「好ましい日本語」をめぐって31くらい──「好ましくなった言葉」補足編
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671
mixi日記2011年01月22日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1661091393&owner_id=5019671
【好ましくなった言葉】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59500832
上記のトピの個々の語句の補足(「の」の4連発だ)が長くなるとうっとーしいのでこっちに書きます。
リスト■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1【こだわる/こだわり】
2【ヤバい】
3【普通】
6【生き様】
7【デキ婚】
8【ジンクス】
9【犬も歩けば棒に当たる】
11【情けは人のためならず】
12【白羽の矢】
13【斜に構える】
16【鳥肌が立つ】
17【微妙】
18【田舎】
19【楽天的】【自己主張】
下記の考え方と通じるかもしれない。
【トピへのコメントを日記形式で書く理由──返信コメントは原則的にトピにお願いします】※あくまで原則論/マイミクさんは例外
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1468087432&owner_id=5019671
「6」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【生き様】
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%A7%98&stype=0&dtype=0
================================
いき‐ざま【生き様】
《「死に様(ざま)」からの連想でできた語とされる》その人が生きていく態度・ありさま。生き方。「はげしい―を描く」
================================
〈「死に様(ざま)」からの連想でできた語〉とあるように、昔は「生き様」なんて言葉はないとされていた(たぶん)。
様態を表わす「様(ざま)」が、そもそもあまり好ましい言葉ではなかった(はず)。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%96%E3%81%BE&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=09041007431800&pagenum=1
================================
ざま【▽様/▽態】
[名]《「さま」の音変化》ようす・なりふり・しわざなどをあざけって言う語。「その―はなんだ」
[接尾]⇒さま(様)
================================
「生き様 死に様」で検索する。
Wikipediaの「日本語の誤用」がヒットするのに、該当ページには見当たらない。削除されたのかな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%AA%A4%E7%94%A8
「生き様」に関してはいままでにも何回か書いている。全部引用するとエラいことになる。
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=%C0%B8%A4%AD%CD%CD
「7」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【デキ婚】
ぐわっ。とられた。
そうか。
「デキ婚/でき婚/できちゃった婚/できちゃった結婚」が正当化されたのはたしかに安室奈美恵の影響がありそうだな。昔は「婚前交渉」すらタブーだったのに……。
Wikipediaによると、「婚前妊娠」なんて言葉もあったらしい。その頃は「ふしだらな……」とか「世間体が悪い……」とか言ったんだろうな。「shotgun marriage」か。そういう言い方もあったな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%B5%90%E5%A9%9A
「8」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ジンクス】
本来は好ましくない意味しかなかった。
『大辞泉』はそんなことは頓着せず。これは『大辞林』の立場が正しいだろう。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9&stype=0&dtype=0&dname=0na
================================
ジンクス【jinx】
縁起のよい、または悪い言い伝え。また、縁起をかつぐ対象とする物事。「緒戦は勝てないという―がある」「―を破る」
================================
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9&stype=0&dtype=0&dname=0ss
================================
ジンクス1 【jinx】
因縁のように思う事柄。縁起。本来は縁起の悪い物事をいう。
―を破る
================================
英和辞典は、当然好ましくない意味しかのせていない。
『eプログレッシブ英和中辞典』
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=jinx&stype=0&dtype=1
================================
jinx
[名]((略式))(…に)悪運をもたらす(とされる)人[物],縁起の悪い人[物]((on ...));((単数形で))悪運;不運の時期・状態
put a jinx on
…に不幸をもたらす
break [smash] a jinx
ジンクスを破る
There seems to be a jinx on everything I do.
することなすことけちがついて回るようだ.
━━[動](他)((略式))
1 …に悪運[不幸]をもたらす,けちをつける.
2 …を台なしにする.
================================
『新グローバル英和辞典』
この書き方が正確か。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=jinx&stype=0&dtype=1&dname=1ss
================================
jinx発音を聞く
[名]?縁起の悪いもの[人];つきまとう不運[悪運], 鬼門;([注意]日本語では良いことにも使われるが, 英語では悪いことにのみ使う).
That put a ~ on him.
それが彼のけちのつき始めだった.
━━[動](他)
?話に不幸をもたらす.
================================
「9」「11」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
困ったもんだ。また噛み付き2号がからんでくる。し・つ・こ・い・!
【「好ましい日本語」をめぐって30くらい──噛み付き2号はほかの人にもイヤガラセをしてるらちい】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1661047906&owner_id=5019671
「好ましくない」やり取りになるから、やめてもらえないかな。
なんで管理人さんは何も言わないんだろう。
「出:小学校の図書館にあったことわざ辞典」……そんないい加減な記憶で書名もわからないような辞典を出典にされてもコメントのしようがない。「第3の意味」なんてどこから出てきたんだろう。
【犬も歩けば棒に当たる】
【情けは人のためならず】
これに関しては、下記かな。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1360517677&owner_id=5019671
================================
1)~3)は、「故事ことわざ」の誤用の例として取りあげられることが多い、という点が共通しています。それぞれの正しい意味と、誤った解釈は次のとおりです。
1)犬も歩けば棒に当たる
正 でしゃばってよけいなことをすると、ロクなことがない
誤 積極的に動き回れば、幸運に出合うことがある
2)他山の石
正 反面教師として役立つ他者の行動のこと。「彼らの失敗を他山の石とし
て、慎重に計画を見直す」のように使う
誤 「先生の教えを他山の石として、肝に銘じます」のように、見習うべき
言動などに使うのは誤り
3)情けは人のためならず
正 人にかけた情けは、めぐりめぐって自分に返ってくるものである
誤 むやみに情けをかけるのは甘やかすことになるので、結局その人のため
にならない
1)はあまりにも誤用されることが多かったせいか、「誤」の解釈も許容されるようになってしまいました。「犬も歩けば棒に当たるというぐらいだから、やってみる価値はある」という使い方もできるということです。
2)と3)は、現段階では「誤」の解釈はあくまでも誤用と考えられていますが、将来的にどうなるかはわかったものではありません。このように「誤」の解釈が広まったのは、それだけ誤用されることが多いからです。
「故事ことわざ」を誤用しないためには、正しい意味を確認したうえで使えばよいのですから、さほど問題はありません。しかし、たとえ正しい意味で使っていても、文章がむずかしい印象になることもあるので、安易には使わないほうがよいと思います(★ページ参照)。
================================
ちなみに最近のWeb辞書だと、好ましい意味(元々誤用)と好ましくない意味(本来の意味)の両方を採用している。
■Web辞書(『大辞泉』から)※『大辞林』もほぼ同様
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%8A%AC%E3%82%82%E6%AD%A9%E3%81%91%E3%81%B0%E6%A3%92%E3%81%AB%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8B&stype=0&dtype=0
================================
犬(いぬ)も歩けば棒に当たる
1 何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。
2 出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。
================================
少し前のまともな紙の辞書なら、「好ましくない意味」が本来の意味とちゃんと書いてあるはず。手元の『成語林』(1992年刊)だと「本来の意味は1)だが、今日では、2)の意味で使われることが多い」と用法の解説がある。1)は当然「好ましくない意味」で2)が「好ましい意味」。
「情けは人のためならず」のほうは、Web辞書にも明記されている。これがいつグチャグチャになるのかは、言葉の神様に訊かないとわからない。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E6%83%85%E3%81%91%E3%81%AF%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%9A&stype=0&dtype=0
================================
情けは人の為(ため)ならず
情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。
〔補説〕 近年、誤って本人の自立のために良くないと理解されることがある
================================
「12」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【白羽の矢】
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=%C7%F2%B1%A9%A4%CE%CC%F0
下記がいいかな。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-36.html
================================
7-5
25日
早川が左手中指のけがで登録を抹消され、2軍で打率2位と結果を残していた角中に白羽の矢が立った。(21面)
これは「もう誤用とはいえない」例なんだろうな。少し前に朝日新聞の投書欄で、「本来は人身御供の意味で使う白羽の矢を……」みたいな意見を読んだ気がする。メモしとくんだった。そりゃごもっともなんだけど、もう無理でしょ。本来の意味で使ってる例なんて、記憶にない。まあ選挙惨敗後に起用される新首相なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」なんだろうけど。そういうふうに「誤用」と決めつける意見を、なんの注釈もなく掲載する見識ってどうなんでしょ。あくまでも「誤用」とするのが社の方針なら、ほかの記事中でこういう使い方はしないでほしい。いくらでもほかに書き方はあるでしょ。「抜擢」とか。「お鉢が回る」ってはたぶん意味が違うんだろうな(それ以前に死語かな)。
================================
「13」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【斜に構える】
これもちゃんと書こうとするとえらいことに(泣)。
「斜に構える」をめぐって【1】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353273124&owner_id=5019671
「斜に構える」をめぐって【2】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353365897&owner_id=5019671
「16」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【鳥肌が立つ】
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E9%B3%A5%E8%82%8C&stype=0&dtype=0
================================
とり‐はだ【鳥肌】
1 皮膚が、羽をむしり取った鳥の皮のようにぶつぶつになる現象。また、その肌。寒さや恐怖などによって立毛筋が収縮し毛が立って起こる。粟(あわ)はだ。「―が立つ」
2 ざらざらしている皮膚。鮫肌(さめはだ)。
================================
本来は寒さや恐怖によって立つものだった。あと、嫌悪感ってのもある(サブイボ?……どうやら関西弁らしい)。
それがいつの間にやら、感動したときに立つものになった。ただ、人間の生理的な反応なんだから簡単にかわるとは思えない。感動したとき(たとえばスポーツでありえないプレーや展開を見たとき)に立つ鳥肌のことを、昔はなんて言ってたんだろう。
「17」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【微妙】
へー、微妙の本来の意味って「玄妙」みたいなものなんだ。勉強になった。たしかに「こういった微妙な表現が魅力」のような言い方はするね。
下記の『大辞泉』を見ても、「1」にその意味が出ている。ふーむ。若者言葉の用法まで出ている。本来、こういう機動力はWeb辞書の強みだよな。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%BE%AE%E5%A6%99&stype=0&dtype=0
================================
び‐みょう〔‐メウ〕【微妙】
[名・形動]
1 趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。みみょう。
「此―な叙景の筆の力が」〈独歩・武蔵野〉
2 一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま。「気持ちが―に変化する」「セーフかアウトか―な判定」「愛国主義と国粋主義の―な関係」
3 《「微妙に」の形で》少々。やや。「―に歪んで見える線」「彼の話には―に嘘が混じっている」
4 《若者言葉。「ビミョー」と書くこともある》否定的な気分を婉曲にあらわす言葉。明言したくないときなどにも使う。「『テストできた?』『―』」
[派生] びみょうさ[名]
================================
【20120922補足】
「補足」の続きも書かなきゃいかんなぁ……。
ちょっと気になって「白羽の矢が立つ」に関して『大辞泉』に出ている〈平成17年度「国語に関する世論調査」〉を見てみた。あまりのムチャクチャぶりに言葉を失う。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h17/kekka.html
「9.使う言い方,気になる言い方」の(2)気になる言い方であげられている言葉は5つ。
(1)うそをついて〈あとで後悔した〉
(2)早起きして行ったのに,順番を〈一番最後〉にされた
(3)今年の〈元旦の夜〉は,みんなで初もうでに行こうよ
(4)その方法は,〈従来から〉行われていたやり方だ
(5)美術館建設の候補地として,この村に〈白羽の矢が当たった〉
これって何を訊きたいの? (1)〜(4)までは重言の話。(5)も重言になるか考えたが、どう考えても重言ではない。手当たりしだいにあげたってこと?
(5)の気になる箇所の可能性は2つある。
1)「白羽の矢が立つ」をいい意味で使うのはOKか
2)「白羽の矢が立つ」を「白羽の矢が当たる」と言ってもOKか
当方は1)に関してはもうしかたがないかな、と思う。でも2)に関しては相当気になる。答えとしては「気になる」。答えた人はどこが気になったのだろう。
結論を書こう。2箇所問題のある設問をしたのでは、どんな結論が出ても参考にならない。「意味が違っていても」「形が違っていても」なんにも気にならないっていう●●の割合を調べたいのなら話は別だが。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671
mixi日記2011年01月22日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1661091393&owner_id=5019671
【好ましくなった言葉】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59500832
上記のトピの個々の語句の補足(「の」の4連発だ)が長くなるとうっとーしいのでこっちに書きます。
リスト■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1【こだわる/こだわり】
2【ヤバい】
3【普通】
6【生き様】
7【デキ婚】
8【ジンクス】
9【犬も歩けば棒に当たる】
11【情けは人のためならず】
12【白羽の矢】
13【斜に構える】
16【鳥肌が立つ】
17【微妙】
18【田舎】
19【楽天的】【自己主張】
下記の考え方と通じるかもしれない。
【トピへのコメントを日記形式で書く理由──返信コメントは原則的にトピにお願いします】※あくまで原則論/マイミクさんは例外
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1468087432&owner_id=5019671
「6」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【生き様】
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%A7%98&stype=0&dtype=0
================================
いき‐ざま【生き様】
《「死に様(ざま)」からの連想でできた語とされる》その人が生きていく態度・ありさま。生き方。「はげしい―を描く」
================================
〈「死に様(ざま)」からの連想でできた語〉とあるように、昔は「生き様」なんて言葉はないとされていた(たぶん)。
様態を表わす「様(ざま)」が、そもそもあまり好ましい言葉ではなかった(はず)。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%96%E3%81%BE&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=09041007431800&pagenum=1
================================
ざま【▽様/▽態】
[名]《「さま」の音変化》ようす・なりふり・しわざなどをあざけって言う語。「その―はなんだ」
[接尾]⇒さま(様)
================================
「生き様 死に様」で検索する。
Wikipediaの「日本語の誤用」がヒットするのに、該当ページには見当たらない。削除されたのかな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%AA%A4%E7%94%A8
「生き様」に関してはいままでにも何回か書いている。全部引用するとエラいことになる。
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=%C0%B8%A4%AD%CD%CD
「7」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【デキ婚】
ぐわっ。とられた。
そうか。
「デキ婚/でき婚/できちゃった婚/できちゃった結婚」が正当化されたのはたしかに安室奈美恵の影響がありそうだな。昔は「婚前交渉」すらタブーだったのに……。
Wikipediaによると、「婚前妊娠」なんて言葉もあったらしい。その頃は「ふしだらな……」とか「世間体が悪い……」とか言ったんだろうな。「shotgun marriage」か。そういう言い方もあったな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%B5%90%E5%A9%9A
「8」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ジンクス】
本来は好ましくない意味しかなかった。
『大辞泉』はそんなことは頓着せず。これは『大辞林』の立場が正しいだろう。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9&stype=0&dtype=0&dname=0na
================================
ジンクス【jinx】
縁起のよい、または悪い言い伝え。また、縁起をかつぐ対象とする物事。「緒戦は勝てないという―がある」「―を破る」
================================
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9&stype=0&dtype=0&dname=0ss
================================
ジンクス1 【jinx】
因縁のように思う事柄。縁起。本来は縁起の悪い物事をいう。
―を破る
================================
英和辞典は、当然好ましくない意味しかのせていない。
『eプログレッシブ英和中辞典』
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=jinx&stype=0&dtype=1
================================
jinx
[名]((略式))(…に)悪運をもたらす(とされる)人[物],縁起の悪い人[物]((on ...));((単数形で))悪運;不運の時期・状態
put a jinx on
…に不幸をもたらす
break [smash] a jinx
ジンクスを破る
There seems to be a jinx on everything I do.
することなすことけちがついて回るようだ.
━━[動](他)((略式))
1 …に悪運[不幸]をもたらす,けちをつける.
2 …を台なしにする.
================================
『新グローバル英和辞典』
この書き方が正確か。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=jinx&stype=0&dtype=1&dname=1ss
================================
jinx発音を聞く
[名]?縁起の悪いもの[人];つきまとう不運[悪運], 鬼門;([注意]日本語では良いことにも使われるが, 英語では悪いことにのみ使う).
That put a ~ on him.
それが彼のけちのつき始めだった.
━━[動](他)
?話に不幸をもたらす.
================================
「9」「11」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
困ったもんだ。また噛み付き2号がからんでくる。し・つ・こ・い・!
【「好ましい日本語」をめぐって30くらい──噛み付き2号はほかの人にもイヤガラセをしてるらちい】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1661047906&owner_id=5019671
「好ましくない」やり取りになるから、やめてもらえないかな。
なんで管理人さんは何も言わないんだろう。
「出:小学校の図書館にあったことわざ辞典」……そんないい加減な記憶で書名もわからないような辞典を出典にされてもコメントのしようがない。「第3の意味」なんてどこから出てきたんだろう。
【犬も歩けば棒に当たる】
【情けは人のためならず】
これに関しては、下記かな。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1360517677&owner_id=5019671
================================
1)~3)は、「故事ことわざ」の誤用の例として取りあげられることが多い、という点が共通しています。それぞれの正しい意味と、誤った解釈は次のとおりです。
1)犬も歩けば棒に当たる
正 でしゃばってよけいなことをすると、ロクなことがない
誤 積極的に動き回れば、幸運に出合うことがある
2)他山の石
正 反面教師として役立つ他者の行動のこと。「彼らの失敗を他山の石とし
て、慎重に計画を見直す」のように使う
誤 「先生の教えを他山の石として、肝に銘じます」のように、見習うべき
言動などに使うのは誤り
3)情けは人のためならず
正 人にかけた情けは、めぐりめぐって自分に返ってくるものである
誤 むやみに情けをかけるのは甘やかすことになるので、結局その人のため
にならない
1)はあまりにも誤用されることが多かったせいか、「誤」の解釈も許容されるようになってしまいました。「犬も歩けば棒に当たるというぐらいだから、やってみる価値はある」という使い方もできるということです。
2)と3)は、現段階では「誤」の解釈はあくまでも誤用と考えられていますが、将来的にどうなるかはわかったものではありません。このように「誤」の解釈が広まったのは、それだけ誤用されることが多いからです。
「故事ことわざ」を誤用しないためには、正しい意味を確認したうえで使えばよいのですから、さほど問題はありません。しかし、たとえ正しい意味で使っていても、文章がむずかしい印象になることもあるので、安易には使わないほうがよいと思います(★ページ参照)。
================================
ちなみに最近のWeb辞書だと、好ましい意味(元々誤用)と好ましくない意味(本来の意味)の両方を採用している。
■Web辞書(『大辞泉』から)※『大辞林』もほぼ同様
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%8A%AC%E3%82%82%E6%AD%A9%E3%81%91%E3%81%B0%E6%A3%92%E3%81%AB%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8B&stype=0&dtype=0
================================
犬(いぬ)も歩けば棒に当たる
1 何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。
2 出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。
================================
少し前のまともな紙の辞書なら、「好ましくない意味」が本来の意味とちゃんと書いてあるはず。手元の『成語林』(1992年刊)だと「本来の意味は1)だが、今日では、2)の意味で使われることが多い」と用法の解説がある。1)は当然「好ましくない意味」で2)が「好ましい意味」。
「情けは人のためならず」のほうは、Web辞書にも明記されている。これがいつグチャグチャになるのかは、言葉の神様に訊かないとわからない。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E6%83%85%E3%81%91%E3%81%AF%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%9A&stype=0&dtype=0
================================
情けは人の為(ため)ならず
情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。
〔補説〕 近年、誤って本人の自立のために良くないと理解されることがある
================================
「12」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【白羽の矢】
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=%C7%F2%B1%A9%A4%CE%CC%F0
下記がいいかな。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-36.html
================================
7-5
25日
早川が左手中指のけがで登録を抹消され、2軍で打率2位と結果を残していた角中に白羽の矢が立った。(21面)
これは「もう誤用とはいえない」例なんだろうな。少し前に朝日新聞の投書欄で、「本来は人身御供の意味で使う白羽の矢を……」みたいな意見を読んだ気がする。メモしとくんだった。そりゃごもっともなんだけど、もう無理でしょ。本来の意味で使ってる例なんて、記憶にない。まあ選挙惨敗後に起用される新首相なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」なんだろうけど。そういうふうに「誤用」と決めつける意見を、なんの注釈もなく掲載する見識ってどうなんでしょ。あくまでも「誤用」とするのが社の方針なら、ほかの記事中でこういう使い方はしないでほしい。いくらでもほかに書き方はあるでしょ。「抜擢」とか。「お鉢が回る」ってはたぶん意味が違うんだろうな(それ以前に死語かな)。
================================
「13」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【斜に構える】
これもちゃんと書こうとするとえらいことに(泣)。
「斜に構える」をめぐって【1】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353273124&owner_id=5019671
「斜に構える」をめぐって【2】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1353365897&owner_id=5019671
「16」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【鳥肌が立つ】
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E9%B3%A5%E8%82%8C&stype=0&dtype=0
================================
とり‐はだ【鳥肌】
1 皮膚が、羽をむしり取った鳥の皮のようにぶつぶつになる現象。また、その肌。寒さや恐怖などによって立毛筋が収縮し毛が立って起こる。粟(あわ)はだ。「―が立つ」
2 ざらざらしている皮膚。鮫肌(さめはだ)。
================================
本来は寒さや恐怖によって立つものだった。あと、嫌悪感ってのもある(サブイボ?……どうやら関西弁らしい)。
それがいつの間にやら、感動したときに立つものになった。ただ、人間の生理的な反応なんだから簡単にかわるとは思えない。感動したとき(たとえばスポーツでありえないプレーや展開を見たとき)に立つ鳥肌のことを、昔はなんて言ってたんだろう。
「17」■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【微妙】
へー、微妙の本来の意味って「玄妙」みたいなものなんだ。勉強になった。たしかに「こういった微妙な表現が魅力」のような言い方はするね。
下記の『大辞泉』を見ても、「1」にその意味が出ている。ふーむ。若者言葉の用法まで出ている。本来、こういう機動力はWeb辞書の強みだよな。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%BE%AE%E5%A6%99&stype=0&dtype=0
================================
び‐みょう〔‐メウ〕【微妙】
[名・形動]
1 趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。みみょう。
「此―な叙景の筆の力が」〈独歩・武蔵野〉
2 一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま。「気持ちが―に変化する」「セーフかアウトか―な判定」「愛国主義と国粋主義の―な関係」
3 《「微妙に」の形で》少々。やや。「―に歪んで見える線」「彼の話には―に嘘が混じっている」
4 《若者言葉。「ビミョー」と書くこともある》否定的な気分を婉曲にあらわす言葉。明言したくないときなどにも使う。「『テストできた?』『―』」
[派生] びみょうさ[名]
================================
【20120922補足】
「補足」の続きも書かなきゃいかんなぁ……。
ちょっと気になって「白羽の矢が立つ」に関して『大辞泉』に出ている〈平成17年度「国語に関する世論調査」〉を見てみた。あまりのムチャクチャぶりに言葉を失う。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h17/kekka.html
「9.使う言い方,気になる言い方」の(2)気になる言い方であげられている言葉は5つ。
(1)うそをついて〈あとで後悔した〉
(2)早起きして行ったのに,順番を〈一番最後〉にされた
(3)今年の〈元旦の夜〉は,みんなで初もうでに行こうよ
(4)その方法は,〈従来から〉行われていたやり方だ
(5)美術館建設の候補地として,この村に〈白羽の矢が当たった〉
これって何を訊きたいの? (1)〜(4)までは重言の話。(5)も重言になるか考えたが、どう考えても重言ではない。手当たりしだいにあげたってこと?
(5)の気になる箇所の可能性は2つある。
1)「白羽の矢が立つ」をいい意味で使うのはOKか
2)「白羽の矢が立つ」を「白羽の矢が当たる」と言ってもOKか
当方は1)に関してはもうしかたがないかな、と思う。でも2)に関しては相当気になる。答えとしては「気になる」。答えた人はどこが気になったのだろう。
結論を書こう。2箇所問題のある設問をしたのでは、どんな結論が出ても参考にならない。「意味が違っていても」「形が違っていても」なんにも気にならないっていう●●の割合を調べたいのなら話は別だが。
スポンサーサイト