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よくある誤用4──「重言」は誤用ではないが…… 立場に立つ 犯罪を犯す 被害を被る

「重言」は誤用ではなく、「無神経な表現」とでも言うべきでしょう。
ただ、ひと口に「重言」と言ってもいくつかのレベルがあるようです。「重言」の多くは、下記のように簡単に修正できます。
過半数を超える→過半数に達する/半数を超える
思いがけないハプニング→思いがけない出来事/ハプニング
元旦の朝→元旦/元日の朝
ハッキリと断言する→ハッキリ言う/断言する
しかし、なかには簡単には直せないものもあります。
「歌を歌う」は「重言」ではなく、言語学では「同族目的語」などと呼ばれるそうです。簡単には修正できません。
以下にあげるのも、「重言」と呼ぶべきか否か、意見が分かれるようです。Yahoo!知恵袋に限っても、何度も繰り返して(これも重言?)話題になっています。
消費者の立場にたって考える
なぜ犯罪をおかすのか
東日本が甚大な被害をこうむった
「重言」ではないとしても、漢字の重複が気になる人もいるでしょう。修正案をあげておくのでご参照ください。

立場に立つ
■修正案
側に立って/立場になって/立場で/立場から
これらの修正案は、いずれも「立場にたって」よりも語感が悪い気がします。つい重言を使ってしまう例が多い理由は、この語感の悪さです。原文が「消費者の立場にたって商品を開発する」なら、「立場を考えて」「立場を考慮して」など、修正の選択の幅が多少広がりますが、やはり語感は「立場にたって」より劣る気がします。

犯罪を犯す
■修正案
罪を犯す/犯罪に走る
この修正案は、あまりよい例とはいえません。修正するのが非常にむずかしい例です。「犯罪を犯す」と「罪を犯す」では、言葉のニュアンスが違ってきます。「犯罪」は刑法に背く行為で、「罪」は良心に背く行為という感じでしょうか。「犯罪に走る」なら意味はかわりませんが、大げさな印象になります。

被害を被る
■修正案
害を被った/損害を被った/被害を受けた/被害に遭った
これもあまりよい修正案とはいえません。「被害」と「害」「損害」とでは、「犯罪」と「罪」以上に言葉のニュアンスが違っていると思います。「被害を受けた」は、厳密に考えると重言でしょう。「被害に遭った」は有力な修正案ですが、↑の例文の場合はしっくりしない気がします。
言葉のニュアンスをかえずに重言を修正するためには、次のように書きかえる方法もあります。
なぜ犯罪をおかすのか
→なぜ犯罪が生まれるのか
→なぜ犯罪が起きるのか
東日本が甚大な被害をこうむった
→東日本では甚大な被害が生じた
ただし、原文が「人はなぜ犯罪をおかすのか」のときには、この書きかえはできません。

詳しくは下記をご参照ください。
【伝言板 板外編5──重言の話3】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-59.html
【重言の話4(第1稿)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-863.html
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