よくある誤用18──ラ抜き言葉 的を射る/的を得る 全然+肯定形
言葉の問題で、いろいろな説が飛びかって、結局何がなんだかわからなくなっているものがいろいろあります。Yahoo!知恵袋でもおなじみの質問ですが、ホントのところはどうなのでしょう。
ラ抜き言葉
現段階では×でしょう。「誤用」と言うよりも「現在の標準語においては規範的でない」くらいの考え方が妥当だと思います。「乱れ」か「変化」か、と言うと、現段階では「乱れ」と言うしかありません。
とくに若い世代は「ラ抜き言葉」のほうがフツーとか言う人が多いようです。話し言葉ならそれでいいと思います。ただし、「ラ抜き言葉」の是非を語るなら、お願いですから「ラ抜き言葉」がどういうものかくらいは調べてから主張してください。
次のうち、どれが「ラ抜き言葉」か理由をつけて説明できますか。
しゃべれる/掘れる/守れる/攻めれる
伝言板【板外編4】【「ラ抜き言葉」を防ぐ方法】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-96.html
的を射る/的を得る
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1155316126
================================引用開始
「的を射る」を「的を得る」とする人はけっこういるようです。
原因は2つ考えられます。
1)よく似た意味の「当を得る」との混同。
2)よく似た意味の「正鵠を得る」との混同。
1)に関しては「的を射る」と「当を得る」が一般的です。
2)に関しては、本来の形は「正鵠を得る」です(「正鵠を射る」でも間違いではないと思います)。
ここから類推して、「的を得る」でも間違いではない、と主張する人がいます。一理あるかもしれませんが、一般には「的を射る」です。
================================引用終了
下記のように、「的を得る」は誤用とは言い切れないという考え方もあるようです。ここまで掘り下げてしまうと「学説」って気もします。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1061145880
【BIFFの亜空間要塞】
http://biff1902.way-nifty.com/biff/2010/05/post-fc48.html
全然+肯定形
Yahoo!知恵袋に限っても、同様の質問が何度出たことか。
結論だけ書きましょう。
もともと肯定でも否定でも○だったようです。一時期肯定は×になりましたが、最近は「×とは言い切れない」という説が増加傾向にあるようです。
ただし、現在の出版・編集の現場では基本的に肯定は×です(微妙なものもありますが……)。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1641.html
以下は要約。
全然+肯定形はいくつかに分けて考えるべきでしょう。
●「全然+フツーの言葉」
「全然明るい」「全然おいしい」など「全然」を「very」(とても)の意味で使うもの。これは基本的に×でしょう。
●「全然+否定的な肯定形」
「否定的な肯定形」は、形の上では肯定形だけど、意味が否定的な言葉のことです。
「全然ダメ」「全然違う」「全然別(のこと)」
この場合の「全然」は「まったく」の意味なのでOKでしょう。
●「全然+大丈夫系」
これがイチバン微妙です。「全然大丈夫」のほかに「全然平気」などがあります。
個人的には、異和感がなくなりつつあります。おそらく、「全然大丈夫」が「全然問題がない」とほぼ同じニュアンスになるからでは……。「全然OK」だとさらに得体がしれなくて……。
下記の2記事は読みごたえがあります。
【なぜ広まった? 「『全然いい』は誤用」という迷信 】
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO37057770W1A201C1000000/
【「『全然いい』は誤用」という迷信 辞書が広めた? 】
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO42854280R20C12A6000000/
ただし、ちゃんとした原稿を書く場合は話が「全然別」(やはりちょっとヘンだな)になります。「誤用」と思われる可能性のある言葉をわざわざ使う理由はありません。
「ラ抜き言葉」は使いません。
「的を射る」を使い、「的を得る」は使いません。
「全然+肯定形」は基本的に使いません。「全然+否定的な肯定形」は、ラフな文体ならこっそり使うかも。
バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365
ラ抜き言葉
現段階では×でしょう。「誤用」と言うよりも「現在の標準語においては規範的でない」くらいの考え方が妥当だと思います。「乱れ」か「変化」か、と言うと、現段階では「乱れ」と言うしかありません。
とくに若い世代は「ラ抜き言葉」のほうがフツーとか言う人が多いようです。話し言葉ならそれでいいと思います。ただし、「ラ抜き言葉」の是非を語るなら、お願いですから「ラ抜き言葉」がどういうものかくらいは調べてから主張してください。
次のうち、どれが「ラ抜き言葉」か理由をつけて説明できますか。
しゃべれる/掘れる/守れる/攻めれる
伝言板【板外編4】【「ラ抜き言葉」を防ぐ方法】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-96.html
的を射る/的を得る
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1155316126
================================引用開始
「的を射る」を「的を得る」とする人はけっこういるようです。
原因は2つ考えられます。
1)よく似た意味の「当を得る」との混同。
2)よく似た意味の「正鵠を得る」との混同。
1)に関しては「的を射る」と「当を得る」が一般的です。
2)に関しては、本来の形は「正鵠を得る」です(「正鵠を射る」でも間違いではないと思います)。
ここから類推して、「的を得る」でも間違いではない、と主張する人がいます。一理あるかもしれませんが、一般には「的を射る」です。
================================引用終了
下記のように、「的を得る」は誤用とは言い切れないという考え方もあるようです。ここまで掘り下げてしまうと「学説」って気もします。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1061145880
【BIFFの亜空間要塞】
http://biff1902.way-nifty.com/biff/2010/05/post-fc48.html
全然+肯定形
Yahoo!知恵袋に限っても、同様の質問が何度出たことか。
結論だけ書きましょう。
もともと肯定でも否定でも○だったようです。一時期肯定は×になりましたが、最近は「×とは言い切れない」という説が増加傾向にあるようです。
ただし、現在の出版・編集の現場では基本的に肯定は×です(微妙なものもありますが……)。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1641.html
以下は要約。
全然+肯定形はいくつかに分けて考えるべきでしょう。
●「全然+フツーの言葉」
「全然明るい」「全然おいしい」など「全然」を「very」(とても)の意味で使うもの。これは基本的に×でしょう。
●「全然+否定的な肯定形」
「否定的な肯定形」は、形の上では肯定形だけど、意味が否定的な言葉のことです。
「全然ダメ」「全然違う」「全然別(のこと)」
この場合の「全然」は「まったく」の意味なのでOKでしょう。
●「全然+大丈夫系」
これがイチバン微妙です。「全然大丈夫」のほかに「全然平気」などがあります。
個人的には、異和感がなくなりつつあります。おそらく、「全然大丈夫」が「全然問題がない」とほぼ同じニュアンスになるからでは……。「全然OK」だとさらに得体がしれなくて……。
下記の2記事は読みごたえがあります。
【なぜ広まった? 「『全然いい』は誤用」という迷信 】
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO37057770W1A201C1000000/
【「『全然いい』は誤用」という迷信 辞書が広めた? 】
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO42854280R20C12A6000000/
ただし、ちゃんとした原稿を書く場合は話が「全然別」(やはりちょっとヘンだな)になります。「誤用」と思われる可能性のある言葉をわざわざ使う理由はありません。
「ラ抜き言葉」は使いません。
「的を射る」を使い、「的を得る」は使いません。
「全然+肯定形」は基本的に使いません。「全然+否定的な肯定形」は、ラフな文体ならこっそり使うかも。
バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365
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