単独10位となる475本塁打をファンへの手向けにするつもりだ。功績を考えれば華々しい最後がふさわしい。だが、現実はシーズンの終わりを待つ中での引退表明。肌寒い秋風が身にしみる。虎を強くした鉄人がバットを置く。 
================================引用終了

虎・金本引退、南社長から進退勧告受け決断
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2152622&media_id=42

よくある誤用5──言いかえがむずかしい(泣) 確信犯 なし崩し 潮時

 誤用に関する書籍は数多くあります。ネット上でも玉石混淆でさまざま意見が流布しています。頻繁に誤用であることを指摘されながら、それでも誤用されることが多い言葉があります。
 おそらく、適切な言いかえがむずかしいからでしょう。それが見つからないと誤用は減らず、やがては誤用のほうが幅をきかせるようになります。
 ↓の言葉に関して、自分で「正」の意味で使ったことはありません。たぶん通じないし……。

確信犯
正 自らの行為を正しいと信じて行なう犯罪
誤 悪いのを承知で行なう犯罪
尖閣諸島の映像流出からもう2年近くたつ。あのときには「確信犯」という言葉が飛びかった。流出した人は、「自分の行動は間違っていない」と考えている。しかし、「甘んじて刑にも服す」とも考えている。ホントの確信犯なら「これで罪に問われるなら、法律が間違っている」と主張するところじゃないか?
■「誤」の意味を表す言いかえ案
ありません。キッパリ<( ̄- ̄)>
しかたがないので、「誤」の意味で「確信犯的」と使うことにしている。

なし崩し/なしくずし
正 物事を少しずつ片づけていくこと
誤 成り行きでウヤムヤにしてしまうこと
「なし崩しに原発を再稼働する」なんて表現をよく見るような。
■「誤」の意味を表す言いかえ案
「成り行きで」「ウヤムヤのうちに」くらいだろうか。

潮時
正 好機。物事を始めたり終えたりする好機
誤 物事をやめる時機
スポーツ選手の引退のコメントなどに出てくる。「そろそろ潮時と思いました」
たしかに「物事を終える好機」と考えれば誤用ではないかもしれないが、やはり誤用だろう。株式取引で、高値がついているときに「そろそろ潮時」と売り抜けるなら正しい使い方だろう。
■「誤」の意味を表す言いかえ案
「年貢の納め時」って言い方はあるが、ちょっと古くさい。しかもこの言葉は独身者が「身を固める時」に使う印象が強い。

詳しくは下記をご参照ください。
【確信犯】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1626.html
【なし崩し/なしくずし】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2445.html
【潮時】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2440.html

よくある誤用4──「重言」は誤用ではないが…… 立場に立つ 犯罪を犯す 被害を被る

「重言」は誤用ではなく、「無神経な表現」とでも言うべきでしょう。
ただ、ひと口に「重言」と言ってもいくつかのレベルがあるようです。「重言」の多くは、下記のように簡単に修正できます。
過半数を超える→過半数に達する/半数を超える
思いがけないハプニング→思いがけない出来事/ハプニング
元旦の朝→元旦/元日の朝
ハッキリと断言する→ハッキリ言う/断言する
しかし、なかには簡単には直せないものもあります。
「歌を歌う」は「重言」ではなく、言語学では「同族目的語」などと呼ばれるそうです。簡単には修正できません。
以下にあげるのも、「重言」と呼ぶべきか否か、意見が分かれるようです。Yahoo!知恵袋に限っても、何度も繰り返して(これも重言?)話題になっています。
消費者の立場にたって考える
なぜ犯罪をおかすのか
東日本が甚大な被害をこうむった
「重言」ではないとしても、漢字の重複が気になる人もいるでしょう。修正案をあげておくのでご参照ください。

立場に立つ
■修正案
側に立って/立場になって/立場で/立場から
これらの修正案は、いずれも「立場にたって」よりも語感が悪い気がします。つい重言を使ってしまう例が多い理由は、この語感の悪さです。原文が「消費者の立場にたって商品を開発する」なら、「立場を考えて」「立場を考慮して」など、修正の選択の幅が多少広がりますが、やはり語感は「立場にたって」より劣る気がします。

犯罪を犯す
■修正案
罪を犯す/犯罪に走る
この修正案は、あまりよい例とはいえません。修正するのが非常にむずかしい例です。「犯罪を犯す」と「罪を犯す」では、言葉のニュアンスが違ってきます。「犯罪」は刑法に背く行為で、「罪」は良心に背く行為という感じでしょうか。「犯罪に走る」なら意味はかわりませんが、大げさな印象になります。

被害を被る
■修正案
害を被った/損害を被った/被害を受けた/被害に遭った
これもあまりよい修正案とはいえません。「被害」と「害」「損害」とでは、「犯罪」と「罪」以上に言葉のニュアンスが違っていると思います。「被害を受けた」は、厳密に考えると重言でしょう。「被害に遭った」は有力な修正案ですが、↑の例文の場合はしっくりしない気がします。
言葉のニュアンスをかえずに重言を修正するためには、次のように書きかえる方法もあります。
なぜ犯罪をおかすのか
→なぜ犯罪が生まれるのか
→なぜ犯罪が起きるのか
東日本が甚大な被害をこうむった
→東日本では甚大な被害が生じた
ただし、原文が「人はなぜ犯罪をおかすのか」のときには、この書きかえはできません。

詳しくは下記をご参照ください。
【伝言板 板外編5──重言の話3】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-59.html
【重言の話4(第1稿)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-863.html

よくある誤用3──朝日新聞の場合  憮然/ぶぜん 足元をすくう/すくわれる ダントツ/断トツ

 個人的に、ネットで見かける誤用はできるだけ気にしないことにしています。妙な日本語や微妙な日本語が多くて、気にしているとキリがありません。その点、まともな出版社の紙媒体はヘンな日本語がほとんどないので安心できます。なかでも信頼しているのは朝日新聞です。
 とは言え、近年は朝日新聞でも疑問を感じる文章を目にすることが多いような……。ほかの媒体のことは考えたくありません。
「檄を飛ばす」「ごぼう抜き」「白羽の矢が立つ」あたりは、もう諦めるしかないでしょう。詳しくは改めて……。
「よくある誤用1」で書いた「斜に構える」や「よくある誤用2」で書いた「隗より始めよ」も、近年は誤用の意味のほうが一般的な気がするので目をつぶります。
 それでも……下記あたりはまだ気になります。

憮然/ぶぜん 
正 失望・落胆している様子
誤 腹をたてている様子
 朝青龍の記事では度々「憮然/ぶぜん」が出てきた。あの人の態度を「失望・落胆した様子」ととっていたら、そのほうが問題だろう。

足元をすくう/すくわれる
 意味の上での「誤用」ではなく、語形の上での「誤用」。「足をすくう/すくわれる」が正しい。一部の辞書は「足元をすくう/すくわれる」は誤用と明記するようになった。それだけ問題視されているのだろう。

ダントツ/断トツ
「ダントツの最下位」とか「ダントツの2位」とかは、さすがにダメだろう。「ダントツ」は「断然トップ」を略した言葉だから、「ダントツの首位」も「重言」だと思う。「重言」の話を始めると、頭の痛いことがあって……。 


【朝日新聞から総索引(2002年~)】で検索してみた。このうちどれくらいがホントの誤用なのかは不明。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
ぶぜん→4件
足元→15件
ダントツ→3件
断トツ→2件

よくある誤用1──誤用の御三家 さわり 役不足 斜に構える

ひと口に「誤用」と言ってもいろいろなレベルがあります。
 よく目にするけど明らかな誤用。
 やはり誤用だよなぁ……というレベルのもの。
 もはや誤用とは言いにくいもの。
 一部の辞書が認めてしまったもの。
 目にする機会の多い「誤用」の例を見ていきます。

 まず、当方が「誤用の御三家」と呼んでいるもの。「斜に構える」に関しては誤用のほうが広まって、もはや「使えない言葉」になったような……。
 詳しくはリンク先をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

さわり
================引用開始
「さわり」は「山場」とかって意味。まあ簡単に言ってしまうと、曲のサビ。テレビなんかで「ほんのさわり」とか言って最初の部分とかを紹介してるのは誤用です。でもね。テレビで頻繁に誤用してると、それは瞬く間に誤用ではなくなるの。こうして日本語は破壊されていく。
================引用終了

文化庁の調査では、世間では誤用の意味で考えている人が半数を超えるとか。
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2011_07/series_08/series_08.html
================================引用開始
「話のさわりだけ聞いた。」などと使う「さわり」。「国語に関する世論調査」では,「さわり」の意味を「話などの最初の部分のこと」と考える人が半数を超えているという結果が出ました。この言葉の本来の意味を確かめましょう。
問1 「さわり」は,元々,邦楽に関係する言葉だそうですが,その意味を詳しく教えてください。
答 「さわり」は義太夫節の最大の聞かせどころ,聞きどころとされている箇所を指した言葉でした。それが転じて,音楽や物語の最も感動的な部分,話や文章の要点などという意味で使われています。
(以下略)
================================引用終了


役不足
================引用開始
この言葉はもともとは芝居の用語で、「役者の格に比べて、割り当てられた役が軽すぎる」ことを指したといわれます。これが転じて、一般社会でも「当人の力量に比べて役割などが軽い」という意味で使われるようになりました。
 ところが、実際の使用例を見ると、ほとんどが正反対の「力不足」「力量不足」「荷が重い」「荷が勝つ」の意味で使われています。おそらく、「役不足」のほうが語感がよいからです。もう少し正確にいうと、「役不足」のほうがカッコよくて言葉に迫力が感じられるからでしょう。
 この誤用が頻繁に出てくるのは、マンガの対決シーンです。
「キサマじゃ役不足だ!」
 と相手をののしるときに使われます。
================引用終了

斜に構える
================引用開始
「役不足」が正しく使われている実例は珍しいと思うが、意味が決まっているのだから同じようなものを考えることはできる。
 ところが「斜に構える」の場合は、辞書を見ても「露悪的」と「改まった」という正反対みたいな意味があるのだから、使いようがない。
 結局、いいかえるしかないのか。
 本来の意味の「改まった」なら、「正々堂々」とか「真摯に」とか……まあ、こちらの使い方は少ないか。
 新しい意味の「露悪的」なら、「物事を斜めに見る」とか「シニカルな態度をとる」あたりが無難な気がする。「斜めに構える」とか「ハスに構える」でもいいかなと思ったが、『大辞泉』や『成語林』にしかられそうなのでやめておく。
================引用終了

 下記のリストから順次あげていこうと思います。
【もうダメかもリスト】〈2〉──けっこう厳選(笑)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2266.html
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