fc2ブログ

2014年06月の朝日新聞から

【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html


【2014年06月】

14-06-01
10日
食事会で立会人の加藤一二三九段が、プロのタイトル戦で内容が悪かった棋士に「顔を洗って出直した方がいい」と言った逸話を披露し、「誤用なんだけど、僕はダメな時は顔を洗ってさっぱりした方がいいと、前向きの意味なんです」と語った。(夕刊6面)
 深松真司記者。朝日アマ将棋名人戦の記事。どう解読していいのかほぼお手上げ。どこが「誤用」なんだろう。「間違った解釈なんだけど(あえて文字どおりの意味にとって)、」という意味だろうか。

【ネタ元】
(略)


14-06-02
14日
 NHKの朝ドラ「花子とアン」に帝大生で社会運動家の宮本龍一役で16日から登場、仲間扮する蓮子と恋に陥る。(朝刊26面)
 平野和子記者。中島歩(ネクストブレイク候補?)のインタビュー。「登場、」ではなく「登場し、」だろう、というのはインネンになりそうだからパス。気になるのは「16日から登場」。やはり「16日(放映分)に登場」か「16日(放映分)から出演」だと思う。


14-06-03
1日
日本は術中にはめられていく(朝刊1面)
 中川文如記者。W杯のコートジボアール戦の記事。「術中にはまる」だから、「術中にはまっていく」だろう。「術中にはめる」で「術中にはめられる」は絶対ダメかと言われると……微妙だけど慣用句の問題だからなぁ。


14-06-03
1日
誰よりも危険な存在にゴール正面に居座られ、ほかの選手や地域への注意が散漫になった。(朝刊1面)
 中川文如記者。↑の続き。「地域」でも間違いではないだろうが、異和感は強い。「エリア」か「スペース」だろうな。極力カタカナを使わない方針なんだろうか。じゃあ「ゴール」もなんとかしてよ。蹴球の記事を片仮名抜きで書くのはむずかしいぞー。


14-06-04
16日
存分に悔しい。(朝刊1面)
 吉田純哉記者。グループリーグ敗退が決まった香川真司選手の談。こういうのを「間違い」とするのは困難なんだろうな。


14-06-05&06
17日
院生とは、プロをめざして修行する子どもたちのこと。(夕刊6面)
 記者不明。院生の芝野虎丸さん(14)が棋戦の予選を勝ち抜いて本線に進んだ話。
 2つの点で気になった。まず、「子ども」の表記。新聞は「子供」のはずなんだけど。文部科学省もつい最近「子供」と言いはじめた。
 もうひとつは、「子供」の定義。通常なら、「14歳の子供」なら芝野虎丸君だろう。でもあえて「さん」づけしている。そうすると、「子供」でいいのかということ。たしか院生の年齢制限は「18歳の誕生日を迎える 年度末(3月末日)」のはず。


14-06-07&08
21日
ビール業界の競争は激しい。同時に国税当局とのせめぎあいも熾烈(しれつ)だ。(朝刊1面)
 天声人語。直後にある「飲み助」は死語だろう、って話はスルーする。「飲んべえ」はまだアリかも。
 まず「同時」。スポーツのタイムなどを別にすると、個人的には「同時」はほぼ誤用と考えている。「それと同時に」は、たいてい「それとともに」のこと。↑の場合、「同時に」は不要だろう。
 もうひとつは「せめぎあい」。レベルの低い書き手が意味もよくわからずに愛用する言葉だと思っていた。そうでもないのか。
【ネタ元】
(略)
スポンサーサイト



突然ですが問題です【日本語編197】── 故障中 婚約中 就寝中 結婚中 発注中

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月10日から

【問題】
 下記の1)~7)の適否を判定しなさい。
1)故障中
2)婚約中
3)就寝中
4)結婚中
5)修理中
6)発注中
7)骨折中
8)リハビリ中
9)スランプ中


mixi日記2014年06月28日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1928687588

【解答?例】
 下記の1)~7)の適否を判定しなさい。
1)故障中→○
2)婚約中→○
3)就寝中→△
4)結婚中→△
5)修理中→○
6)発注中→△
7)骨折中→△
8)リハビリ中→○
9)スランプ中→△

 いろいろな考え方ができると思う。
 詳しくは下記をご参照ください。
【「故障中」は誤用なのだろうか】〈2〉──故障中 婚約中 就寝中 結婚中 発注中
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-44.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928347932&owner_id=5019671

突然ですが問題です【日本語編196】──敬語の難問11 「お/ご~する」「お/ご~いたす」

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月03日から

【問題】
 下記の1)~7)の適否を判定しなさい。
1)ご送付いただきました書類をたしかにお受け取りいたしました。
2)袋にお入れいたしますか。
3)その旨、上司にお伝えいたします。
4)お電話を上司にお代わりいたします。
5)お電話を上司におつなぎいたします。
6)お荷物は本日中にご発送いたします。
7)お荷物は本日中にご発送申し上げます。


mixi日記2014年06月28日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928687419&owner_id=5019671

【解答?例】
1)ご送付いただきました書類をたしかにお受け取りいたしました。→○
2)袋にお入れいたしますか。→△
3)その旨、上司にお伝えいたします。×
4)お電話を上司にお代わりいたします。×
5)お電話を上司におつなぎいたします。×
6)お荷物は本日中にご発送いたします。△
7)お荷物は本日中にご発送申し上げます。○

【よくわからない解説】
「お/ご~する」「お/ご~いたす」のなかでも微妙なものを集めたので、まったく地震はない。どんな高層建築でも大丈夫だろう。
 このほかに、さらにわけのわからない「社長をお呼びいたしましょうか」(たぶん○)がある。
 詳しくは下記をご参照ください。
【「お/ご~する」「お/ご~いたす」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3037.html

おる おられる おられた おられます〈4〉

 下記の続き。
おる おられる おられた おられます【まとめ】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2801.html

 NHKの見解。
【「おられます」】
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/012.html
================引用開始
Q 「おられます」という言い方は間違った敬語ですか。

A 「○○さん、おられますか」という言い方をよく耳にしますが、これは、「おる」に敬語の「れる」が付いたもので、現在では必ずしも不適切ではない、と言われています。
【解説】
 というのは、本来謙譲語であった「おる」の用法が現在では変化して、単にことばづかいを改まったものにすることばとして使われるようになったからです。ちなみに、「おられる」は「いる」の荘重な言い方、という注釈を付けている国語辞書もあります。戦後の大きな敬語変化の一つは、従来の謙譲語が変化し、それらがていねい語化しつつあることですが、「おられる」はその代表例です。もちろん、尊敬語を付けない「○○さん、おりますか」は現在でも失礼な言い方です。
================引用終了

 下記の質問板のやり取りで教えてもらった。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8625598.html
〈「おられる」については、やや堅苦しいものの、最上級の尊敬語としてNHKでも認定されています〉と書いてあったので、オイオイと思いながらリンク先を見た。
 どこに〈やや堅苦しいものの、最上級の尊敬語〉と書いてあるのかわからない。
 確認すると〈やや堅苦しい〉は引用者の私的な見解らしい。それを〈認定〉と言われても……。
〈相手の行為を【荘重】に表現するというのは、最上級の尊敬語と言ってよいのではないか、と考えた〉のか。しかも、〈という注釈を付けている国語辞書もあります〉ですよね。それを〈認定〉と言われても……。
 ここまでユニークな見解だと、何を言ってもムダな気がする。

〈やや堅苦しい〉は同感。だから老人語とか言う人がいるのだろう。
〈現在では必ずしも不適切ではない、と言われています〉は、かなり消極的な許容だろう。個人的にはそのとおりだと思う。これを積極的な肯定と読まれると……。

【「だから」「なので」の違い〈5〉 「~から」「~ので」「~で」「で」「から」「ので」】資料編

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月26日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928598083&owner_id=5019671

 過去の日記。
【「だから」「なので」の違い【1】~【4】  「~から」「~ので」「~で」「で」「から」「ので」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html

 今年になって、「から」「ので」に関する質問を何度か目にした。

資料1【風邪をひきましたから】2014/06/11
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8632992.html

資料2【「ので」と「ため」の違いについて】2014/06/06
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8625598.html
※疲れた

 少し前にはYahoo!知恵袋で下記の質問があった。
資料3【理由を言うときに、「から」、「ので」はもちろん、最近の勉強で「のだ文」も理由を表すこと分かりました。】2014/4/3
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13127033698
※itoshii_itoshii_yanさんとhakobuluさんは同一人物。

 
 関連するいくつかの論文に目を通してみた。もう少しやさしく書いてもらえないかな。

資料4【「から」「ので」「て」 : 日本語の原因・理由を表す表現について】
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/45574/1/BISC003_002.pdf
〈従来主張されてきた「主観的判断」「客観的判断」という規準を捨て、別の規準でこれらの表現を扱うべきことを主張〉(P.1)したいことはわかったが、「別の規準」がなんなのかよくわからない(泣)。
 ただ、〈日本語教育においては客観的か主観 的かという説明を加えず、「から」は直接的に理由を表すので、丁寧さを 出したい場合には「ので」を使えという指導で十分ではなかろうか〉という考え方はアリだと思う。
〈主観性が強い推量表現「ダロウ」「デショウ」「マイ」などは、「から」文の前件の文には生起できるが、「ので」文や「ため」文では、不可能であるとする〉はメモしておく。

資料5【待遇表現から見る原因・理由を表す「カラ」「ノデ」】
http://www.lc.osakafu-u.ac.jp/Lng_Clt/2009LC/09_zhou.pdf
 比較的読みやすい論文だが、決してわかりやすいとは思えない。

================引用開始
1.はじめに
 原因・理由を表す「カラ」「ノデ」については,多くの研究がなされ ているが,これまでの「カラ」「ノデ」の使い分けに関する研究では, 「ノデ」は客観的,「カラ」は主観的に原因・理由を表すと指摘されて いる。しかし,例(1)1(2)のように,主観・客観説で説明できないケ ースも少なくない。

(1) (日本語母語話者が親しい先生の誘いを断る場面)
明日テストがあるのでいけません。すみません。
(2) (日本語母語話者が親しくない後輩の誘いを断る場面)
ごめん,ちょっと用があるから行けない。

 そもそも主観・客観の区分について,何を基準にすればいいか,こ れによって,いかに説明すれば日本語学習者によく理解してもらえる のか,などは極めて難しい問題であると思われる。従って,「カラ」「ノ デ」の使い分けについて,違う観点から検討する必要があるのではな いかと思われる。
================引用終了

================引用開始
6.おわりに
 以上の調査と分析の結果を見ると,目標言語の環境にない学習者の 「カラ」「ノデ」について,待遇表現という視点からの習得は厳しい状 況にあると言える。従って,日本語教育においては,「カラ」「ノデ」 の使用について,丁寧さあるいは待遇表現からの説明が必要であると 思われる。
「カラ」と「ノデ」の丁寧さについて,蓮沼他(2001)によると,後 文が丁寧体の場合,前文には普通体と丁寧体のどちらも使うことがで きる。そして,丁寧度を示すために,次の例を出している。
(11) かけこみ乗車は a. 危険だから やめましょう。 (低)
          b.危険なので       (中)
          c.危険ですから      (中)
          d.危険ですので      (高)
 また,永野(1952)は,「あとに来る文が依頼や意向の場合に限らず,一般に丁寧体の時には,「カラ」よりも「ノデ」の方が多く使われるよ うになってくるのである。」と述べている。
 日本語教育においては,「目上」に対して,あるいは場面において丁 寧さを表したい時「ノデ」を使い,それ以外の時「カラ」を使うよう, 学習者に説明し,練習させれば無難であろう。
================引用終了

資料6【接続助詞「から」と「ので」の違い -「丁寧さ」による 分析-】
https://soar-ir.shinshu-u.ac.jp/dspace/bitstream/10091/1843/1/InternationalStudent02-02.pdf
================引用開始
要旨
 原因・理由の接続助詞「から」と「ので」の意味と用法の違いは、これまで永野(1952)以 来「から」は原因・理由を主観的に説明するものであり、「ので」は因果関係を客観的に描写 するものであると分類されてきたが、未だ統一的な見解に至っていない。本論では、これらの 意味と用法の違いはBrown and Levinson (1978,1987)が論じる「丁寧さ」のストラテジーによって生じるのではないかという仮説を立て、シナリオや漫画などにおける日常的な会話で は「から」と「ので」がどのように使い分けられているかを検証する。その分析をもとに、こ れらの違いは話し手が聞き手や話している場面や発話内容に応じて、無意識に表現の使い分け をしていると結論付ける。
================引用終了
 結論部もほぼ同じ(当然か)。
「丁寧さ」によって使い分けているか否かは不明。「から」と「ので」を使う例文を見ると、「どちらかと言うとそういう傾向がある」程度のこととしか思えない。


資料7【「から」と「ので」の使い分け】
http://www2.dokkyo.ac.jp/~esemi008/kenkyu/miki.html
================引用開始
5.おわりに
 この研究はすでに多くの研究者によってなされていたが、それでもまだ多くの見解があり、統一された答えは出されていない。それだけ、この二つの助詞に関する表現は多く、端的に用例、意味などを説明するのは難しい。しかし、今回のレポートを通してこれらの二つの助詞の基本的な使い分けの仕組みが理解できた。はじめにあげた「この先、道路の幅が狭くなっていますので、徐行してください。」という表現がなぜ「から」に置き換えられないかというのも、これが看板を使った公共の表現であり、それゆえ丁寧な表現を必要としているからであるということがわかった。
================引用終了
 なぜこういう結論に至ったのかは当方には理解できない。
 論理展開は理解できないが、結論に関しては同感。
 ただし、この先、道路の幅が狭くなっていますから、徐行してください。」に置きかえられないことはないと思う。


 Web辞書の記述だと、ちょっと事情がかわる。
http://kotobank.jp/word/%E3%81%AE%E3%81%A7?dic=daijisen&oid=14449700
================引用開始
デジタル大辞泉の解説
ので 【ので】
[接助]《準体助詞「の」+格助詞「で」から》活用語の連体形に付く。あとの叙述の原因・理由・根拠・動機などを表す。「辛い物を食べた―、のどが渇いた」「朝が早かった―、ついうとうとする」「盆地な―、夏は暑い」
◆近世中ごろから用いられ、明治に入って一般化した。また、前件が理由となって後件のような結果の生じることが、だれの目から見ても当然と思われるような場合に用いられるとされる。「から」に比べるとあらたまった感じを伴うが、くだけた表現の場合、「あまり暑いんで閉口した」のように「んで」となることもある。
================引用終了

================引用開始
大辞林 第三版の解説
ので
( 接助 )
〔準体助詞「の」に格助詞「で」が付いてできたもの。一説に,「で」は断定の助動詞「だ」の連用形の「で」からとも。近世末期以降の語。話し言葉でのくだけた言い方では「んで」の形でも用いられる〕
活用語の連体形に接続して,既定の順接条件を表す。すなわち,因果関係で結ばれる二つの事柄が,一般的に言って明らかな事実であるような場合に,その原因・理由・根拠などを表すのに用いる。「家族が多い―,出費もたいへんだ」「遅くなりました―,失礼いたします」。また,「…というので」「あまり…ので」の形で慣用的に用いられることもあり(「君が来いという―,ついて来たのだ」「あまりおかしい―,笑ってしまった」),倒置して「ので」で文を結ぶこともある(「まいったな。どうしてもと言いはる―」)。 〔理由・原因を表す接続助詞「から」との相違について。「ので」は因果関係が客観的事実に基づいているような場合に用いられるのに対し,「から」は,推量・禁止・命令・質問など,話し手の主観に基づくような場合に用いられる。一般に,「ので」は,「から」に比べて,条件としての独立性が弱い場合に用いられる〕
================引用終了

『大辞泉』は「ので」を〈だれの目から見ても当然と思われるような場合に用いられるとされる。「から」に比べるとあらたまった感じを伴う〉としている。
『大辞林』は「ので=客観」「から=主観」としている。

〈1〉でひいた『類語辞典』には、以下のようにある。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/17210/m0u/%E3%81%AE%E3%81%A7/
〈「ので」は、前件と後件との間に客観的な因果関係が認められる場合に用いられやすい〉


 総集編は下記。
「だから」「なので」の違い【1】〜【6】
── 「〜から」「〜ので」「〜で」「で」「から」「ので」

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html

最大の問題は……厚●粧だろう

「結婚したほうが良いんじゃないか」の発言者は特定された。
 しかし……「産めないのか」の発言は妄想なのか現実なのか。
「自分が産んでから」って発言はどこに行った?

 それにしても〈「このまま終わって良いのか」というヤジも議場に響いた〉って一文には笑ってしまった。この記者ギャグがきつい。と議会って何をなってるの?
「まるで犯罪扱いの報道だ」……厳密に考えるとひっかかるかも。
「問題視されるほどの発言なのか」……「発言」以上に問題視されるべきは、「隠蔽体質」だろう。それ以上に問題視されるべきは、の塩村都議の化粧では。あんまりホニャララなんで写真なのかイラストなのかさえわからない(泣)。

 先の日記に引用したリンクを再掲しておく。
【全て塩村とマスゴミの捏造「みんなが結婚した方が良いんじゃないか」党へ野次・「産めないのか」無し】 
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5488.html

【塩村文夏、嘘泣き、慰謝料1500万円、不倫など・東京都議会セクハラヤジの被害者も都議不適格】
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5487.html

【塩村文夏都議、付き合ってた男から慰謝料1500万円。】
http://bylines.news.yahoo.co.jp/hanadakazuyoshi/20140624-00036680/

【ネタ元】朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASG6T5QJ8G6TUTIL047.html?ref=mixi
================引用開始
都議会ヤジ、うやむや 逃げる自民「他のヤジ知らぬ」
川口敦子、今村優莉2014年6月26日07時02分

 国内外から批判された東京都議会のヤジ問題は25日、「早く結婚した方がいい」と発言した鈴木章浩都議以外のヤジについて、発言者の特定を求める決議案が否決された。一部の野党議員や識者らは「幕引きは許されない」と反発の声をあげる。

特集:都議会ヤジ問題
 この日、可決された決議案は「信頼回復と再発防止に努める」という内容。吉野利明議長が賛成多数による可決を宣言すると、共産など野党議員約10人が議長席を取り囲んだ。「このまま終わって良いのか」というヤジも議場に響いた。

 これに先立ち、共産は、ヤジ発言者の辞職を求める決議案を提出。みんなの党などは、ヤジ発言者の特定を求める決議案を出したが、いずれも自民などの反対多数で否決されていた。

 自民の吉原修幹事長は「他のヤジを聞いた人はいなかった」と語り、会派の全議員に調査したうえでの判断だったと強調した。ただ、会派内には「まるで犯罪扱いの報道だ」「問題視されるほどの発言なのか」との声も漏れる。所属議員58人の最大会派で、幕引きを図ろうという姿勢が反映された。与党を組む公明(23人)も「言った本人の問題」と同調に回った。
================引用終了

 以下は一応会員限定。
http://digital.asahi.com/articles/ASG6T5QJ8G6TUTIL047.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG6T5QJ8G6TUTIL047
================引用開始
 みんなは所属議員が4人。塩村文夏都議が言われたという他のヤジについて「具体的な音源で残っていない」といい、「早く結婚した方がいい」のヤジほど強く主張しづらい状況だった。民主(15人)は同調したが否決され、自民案に同調した。ある幹部は「何も決議されないよりはましだと考えた」という。

 議員辞職を求める決議案を唱えた共産は所属議員が17人で、可決には遠く及ばなかった。

 塩村都議は閉会後「複雑な気持ち。一つの区切りは付いたが、私のできることをやりたい」と述べた。

 都議会の対応について、ネット上では「自民党の自浄作用は無かった」「対応が甘い。最後の一人まで特定した方がいい」と批判の声があがっている。

 渋谷知美・東京経済大准教授(ジェンダー論)は「幕引きは許されない」と指摘。「今回の発言はれっきとした性差別。差別しても謝れば許されるという間違ったメッセージを発信してしまう。議会は過ちを正す義務を放棄した。都民にはこれで良いのか問いたいし、差別者には退場してもらわないとならない」と話す。(川口敦子、今村優莉)
================引用終了

■都議会ヤジ、うやむや 逃げる自民「他のヤジ知らぬ」
(朝日新聞デジタル - 06月26日 08:04)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=2941240

「逆ギレ」の話 逆恨み 居直り 開き直り 逆上 

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月日から

 テーマサイトは下記。
【”逆キレ”の元の表現は?】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8653792.html

 質問の全文をひく。
================引用開始
逆キレ、という言葉が定着してから10年以上たつと思いますが、
この”逆キレ”という行為、状態、状況を指し示す、元の日本語は何でしたっけ?

開き直り? うーん、ちょっとちがうなあ、開き直りは攻撃の意味が含まれませんからね。
逆襲? これもちょっとちがうかなあ?
反転攻勢? 逆キレ、のような不条理な意味は必ずしも含まれないからこれもちょっと違いますよね。
反撃? これもなあ。。。

日本語に詳しい方、お願いします。
================引用終了

「逆キレ」より「逆ギレ」のほうが一般的な気がする。前から気になっていたテーマなので、少しクドめに書く。

http://http://kotobank.jp/word/%E9%80%86%E5%88%87%E3%82%8C?dic=daijisen&oid=20193800
================引用開始
デジタル大辞泉の解説

ぎゃく‐ぎれ 【逆切れ】
[名](スル)なだめている人、または、怒られている人が、かっとなって怒りだしてしまうこと。→切れる7
================引用終了

http://kotobank.jp/word/%E9%80%86%E3%82%AE%E3%83%AC%E3%83%BB%E9%80%86%E3%81%8E%E3%82%8C%E3%83%BB%E9%80%86%E5%88%87%E3%82%8C?dic=daijirin&oid=DJR_gyakugire_-010
================引用開始
大辞林 第三版の解説
ぎゃくぎれ【逆ギレ・逆ぎれ・逆切れ】

俗に,本来なら怒られるべき立場の人が,逆に怒り出してしまうこと。
================引用終了

『日本語俗語辞書』
http://zokugo-dict.com/07ki/gyakugire.htm
================引用開始
逆ギレ
逆ギレとは、注意を受けた人が指摘した人に怒ること。
【年代】 1999年   【種類】 若者言葉

 『逆ギレ』の解説
逆ギレとは違反や間違いなどし、注意されたり、苦情を言われている者が逆に怒り出す現象をいう(逆にキレるの略)。逆ギレは1900年代に入り、『キレる』という言葉の普及と併行して若者の間で使われるようになる。1990年代末には世代を超えて広く普及。普段からキレやすい人が注意を受けて逆に怒り出すものだけでなく、普段はおとなしいがひどく注意を受ける間に堪忍袋の緒が切れて怒り散らすといった場合もある。後者が転じ、普段いじめられている子が逆上して暴れ出すことも広義に含まれる。また、逆ギレと逆上の混同から間違いを正すため、怒るべくして怒っている人を含めて使う人もいる。
================引用終了

 やはり『日本語俗語辞書』が圧倒的に詳しい。なぜ「1999年」なのかは不明(笑)。
 本来の意味は「責められる立場の人間が逆に怒りだす(逆にキレる)」だろう。一般の辞書は本来の意味しかとっていない。例によっていろいろな意味が派生している。
1)普段はおとなしいがひどく注意を受ける間に堪忍袋の緒が切れて怒り散らす
2)普段いじめられている子が逆上して暴れ出すこと
3)間違いを正すため、怒るべくして怒っている
 もはやなんでもアリ(笑)。

 言いかえ案としては、「逆恨み」がイチバンしっくりくる。
 質問者の指摘するとおり、「居直り」「開き直り」だと、反撃の意味が含まれない。
「逆恨み」したうえで、「反撃」「報復」「復讐」に転じるのだろう。
「責められる立場」にない人が怒りだすのは、単に「キレる」。これを「逆上する」と言ってもいい。
「逆」の字が入っているが、「逆上」には「逆に」の意味はない。
 じゃあ「逆上」の「逆」はどういう意味かと訊かれたら知らない。「逆鱗にふれる」の「逆」と同じってことにしておこうか。(←オイ!)


 当方の経験で書くと……。
 SNSのmixiのコミュで出た質問を引用してこういう日記を書いてリンクを張ることが多い。
 フツーの人からは丁重なお礼がある。
「勝手にこんなことをされて驚いた」と不満げな書き方をした人がひとりだけいた。
 何が不満なのかわからない。質問がいつ消えるかわからないから引用してるだけ。読む人の立場で言えば、いちいちリンク先を見なくてもいい、というメリットもある。
 これは「インネン」の類いだろう。激しく怒れば「逆上」になる。
 この段階では「責められる立場の人間」はいないので、「逆ギレ」「逆恨み」にはならない。
 何度か取り上げたけど、別の質問サイトでホニャララコメントを連発している人がいる。辞書でも書籍でも一般人のサイトでも論文でも……なんでもかんでも無断で引用する。たいていの場合、改竄を加える。
 あまりにもヒドいんで警告したことがある。
 すると、「オマエのブログだって厳密に言えば著作権侵害では」とか「うるさいヤツがいるのでこういう書き方をする」とか、訳のわからない噛み付き方をされている。こういうのは「逆ギレ」「逆恨み」だろうな。

 以前自分でどんなことを書いたか検索してみた。さすがに朝日新聞の記事は参考になる。
http://1311racco.blog75.fc2.com/?q=%E9%80%86%E3%82%AE%E3%83%AC&charset=utf-8

【2009年1・2月の朝日新聞から】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-217.html
================引用開始
09-2-5
8日
 「水道料金の督促を逆恨(さかうら)みした男が市長を脅迫」。ある日の原稿だが、「逆恨み」に疑問の声が上がった。
 どの辞書も、1)恨みに思う人から逆に恨まれること2)人の好意を曲解してかえって恨むこと、としている。市長が男に恨みや好意を抱いていたとは思えず、表現を変えてもらった。
 ところが昨年の朝日新聞を調べると、先の原稿と同じ筋違いやお門違いの意味で「逆恨み」を使った記事の方が多い。
 広辞苑編集部の平木靖成さんは「08年の第6版に載せた『逆切(ぎゃくぎ)れ』は一方的に怒り出す時によく使われる。この場合『逆』の意味はないとも言え、辞書と違う『逆恨み』の使い方は、これと似ている」と指摘する。
 一方、日本国語大辞典の佐藤宏さんは「人の意図や予想、常識とは『逆に』解釈して恨むという使い方。2)の『好意を曲解』が変化したもの」と言う。
 お二方とも「誤用とは言い切れない」そうだ。この用法、辞書に加わる日も近いと見たが、どうだろう。(板垣茂)(朝刊37面)

 コラム「ことば談話室」のテーマは「逆恨み」。いろいろおもしろい点があって、全文を引いた。
 冒頭の例文の「逆恨み」はおかしい、というのはわかる。それはただの「恨み」だろう。もしくは正当な請求を怒るなら「逆ギレ」。「一方的に怒る」からではなく、「謝罪すべき立場の人が怒る」から「逆ギレ」。ここまではわかる。
「自分に恨みも好意もない人」を筋違いに恨むこと……逆恨みって言っちゃいそうだな。たとえば傾斜のある道で自分の不注意で転んだときに道を恨む。坂ウラ……。プロ野球の関係者が、視聴率の低迷はJリーグのせいだと恨む。サッカー……。(←やめい!)
 たとえば、トピで親切に間違いを教えてあげたtobirisuちゃんの言葉に怒る。これは逆ギレだよな。「感謝するべきなのに怒る」んだから。さらにそのことを根にもてば、「逆恨み」か。
 意味不明でいきなり怒り出すのは……逆ギレでなく、単に「キレる」だろうな。
 今後は使い方にちょっと気をつけよう。でも、「辞書に加わる日も近い」んだからどうでもいいか。
================引用終了

【2011年2月の朝日新聞から】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1832.html
================引用開始
11-02-2
3日
 臨時理事会では、「賭博事件と関係なく、警察に立件される見通しのないメール内容がなぜ表に出るのか」「通信の秘密はないのか」と怒りをあらわにする親方もいたという。(朝刊3面)
 記者不明。↑の続き。ある意味正論かもしれない。でも一般的には逆ギレと言う。由緒正しき日本語だと「盗人猛々しい」かな。
================引用終了

泥仕合の様相 卵が先か……

【ネタ元】朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASG6S03GQG6RUTIL07Y.html?ref=mixi
================引用開始
ヤジ認めた都議事務所、大量の生卵投げつけられる

 23日午後8時20分ごろ、鈴木章浩都議の東京都大田区の事務所に生卵約20個が投げつけられていたのを通行人が見つけ、警視庁大森署に届け出た。塩村文夏(あやか)都議へのヤジ問題に関する抗議とみられ、同署は器物損壊の疑いもあるとみて調べている。

 同署によると、当時、鈴木都議や事務所関係者はいなかったという。

 24日未明、鈴木都議の事務所入り口付近には、ポスターがつぶれた卵で汚れ、事務所前の道路には、卵の殻が散らばっていた。
================引用終了

 日本でもこういうことになりますか(犯人が日本人とは限らないが……)。
 この写り込んでいる人は何をしてるの?
 是非確認してほしいんだけど、この卵の鮮度はどうなんだろうな。由緒正しい手法は腐った卵を使用するはず。尋常じゃなく臭いらしい。
 急な話なんで腐らすヒマはなかっただろうな。常備していたら立派。
 野次は野次でしかないけど、こっちはあからさまに犯罪なんですけど。まあ、被害届を出す度胸はないだろうけど。

 ところで、本題のほうがエラいことになっている。
 塩村都議の黒歴史と言うか、武勇伝と言うか。
「今まで付き合った人は慰謝料くれたから、男とはタダでは別れない。一番多い慰謝料は【1500万円】だった!」 って、相当スゴい。「ミスコン6冠」だから都議当選は7冠目? 今度は写真集出さないのかな。
 今回の件も「産めないのか」は捏造……って説が出てきて。
「みんなが結婚したほうがいいんじゃないか」なら、「みんなの党」に対する野次になる……そうなの? 鈴木章浩都議はそんなことひとことも言ってない。
 もう何がなんだか。
 卵が先か鶏が先か……ってことで腐乱した鶏が飛び交ったら怖いな。(←オイ!)


【全て塩村とマスゴミの捏造「みんなが結婚した方が良いんじゃないか」党へ野次・「産めないのか」無し】 
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5488.html

【塩村文夏、嘘泣き、慰謝料1500万円、不倫など・東京都議会セクハラヤジの被害者も都議不適格】
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5487.html

【塩村文夏都議、付き合ってた男から慰謝料1500万円。】
http://bylines.news.yahoo.co.jp/hanadakazuyoshi/20140624-00036680/

「~(さ)せていただく」「~させていただく」「~せていただく」の悪い実例〈4〉

 下記の続き。
【「~(さ)せていただく」「~させていただく」「~せていただく」の悪い実例】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2994.html

 記事内容については繰り返しになるのでやめておく。
 早くもっとヒドい野次をとばしたヤツを連れてきなさい。

 問題は「~(さ)せていただく」の乱発ぶり。
「謝罪会見だからとにかく下手に出ておこう」という意識がこういうコメントになる。
 レベルがひくすぎる。

 何回出てくるか数えてみた。末尾に○をつけたのは、適切と思われる例。「たいと思う」も目立つ
1)そうさせていただきたい○
2)頑張らせていただきたいと思っている
3)4)父亡き後、中小企業の経営者として頑張らせていただいて、そうした状況を打開させていただきたい。
5)しっかり取り組める議員にならせていただきたいという志
6)しっかりと見つめ直して頑張らせていただきたいと思っています
7)決めさせていただきます
8)塩村先生に謝罪をさせていただきたいと思っていた○
9)10)政調会長、幹事長にお願いしてけじめをとらせていただきたいと、こちらから言わせていただいた。


【ネタ元】毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140624k0000m040010000c.html
================引用開始
都議会:反省している…鈴木章浩議員の謝罪会見・一問一答
毎日新聞 2014年06月23日 17時31分(最終更新 06月23日 18時32分)

 東京都議会の本会議で塩村文夏(あやか)議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びせられた問題で、都議会自民党の鈴木章浩(あきひろ)議員(51)が23日午後、都庁内で記者会見し、自身が「早く結婚した方がいい」と発言したことを認めた。鈴木議員は、塩村議員らに謝罪するとともに、議会会派を離脱することを明らかにした。会見の主な一問一答は以下の通り。(文中敬称略)【まとめ・デジタル報道センター】

 <鈴木冒頭発言> この度、私の「早く結婚した方がいいんじゃないか」という発言で、塩村議員、都議会のみなさまに心痛を与えたことに心からおわび申し上げます。しっかりと反省し、都議会自民党を離脱して、初心に帰って頑張っていきたい。

 --会派離脱したが、議員職は続けたいのか?

 ◆はい。そうさせていただきたい。皆さんから、いろいろお話をいただいたなかで、私の謝罪が遅れたこと、話が二転三転してしまったこと。本当に申し訳ない。遅れた理由の中では「結婚した方がいい」との発言と、「子供産めないのか」とか、さまざまな話が一緒になって、取り上げられた中で、私自身も謝罪する機会を失した。

 --どうして不適切な発言をしたのか。

 ◆少子化、晩婚化の中で早く結婚をしていただきたい、という思いがある中であのような発言になった。本当にしたくてもできなかった方への配慮が足りなかった。深く反省しています。

 --なぜ当初は「私はヤジを言っていない」と発言したのか。

 ◆さまざまな話が一緒になって報道されていて、話す機会を失ってしまいました。本当に申し訳なく思っています。

 --20日の時点で(記者の質問に)発言は「辞職に値する」と言っていた。今日の「頑張りたい」との発言との整合性は。

 ◆私がそのような発言をしたかどうかには記憶がない。(会見が)今日になってしまったのは深く反省している。説明の機会を失してしまった。

 --議員辞職には値しない?

 ◆私自身はこれから初心に帰って都議として頑張らせていただきたいと思っている。父亡き後、中小企業の経営者として頑張らせていただいて、そうした状況を打開させていただきたい。高齢者社会の中で現場に足を運んで、しっかり取り組める議員にならせていただきたいという志の中で活動している。もしお許しいただけるのであればもう一度、しっかりと見つめ直して頑張らせていただきたいと思っています。

 --お許しいただけると思っているのか?

 ◆塩村都議には「分かりました」と言われましたので、今後の流れの中で決めさせていただきます。

 --発言が海外でも報道され、ここまで大きくなった。

 ◆私の発言がきっかけとなって大きくなった。心から申し訳ない。東京都はこれからオリンピック、パラリンピックを控える中で、私を含め、複数そういうヤジが出たということで(議会の)正常化のためにも頑張っていかねばいけない。

 --自身は、正確には、どのような発言をしたのか。

 ◆「早く結婚したほうがいいんじゃないか」と。

 --「産めないのか」とは?

 ◆言っていません。

 --今日の会見は、どなたから説得をされたのか。

 ◆ございません。自分の発言についてどんな形でけじめをつけるか、ずっと考えていた。何よりも先に、塩村先生に謝罪をさせていただきたいと思っていた。

 --なぜ発表がきょうになったのか?

 ◆政調会長、幹事長にお願いしてけじめをとらせていただきたいと、こちらから言わせていただいた。

 --発言が大きな問題になった。

 ◆結婚の問題と妊娠の問題、さまざまな発言があった中で、どのようにおわびをしたらよいかと考えていたところ、これだけ大きな問題になった。反省している。

 --議場から笑い声も聞こえた。周辺の都議で同調する笑い声は確認したか。

 ◆報道を通して、私が見て、確認はできなかったが、騒がしかったのは感じた。笑い声もあったのかもしれない。

 --これまで一連の発言が「辞職に値するか」どうかという質問に「そうです」というように答えていたが、辞めないのか?

 ◆原点に帰ってやっていきたい。私がやらなくて誰がやるんだという気持ちで、頑張っていきたい。

 --何で名乗り出なかったのか?

 ◆(ヤジは)塩村さんを誹謗(ひぼう)するためではなかった。単に「早く結婚してほしい」という思いで発言した。結婚とか出産とか、全部一緒に報道される中で、謝罪する機会を逸してしまいました。

 --20日の時点で幹事長と話したときに「どの辺から声がでていたか聞かれた」とおっしゃってます。

 ◆そのような話があったか記憶にないです。

 --ご自身がおっしゃっていたことですよ。

 ◆それはたぶん記者の方からそう聞かれたので「後ろのほうだった」と指摘をしたのかな、と。

 --自分が言ったことなのに、どの辺から聞こえたか、という幹事長の質問にその時点で答えなかったのか。

 ◆謝罪する機会を逸したので、真意を伝える機会を失い申し訳なく思っています。

 --そこではうそをついたということですか。

 ◆そうです。

 --今後はヤジを飛ばすか。

 ◆どういうふうに答えていいのか分からない。ただ、不適切なヤジは正常化していかなければならない。すべてのヤジがやってはいけないものとは、今の段階では思っていない。

 --「産めないのか」との発言は塩村議員が聞いている。その内容についてはどう思うか。

 ◆本当にあり得ない話だと。もしも、本当であるならば、これから(議会の)正常化のために、こういうことがないようにすべきだ。

 --議員は結婚されているか?

 ◆はい、子供も3人います。

 --早く結婚すれば晩婚化、少子化が解決すると考えているのか。

 ◆それだけではないと思っている。

 --では、どう思っているか。

 ◆少子化の問題は、さまざまな問題があって、今、この少子化という世界的な問題になっているのだと思っている。

 --奥様、お子様と、この問題について話したか。

 ◆この会見の前、家族と話したことはございません。
================引用終了

 こっちの全文のほうが正確みたい。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1121650
「ケジメをつけさせていただきたいう風(ママ)な思いはありました」あたりは↑にはない。

 下記は「ログ」とうたっているけど、細部はかなり違う(泣)。
http://logmi.jp/15467

 朝日の記事は圧縮した関係もあってか、「~(さ)せていただく」の類いはすべてカットされている。
http://www.asahi.com/articles/ASG6R6WNGG6RUTIL06T.html

【「故障中」は誤用なのだろうか】〈2〉──故障中 婚約中 就寝中 結婚中 発注中

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月21日から

 直接的には下記の続き。
【「故障中」は誤用なのだろうか】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-44.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=990297431&owner_id=5019671

 順を追って書こう。ブログのアクセス解析に、あるブログからの【「故障中」は誤用なのだろうか】へのアクセスが複数確認できた。何事かと思って見にいくと、リンクが張ってあった。
【張り紙「故障中」】
http://tombo1005.blog.fc2.com/?no=407

 好青年にふさわしいコメントを残す。
================引用開始
はじめまして。

 アクセス解析から逆探知?しました。
 リンク先のブログを書いた者です。

「故障中」に関しては、「誤用ではない」に傾きつつあります。
 きわめて単純に考えます。
「故障した」のが「故障」。
「故障している」のが「故障中」です。

>故障という負の要因に、”中”という物事の継続を表す語を付けていいのだろうか
 微妙です。
「闘病中」(闘病している)
「療養中」(療養している)
「閉鎖中」(閉鎖している)
 あたりはフツーに使えると思います。

「~している」には「現在進行形(的)」な使い方のほかに「過去の経験(的)」な用法があって……。
 通常は「発売している」はおかしいのですが、「昨年5月に発売している」はアリでしょう。
 ただ。この「~している」の判別法にも例外があって……。
「骨折している」は「骨折中」にはしにくいようです。
================引用終了

 改めて「故障中」に関して考えてみる。
 下記あたりが参考になるだろうか。
【1】【新「ことば」シリーズ17「言葉の「正しさ」とは何か」 問9 - 国立国語研究所】(全文は末尾に)
http://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/shin_kotoba_series/11_19/pages/kotoba17q09/
 典型的な用法からは外れているが、「誤用とは言えない」としている。

【2】【ことば会議室 故障中】
http://kotobakai.seesaa.net/article/8173711.html
「誤用ではない」のほうが優勢だろう。 

 下記は「誤用」と断じている。
【3】【「故障中」という言葉の使い方は誤用 ~「中(ちゅう)」という字の正しい使い方】
http://www.kotobano.jp/archives/1261
 根拠は2つあるようだ。これが根拠になるのだろうか。

1)「~中(ちゅう)という言葉は、主体が人であるときに使う
 まず「人」という表現が不用意だろう。せめて「生物」にしてほしい。犬だって猫だって「食事中」と言える。植物が「成長中」のこともあれば菌が「増殖中」のこともある。さらに言うと、「生物」が主体のことが多いが、そうではないものが主体の例だって考えられる。
「気温が上昇中」
「記録が継続中」
 ほかにもいろいろあるだろう。

2)その状態にあることを表現しており、状態を伝える「~中(ちゅう)」という言葉を続けてしまうと重複表現(重語)になってしまう
 一般にはこういう考え方をすると思う。でも、「状態にあることを表現して」いるか否かをどうやって判断するのか不明。当方にはわかりません。
「病気中」と言いにくいのは「病気」が状態だからだろうか。
「療養中」と言えるのは「療養」が状態ではないからだろうか。
 百歩譲って「重言」であったとしても「誤用」ではない。


【1】を読むと、当方の考え方はさほど的外れでないことがわかる。
 当方は「~している」に置きかえたが、【1】は「~し続ける」に置きかえている。
「~している」には得体の知れない用法があるし用途が広すぎるので、「~し続ける」のほうがいいのかもしれない。
 たとえば「安定している」とは言えるが、「安定中」「安定し続ける」とは言えない。
「故障中」は誤用で「修理中」が正用と主張もヘンってことだろう。まさに「修理」の「作業中」なら「修理中」になる。たいてい「放置中」でしかない。修理のための部品を「発注中」だったら、「修理中」でもOKなのかな。
 この「発注中」あたりも厳密に言うと「~し続ける」ではない。1回発注したら納品を「待機中」でしかない。「問い合わせ中」とかも同類だろう。
「~している」に関して詳しくは下記をご参照ください。
【「~ていません」「~ませんでした」】☆日本語教師☆〈1〉〈2〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1175.html

 微妙なヤツをどう考えればいいのかがわからない。【1】の記述から引く。
================引用開始
 「~し続ける」という言い方が成立しない場合でも,人間が主体であり,かつ「いずれ解消される状態を一時的に保つ」という意味が認められれば,「~中」という言い方は,典型的な用法とは言えませんが,比較的成立しやすくなります。
婚約中(結婚までの間,婚約した状態を保つ)(×婚約し続ける)
就寝中(起きるまでの間,就寝した状態を保つ)(×就寝し続ける)
 「×死亡中」「×結婚中」のように,「いずれ解消される状態を一時的に保つ」ということが考えにくい場合は,人間が主体であっても,「~中」という言い方は成立しません。
================引用終了

 細かいツッコミをひとつ。「就寝中」ってアリなんだろうか。
「就職」「就航」あたりは「瞬間」を表わすので、「継続」には使えない。「就寝」は微妙。「瞬間」が本義だろうが、かろうじて「継続」に使える気がしないでもない。必然的に「就寝中」も微妙になる。
「眠っている間に汗をかく」「睡眠中に汗をかく」ならフツーだが、「就寝中に汗をかく」は……。

 もうひとつ妙なことに気づく。
「中」には多くの意味がある。予想以上に多い。
http://kotobank.jp/word/%E4%B8%AD?dic=daijisen&oid=08570500
================引用開始
ちゅう 【中】

[音]チュウ(呉)(漢)ジュウ [訓]なか うち あたる
[学習漢字]1年
〈チュウ〉
1 物のまんなか。「中央・中核・中原・中心・中枢・中点/正中」
2 二つの物の間。また、上下・大小などに分けたときの、間のところ。「中位・中音・中間・中佐・中耳・中旬・中農・中略・中流」
3 いずれにも偏らない。「中道・中庸・中立・中和」
4 一定の空間・時間の範囲のうち。「暗中・意中・渦中・懐中・寒中・眼中・忌中・宮中・在中・山中・車中・術中・掌中・陣中・水中・忙中・夢中」
5 一定の範囲の全体。「年中(ねんじゅう)・二六時中」
6 物事の進行のなかほど。「中座・中止/最中・途中・道中」
7 仲間うち。「社中・女中・連中(れんちゅう・れんじゅう)」
8 中心をずばりと突き通す。あたる。「中毒・中風/的中・南中・命中・百発百中」
9 中国。「中華/日中・米中・訪中」
10 「中学校」の略。「中卒」
================引用終了

 ここで話題にしているのは、「6」(現在~し続けている)なのだが、場合によっては「5」(もしくは「4」、~の期間中)とまぎらわしいことがある。
「在任中」「在職中」あたりは、「5」だろう。
「結婚中」も「5」の意味ならアリって気がする。「結婚中に獲得した財産は夫婦共有のもの」とか。実際には「婚姻(期間)中」などという気はするが、「結婚中」が×とは思えない。
 屁理屈っぽいことを承知で書くと、「故障中」も「故障期間中」ととれなくはない。
「故障中もメイン電源を落とさない限り、待機電力を消費します」(ヤな機械だな)

 そう考えると、「~し続ける」ではなくても「○○中」と言えるものの説明がつくかもしれない。
「婚約中」→「婚約期間中」
「就寝中」→「就寝時間中」(やはり異和感がある)
「発注中」→「発注して納品を待っている時間中」
「問い合わせ中」→「問い合わせして納品を待っている時間中」

 こうなると、「骨折中」も「骨折している間」なのでOKになりそう。「骨折中は激しい運動は控えるように」……実際には「骨がくっつくまでは~」と言うだろうな。

 外来語をからめるとさらに混迷が深くなる。
「リハビリ中」はOKだろう。
「スランプ中」は微妙。


【1】【新「ことば」シリーズ17「言葉の「正しさ」とは何か」 問9 - 国立国語研究所】
================引用開始
新「ことば」シリーズ17「言葉の「正しさ」とは何か」 問9
問9 「故障中」という言い方は文法的に間違っていると聞いたことがあるのですが,本当ですか。私は間違っているとは感じないのですが。

「文法的に間違っている」とはどういうことか

 文法とは,ことばのパターン(規則性)のことです。そして,通常のパターンに合わない言い方は「文法的に間違っている」と言われます。たとえば,日本語学習者が「×着らない」「×おいしいの料理」のような言い方をすれば「誤用」とされますが,それはこの言い方が日本語の通常のパターンに合わないからです。

 しかし,通常のパターンに合わない言い方がすべて文法的に間違っているというわけではありません。例えば,「行く」の過去形は「行った」ですが,これは「く」で終わる動詞の通常のパターン(例:聞く→聞いた)とは異なります。また,形容動詞が名詞につくときは「静かだ→静かな街」のように「だ」が「な」になりますが,「同じだ」が名詞につくときは「×同じな値段」ではなく,「同じ値段」となります。

 人間にいろいろな人間がいるのと同じように,語にもいろいろな語があります。中には,「行く」「同じだ」のように,通常のパターンに合わない例外的なふるまいをする語もあります。通常のパターンとは異なるというだけで,文法的に間違っているわけではありません。文法的に間違っている(いない)というのは,「母語話者がその表現を不自然と感じるかどうか」という問題なのです。

「故障中」を不自然に感じる人と感じない人がいる理由

 さて,問題の「故障中」ですが,私自身はこの言い方にそれほど不自然さは感じません。しかし,「故障中」という言い方に違和感を覚えたり,不自然だと感じたりする人も少なくないようです(参考文献)。

 このような差が生ずる背景には,「故障中」という言い方が「~中
ちゅう
」という表現の典型的な用法から外れているということがあります。

 「~中」は「動作を一時的に保つ」ことを表す表現で,典型的には「~し続ける」という言い方が成立するものについて用いられます。

食事中(食事し続ける),走行中(走行し続ける),滞在中(滞在し続ける),
開放中(開放し続ける),停止中(停止し続ける)

 「~し続ける」という言い方が成立しない場合でも,人間が主体であり,かつ「いずれ解消される状態を一時的に保つ」という意味が認められれば,「~中」という言い方は,典型的な用法とは言えませんが,比較的成立しやすくなります。

婚約中(結婚までの間,婚約した状態を保つ)(×婚約し続ける)
就寝中(起きるまでの間,就寝した状態を保つ)(×就寝し続ける)

 「×死亡中」「×結婚中」のように,「いずれ解消される状態を一時的に保つ」ということが考えにくい場合は,人間が主体であっても,「~中」という言い方は成立しません。

 ここで「故障中」について考えてみると,まず「故障」は「×故障し続ける」とは言えません。また,人間が主体ではない点で「婚約中」「就寝中」などとも異なります。つまり,「故障中」という言い方は「~中」の典型的な用法からかなり外れているのであり,「故障中」を不自然に感じる人はこのずれが気になるわけです。

「典型的ではない」と「文法的に間違っている」の差は微妙

 しかし,典型から外れているというだけで「文法的に間違っている」とは言えません。実際,「×死亡中」「×結婚中」などとは異なり,「故障中」には「いずれ解消される状態が一時的に保たれる」という意味は認められるので,「~中」の典型的な用法との共通性は保たれています。「故障中」を特に不自然に感じない人は,典型からのずれよりも,典型との共通性の方をより強く感じているわけです。

 「典型的ではないが文法的ではある」と「文法的に間違っている」の差は微妙です。「故障中」の問題はまさにそのような問題なのです。

参考文献
国広哲弥『日本語誤用・慣用小辞典』(1991年,講談社)
(井上優)
================引用終了


 下記も少し参考になるかも。
 ツッコミどころも……。
http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/conv/chyu.html


【コメントに対する追記】
 あまりにも興味深いコメントをもらったので、返信を追記の形にする。後日もれなくブログにも追記します。支障があるなら言ってください。

================引用開始
1)Sさん
2014年06月21日 23:36
 小学校の国語で『戦争』と『平和』を対義語として教えられた時から、何となくおかしいような気がしていまして。
 今考えてみて、『戦争中』は言えるけれど『平和中』は言えませんよね。
================引用終了
================引用開始
2)Jさん
2014年06月22日 16:55
> Sさん 
言われてみれば。
動詞と形容動詞が対義語として一対になるってのも変な感じがしますね。
それ自体は普通のことなのか知らん(?_?)

(横から失礼しました)
================引用終了

 大前提として「戦争」の対義語が「平和」になることに異和感があった。
 だって「戦争」は始まったり終わったりするけど、平和はそういうことはない。
「喧嘩」の対義語は「仲良し」か?

 2)のコメントに納得する。そうか。「戦争」も「平和」も名詞ではあるが、たしかに前者は名詞兼動詞で、後者は名詞兼形容詞。つまり前者は「行動」的で後者は「状態」的。

「中」をつけると、そこが明確になる。「戦争中」はあっても「平和中」はない。
 ただ、「戦時」「平時」だとどちらも名詞だろう。でも「戦時中」はアリで「平時中」はナシ。なんでだ?
 よく考えると、「中」のニュアンスを含む気がする。もしかすると、「戦時中」は厳密には重言なるのかな。
 
 品詞の違う言葉が対義語になるか否か。
 基本的には同じ品詞だろうけど、例外もいろいろありそう。
 有名なのは「ある」と「ない」だろう。
 あとは……。

「お/ご~する」「お/ご~いたす」

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月19日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928249704&owner_id=5019671

 接頭語の「お/ご」は、名詞につく場合と、動詞につく場合がある。動詞につく場合は接頭語と言うより「お/ご~する」などの形で考えるほうがいいのかもしれない。
「お/ご~する」は、動詞関係の謙譲語の基本とも言える形。謙譲語だから、「~」の部分は当然自分(側)の行動になる。自分の行動に「お/ご」をつけるのは誤用……なんて妙な主張を見聞することがあるが、お願いだからそういうデマを流すのはやめてもらいたい。
「お/ご~する」をさらに丁寧にすると、「お/ご~いたす」の形になる。これは謙譲語I兼IIなどと呼ばれる。実際には、「~いたす」は謙譲語IIなので、たいてい「~いたします」の形になる。
「ご質問する/いたす」と「ご質問をする/いたす」「質問をする/いたす」がどう違うのか、というのはさらに微妙な話で、ここでは無視する。

 この問題に関しては『敬語再入門』を読むことをすすめる。
 P.236~238に〈「お/ご~する」「お/ご~いたす」といえる主な語〉という詳細なリストがある。原則的に、「お/ご~する」と言えるものは「お/ご~いたす」とも言える。
 下記のようなことが書いてある。書籍などでは [「……を」を高める] [「……に」を高める] の形をあげることが多いが、実際にはほかの形も多い。
 ちなみに、『敬語再入門』と「敬語の指針」の用語は微妙に違う。たとえば、『敬語再入門』では「補語を高める」「主語を高める」などと書いてる。「敬語の指針」では「主語」や「補語」という言葉を避け、「高める」ではなく「立てる」としている。このあたりに関しては『敬語再入門』のP.121~に詳しく書いてある。
 個人的には「敬語の指針」の記述には多々疑問を感じるので、『敬語再入門』を優先させている。
================引用開始
[「……を」を高める]
 お諌めする・お祝いする(「XのYを祝う」のXを高める。美化語用法も)・お送りする(人を送り届ける)(以下略)

[「……に」を高める]
 お会いする(「お目にかかる」のほうが好まれるが、「お会いする」も可)・お祈りする(神仏に。美化語用法も)(以下略)

[「……から」を高める]
 お預かりする・おいとまする・お受けする(「XのYを受ける」のXを高める用法も)・お受け取りする・お借りする・お習いする

[「……と」を高める]
 お分かれする(美化語的用法も)
(以下略)

[「……のために」を高める]
 お開けする・お祈りする・お書きする
(以下略)

[「……について」を高める]
 お噂する(「Xのお噂をする」とも)
(以下略)
================引用終了

 動詞関係の謙譲語には、「お/ご~する」「お/ご~いたす」のほかに以下の形もあるが、パスしておく。
  お/ご~申し上げる
  お/ご~いただく

 さらに、このほかに「特定形」など呼ばれるイレギュラーな形もある。
『敬語再入門』の「特定形」の一覧は下記のようになる。
================引用開始
        尊敬語 謙譲語I 謙譲語II
会う      お会いになる     お目にかかる
        お会いする
あげる(注1) おあげになる(注1)  さしあげる
言う      おっしゃる       申し上げる       申す
行く      いらっしゃる      伺う(注2)      まいる
        おいでになる      お伺いする(注3)
いる      いらっしゃる                おる
        おいでになる
思う      お思いになる                存じる
借りる     お借りになる      拝借する
                    お借りする
聞く      お聞きになる      伺う
                    お伺いする(注3)
                    お聞きする
気に入る    お気に召す
着る      お召しになる
来る      いらっしゃる      伺う(注2)     まいる
        おいでになる      お伺いする(注3)
        見える(敬度軽い)
        お見えになる
くれる     くださる
死ぬ      おなくなりになる    
知る      ご存じ(知っている意) 存じ上げる      存じる
住む      お住まいになる
        (お住みになる)
する      なさる                    いたす
尋ねる     お尋ねになる      伺う
                    お伺いする(注3)
                    お尋ねする
訪ねる     お訪ねになる      伺う
                    お伺いする(注3)
                    お訪ねする
食べる     召しあがる                  いただく
        お召しあがりになる(注4)
飲む      お飲みになる                 いただく
        召しあがる
        お召しあがりになる(注4)
(風邪を)ひく お召しになる
        おひきになる
見せる     お見せになる      お見せする
                    お目にかける
                    ごらんに入れる
見る      ごらんになる      拝見する
もらう     おもらいになる(注5) いただく
やる(する意) なさる                    いたす
やる(与える意)おやりになる(注6)  さしあげる
読む      お読みになる      拝読する
================引用終了

 ネットで閲覧できる「特定形」の一覧にWikipediaの「不規則動詞一覧」http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2225.htmlがあるが、これは相当怪しい。【ネタ元】は下記と思われる。こちらのほうがずっとマシ。
http://www.sanseido.net/main/words/hyakka/sonkei/
 ほかに下記もある。こちらのほうが実用的かもしれない。
 詳しい比較はしていない。
http://www.pref.kyoto.jp/jobcafe/e-learning/b-manner/data/saho.pdf

 表形式はhttp://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2225.htmlを参照。
================引用開始
2-2-3.主な用語
(1)主な動詞の敬語

普通の言い方  尊敬語     謙譲語              丁寧語
する      なさる     いたす              します
いる      いらっしゃる  おる               います
        おいでになる
行く・訪ねる  いらっしゃる  参る・伺う・上がる・参上する・  行きます
        おいでになる  お邪魔する・お伺いする      訪ねます
来る      いらっしゃる  参る・伺う・上がる・参上する・  来ます
        お見えになる  お邪魔する・お伺いする
        お越しになる
        おいでになる
見る      ご覧になる   拝見する             見ます
        ご覧くださる  見せていただく
見せる     お見せになる  ご覧に入れる・お目にかける    見せます
聞く      お耳に入る   伺う・拝聴する          聞きます
聞かせる    お聞かせになる お耳に入れる           聞かせます
言う      おっしゃる・  申し上げる・申す         言います
        仰せになる
思う      思し召す    存ずる              思います
        お思いになる
知る      ご存じ     存ずる・存じ上げる        知ります
あげる     賜る・くださる 差し上げる            あげます
もらう     お受けになる  頂戴する・いただく賜る・承る   もらいます
食べる     召し上がる・  いただく・頂戴する        食べます
        あがる
死ぬ      お亡くなりになる 亡くなる            死にます
気に入る    お気に召す    ―               気に入ります
着る      召す       ―               着ます
確認する    改める      ―               確認します
会う      お会いになる   お目にかかる・お目もじする   会います
借りる     お借りになる   拝借する・お借りする      借ります
承諾する    お聞き入れになる かしこまる・承る        承諾します
呼び出して   お呼び出しになる お呼び立ていたしまして     呼び出しまして
================引用終了



『敬語再入門』には「お/ご~する」と言えない例として下記があげられている。
  お歩きする
  お乗りする
  先生をお追いする
  先生にお憧れする
  皆様にお訴えする(政治家はよく口走る)
  運転する

 このほかに下記あたりもダメだろう。法則は不明。
  賛成する
   ※なぜか「ご賛同申し上げます」ならアリって気がする。
  反対する
  操作する
  運動する
  同意する(微妙?)
  
『敬語再入門』を片手にネット上の質問板を読むと、いろいろ微妙な話が出てくる。
【事例1】【お受け取りした、いただいた、受領、拝受、領収など】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8557437.html
「お受け取りする」「お受け取りいたします」……語感的にはちょっと異和感がある。おそらく、「拝受する」「拝受いたす」があるのでなじみが薄いのだろう。しかし、『敬語再入門』の[「……から」を高める] のリストにあるので、逆らう気はない。
 さらに言うと、「書類をお受け取りいたしました」なら、[「……から」を高める] ではなくて、[「……を」を高める] (「XのYを受け取る」のXを高める用法)という解釈のほうが自然な気もするが、逆らうのはやめよう。

【事例2】【店員が客に対していう「袋にお入れいたしますか」は、正しい敬語でしょうか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1289262407
796)【「袋にお入れいたしますか」「お/ご~いたします」は二重敬語か】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2405.html
「お入れする」「お入れいたします」……異和感が強い。「お入れする」が誤用だなどと決めつける気はないが、『敬語再入門』のリストにないから、使わないほうが無難だろう。これが「お入れ(いた)しましょうか」なら異和感はほとんどない。

【事例3】847)【電話の敬語「お伝えします」「お代わりします」「おつなぎします」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2450.html
「お伝えする」「お代わりする」「おつなぎする」……いずれも『敬語再入門』のリストにない。
「お伝えする」は×と『敬語』のP.426に明記されている。ということは、「お代わりする」や「おつなぎする」も×なんだろう。

【事例4】【ご発送いたします】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11102434526
「ご発送する」「ご発送いたします」にはちょっと異和感がある。しかし、これを×にする根拠が見当たらない。「お送りする」は『敬語再入門』のリストにある。
「ご送付する」「ご送付いたします」も同様の異和感がある。
 これが「ご発送申し上げます」「ご送付申し上げます」だとほとんど異和感がない。
「ご添付する」「ご添付いたします」だとほとんど×。

【事例5】1139)突然ですが問題です【日本語編186】──お車をお呼びしましょうか お車をお呼びいたしましょうか お車を呼んでまいりましょうか【解答?編】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2974.html
 これも何がなんだか(泣)。



 【事例3】847)【電話の敬語「お伝えします」「お代わりします」「おつなぎします」】 についてかこにどんなことを書いたか確認してみた。いろいろ恥ずかしいことを書いているなぁ。
【1】【雑談用トピ】(145/2009年01月23日)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=3&comm_id=1736067&id=15311971

【2】【「ご○○する」「お○○する」【仮】日本語】(2010年07月30日)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1455.html

【3】【「お伝えしておきます」日本語】(2010年12月23日)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1713.html

【4】【電話の敬語「お代わりします」「おつなぎします」】(2012年07月27日)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=398881&id=70747813

【キャラが違うだろー!──つまらんダジャレは嫌いだぁ132】

 下記の仲間。
【つまらんダジャレは嫌いだぁ!シリーズ】 お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-786.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1328602365&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月18日から

 どこで出た話なのかは内緒。
 男性の活力は「亜鉛」ということになり……。
http://blog.livedoor.jp/remsy/archives/51901362.html

【tobiクンのコメント】=====引用開始
 やはりそうですか。
 逢えない時間が愛を育てる……と昔から言われます。
 男女の仲にとって「あえん」は重要な働きをします。
================引用終了

 キャラが違うだろー!
 こんなにいいトスが上がっているのに、なぜ下ネタに走らない。

【下ネタの保管庫】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-648.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1282655893&owner_id=5019671



【頭が悪すぎる……(泣)──つまらんダジャレは嫌いだぁ131】

 下記の仲間。
【つまらんダジャレは嫌いだぁ!シリーズ】 お品書き
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-786.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1328602365&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月17日から

 話の流れがまったくわからない。
 第一段落の〈「大輔」ブーム〉の話は一応わかる。新鮮みがあるかないかを問う気はない。
 なぜそこから「キラキラネーム」「DQNネーム」の話に……。
 しかも、〈2013年度に自社サイトで検索の多かった「キラキラネーム」についてランキングを発表した〉ってどういう意味なんだろう。
 これが下記のような話ならわかる。「ベスト」なのか?
【ベストキラキラネームは「泡姫」】
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20131218-00033862-r25
 ここには〈さらに「どれがもっともキラキラネームだと思うか?」という投票を募り、その結果が発表されている〉とある。
 投票の趣旨が相当違ってないか?
================引用開始
読みにくい名前をキラキラネームと呼ぶのだから当たり前なのだが、ランキングに入った名前の読み方は、まさにクイズだ。1位の「泡姫」以下、2~5位は「黄熊」「姫星」「宝物」「希星」で、それぞれ「ぷう」「きてぃ」「おうじ」「きらら」が正解。このほかランキングには、「今鹿(なうしか)」「皇帝(しいざあ)」「男(あだむ)」「本気(まじ)」「七音(どれみ)」「愛保(らぶほ)」「火星(まあず)」などもランクインしている。
================引用終了

 正気なんだろうか。「泡姫」はないだろ。ギャグなんだろうか。下記なら確信犯的なギャグだとは思うが、これはこれで「観光課がこんなことしていいのか」という疑問が湧く。
【完全にアウト】粟島のゆるキャラ「泡姫ちゃん」がヤバイと話題に!グッズも販売中?
http://matome.naver.jp/odai/2138492151527473901

 そりゃ、「キラキラネーム」だろうが「DQNネーム」だろうが、前向きにとらえている人もいるってこと。〈ネガティブな感想はまったく聞かれない〉のは、単なる取材不足だと思うよ。たしか「アリエル」以前にも「泡姫」って「DQNネーム」はあった記憶がある。そういう名前をつけられた子供が、世間の常識を知ったときどう思うんだろう。
 おそらく……「アリエナイ」。
【泡姫】実用日本語表現辞典
http://www.weblio.jp/content/%E6%B3%A1%E5%A7%AB


【ネタ元】dot.
http://dot.asahi.com/dot/2014061700027.html
================引用開始
「キラキラネーム」ランキング! 「黄熊」「泡姫」ってなんて読む?

 子どもの名前は、世相を映すもの。日本の子どもの名前に関しては、明治安田生命が毎年発表している「名前ランキング」が有名だが、同時代のヒーローやヒロインにあやかった名前がランクインすることも多い。たとえば、1979年から8年連続で1位だった男の子の名前「大輔」は、1980年に当時、早稲田実業高のエースだった荒木大輔選手が甲子園に出場したことから人気に。この「大輔」ブームの1980年に生まれた松坂大輔選手が同じ野球人となり、大リーガーにまで上りつめたのは、名前が導いた運命だとしたら、やはり名前は大事ということだ。

 ところで、昨今話題になっている、「キラキラネーム」「DQNネーム」と呼ばれるもの。これは伝統的には人名としては、あまり例のない漢字の組みあわせや読み方をさせる名前で、一見しても読み方がわからないものも多々ある。

 名字と字画の良い名前を探すためのサイト「無料 赤ちゃん名づけ」を運営するリクルーティング スタジオが、2013年度に自社サイトで検索の多かった「キラキラネーム」についてランキングを発表した。

 それによると、男の子の名前では「黄熊」、女の子の名前では「泡姫」が1位。どちらも何と読むか、おわかりだろうか? 正解は「ぷう」と「ありえる、あき」。どちらもディズニーの人気作品の主人公の名前である。

 ベスト10内の他の名前を見てみると、男の子の名には、「男(あだむ)」「本気(まじ、がっつ、りある)、女の子の名には、「姫星(きらら、きてぃ、など)」「今鹿(なうしか)」などもランクイン。どれもすんなり読むことはできず、頭の中に「?」が浮かんでしまうが、こういった名前を実際に子どもにつけることを検討したということだろうか。

 検討されただけではなく、実際に「キラキラネーム」をつけられた当の本人は、どんな気持ちなのだろうか。

 先のソチ五輪で銅メダルに輝いたノルディック複合の清水礼留飛(れるひ)選手は、日本にスキーを伝えたとされるオーストリアのレルヒ少佐にあやかって、父親が名付けた。最初はこの名前が嫌だったというが、「礼儀正しく、困難にも踏みとどまり、世界へ飛んで、羽ばたいていく」という意味がこめられていることを中学2年の時に聞き、考えを改めた。さらに世界大会で結果が出るようになってから、この名前のおかげで注目してもらえると今は感謝しているそうだ。

 キラキラネームをもつ一般男性にも話を聞いた。30歳のライターで、名前は「滝音」と書いて「たきおん」。放送作家であった父親がつけたもので、「光より速い」というドイツの物理学者が考えた概念だそう。兄は「織音(おりおん)」、妹は「美留季(みるき)」だという。「名前をすぐに覚えてもらえる」「ほかにない名前なのでとても気に入っている」など、ネガティブな感想はまったく聞かれない。

 難読名の人たちは「いつも呼び間違えられる」など、不愉快だったり困ったりしたこともあるだろう。一方で「キラキラネーム」もそれを自分の個性としてとらえ、人生にプラスの影響をもたらしている人たちもいるようだ。

【関連リンク】
パパとママからの最初の贈り物! 「赤ちゃんの名前」はどうやってつけたらいい?―妊娠・出産インフォ(出産準備サイト)
http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-1620.html
================引用終了

■「キラキラネーム」ランキング! 「黄熊」「泡姫」ってなんて読む?
(dot. - 06月17日 11:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=2927898

【表記の話15──「違和感」「異和感」】 〈2〉辞書

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月17日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928156325&owner_id=5019671

 下記の続き。
1012)【表記の話15──「違和感」「異和感」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1907450065&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2832.html

 Web辞書の珍妙な記述に関してはいろいろ書いてきた。もしかするとイチバン驚いた話かもしれない。イチバンではないかもしれないが、ビックリ度は高い。
1087)【やっぱりWeb辞書は嫌い〈2〉】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1919435396&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2919.html

 まず、〈1〉でひいた記述を再掲する。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
================引用開始
いわ[ゐ―] 1 【違和】

[1] 身心の調和が破れること。
  ―を覚える
[2] 雰囲気にそぐわないこと。
→違和感
================引用終了

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&stype=0&dtype=0&dname=0ss&p=%E9%81%95%E5%92%8C%E6%84%9F
================引用開始
いわかん[ゐわ―] 2 【違和感】
周りのものとの関係がちぐはぐで、しっくりしないこと。
  ―を感じる
================引用終了

『大辞泉』の記述もほぼ同じ「違和」の説明なんかどちらかがパクったとしか思えないほど似てる。大きく違うのは、『大辞林』が用例で「違和感を感じる」を出していること。「違和を覚える」なのに「違和感を感じる」にする理由がわからない。
================引用終了
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 さっき別件で『大辞林』をひいて唖然とする。
http://kotobank.jp/word/%E9%81%95%E5%92%8C?dic=daijirin&oid=DJR_iwa_-030
================引用開始
いわ【違和】

①身心の調和が破れること。 「 -を覚える」
②雰囲気にそぐわないこと。 〔「異和」と書くのは誤り〕 → 違和感
================引用終了

http://kotobank.jp/word/%E9%81%95%E5%92%8C%E6%84%9F?dic=daijirin&oid=DJR_iwakann_-010
================引用開始
いわかん【違和感】

周りのものとの関係がちぐはぐで,しっくりしないこと。 「 -を覚える」 〔「異和感」と書くのは誤り〕
================引用終了

「違和感」の用例を「―を感じる」から「 -を覚える」にかえたのは正解だろう。そんなホニャララな例を出す理由はない。
 それにしても〔「異和」と書くのは誤り〕〔「異和感」と書くのは誤り〕ですか。
 ぜひ根拠をあげてもらいたいもんだ。
 何通りかの表記がある言葉に関して〔~と書くのは誤り〕と書くのは相当度胸が必要よ。
 たとえば「雰囲気」を「ふいんき」と読むのは誤り、とは書ける。「ふいんき」と読む理由はないし、そんな読みを認めている辞書はない(あったりして)。
 しかし、〈1〉で見たように「異和感」という表記はソコソコ広まっているし、採用している辞書いくつかある。それを「誤り」と決めつけるのは辞書の仕事なんだろうか。
 トンデモ異説は猿でも書けるが、辞書がこういうことを書くとは思わなかった。

【「~ていません」「~ませんでした」】☆日本語教師☆〈2〉

 直接的には下記の続き。
【「~ていません」「~ませんでした」】☆日本語教師☆
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1175.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1453802950&owner_id=5019671

 ちと事情があって、↑の日記にもらったコメントを〈2〉としてアップしておく。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

kさん
2010年04月15日 00:18

>「~ている」の主な意味は、「継続」「現在進行」。「完了」の意味はない。
 「完了」は、えーややこしい話でヒトによって定義が違うんですが、テイルで「継続」でも「現在進行」でもない、まあ「完了」といってもいいかな、という用法はありますよ。「太郎は一昨日寝ている」「徳川家康は17世紀に死んでいる」「明日には、水道工事はもう終わっているな」

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

tobirisu
2010年04月16日

 ご無沙汰しております。
 「~ている」に関して【追記】しました。たしかに「~ている」に〈「完了」の意味はない〉はヘンですね。何やら得体の知れない用法がある気がします。
 ご指摘ありがとうございます。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

kさん
2010年04月16日 19:13
 えー、この用法はテイルの研究史の最初の方から問題にされていまして。
 未来完了「明日には、水道工事はもう終わっているな」 も問題ですが、「彼は4年前の前回のオリンピックで足を折っている」 はシタとの違いが、おっしゃるように、問題になっています。
>1)動作・状態が続いて、現在に至ることを表す。「猫が鳴いている」「花が咲いている
これは「現在に至る」は多分苦しまぎれです。今のことを語っているわけですから。前者は現在進行で、後者は結果状態です。別の用法を一つにまとめるから変な説明になったと思われます。
>2)動作・作用の結果が、続いて現在もあることを表す。「枝が枯れている」「窓があいている」
 これは明らかに結果状態です。
>3)現在の状態を表す。「彼の気持ちはもう変わっている」
 これも結果状態と考えられます。
 ただし、「彼の気持ちは10年前に一度変わっている」とすると完了でしょう。

 よう分からん用法は、他にもあります。

 ○同一動作・変化の複数存在
 「14世紀のヨーロッパではペストで沢山人が死んでいる」「この町の住民は、異口同音に原発反対を叫んでいる」「この寺は奈良時代に建てられたと言われている」前の例は完了とは違いますし(実は、私は、完了用法はガよりもハが普通だと思っているのですが、今は置いておきます)、後2つの例は現在進行とも言えません。
 ○動作・変化の継続的存在
 「あの人は毎日ちくわを食べている」「あの人はさっきから何度もうなずいている」前の例は現在進行というより習慣ですし、後の例は現在進行というよりも現在完了進行形といった感じです。
  ○存在様態
 「道に木が並んでいる」では「木が並ぶ」動作があったわけではないので、現在進行とも結果状態とも言えません。「この道は曲がっている」も実際に「曲がる」変化があったわけではありません。「この鉛筆はとがっている」も同じです。
 ○主観的変化
 「この机は角が丸まっている」「この部屋は風呂付になっている」「A地点の井戸からB地点の井戸まで、だんだん井戸の水量が減っている」何も変化は起きていません。話者が気付いたことを表わしているとしか言えません。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

tobirisu
2010年04月18日 17:08
 やはり当方の知識では「よくわからない」としか言いようがありません(泣)。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

ダイエットの心得 ──ケンシンの話。

 下記の仲間です。
【ダイエットの心得  お品書き 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-881.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1328615771&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月05日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1927567243&owner_id=5019671

 年明け早々から健康診断に苦しんだ。
 こんなに健診に苦労したのは、歴史的に見ても武田信玄くらいじゃないだろうか。

 そもそも、昨年末から異常の兆候があった。
 11月、12月とキーボードに向かう時間が大幅に増えた。睡眠時間を除くと、9割方キーを叩いていた気がする。それと比例するかのように、異常なまでに食欲を覚えた。とにかくよく食った。
 ベルトが1サイズ広がった。ということで、当然のことながら体重にも変化があった。
 大晦日に某所に行き、散々飲み食いした。餅ってなんであんなに食えるんだろう。たしか大きめな1キレは茶碗1膳の白米に匹敵するとか。餅だといくらでも食えるような気がする。そう言えば、年末の異常な食欲の最中、ストックの餅も食べ尽くしたよな。
 で、1日夜に体重を量った。86.9kgだと? 推定3kgのカーディガンを着ていたせいかな。キャプテンって呼んで(泣)。(←わかんねえぞ)
 生涯最重量更新。思えば結婚するあたりで80kgを超えたのがこれまでの記録。その後けっこう頑張って絞って、もう一息で70kgを切るとこまで落とした。そこからまたジワジワと増えてこのていたらく(泣)。念のため書いておくが、その間、身長はかわっていない。
 その後、某所に行くたびに体重を量っている。家で量るときより、2kgくらい重く出る気がする。着衣でだいたい1kgのはずなんだけど。
1月1日 86.9(ハーロックか)
1月6日 83.0(病院にて健診)
1月12日 84.6(この日「走ろー」と決意した)
2月9日 81.9(芭蕉か)
3月8日 81.5(芭蕉か……俳号はわからんって)
4月20日 81.6(原発か……廃炉もわからんって)
5月6日 82.3(ε= (´∞` ) ハァー  ふさふさ……意味わからん)
5月17日 82.5
6月1日 81.5

 体重の変化は少し落ち着いた感がある。〝高値安定〟はうれしくない(泣)。
 実は問題は体重だけではない。体重増加との関連性はイマイチわからないが、いくつかひっかかった数値がある。
 若い頃から、なぜか血中の中性脂肪値が高い。これは痩せていた頃からのこと。医師も首をひねり「体質ですかね……」と言っていた。通常、中性脂肪値が高い場合はほかの肝臓の数値にも問題がある。そうなると治療が必要になってくる。ところが、中性脂肪値だけが高くてほかは正常値だと、手の施しようがない(その言い方はやめんか)そうな。
 今回、中性脂肪値が高いうえに、肝臓ほかの数値も引っかかった。こうなると、要注意ってことになる。
 あとヤバかったのは尿検査。年前に問診で訪れ、大腸検査もすることになっていた。検査当日は、大腸検査用のお年賀の品を持参した。そのほかに、尿検査をすると言う。聞いてねえよ。ふと考えると、よい子は家を出るときに済ませてある。病院で多めに水を飲んでなんとか提出したブツは妙に色が濃かった。
 医師曰く、尿に少量の潜血反応があるとか。初めて聞いたけど、催してないのに無理に出すと、毛細血管から血がにじむことがあるんだって(泣)。
 突然の尿検査を受け、あいにくその日は起き抜けに奥さんとチョメチョメしたため、尿に蛋白が出た……というのは景山民夫のギャグだったよな。
 で、20日以降に念のためエコー検査をすることに。

 20日に再訪。インフルエンザが猛威をふるっていた時期で、病院は恐ろしく混んでいた。さんざん待たされたエコーの結果。肝臓が若干腫れ気味とのこと。しゃれにならん。本気でしぼることを考えねば。


いろいろな読み方4──部屋を出入りする 部屋に出入りする

【日本語アレコレ】
 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月02日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1927409505&owner_id=5019671

 テーマサイトではないが、下記を読んで考えた。
【「――が部屋を出入りしている」「――が部屋に出入りしている」どちらが正しいでしょうか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10126933580

「現代日本語書き言葉均衡コーパス」 少納言で調べてみた。
http://www.kotonoha.gr.jp/shonagon/search_form
「を出入り」の検索結果46件。
※「改札を出入りする」などを含んでいる。
「に出入り」の検索結果423件。
 どちらでもいいと思うが、「に出入り」のほうが一般的なんだろう。ただ、Yahoo!知恵袋のベストアンサーの説には疑問が残る。
 入ってから出るのだから「入る」が優先。だから「に」がふさわしい。こういう考え方をするなら……仮に「ある段階で部屋には5人の人がいた」という前提なら「を出入り」が正しいということになる。そんな……。

「入る」は常用漢字音訓表の範囲で「イる」とも「ハイる」とも読める。
 でもまぎらわしいことはあまりなくて、たいてい文脈で限定できる。
 だが、「出入り」になるととたんに訳がわからなくなる。
 
http://kotobank.jp/word/%E5%87%BA%E5%85%A5%E3%82%8A?dic=daijisen&oid=12622800
■Web辞書『大辞泉』から
================引用開始
で‐いり 【出入り】

[名](スル)
1 出たりはいったりすること。ではいり。「人の―がはげしい」「トラックが―する」
2 商売などのために、頻繁にその家や会社を訪れること。「―の業者」「卒業後も研究室に―する」
3 金銭の支出と収入。ではいり。「―の多い月」
4 数量の増減。ではいり。「出席者数は毎回多少の―がある」
5 地形が突き出たりはいり込んだりしていること。「―の大きい海岸線」
6 俗に、争いごと。もめごと。けんか。「やくざの―」
7 「出入り筋2」の略。「その約束をのばし、―になる事なりしに」〈浮・永代蔵・一〉

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

で‐はいり 〔‐はひり〕 【出入り/出×這入り】

[名](スル)「でいり」に同じ。「人の―が多い家」「自由に―する」
================引用終了

 本題は、「出入り」をどう読むか。
 これは昔から疑問だった。
 上の辞書の「2」「6」あたりは「デイり」限定だろう。「5」も「デハイり」は少し苦しい気がする。
 あとはどっちでもいいみたい。以下は当方の主観。
「3」の「出入りの多い月」、「4」の「出席者数は毎回多少の出入りがある」はどっちもありそう。このあたりは使用頻度が低いからどうでもいい。(←オイ!)
 使用頻度が高いうえに悩ましいのは「1」だろう。
「出入り口」だと、「デイり口」だろうな。そこを通過するのは、なぜか「人のデハイり」が素直な気がする。
「人の出入りがはげしい会社」だと、「デイり」と読んでも「デハイり」と読んでも社員が居着かない感じになる。

2014年05月の朝日新聞から

【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html



【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html


【2014年05月】


14-05-01
3日
しきりに目をしばたいて▲3七歩。(朝刊31面)
 剣記者。将棋の名人戦第1局の観戦記。さすがに「しばたく」は誤用だろう、と思ったが……。辞書をひいてのけぞる。
http://kotobank.jp/word/%E7%9E%AC%E3%81%8F?dic=daijisen&oid=08296200
■Web辞書『大辞泉』から
================引用開始
しば‐た・く【▽瞬く】[動カ五(四)]「しばたたく」の音変化。「目を―・く」
================引用終了

■Web辞書『大辞林』から
================引用開始
しばたく【瞬く】
( 動カ五[四] )
〔「しばたたく」の転〕
「 しばたたく 」に同じ。 「目を-・く」
================引用終了


14-05-02
5日
くみしやすしと見たからではない(朝刊26面)
 春秋子記者。囲碁の観戦記。誤用なのか許容なのか、もはやわからない(泣)。


14-05-03
6日
書籍や新聞、ネットなど10以上の出典から一字一句変えずに切り張りし、かつ意味の通る内容に仕上げなければならないため、実は難易度が高い。(朝刊20面)
 神庭亮介記者。「難易度」ももうダメだろうね。言葉の問題を別にすると、根は深い。もうどうにもならないところに来ている気がする。

【バイト敬語/若者言葉──「~とか」の話】〈2〉──並列助詞の迷宮

【日本語アレコレ】
 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月04日から

 直接的には下記の続きだろうな。
696)【バイト敬語/若者言葉──「~とか」の話】〈1〉
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2310.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1820136974&owner_id=5019671

 ということは下記の続きでもある。
653)【「AとBを持っている」と「AとBとを持っている」教えて!goo 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2251.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1807548615&owner_id=5019671

 テーマサイトは下記。
【「~だ~だ」という表現について質問!】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8623002.html
 まず質問の全文を転載する。
================引用開始
「夢だ希望だ」 「行くだ行かないだ」 というように物事を列挙する表現として
「~だ~だ」
という言葉を日常耳にすることがありますが、
この言葉遣いの違和感から辞書等を調べて見たのですが、
「~だ~だ」
についての答えを見つけることはできませんでした。
もしかしたら似た表現の
「~だの~だの」の音変化から生まれたモノなのか?
自分の中でモヤモヤか膨らむばかりです。
誰かわかる方よろしくお願いします!
================引用終了

 非常に興味深い。一連の並列助詞の問題と思ったが、「~だ~だ」が助詞とは考えにくい。やはり助動詞だろう。辞書の引用は末尾に。
「~だの~だの」の音変化、と考えるのはちょっと無理な気がする。むしろ逆だろう。
 Web辞書『大辞林』の「だの」の項に下記のようにある。
================引用開始
断定の助動詞「だ」に助詞「の」が付いたものから。
================引用終了

 先行コメントで引用している論文の1ページ目に下記の記載がある。
 並列助詞の「だの」は〈ダノはコピュラ「ダ」+助詞「ノ」〉……まあそういうことになる。
 本来は助動詞の「だ」が「~だ~だ」の形で並列助詞のように使われることがあるということだろう。
 文法的に注意が必要なのは、1)「名詞+だ」と「動詞+だ」は、厳密に言うとちょっと違うことかな。
「動詞+だ」は、2つに分かれる。
2)〈「活用語+のだ(んだ)」の形〉
 起こるのだ/歩くんだ
3)〈助動詞「た」が音便で「だ」になった形〉
※一部の五段活用の動詞につく場合、「いだ」「んだ」になる
 騒いだ(ガ行)/死んだ(ナ行)/呼んだ(バ行)/読んだ(マ行)
「~だ~だ」の形で使われるのは、1)がほとんどではないだろうか。質問者があげた「夢だ希望だ」 は好例。このほかに成句的な「ああだこうだ」「なんだかんだ」なんてのもある。
 2)の形はちょっと思いつかない。たぶん、極端に語呂が悪くなるからでは。質問者があげた「行くだ行かないだ」はちょっと疑問。「の」を挿入しないと、文法的にもちょっとあやしい。「行く(か)行かない(か)は君の自由」ならフツーかな。
 3)の形も「~だ~だ」は思いつかない。
「惚れたはれた」「切った張った」など「〜た〜た」ならいくつかありそう。
「滑った転んだ」だと片方が「だ」か。
 もちろん、少し不自然でいいなら「~だ~だ」にもできなくはない。「飲んだ飲んだと言っても限界がある」とか。

 並列助詞に関して当方が興味があるのは、以前見た「省略の可否」。↑の論文を参考にして、〈1〉で書いたものに加筆しておく。

1)並列用法(省略なし)
 辞書とか参考書とかをいつも持ち歩いている
2)並列用法(後ろを省略)
 辞書とか参考書をいつも持ち歩いている
3)単独用法
 「死にたい」{とか/だの/やら}言ってはいけない

      と や か とか だの やら なり わ だ(た)
1)並列用法 ○ X ○ ○  ○  ○  ○  ○ ○
(省略なし)
2)並列用法 ○ ○ ○ △  △  △  △  X X
(後ろを省略) 
3)単独用法 X X X ○  ○  ○  ○  ○ ○       

「わ」「だ(た)」を並列助詞にしていいのかはちょっと疑問。
 微妙なのは「~たり~たり」だろうな。
 本来は許されないはずの「2)並列用法(後ろを省略)」の例が増えている。
【伝言板【板外編1】「~たり」の使い方】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-278.html

並列助詞



http://kotobank.jp/word/%E3%81%A0?dic=daijisen&oid=11073100
 これは『大辞林』のほうが詳しそうだ。
================引用開始


( 助動 ) ( だろ ・だつ(で) ・だ ・ (な) ・なら ・○ )
〔「にてあり」から出た「である」が「であ」を経て「だ」となったもの。中世末に東国方言として用いられるようになったという〕
名詞・副詞,ある種の助詞,および体言に準ずるものに接続する。また「だ」の未然形「だろ(う)」と仮定形「なら」とは,動詞・形容詞,助動詞「れる・られる」「せる・させる」「ない」「ぬ」「たい」「た」などの終止・連体形にも付く。さらに,仮定形「なら」だけは助動詞「ます」の終止形にも付く。
①断定または指定の意を表す。判断したり強く断定したりする。 「彼は学生だ」 「一足す二は三だ」
②事柄を提示するのに用いる。 「それは去年の暮れのことだ」 「話はずっとさかのぼった昔の事だが,…」
③(「活用語+のだ(んだ)」の形で)
㋐原因・理由・根拠などの説明をする。 「校内暴力は,教師と生徒との不信から起こるのだ」
㋑決意を表す。 「絶対ぼくはやめないんだ」
㋒相手の行動を指図することを表す。 「さあ,早く歩くんだ」
④(終止形を用いて)強く感情をこめた文をつくる。 「さあ,勉強だ」 「酒だ,酒だ。じゃんじゃん飲もう」
⑤(「お+動詞の連用形+だ」の形で)軽い尊敬の意を表す。 「よく聞いておくれだ」 「口ではそうお言いだけれど,内心ではどう思っているか」
⑥終止形は間投助詞的にも用いられる。この場合,助詞「な」「ね」を伴って用いることもある。 「われわれはだ,もっと慎重にだ,行動すべきなのだ」 「この問題はだな(=だね),こういうふうに解くんだ」 〔 (1) 連体形「な」は一部の形式名詞や「の(ん)」「ので(んで)」「のに」などに連なる時だけに用いられる。「これは悪い事なのだ」 (2) 仮定形「なら」は,接続助詞「ば」を伴わないでそれだけで用いられることがある。(ア)文の題目を取り上げる。「山なら富士の山」「見るだけならかまわない」(イ)仮定の条件を表す。「月曜が休日で連休なら,泊まりがけで旅行ができる」「君が行くなら僕も行く」〕



( 助動 ) ( だろ ・○ ・だ ・だ ・だら ・○ )
過去および完了の助動詞「た」がガ・ナ・バ・マの各行の五段活用の動詞の連用形(いずれも音便の形)に付く時,濁音化して「だ」となったもの。 → た(助動)
================引用終了

http://kotobank.jp/word/%E3%81%A0%E3%81%AE?dic=daijirin&oid=DJR_dano_-010
================引用開始
大辞林 第三版の解説
だの

( 並立助 )
〔断定の助動詞「だ」に助詞「の」が付いたものから。近世江戸語以降の語〕
体言または活用語の言い切りの形に付いて,物事を並列・列挙する。
①一般に「…だの…だの」の形で用いられる。 「犬-猫-,いろんなものを飼っている」 「お茶を持って来い-,机の上を片付けろ-,うるさくてしようがない」
②「…だの…など」の形で用いられることもある。 「りんご-ぶどうなどを盛り合わせた皿」
================引用終了

 ちなみに、『大辞林』はふれていないが、「だの」は「3)単独用法」もある。

バイト敬語/若者言葉──「~とか」の話

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【7】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1789673749&owner_id=5019671

mixi日記2012年02月07日から

 直接的には下記の続きだろうな。
653)【「AとBを持っている」と「AとBとを持っている」教えて!goo 】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1807548615&owner_id=5019671


■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%A8%E3%81%8B&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=13199800&pagenum=1
================================
と‐か
[連語]

【1】《格助詞「と」+副助詞「か」》はっきりしない事柄を指示する意を表す。「家族が病気だ―で困っているらしい」
◆中世以前の「とか」は、「か」を係助詞として扱うのが普通。

【2】《並立助詞「と」+副助詞「か」》
1 事物や動作・作用を例示的に並列・列挙する意を表す。「漱石―鴎外―といった文人」「見る―見ない―騒いでいる」→とかや
◆「かゆいとか痛いなんて言っていられない」のように、末尾の事象(この文では「痛い」)に「とか」をつけない用い方もある。
2 断定を避け、あいまいにするために語の後に付ける。「学校―から帰る」
◆1990年代前半から若者の間で使われ、すぐに大人にも広まった。多用する話し方を「とか弁」ともいう。→方(ほう) →的
================================

■Web辞書『大辞林』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%A8%E3%81%8B&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=113989100000&pagenum=1
================================
とか
(並立助)
〔補説〕 格助詞「と」に副助詞「か」の付いたものから。近世江戸語以降の語
体言またはそれに準ずる語、および活用語の終止形に接続する。事物や動作・状態などを例示的に並べあげるのに用いる。
[1] 一般には、「…とか…とか」というように、列挙するものの末尾の事項にまで「とか」を付ける。
  毎日、掃除―洗濯―食事の支度―に追われ、ゆっくり本を読む暇もない
  そんなに勉強ばかりしていないで、時々は散歩する―運動する―した方がいいよ
[2] 時には、「…とか…とか…」というように、末尾の事項に「とか」を付けないこともある。
  この夏休みには、洞爺湖―支笏湖―阿寒湖など、いろいろな湖を周遊してきた
  わざわざおいでいただかなくても、電話を下さる―手紙でお知らせ下さることで結構です
→とか(連語)
→とか何とか
================================


「~とか」の用法は、主として3つあった(過去形)。
1)並列用法(省略なし)
 辞書とか参考書とかをいつも持ち歩いている
2)並列用法(後ろを省略)
 辞書とか参考書をいつも持ち歩いている
3)単独用法
 「死にたい」{とか/だの/やら}言ってはいけない

 似ているようでも、「だの」や「やら」は、2)の用法だと相当語呂が悪くなる。動詞につく「~たり」の場合、2)は現段階では×。実際には2)の使い方が目立ってきてはいるが。
 653)では、以前書いた読書感想文も転載した。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 この単独用法の話になると、また混迷が深まる。
 近年、「ビールなどのお酒が好きです」とか言う人が増えているらしい。「とか」ならややマシな気がするが、なんかヘンな感じが残る。
【読書感想文『うまい文章の裏ワザ・隠しワザ』】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1509333024&owner_id=5019671
================================
 P.169~170〈あげる例が一つなら「~など」とは書かない〉。
 微妙。悪い例としてあげられている「ビールなどのお酒が好きです」は、近年、話し言葉の乱れの例としてあげられることがある。この悪い例がなぜヘンなのかうまく説明できない。何を言いたいのかもよく判らないが、一般的には「ビール」をあげて「~など」をつけることによって、お酒全般が好きなことを表わすらしい。「~とか」あたりも同じ用法が増えているかもしれない。
 これが最低2つ以上の例を出して「ビールや日本酒、ウイスキーなどのお酒が好きです」と書けば、「お酒全般が好きだということがすぐにわかる」としている。それはないでしょ。日本語としては相変わらず不自然。根本的な問題として、例が悪い。もしアルコール全般が好きだと言いたいなら、2つあげようが3つあげようが、例をあげること自体が不自然だし、「など」を使うのもヘン。「とか」ならまだマシな気がする。
 例を1つしかあげないときには「など」を使わない、というのもなんのことだか判らない。「スペースの都合などがあって2つ以上の例をあげることができない」のように、代表的な例を1つあげ、「など」をつけることで「ほかにも理由がある」ことを暗示する例はいくらでもある。
================================
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 基本的に当方の考え方はかわっていない。話し言葉なら、「ビールなどのお酒が好きです」よりも「ビールとかのお酒が好きです」のほうがマシだと思う。さらに言えば、「(お酒は)ビールとかが好きです」ならもっとマシだと思う。
 ところが、世間はもっと先に?進んでいるらしい。
 下記の2つのトピを読んで、暗い気持ちになる。

【「~とか」の使い方について意見求む!】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=1301208&comm_id=11312
【トピックとか。。。】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=5476614&comm_id=125916

 どうやら妙な用法が広まっているらしい。トピに出てきた用例を拾う。
「結婚とかしてるんですか?」(「は」にするべきだろう)
「あたしとかそんな言い方しないけどな」(「は」にするべきだろう)
「あっためとかどうされます」(「は」にするべきだろう)
「他に白とかもあるんですよ~」(不要)
「15分とかくらい」(不要)
「君はタバコとか吸うの?」(「は」にするべき?)
「今日バイトとか、まじめんどくせー」(「は」にするべき?)
「体育とか、まじさぼりてー」(「は」にするべき?)
「ヒロシとか、まじおもしれーんだけど」(「は」にするべき?)
「今年の冬とか、寒すぎ」(「は」にするべき?)
「元カノの電話とか、うざすぎ」(「は」にするべき?)

「とか」よりも「など」のほうが……というレベルではなく、こんな「とか」は基本的に不適切だろう。不要な言葉という意味では、「~のほう」に近い。
 こうなると、近年の若者言葉に特有の曖昧表現、というククリ方もできそうな気がする。ただ、それは少し違うのでは、って気もする(「曖昧表現」の一方で「氏ね」などの直截な表現も目立つ。二極化と言うほうが正確だろう。)。
 ↑の「君はタバコとか吸うの?」などは、オジサンが言っている。使う人はけっこう年配でも使う(これはほかの「若者言葉」にもあてはまるかも)。単にヘンな言葉づかいだと思うけど、使い手は若者が多いから、「若者言葉」なのか?
 このテの話になると、「バカが意見を言うようになった」からってことになってしまう。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-925.html

【バイト敬語/若者言葉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1818.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-925.html

 こういうのもあるらしい。
【例示を表す並列形式の成立過程】
http://www.ninjal.ac.jp/event/specialists/project-meeting/files/20120929-024re/20120929_Iwata.pdf

突然ですが問題です【日本語編157】──敬語の難問4 おられる おられた

 下記とセットみたいなもんです。
突然ですが問題です【日本語編156】──敬語の難問3 申される 申された
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1894799408&owner_id=5019671

【問題】
 下記の言い方の適否を、説明しなさい。

そういうかたもおられます。
……という先生がおられます。


 ネット検索するととんでもないことになります。
 下記が少~しだけ参考になるかも。
639)突然ですが問題です【日本語編82】──おられる【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1801597937&owner_id=5019671


【解答?例】
 Web辞書の『大辞泉』と『大辞林』の記述はほぼ同じだが、どちらの記述にも不満が残る。
『大辞林』には〈(イ)「おります」で丁寧な言い方、「おられる(おられます)」で尊敬の言い方として用いられる。〉と明記されている。この点に関しては『大辞泉』も同様。これに従えば、「そういうかたもおられます」「……という先生がおられます」などの表現は「間違い」ではない。ただし、「尊敬語」ではない点に注意。
 これが一応の結論。

 個人的には「間違い」とまでは言わないが、避けたほうが無難だと思う。
 自分で使う理由は思いつかない。



【よくわからない解説】
 とっても微妙な問題なので、ちゃんと書くととんでもないことになります。
 詳しくは下記をご参照ください。
おる おられる おられた おられます【まとめ】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2801.html

【おる おられる おられた おられます〈1〉】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1904748638&owner_id=5019671
【おる おられる おられた おられます〈2〉】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906069022&owner_id=5019671
【おる おられる おられた おられます〈3〉】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906116280&owner_id=5019671
プロフィール

tobi

Author:tobi
フリーランスの編集者兼ライターです。

カレンダー
05 | 2014/06 | 07
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード