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【板外編9-2】文法はお好きですか?──やっぱりどう転んでも嫌いです

 下記の仲間。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-category-12.html

 下記の続きです。もはや【板外編】ではありませんが、成り行き上、【板外編9-2】になります。
【板外編9】文法はお好きですか?──そんな物好きな人はいません
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1207215683&owner_id=5019671

【助詞「で」の意味】(2009年06月23日 11:31)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43858161

 こちらの話は、tobirisuが無知をさらしてしまった気がする(泣)。
 下記のようなサイトも見つけた。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011069790

 ただ、どうもシックリしないので、新たに他のコミュにトピを立ててみた。
【助詞の話──とりあえず「で」】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44104722

 恥の上塗りになったようだorz orz orz。


【可能表現における格助詞】(2009年06月25日06:43)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43919149
 
 の「12」と「13」を見て固まってしまう。
 助詞の問題のなかでは比較的簡単と思われたガとヲでもこんな話になってしまうのか。
 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 どんどん深みにはまって行く感じがする。
 以下、若干表記をイジりつつ見ていく。順番は逆になるけど、まず「13」に関して。


●コメント「13」を巡って
 こっちのコミュに先行トピがあったのね。で、何が書いてあるのか……。

 コメント「1」。

  >「あれ?これフランス語で書いてあるよ。誰かフランス語ヲ読める人いない?」
  >「ジェフさんがフランス語ヲ読めるよ」

 質問文に出てくるヲは、ガにするほうがいいと思う。
 問題は回答文。たしかにこの文脈ならヲ使う。主として、直前に別の「が」があるからだろう。
 ただ、文脈を重視するなら、ここでイチバン素直な答えは「ジェフさんガ読めるよ」だと思う。ってことは、「ジェフさんガ読めるよ、フランス語ヲ」ってこと?

 コメント「2」。
 なんと申しましょうか、よくわからない(こういう書き方はよくないのだろうが、わからないものはわからない)。コメント不能。ご本人も「思いつきで書いたこと」と書いているのでスルーする。

 コメント「3」「4」。
 文字化けしているのでスルー、というのは冗談です。
〈ヲを使う方が自然な例〉として3例をあげている。

  1)
  A:人口飼育で育ったライオンでも、子供ヲ育てられるでしょうか。
  B:大丈夫でしょう。

  2)
  A:針に糸ヲ通せますか。
  B:ええ、もちろんですよ。
  (針の穴に通すものは、常識的に考えて糸以外の何物でもない)

  3)
  A:今度のパーティーに太郎さんヲ呼べる(?)
  B:人数に余裕があるから大丈夫です。

 1)2)はガでいいと思う。3)はたしかにヲのほうが自然だろう。理由はよくわからないorz。

 コメント「5」。
 当方の文法力では理解不能。
〈他動性(transitivity)が高いものほど、目的格にはヲを取りやすい〉ので、「なぐる」「打つ」「殺す」などはヲのほうが自然な場合があるとのこと。

  >(5)弁慶は義経{ガ/ヲ}なぐれる。忠義のためなら。
  >(6)教師は生徒{ガ/ヲ}なぐれない。法に触れる。
    >しかし親はその子ども{ガ/ヲ}なぐれる。教育上必要なら。
  >(7)戦争なら兵士は人{ガ/ヲ}殺せる。

 (5)~(7)はガでもいいと思う。

>「行く」「渡る」は意味的には自動詞的だが、ヲ格をとる。
  >(8)僕はこの道ヲ行く。
  >(9)我々はこれからこの橋ヲ渡ります。

 ここまではそのとおりだと思う。

>これであっても可能動詞にしてもヲを付けたい。
  >(10)僕らはこの道{ガ/ヲ}行ける。
  >(11)我々はこの橋{ガ/ヲ}渡れます。

 (11)は「ガ」でもいいと思う。(10)はよくわからない(後述の【2】参照)。


●コメント「12」を巡って
 まず、コメント「12」の全文を引く。

================================
可能形でも、目的語をヲ格で標示する方が自然な場合もあるのではないでしょうか。
たとえば

  山田君は、100m{ヲ/??ガ}10秒で走れます。

この場合は、むしろ、「100mガ」とはほとんど言えないと思うのですが。(私だけ?)
================================

 いろいろなことが絡んでいて、訳がわからない。
 思いつくままに書いていく。

【1】これは例の「ヲ」と「デ」の話と関係するのか
  1)グラウンド{ヲ/デ}走る……ヲが自然(デもアリ?)
  2)プール{ヲ/デ}泳ぐ……デが自然(ヲもアリ?)
  1)の可能形 グラウンド{ヲ/デ/ガ}走れる……ヲが自然(デもアリ?)
  2)の可能形 プール{ヲ/デ/ガ}泳げる……デが自然(ヲもアリ?)

【2】自動詞的な動詞は可能形も「ガ」をとりにくいのか
  3)山田君は、100m{ヲ/ガ/―}10秒で走る……ヲもしくは―が自然
  4)山田君は、100m{ヲ/ガ/―}1分で泳ぐ……ヲもしくは―が自然
  5)山田君は、1リットルの水{ヲ/ガ/―}10秒で飲む……ヲが自然
  3)の可能形 山田君は、100m{ヲ/ガ/―}10秒で走れる……ヲもしくは―が自然
  4)の可能形 山田君は、100m{ヲ/ガ/―}1分で泳げる……ヲもしくは―が自然
  5)の可能形 山田君は、1リットルの水{ヲ/ガ/―}10秒で飲める
   ……ヲが自然だが、この場合はガもアリなのでは。

【3】そもそも3)の文は、そのままで可能形なのではないか
  6)山田君は、100mヲ10秒で走る
  7)山田君は、100mヲ10秒で走れる

 6)と7)はほぼ同義ではないか。この文形がどの程度特殊なものなのかは不明。
 4)の文を少し変形する。山田君は遠泳ガ得意だとする(この文は「山田君が遠泳ヲ得意だとする」ともできる)。

  山田君は、20km{ヲ/ガ/―}泳ぐ
   ……ガは不自然。ヲもやや不自然? 自然なのは―かハ?
  山田君は、20km{ヲ/ガ/―}泳げる
   ……ガは不自然。ヲもやや不自然? 自然なのは―かハ?
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伝言板 板外編3──文語調の表現は避ける

「押しも押されぬ」という表現に関して質問をいただいたので、「赤い本」の記述から抜粋します。質問内容に関しては、下記をご参照ください。
【足跡帳NO.4】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=940827597&owner_id=5019671


【練習問題33】
 次の表現を、読みやすい印象の表現に書きかえてください。
  1)可及的速やかに
  2)~という特徴を有しています
  3)明日、会議を行います
  4)会議を開始します

 ここであげたのは、「文語調」で堅苦しく感じられる表現です(「文語調」というのは適切な表現ではありませんが、こう呼ぶことにします)。

 まず、書きかえ案をあげておきます。
  1)可能な限り速やかに
  2)~という特徴をもっています
  3)明日、会議を開きます
  4)会議を始めます

 1)の「可及的速やかに」は、「お役所言葉」などと呼ばれる類の表現です。ふつうの文章の中で、このような表現を使う人はいないでしょう。書きかえ案でも構いませんが、「できるだけ速く」ぐらいにすれば、もっと読みやすい印象になります。
 2)の「有する」という言葉は、たいていの場合、「もつ」に書きかえても問題がありません。ただしこの例文の場合は、「~という特徴がある」にしたほうがもっと読みやすい印象になります。
 3)の「行う」という言葉も、できるだけ避けたほうが無難です。とくに過去形の「行った」は「オコナった」とも「イった」とも読めてしまうので、使うべきではありません。「明日、会議をします」としても構いませんが、ニュアンスが少しかわる気がします。
 4)「開始する」は、「開」と「始」という意味が似ている言葉をダブらせている動詞です。こういう動詞は、片方の言葉などを使って書きかえたほうが読みやすい印象になります。
  ・停止する→止める/やめる
  ・使用する→使う/用いる
  ・軽減する→軽くなる/減る
  ・提示する→示す
 ただし、書きかえることによってニュアンスが大きくかわる場合もあるので、無理をしてまで徹底する必要はありません。


【Coffee Break】

文語調の誤用

【練習問題34】
 次の文のどこがヘンなのか考えてください。
  1)この旅館には、同じ間取りの部屋がひとつとない。
  2)ホームラン王になった彼は、押しも押されぬ4番打者に成長したといえるだろう。

 ここであげた表現はデス・マス体で使うことが少ない気がするので、例文をデアル体にしました(このあとも同様の理由で例文をデアル体にする場合があります)。
「立派に見える」と考えられるためか、文語調の表現はとくに必要がないときにも使われることが多いようです。誤用もよく目にするのは、意味をよく考えずに形だけをマネしようとするせいでしょうか。
 1)は「ひとつと」の使い方がヘンです。「ふたつと」にするべきでしょう。「ふたつとない」にすれば間違いではなくなりますが、依然としてヘンです。「ふたつとない」は、「(世界中を探しても)めったに例がない」ぐらいの強い表現ですから、この程度のことで使うべきではありません。「この旅館は、すべての部屋の間取りが違う。」ぐらいで十分でしょう。
 2)の「押しも押されぬ」を、「押すに押されぬ」としている誤用もよく目にします。正しい使い方は、「押しも押されもせぬ」です。
 この場合も、「押しも押されもせぬ」に直してもヘンな感じが残ります。「押しも押されもせぬ」という強い表現と、文末の「~だろう」がチグハグな印象になっているからです。「不動の4番打者」ぐらいで十分でしょう。「ホームラン王」になったほどの選手ですから、「球界を代表する4番打者」としてもよいかもしれません。

【追記】
 文中で「押すに押されぬ」を誤用としているのは間違いです。
 下記をご参照ください。<(_ _)>
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-292.html



伝言板 板外編3──文語調の表現は避ける〈2〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【7】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1789673749&owner_id=5019671

mixi日記2011年11月23日から

 下記の続き。
【伝言板 板外編3──文語調の表現は避ける】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=990061731&owner_id=5019671

 ちいと必要があって、「いえよう言葉」関する「赤い本」の記述から抜粋します。


●「~といえよう」は避ける

【練習問題35】
 次の表現を、読みやすい印象の表現に書きかえてください。
  1)問題といえよう
  2)問題となろう 
  3)問題があろう
  4)問題がなかろう

 ここにあげた文末は、いずれも避けたほうが無難です。それぞれ、次のように書くほうが読みやすい印象になります。
  1)問題といえよう↓問題といえるだろう
  2)問題となろう ↓問題となるだろう
  3)問題があろう ↓問題があるだろう
  4)問題がなかろう↓問題がないだろう
 もう少し細かく見ていきましょう。1)~3)は、デス・マス体で次のように書くこともできます。
  1)問題といえましょう
  2)問題となりましょう
  3)問題がありましょう
 ふつうの文章では避けたほうが無難という点は、「~といえよう」などの文末と同様です。
 少しよけいなことを書くと、2)のような使い方の「と」は、原則として「に」にしたほうが読みやすい印象になります。すべてを「に」にしたほうがよい、ということではありません。本書では、「と」でも「に」でもよい場合には「に」を使っていますが、例外もあります。たとえば、この項の冒頭近くで〈「避けたほうが無難」などとして〉〈「避けたほうが無難」として〉と、2カ所も「と」を使っています。「に」にするべきか迷いましたが、語感が悪くなる気がしてやめました。このほか、「一体となる」「一丸となる」のような慣用句も、「に」にすると不自然です。
 3)の「問題があろう」は、同じ「あろう」を使っていても「問題であろう」なら、堅苦しい感じがずっと軽くなります。ふつうの文章でも、目にすることが多い形です(【Coffee Break】参照)。
 3)4)の「あろう」と「なかろう」は、文末以外でも使われることがあります。「問題があろうがなかろうが、とにかくやるしかない」という使い方なら、例文とは用法が違うのでさほど堅苦しさが感じられません。これも「問題があってもなくても、とにかくやるしかない」ぐらいにしたほうがよい気はしますが。


【Coffee Break】

「~といえよう」はよく見かけるが……

●「~といえよう」を毛嫌いするきわめて個人的な理由
「~といえよう」に類する表現は、乱用しなければ問題はないのかもしれません。きわめて個人的な理由で、この表現を毛嫌いしているところがあります。気になりはじめたのは、第2章でも書いたレジャー関係の業界誌の仕事したことがきっかけです。
 業界関係者が書いた原稿の中に、「~といえよう」に類する文末が頻繁に出てきました。【練習問題35】としてあげたもののほか、「できよう」「わかろう」「されよう」「輝こう」「明るかろう」……など、「だろう」という言葉が禁句になっているような印象でした。「いくらなんでもこんな使い方をしない」と思った表現もあります。
 前項で「どんなにむずかしい故事でも、それにふさわしい雰囲気の文章の中で使うのなら」ヘンではない、と書きました。文語調の言葉も、同様です。それなりの文章の中で適切に使うのならヘンではありません。ただし、ふつうの文章の中ではむやみに使わないほうが無難です。
プロフィール

tobi

Author:tobi
フリーランスの編集者兼ライターです。

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