「了解」「了解です」「了解しました」「了解いたしました」〈4〉
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671
mixi日記2014年02月02日から
総集編は下記。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2581.html
明日からは仕事モードに入るので、今日中にメモしておく。
ウーン。この「明日から入る」もいけない例かも。
行き詰まった時ようにとっておくという考え方もあるけど……。そういう息抜きネタはいろいろある。
少し前に、「了解(いた)しました」を貶めるネットコラムがあった。ありふれた話なので、全文はひく気にならない。
【「了解しました」はNG。正しい敬語の基本】
http://getnews.jp/archives/505408
ニュース日記を読むと、疑問を感じている人が何人かいた。そりゃそうだろう。久しぶりにいくつかの日記に乱入(誤用だって)してみた。下記は一例。
(略)
勢い余って質問板を立ててみた。なんだかなぁ……。
【「了解しました」「了解いたしました」が不適切な理由】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8456636.html
根拠になりそうなことが『敬語』に書いてあるらしいことは〈2〉で書いた。
http://okwave.jp/qa/q2329408.html
================引用開始
「了解しました」でも「了解いたしました」でも、敬語としては問題ありません。ただし、#3の方のおっしゃるとおり「了解」自体に尊敬の意味が含まれていないこと、また一般的な日本の大人社会を考えると、「かしこまりました」などを用いた方が無難でしょうね。
参考文献 菊地康人 「敬語」 講談社学術文庫
================引用終了
念のためもう一度『敬語』を確認してみた。やはり見当たらないが、もしかすると、以前チェックした下記なのかもしれない。なんだかなぁ……。
これが根拠になる?
「謙譲語性は感じられよう」を否定する気はない。でも「結局、謙譲語性はすでに薄く(あるいは失い)、ただ改まった言い方として使われていると捉えるべきことになろう」が結論だろう。
謙譲語性がわずかに残っている「承知(いた)しました」のほうがふさわしい、という考え方を否定する気はない。でも、そのことが「了解(いた)しました」を×にする理由にはならないだろう。
【読書感想文/『敬語』2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2415.html
================引用開始
【引用部】
なお、「持参」「承知」は、「参」「承」という字を含むので、謙譲語性が感じられる面もある(とくに「持参いたしました」「承知いたしました」「承知いたしております」というような場合は、もちろん「いたす」の力にたすけられるところもあろうが、謙譲語性は感じられよう)。が、「昼食は各自持参のこと」「上記の金額を……持参人へお支払いください」(小切手の文面。ちなみに「持参人」という語は関係法規にも見える)、「あなたも承知しておいてください」などのように、謙譲語とは言えない使い方をする場合も少なくない。さらに「ご持参ください」「ご承知の通り」のように尊敬語として使う場合もある(私自身の感覚では、相手とくに目上に「ご持参ください」と言うのは抵抗があり、使わないほうが無難だという気はするが)。結局、謙譲語性はすでに薄く(あるいは失い)、ただ改まった言い方として使われていると捉えるべきことになろう。(P.346~347)
どこで切ったらよいかわからず、ズルズルと引用してしまった。この「どこで引用をやめたらいいかわからん感覚」は、清水読本の読書感想文を書いたときに近い。
「参」「承」は謙譲語性は薄い、ということを、著者の文体で書くとこういうことになるのだろう。こうなる最大の原因は、著者の知識量があまりにも多いこと。こういう書き方をすると批判しているようにも見えるかもしれないが、決してそんなつもりはない。批判に読めるとしたら、書き手の人損?だろう。
================引用終了
【追記】
ちょっと気になって、「承知」以外に「承」のつく言葉にどんなものがあるか調べてみた。
大前提として「承る」と読めば謙譲語。
下記を見れば明らかなように「うける」を「承ける」と書くこともできる(新常用漢字音訓表外字)。
http://kotobank.jp/word/%E5%8F%97%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%BB%E8%AB%8B%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%BB%E6%89%BF%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%BB%E4%BA%AB%E3%81%91%E3%82%8B?dic=daijirin&oid=DJR_ukeru_-010
当然のことだけど、「受ける」「請ける」「承ける」「享ける」は謙譲語ではない。
さて、「承」のつく熟語。話をわかりやすくするために、「〜する」の形にできるものは「〜する」にする。
継承する
承継する
承合する(初めて聞いた)
承前
承諾する
承認する
承服・承伏する
これらの言葉がどの程度謙譲語性があるのかは、言葉の神様に訊かないとわからない。
おそらく、「承ける」の意味合いのものは謙譲語性がほとんどない。「継承する」「承継する」「承前」あたりがこれだろう。
一方、「承る」の意味合いのものは、多少謙譲語性がある気がする。だが、「謙譲語か」と訊かれれば、NOと言うしかないだろう。
これらの言葉を謙譲語としている辞書があったら教えてください。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
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mixi日記2014年02月02日から
総集編は下記。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2581.html
明日からは仕事モードに入るので、今日中にメモしておく。
ウーン。この「明日から入る」もいけない例かも。
行き詰まった時ようにとっておくという考え方もあるけど……。そういう息抜きネタはいろいろある。
少し前に、「了解(いた)しました」を貶めるネットコラムがあった。ありふれた話なので、全文はひく気にならない。
【「了解しました」はNG。正しい敬語の基本】
http://getnews.jp/archives/505408
ニュース日記を読むと、疑問を感じている人が何人かいた。そりゃそうだろう。久しぶりにいくつかの日記に乱入(誤用だって)してみた。下記は一例。
(略)
勢い余って質問板を立ててみた。なんだかなぁ……。
【「了解しました」「了解いたしました」が不適切な理由】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8456636.html
根拠になりそうなことが『敬語』に書いてあるらしいことは〈2〉で書いた。
http://okwave.jp/qa/q2329408.html
================引用開始
「了解しました」でも「了解いたしました」でも、敬語としては問題ありません。ただし、#3の方のおっしゃるとおり「了解」自体に尊敬の意味が含まれていないこと、また一般的な日本の大人社会を考えると、「かしこまりました」などを用いた方が無難でしょうね。
参考文献 菊地康人 「敬語」 講談社学術文庫
================引用終了
念のためもう一度『敬語』を確認してみた。やはり見当たらないが、もしかすると、以前チェックした下記なのかもしれない。なんだかなぁ……。
これが根拠になる?
「謙譲語性は感じられよう」を否定する気はない。でも「結局、謙譲語性はすでに薄く(あるいは失い)、ただ改まった言い方として使われていると捉えるべきことになろう」が結論だろう。
謙譲語性がわずかに残っている「承知(いた)しました」のほうがふさわしい、という考え方を否定する気はない。でも、そのことが「了解(いた)しました」を×にする理由にはならないだろう。
【読書感想文/『敬語』2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2415.html
================引用開始
【引用部】
なお、「持参」「承知」は、「参」「承」という字を含むので、謙譲語性が感じられる面もある(とくに「持参いたしました」「承知いたしました」「承知いたしております」というような場合は、もちろん「いたす」の力にたすけられるところもあろうが、謙譲語性は感じられよう)。が、「昼食は各自持参のこと」「上記の金額を……持参人へお支払いください」(小切手の文面。ちなみに「持参人」という語は関係法規にも見える)、「あなたも承知しておいてください」などのように、謙譲語とは言えない使い方をする場合も少なくない。さらに「ご持参ください」「ご承知の通り」のように尊敬語として使う場合もある(私自身の感覚では、相手とくに目上に「ご持参ください」と言うのは抵抗があり、使わないほうが無難だという気はするが)。結局、謙譲語性はすでに薄く(あるいは失い)、ただ改まった言い方として使われていると捉えるべきことになろう。(P.346~347)
どこで切ったらよいかわからず、ズルズルと引用してしまった。この「どこで引用をやめたらいいかわからん感覚」は、清水読本の読書感想文を書いたときに近い。
「参」「承」は謙譲語性は薄い、ということを、著者の文体で書くとこういうことになるのだろう。こうなる最大の原因は、著者の知識量があまりにも多いこと。こういう書き方をすると批判しているようにも見えるかもしれないが、決してそんなつもりはない。批判に読めるとしたら、書き手の人損?だろう。
================引用終了
【追記】
ちょっと気になって、「承知」以外に「承」のつく言葉にどんなものがあるか調べてみた。
大前提として「承る」と読めば謙譲語。
下記を見れば明らかなように「うける」を「承ける」と書くこともできる(新常用漢字音訓表外字)。
http://kotobank.jp/word/%E5%8F%97%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%BB%E8%AB%8B%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%BB%E6%89%BF%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%BB%E4%BA%AB%E3%81%91%E3%82%8B?dic=daijirin&oid=DJR_ukeru_-010
当然のことだけど、「受ける」「請ける」「承ける」「享ける」は謙譲語ではない。
さて、「承」のつく熟語。話をわかりやすくするために、「〜する」の形にできるものは「〜する」にする。
継承する
承継する
承合する(初めて聞いた)
承前
承諾する
承認する
承服・承伏する
これらの言葉がどの程度謙譲語性があるのかは、言葉の神様に訊かないとわからない。
おそらく、「承ける」の意味合いのものは謙譲語性がほとんどない。「継承する」「承継する」「承前」あたりがこれだろう。
一方、「承る」の意味合いのものは、多少謙譲語性がある気がする。だが、「謙譲語か」と訊かれれば、NOと言うしかないだろう。
これらの言葉を謙譲語としている辞書があったら教えてください。
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