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突然ですが問題です【日本語編15】Yahoo!知恵袋ver.──「ニノ~」

【問題】
 例題にならって、「ニノ」に続く言葉の組をA群とB群から選び、A群の番号と一般的な漢字表記で書きなさい。ただし、一部誤用になるものが含まれている。誤用になる場合は正しい用例を答えなさい。

●例題
ニノ  0)アシヲ  フム
答 0)二の足を踏む

     A群    B群
ニノ  1)クガ   ハナツ
    2)マイヲ  スル
    3)テツヲ  イチ
    4)ミヤ   ツカム
    5)シノ   ツゲナイ
    6)ヤヲ   ロノヤ
    7)ウデヲ アビセル
    8)ツギニ  フム
    9)トリ    エンジル
    10)タチヲ  カズヤ






【解答?例】
1)二の句が継げない
2)二の舞を演じる
3)該当なし ※前車の轍を踏む
4)該当なし ※二宮和也は「にのみやかずなり」
5)二の四の六の八
6)二の矢を放つ
7)二の腕をつかむ
8)二の次にする
9)二の酉の市
10)二の太刀を浴びせる

【よくわからない解説】
 出題から2時間足らずで、ほぼ模範解答がいただいた。何日も寝ずに
考えた問題だったのに~。
 ポイントは2点。
 1点は二宮和也。フツーはカズヤだよ。これはつい最近知った。バレないはずだったのに……シクシク。
 もう1点は「前車の轍を踏む」。当方は長年「同じ轍を踏む」だと思い込んでいた。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=てつをふむ&stype=2&dtype=0
================================
前車(ぜんしゃ)の轍(てつ)を踏・む
前に行った車のわだちを、あとの車が踏んで行く。前の人と同じような失敗をあとの人が繰り返すことにいう。前轍を踏む。
◆「前者の轍を踏む」と書くのは誤り。
================================

「轍を踏む」って言い回しもあるから、「同じ轍を踏む」も間違いではないだろう。でも使わないほうが無難なんだろうな。これが「二の轍を踏む」だと「二の足を踏む」「二の舞を演じる」あたりとの混用ってことになるのだろう。
 ただなぁー。
 実際に使うとすると(自分ではこのテの言葉はめったに使わないけど)、「前首相と同じ轍を踏むことになりかねない」みたいな使い方が自然だと思う。「前首相の轍を踏むことになりかねない」のほうが政界(絶妙な誤変換(笑)なのかな。なんか言葉足らずだよ。
「前首相と同じ失敗をしかねない」でも十分に通じるから、やっぱこっちにしとこ。

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突然ですが問題です【日本語編14】──「速い」か「早い」か

【問題】
問1
「はやくち」を漢字で書くと「早口」と「速口」のどちらが適切ですか。

問2
「はやあし」を漢字で書くと「早足」と「速足」のどちらが適切ですか。





【解答?例】&【よくわからない解説】
【解答例】
問1
 一般的には「早口」。ただし、「速口」が間違いと断定する根拠は見当たらない。

問2
 新聞の用字用語では「速足」。ただし、辞書類は「早足」のほうが優勢。

 詳細は下記をご参照ください。

【「速い」と「早い」の使い分け方を教えて下さい/「初めて」と「始めて」】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1094091595


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突然ですが問題です【日本語編13】Yahoo!知恵袋ver.──肯定形と否定形1 ゾッとする/ゾッとしない ぞっとする/ぞっとしない 失礼きわまる/失礼きわまりない

【問題】
 次の言葉の意味を考えてください。

1)-1 ゾッとする
1)-2 ゾッとしない

2)-1 失礼きわまる
2)-2 失礼きわまりない




【解答?例】&【よくわからない解説】

1) ゾッとする/ゾッとしない

 例によって辞書をひく。
■Web辞書(『大辞泉』から)※以下、基本的に『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=ぞっと&stype=2&dtype=0
================================
ぞっ‐と
[副](スル)寒さや恐怖などのために、また、強い感動を受けて、からだが震え上がるさま。「―寒気をおぼえる」「今地震が来たらと思うと―する」「―するほどの美人」
================================

 辞書によって表現は違うだろうが、まあこんなもんだ。表記をどうするのか別の話になる。「ゾッとする」が「寒気を覚える(くらい恐ろしい)」なら「ゾッとしない」は「寒気を覚えない」みたいな意味になるはず。ところが実際には「ゾッとしない」はまったく違う意味の慣用句になってしまう。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=ぞっと&dtype=0&stype=2&dname=0na&pagenum=1&index=12706910954000
================================
ぞっとしない
おもしろくない。あまり感心しない。「引出物にするには―ない品だ」

◆文化庁が発表した平成18年度「国語に関する世論調査」では、「今の映画は、余りぞっとしないものだった」を、本来の意味である「おもしろくない」で使う人が31.3パーセント、間違った意味「恐ろしくない」で使う人が54.1パーセントと、逆転した結果が出ている。
================================
 
『大辞泉』の「ただし書き」を見るに、世間ではすでに逆転しているらしい。
 個人的には「ゾッとしない」を使うなら本来の「おもしろくない」のような意味しかありえない。でもそれが誤解を招く可能性が高いんじゃ、これも「新死語」行きだろう。
 問題は「ゾッとする」の使い方。こっちもずいぶん前からなんか使いにくい気がしてきた。しかたがないので、避けにくいときには「ような」をつけて「ゾッとするような」の形で使うようにしている。


2) 失礼きわまる/失礼きわまりない
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=きわまる&stype=1&dtype=0
================================
きわま・る〔きはまる〕【極まる/窮まる】
[動ラ五(四)]
2 (形容動詞の語幹に付いて)この上なく…である。「退屈―・る話」
================================

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=きわまりない&stype=1&dtype=0
================================
きわまり‐な・い〔きはまり‐〕【極まり無い】
[形][文]きはまりな・し[ク]この上なくはなはだしい。「不衛生なこと―・い」「巧妙―・い手口」
================================

『大辞泉』を見る限り、「失礼きわまる」も「失礼きわまりない」も「失礼この上ない」の意味になる。
 それっておかしくないか?
 下記の文章を書いたとき、そんなことを考えた。
【読書感想文『第三版 悪文』】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-755.html
================================
 p.211で「失礼きわまる書き方」という表現を目にする。これって「失礼きわまりない書き方」とほぼ同義だよな。ちょっとした発見だった。
================================

 注意深く見ると、当方の勘違いであることがわかる。
「失礼きわまる」の否定形はたぶん「失礼きわまらない」(こんな言い方は恐らくしない)。
「失礼きわまりない」の肯定形はあえて書くなら「失礼きわまりある」(こんな言い方はしない)。
 バッと見は肯定形と否定形に見えるけど、この2つの言葉は少し別の系列だろう。

 肯定形と否定形の話はほかにもあるけど、とりあえず別件に進む(笑)。
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http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2570.htm

突然ですが問題です【日本語編12】Yahoo!知恵袋ver.──「閑話休題」の使い方

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【問題】

【問題】
「閑話休題」の正しい使い方を次の1)~3)のなかから選びなさい。(複数回答可)

  1) 本題→ヨタ話→(閑話休題)→本題
  2) 本題→(閑話休題)→ヨタ話→本題
  3) ヨタ話→(閑話休題)→本題





【解答?例】
 一般的な答えは1)だろう。
 2)は誤用。
 問題は3)で、これも世間ではどうやらアリらしい。個人的にはナシだと思う。
 参考になりそうなサイト類は下記。
【「閑話休題」の本来の位置(石ねこ)】
http://kotobakai.seesaa.net/article/8173658.html

 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 このくらいのレベルの書き手が揃うと読み応えがある。


【よくわからない解説】

 ネットではそこそこ目にするけど微妙な使われ方をすることが多く、結局どういう使い方が正しいのかよくわからなくなっている言葉がけっこうある気がする。
「閑話休題」あたりも、そんな言葉のひとつだろう。
 昔はエッセイなんかでよく目にした。「閑話休題」と書いて「それはさておき」とかルビが振ってあると、妙にカッコよく見えたもんだ。...(  = =) トオイメ
 最近は印刷物ではあまり見ないなぁ。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=かんわきゅうだい&stype=1&dtype=0
================================
かんわ‐きゅうだい〔‐キウダイ〕【閑話休題】
文章で、余談をやめて、話を本題に戻すときに、接続詞的に用いる語。それはさておき。あだしごとはさておき。
================================
■Web辞書(『大辞林』から)
================================
かんわきゅうだい[―きう―] 1 【閑話休題】
話を本筋に戻すとき、または本題に入るときに用いる言葉。接続詞的に用いる。むだな話はさておいて。それはさておき。さて。
================================

「閑話休題」の意味を考えるために、2つに分けて考える。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=かんわ&dtype=0&stype=1&dname=0na
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=休題&stype=1&dtype=0
================================
かん‐わ【閑話/間話】
1 むだばなし。
2 心静かにする話。もの静かな会話。「一夕の―を楽しむ」
================================
きゅう‐だい〔キウ‐〕【休題】
それまでの話を一時やめること。「閑話(かんわ)―」
================================
『大辞林』もほぼ同じ。辞書はひいてみるもんだ。「閑話」に「2」の意味なんてあるんだ。静かにするムダ話は「閑閑話」なんだろうか(意味わかんね)。諸橋先生もビックリだな(もっと意味わかんね)。
 まあ、ここで扱っているのは「1」のほうだろう。
 2つの言葉を合わせると、「ヨタ話をやめて本題に戻る」ってことだろう。昔目にしたのは、間違いなくそういう使われ方だった。
「本題に戻る」を構成で考えると次のようなパターンだろう。

  本題→ヨタ話→(閑話休題)→本題

 ネット上で、「ヨタ話」の前に「閑話休題」と入れた文章を見たことがある。「本題休んで閑話をする」と解釈したんだろう。なんかそれでもいいか、って気もする(笑)。
 気にかかったのは、『大辞泉』に「または本題に入るときに用いる」とあること。ちなみに手元の『広辞林』には「戻る」しかない。
「本題に入る」だと、最初の「本題」なしでいきなり「ヨタ話」から始まることになる。そんな構成あるんだろうか?
 本題と関係のない話から始めるのは起承転結の一種らしく、「天声人語」などでおなじみ。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-286.html
 でもそれはレトリックの一手法であり、冒頭の話も「転」であってヨタ話ではない。そこから本題に入るときに「閑話休題」って使えるかと言うと、使えない気がする。冒頭の「一見関係のない話」はフリの類いだろう。
 そう書いていて、ヨタ話から始まるいけない構成の文章を思い出してしまった。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1149.html
 これは「閑話休題」って言えるかもorz。
 いけね。下記では使ってる(笑)。
【トンデモ参考書……なんだろうな】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1221.html

 でも自分では「閑話休題」はうまく使えそうにない。「閑話休題」のもつ古風な風格は、当方のしょうもない芸風には似合わない。(←放っとけ!)
 どうしても使えと言うなら、「閑話休題?(笑)」くらいか。ギャグっぽくなら使うかも。
 たったいま〈「閑話休題」のもつ古風な風格〉と書いた。このあたりが、ネットで散見する理由なんだろうな。こういうカッコのいい言葉はデロデロとネット上で垂れ流される。どこまでが本題でどこからがヨタ話なのかわからないような文章で「閑話休題」とか使われると、使い方が間違っていなくても、それだけでゲンナリしてしまう。
 このあたりの心理は、ムヤミにことわざとかを使ってカッコをつけようとするのと一緒なんだろうな。やめほうがいいって。前に書いた文章から引く。
【第2章5比喩の使い方 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-133.html
================================
〈古すぎ〉るのでジジムサくなる。持ち出すことわざの難度が上がるほど、ジジムサ度も高くなる。かといって、ありふれたものを持ち出すとありがたみが薄れるし、紋切り型になる可能性が高い。
 悲惨なのは、意味を間違って使ってしまうケース(これがまた非常に多い)。間違ってはいなくても、使い方のピントがズレているのもよくある。間違っていても、ピントがズレていても、オバカに見えてしまう。
 成功してもジジムサく、失敗するとオバカ。それでも使いたい人はご自由に。
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突然ですが問題です【日本語編】のバックナンバー
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2570.html

突然ですが問題です【日本語編11】──Web辞書はどこまで信用できるか 繙く/紐解く しつらい/しつらえ 違和感を感じる ……etc.

【問題】

 いままでのモロモロのまとめのようなものです。

【問1】
「繙く」と「紐解く」の違いを説明しなさい。

【問2】
「しつらい」「しつらえ」の違いを説明しなさい。

【問3】
「違和感を感じる」は誤用か否か。

【問4】
 次の空欄に入る助詞を「ガ」「ヲ」「ハ」のなかから選びなさい。
  1)本(  )好きだ(好悪)
  2)本(  )読みたい(希望)
  3)本(  )読める(可能)

【問5】
 次の空欄に入る言葉を「運航」「就航」のなかから選びなさい。
  1)現在(  )している船
  2)新しい船が航路に(  )した

【問6】
 次の(  )の中の言葉を漢字にしなさい。
  太郎は足が(はや)い






【解答?例】
 Web辞書に従うと、以下のとおりになる。

【問1】
「繙く」と「紐解く」は同義。

【問2】
「しつらい」「しつらえ」はほぼ同義。

【問3】
「違和感を感じる」は誤用ではない。

【問4】
 1)~3)のいずれも、「ガ」「ヲ」「ハ」が入る。
 一般に問題にされることが多いのは、「ガ」と「ヲ」。本来がどちらなのかには諸説ある。

【問5】
 1)「運航」「就航」ともOK
 2)「就航」

【問6】
「早」「速」ともOK。


【よくわからない解説】

 この数年、紙の辞書をひく機会がメッキリ減った。
 たいていWeb辞書で済ませている。
 ただ、このWeb辞書というのは相当の曲者だと思う。節操なしに新しい用例をガンガン取り入れているのは、ある意味正解だろう。ただ、程度問題だと思う。本来の意味がわからなくなるのも問題だろう。ちょっと疑問を感じて調べるとたいていヤバいことがわかる。
 そんなネタをメモしていく。

【事例1】ひもとく
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-32.html
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07-5-2
3日
大ヒット作『天才柳沢教授の生活』『不思議な少年』の背景を紐解き、豊穣な物語世界を紹介する。(朝刊1面)
 某出版社の広告。小うるさいことを言うと、「天才」のあとにアキが欲しいところだが、手元の資料本でもアキなしになっている許されるのかもしれない。問題は「紐解く」。
 goo辞書(大辞林)だと以下のとおり。

ひもと・く 3 【▼繙く/▼紐解く】
(動カ五[四])
(1)〔巻物のひもをほどいて広げる意〕書物を読む。ひもどく。《繙》
「史書を―・く」
(2)衣の下紐(したひも)を解く。男女が共寝する。
「にこ草の花つ妻なれや―・かず寝む/万葉 3370」
(3)つぼみが開く。
「御前の梅、やうやう―・きて/源氏(初音)」

 これだとよくわからないが、手元の『広辞林』だと、「繙く」と「紐解く」は別の項目になっている。「繙く」は上の(1)の意味で、「紐解く」は上の(2)(3)の意味とのこと。表記の問題だから、どちらでも間違いではないのかもしれないが、相当強い異和感がある。この「紐解く」の表記は定期的に読んでいる某週刊誌でよく見かけるもので、気になってしかたがない。いつからこんな気持ちの悪い書き方をするようになったのだろう。たしかに「繙く」が読みにくいのは事実だけど、それを言ったら「紐」だって常用漢字表外でしょ。ルビをふるスペースがとれないなら「ひもとく」でいいじゃない。
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【事例2】しつらい/しつらえ
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-201.html
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08-7-13
26日
和のしつらえで、美しく暮らす(夕刊2面)
 広告がのっていた書籍のタイトル。「しつらい」なのか「しつらえ」なのかは、積年の課題。ネット辞書は、もう両方認めている。
=====================================
●大辞泉
しつらい〔しつらひ〕【▽設い】
1「設(しつら)え」に同じ。「テーブル―をする」
2(「室礼」「補理」とも書く)平安時代、宴・移転・女御入内などの晴れの日に、寝殿の母屋や庇(ひさし)に調度類を配置して室内の装飾としたこと。

しつらえ〔しつらへ〕【▽設え】
しつらえること。用意。準備。「客室の―が済む」

●大辞林
しつらい[しつらひ] 03 【▽設い】
[1]構え作ること。ととのえ準備すること。しつらえ。
[2](「室礼」「鋪設」「補理」とも書く)平安時代、娘の女御としての入内(じゆだい)・婿取り、客を招いての宴、移転など晴れの祝いの日に、寝殿の母屋・庇(ひさし)に調度を立て室内を飾ったこと。

しつらえ[しつらへ] 03 【▽設え】
しつらえること。準備。
・食事の―がしてある
・会場の―をする
・照明の―がない
=====================================
 この記述を読んで「しつらい」と「しつらえ」の違いがわかる人がいたら教えてください。当方は余計に混乱した。『大辞泉』のほうは、「しつらい」のほうが広義で、「1」の意味に関しては「しつらえ」が本来の形、と読める。
『大辞林』のほうだと、「しつらえ」のほうが用途が広く、「会場のしつらえをする」がアリなんだから、「しつらい」の意味を含むととれる。
 ホントか。少し古い辞書だと「しつらえ」なんて言葉はない。1988年刊行の『広辞林』だと、「しつらい」の意味は以下のとおり。
1)構え作ること。飾り付け。装置。
2)(古)御座所。おまし。
 本来の形はって話をするなら、「しつらい」に決まっている。疑問のあるかたは下記のトピの「42」&「43」をご覧下さい。
(略)
 じゃあ、なんで「しつらえ」なんて誤用が生まれたのか。そんなことは国語学者に訊いてください。
 まったくの推測で書くと、「誂(あつら)え」とか「(急)拵(こしら)え」って名詞形があるから混同したんだと思う(まあ、「あしらい」なんて言葉もあるけど)。本来は「しつらい」で、もしかすると「しつらえ」もアリかなって言葉なんだから名詞形が「え」しかないものは参考にならない。むしろ近いのは「浚(さら)い」(「渫い」とも書く)。「浚い」が本来の形だが、「浚え」もアリらしい。
 今回辞書を索いて初めて知ったが、「ドブさらい」「おさらい」「総ざらい」などは「さらい」で、「川ざらえ」「棚ざらえ」などは「さらえ」なのね。日本語はむずかしい。
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【事例3】違和感を感じる
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1176.html

「違和感を感じる」は重言だろう。誤用ではないと思うが、無神経な言葉づかいと言われてもしかたがない。「あえて」用例に入れるのなら、それなりの説明をしてもらわないと困る。なんの説明もなしにこういう用例を入れていると、「何も考えてないのか?」と疑ってしまう。
 辞書にこういうことが書いてあると、下記のような説も流布する。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q119333986
※「流布」は言い過ぎですね。このベストアンサーは勉強になります。
『続弾! 問題な日本語』に関しては下記をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1717.html



【事例4】説明になってねえよ
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1205.html
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「を」に関する記述はどちらも相当ヒドい。
 まず『大辞泉』は論外。〈「水を飲みたい」など〉の「など」が何を表わすのか不明。こんなの辞書じゃねえよ。『大辞林』のほうは一応説明してある。これと「が」の記述を合わせるとどういうことになるか。
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【事例5】「現在就航している船」って、それはいくらなんでも……
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1262.html
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 先日、本来は「瞬間」のはずの「就航」にも「継続」の意味が認められていることを発見して驚いた。思わず【「故障中」は誤用なのだろうか】に追記してしまった。ちょっと教えてほしいんだけど、船舶や航空機の場合は「運行」っていうのかな?
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=就航&stype=1&dtype=0
================================
しゅう‐こう〔シウカウ〕【就航】
[名](スル)
1 船舶や航空機が初めて航路につくこと。「世界最大のタンカーは明日―する」
2 船舶や航空機がその航路で運行されていること。「現在―している船」
================================
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【事例6】太郎君は足がはやい
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1278.html


 ほかにもいろいろあったはずだが、思い出せないorz。
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