突然ですが問題です【日本語編177】──敬語の難問10 「今日解説していただくのは○○さんです」
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671
mixi日記2014年01月19日から
================================
【問題】
下記の例文に関して、以下の問に答えなさい。
今日解説していただくのは○○さんです。
【問1】
上記の例文を適切な形に書きかえなさい。
【問2】
上記の例文のような不適切な文が使われた理由を想像しなさい。
================================
【解答?例】
【問1】
「今日解説してくださるのは○○さんです」くらいだろうか。
「今日解説してくださいますのは○○さんです」のほうが丁寧かも。
【問2】
下記のような例との混同ではないだろうか。
「この点について○○さんに解説して{もらい/いただき}ます」
【よくわからない解説】
下記のコメントを回収しておく。
【今日解説していただくのは○○さんです】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1494987479
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「今日解説していただくのは○○さんです」
結論だけを書くと、ヘンです。質問者のdehakubaさんがお考えのとおりでしょう。
「今日解説してくださるのは○○さんです」くらいが正解です。
敬語ではない形にしたほうがわかりやすいでしょうか。
X解説していただく(謙譲語)のは○○さん→解説してもらうのは○○さん
○解説してくださる(尊敬語)のは○○さん→解説してくれるのは○○さん
「解説してくれる」のが○○さんで、「解説してもらう」のは我々(他の出演者/視聴者……etc.)です。「今日解説していただくのは○○さんです」では立場が逆になってしまいます。
以下は想像です。
下記のような例との混同ではないでしょうか。
「この点について○○さんに解説して{もらい/いただき}ます」
この場合はちょっとまぎらわしいのですが、解説してもらうのは「我々」ですから、{もらい/いただき}で問題はないでしょう。
「我々が○○さんに解説して{もらい/いただき}ます」ということです。
やや話がかわりますが、「いただく/くださる」の話では下記が有名です。
727)【ご来店{ください/いただき}まして(誠に)ありがとうございます】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1828674149&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2339.html
この考え方に従うと、番組の最後に○○さんに「本日は(ご)解説{ください/いただき}まして(誠に)ありがとうございます」と言うのは、どちらもアリでしょう。そのことを加味すると、「今日解説していただくのは○○さんです」の類いは広まっていくのかもしれません。
文化庁の「敬語の指針」(P.40)の記述も参考になるかと。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
================================引用開始
5 「いただく」と「くださる」の使い方の問題
【17】 いつも,「御利用いただきましてありがとうございます。」と言ったり,書 いたりしているのだが,「御利用くださいまして」の方が良いのだろうか。 どちらが適切なのだろうか。
【解説1】「御利用いただく」は謙譲語I,「御利用くださる」は尊敬語である。つまり, 「(自分側が相手側や第三者に)御利用いただく」,「(相手側や第三者が)御利用くだ さる」という基本的な違いがある。しかし,立てるべき対象は,どちらも同じであり, また,恩恵を受けるという認識を表す点も同様であるため,どちらの言い方も適切に 敬語が用いられているものである。
【解説2】謙譲語Iの「御利用いただく」の使い方には,問題があると感じている人たち もいる。その理由としては,「利用する」のは相手側や第三者なのだから,尊敬語で ある「御利用くださる」を使うべきだということなどが挙げられているようである。
しかし,「御利用いただく」は,「私はあなたが利用したことを(私の利益になるこ とだと感じ)有り難く思う」という意味を持った敬語である。「利用する」のは相手 側や第三者,「御利用いただく」のは自分側,という点がやや理解されにくい敬語で あるが,自分側の立場から相手側や第三者の行為を表現した敬語であり,敬語の慣用 的な用法として特に問題があるわけではない。ただ,このような「いただく」の用法 に対しては,その受け止め方に個人差があり,不適切な用法だと感じている人たちもいる。
また,「御利用いただきまして...」と「御利用くださいまして...」のどちらが適切 か,どちらが丁寧か,という判断や感じ方についても個人差が大きいようであるが, 基本的には,どちらもほぼ同じように使える敬語だと言ってよい。
================================引用終了
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【問題】
下記の例文に関して、以下の問に答えなさい。
今日解説していただくのは○○さんです。
【問1】
上記の例文を適切な形に書きかえなさい。
【問2】
上記の例文のような不適切な文が使われた理由を想像しなさい。
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【解答?例】
【問1】
「今日解説してくださるのは○○さんです」くらいだろうか。
「今日解説してくださいますのは○○さんです」のほうが丁寧かも。
【問2】
下記のような例との混同ではないだろうか。
「この点について○○さんに解説して{もらい/いただき}ます」
【よくわからない解説】
下記のコメントを回収しておく。
【今日解説していただくのは○○さんです】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1494987479
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「今日解説していただくのは○○さんです」
結論だけを書くと、ヘンです。質問者のdehakubaさんがお考えのとおりでしょう。
「今日解説してくださるのは○○さんです」くらいが正解です。
敬語ではない形にしたほうがわかりやすいでしょうか。
X解説していただく(謙譲語)のは○○さん→解説してもらうのは○○さん
○解説してくださる(尊敬語)のは○○さん→解説してくれるのは○○さん
「解説してくれる」のが○○さんで、「解説してもらう」のは我々(他の出演者/視聴者……etc.)です。「今日解説していただくのは○○さんです」では立場が逆になってしまいます。
以下は想像です。
下記のような例との混同ではないでしょうか。
「この点について○○さんに解説して{もらい/いただき}ます」
この場合はちょっとまぎらわしいのですが、解説してもらうのは「我々」ですから、{もらい/いただき}で問題はないでしょう。
「我々が○○さんに解説して{もらい/いただき}ます」ということです。
やや話がかわりますが、「いただく/くださる」の話では下記が有名です。
727)【ご来店{ください/いただき}まして(誠に)ありがとうございます】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1828674149&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2339.html
この考え方に従うと、番組の最後に○○さんに「本日は(ご)解説{ください/いただき}まして(誠に)ありがとうございます」と言うのは、どちらもアリでしょう。そのことを加味すると、「今日解説していただくのは○○さんです」の類いは広まっていくのかもしれません。
文化庁の「敬語の指針」(P.40)の記述も参考になるかと。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
================================引用開始
5 「いただく」と「くださる」の使い方の問題
【17】 いつも,「御利用いただきましてありがとうございます。」と言ったり,書 いたりしているのだが,「御利用くださいまして」の方が良いのだろうか。 どちらが適切なのだろうか。
【解説1】「御利用いただく」は謙譲語I,「御利用くださる」は尊敬語である。つまり, 「(自分側が相手側や第三者に)御利用いただく」,「(相手側や第三者が)御利用くだ さる」という基本的な違いがある。しかし,立てるべき対象は,どちらも同じであり, また,恩恵を受けるという認識を表す点も同様であるため,どちらの言い方も適切に 敬語が用いられているものである。
【解説2】謙譲語Iの「御利用いただく」の使い方には,問題があると感じている人たち もいる。その理由としては,「利用する」のは相手側や第三者なのだから,尊敬語で ある「御利用くださる」を使うべきだということなどが挙げられているようである。
しかし,「御利用いただく」は,「私はあなたが利用したことを(私の利益になるこ とだと感じ)有り難く思う」という意味を持った敬語である。「利用する」のは相手 側や第三者,「御利用いただく」のは自分側,という点がやや理解されにくい敬語で あるが,自分側の立場から相手側や第三者の行為を表現した敬語であり,敬語の慣用 的な用法として特に問題があるわけではない。ただ,このような「いただく」の用法 に対しては,その受け止め方に個人差があり,不適切な用法だと感じている人たちもいる。
また,「御利用いただきまして...」と「御利用くださいまして...」のどちらが適切 か,どちらが丁寧か,という判断や感じ方についても個人差が大きいようであるが, 基本的には,どちらもほぼ同じように使える敬語だと言ってよい。
================================引用終了
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