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【将棋45/羽生名人四冠 七冠ロード再び──王座戦第3局  おもしろいことになった? 先後の勝率ギャップ】

 下記の仲間。
【将棋(と囲碁)の話 お品書き】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1986.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1385699944&owner_id=5019671

mixi日記2014年09月30日から


 死のロードの後半2戦を連敗して羽生名人四冠の調子に黄信号がともっていた。
 王位はなんとか防衛して迎えた本日の王座戦の第3局。羽生名人四冠が先手番を落とした。俄然おもしろいことになってきた。
 将棋ファンには当たり前のことを書く。
 近年トップクラス同士の対局では、先後が非常に重要になってきた。例をあげはじめるとキリがないのでパスする。
 とくに居飛車の対局だと、勝敗に大きな影響を与える。ここ1~2年は、従来はあまり関係ないとされていた振り飛車の対局の場合も手番の重要性が大きなっている気がする。
 棋士によって多少個人差もあるが、羽生名人四冠の近年の先後の勝率ギャップは相当大きい気がする。
 今年度の昨日までの先後別成績(カッコ内は勝率)。
  先手12勝1敗(0.923)(←オイ!)
  後手で11勝4敗(0.733)
 苦手な後手では7割ちょっと(笑)しか勝てていない。
http://www.rayraw.com/index.php?type=nendo
 昨年度は……あれ、少しだけど後手のほうが勝ってる(泣)。
 遡ってみると、先後の勝率ギャップがけっこうあることがわかる。
 ほかの棋士はどうかと言うと……わかりやすい2012年度で見てみよう。
 対局数が多い棋士、トップクラスの棋士は、ほぼ先手のほうが勝率が高い。
http://kishi.a.la9.jp/gap/gap_total_1_0.html

先後

 さて王座戦の話に戻る。
 番勝負の2勝差はとてつもなく大きいが、近年のように先手が指しやすいということになると、少し見方がかわる。数年前の森内羽生の名人戦などは、どっちが後手で勝つのかが焦点になっていた。先手番をキープするかブレイクするか……テニスかよ!
 今回の王座戦も、豊島が第3局をブレイクしたことによって、第4局をキープできそうな雰囲気が出てきた。そうなると……。
 まあ、そこをあっさり再ブレイクってこともありそうなんだけど(笑)。

 こっそり入れておく。
【電脳の譜 1】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2911.html




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「で」と「から」の区別

下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【10】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1880457960&owner_id=5019671

 直接的には下記の続きだろうな。
「だから」「なので」の違い【1】&【2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html

 テーマサイトは下記。
【「で」と「から」の区別を教えてください】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1198615231

 質問の全文を一部加工して転載する。
================引用開始
教科書からの問題です。
今日、原因や理由を修飾する「で」の使い方を勉強しました。
例えば、
遅くなって、すみません。
頭が痛くて、会社を休みました。
説明が上手で、よくわかりました。
病気で、学校へは行きませんでした。
…………
しかし、練習の中で、こういう選択問題があります。
暇( )、行きます。
選択肢は「で」と「だから」と、二つあり、答えによると、正しいのは「だから」です。
どう説明しますか?
================引用終了

【tobiクンのコメント】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「で」と「から」の区別。

いろいろな問題を含み、非常にむずかしい問題だと思います。
まず、お使いの教科書の記述に疑問があります。
「で(て)」にはいろいろな用法があります。
思いつくところでは下記がありそうです。
A接続助詞:形容詞や動詞につく「で(て)」(走って/飛んで……etc.)
B形容動詞の連用形
C格助詞
あげられた例文はA〜Cが混在している印象です。これをしっかり区別しないと、話が混乱するような……。

1)遅くなって、すみません。→A
2)頭が痛くて、会社を休みました。→A
3)説明が上手で、よくわかりました。→B
4)病気で、学校へは行きませんでした。→C
5)暇(で )、行きます。→?

5)を(で )にすると仮定します。「名詞+で」の形であり、4)と同様で「C」です(「B」ととれなくもないかも)。これは下記の「7 動作・作用の原因・理由を表す」でしょう。「6 動作・作用の手段・方法・材料などを表す」とは思えません。
4)はアリで、5)がヘンな感じになるのは文脈の問題としか言えないと思います。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/12538000/



興味深い問題なので、SNSのmixiで質問してみました(勝手に申し訳ない)。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=72603864&comm_id=398881

たいへん興味深いコメントももらいました。
「暇で」は、下記の文脈なら成り立ちそうです。
================引用開始
肯定形だと自然かも。
「病気で休みました。」

「暇で」も過去形の文脈にするとどうでしょう。
「その日は暇で映画に行きました。」
================引用終了


当方のコメントから抜粋します。
================引用開始
時系列?で考えます。

●前日の連絡
所用で休みます。
急用で休みます。
病気で休みます。←ちょっとヘンかも
急病で休みます。←×

●当日朝の連絡
所用で休みます。←ちょっとヘン
急用で休みます。
病気で休みます。
急病で休みます。

●当日の夜(他者への事情説明)
所用で休みました。
急用で休みました。
病気で休みました。
急病で休みました。
================引用終了


もうしばらく考えてみるので、回答をしめ切るのはギリギリまで待ってもらえませんか。

ちなみに、「暇なので」と「暇だから」の比較ということなら、よくある質問になります。
Yahoo!知恵袋だと下記あたりでしょうか。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1476608574
あれ?
BAの用例って、先行コメントにある論文と同じですかね? 

個人的には下記のように考えています。
【店内放送の日本語の使い方が気になります。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1294599677





「で」と「から」の区別〈2〉

 いろいろ考えてみた。

【1】まず、大前提として、元の教科書の方針が疑問
①すでに書いたように、いろいろな用法がある「で(て)」を、区別せずに説明しようとしている。

②「7 動作・作用の原因・理由を表す」にしても、「6 動作・作用の手段・方法・材料などを表す」にしても、もっとわかりやすい例をだすべきだろう。

  5)暇(で )、行きます。→?
  6)その日は暇で映画に行きました。→C

 この5)と6)の違いを説明するのは相当の難物。少なくとも当方にはできそうにない。

③「練習」で「で」と「だから」を選択肢にするのも混乱の元。
 比較するなら「(な)ので」と「(だ)から」だろう。ただ、これは「で(て)」とは別の
話になるはず。


【2】暇(で )、行きます。の「暇で」は「形容動詞の連用形」か「名詞+で」か
 一応、「名詞+で」として考えてきたが、「形容動詞の連用形」と考えることもできなくはないと思う。

  静かで落ち着ける店。  
  暇でやることがない。

 こうなると、当方には判別不能です。


【3】「なので」と「だから」のニュアンスの違い
 下記でいろいろ書いてきた。
「だから」「なので」の違い【1】&【2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html

 ネット上で読める論文に関しては下記参照。
1)【接続助詞「から」と「ので」の違い】
http://hdl.handle.net/10091/1843
2)【日本語講師のひとりごと】
http://blog.goo.ne.jp/kaoriam/e/c846817c27b0d3526dc92242b13727ff
3)【「から」と「ので」の使い分け】
http://www2.dokkyo.ac.jp/~esemi008/kenkyu/miki.html

 ↑の1)の論文の冒頭にある「要旨」から抜粋する。
================引用開始
原因・理由の接続助詞「から」と「ので」の意味と用法の違いは、これまで永野(1952)以来「から」は原因・理由を主観的に説明するものであり、「ので」は因果関係を客観的に描写 するものであると分類されてきたが、未だ統一的な見解に至っていない。
================引用終了
 大元と言えそうなのは〈永野 賢 1952 「『から』と『ので』はどう違うか」,『國語と國文学』29:230-41〉なのだろう。ここから、「だから」は主観と「なので」は客観、という説が独り歩きしている観がある。正確なことは関連論文を読んでみないとなんとも言えないけど。

 ↑の2)のサイトから。
================引用開始
「ので」は客観的な判断によるもので、「から」は主観的な判断によるもの。
「ので」は冷静で合理的な判断理由、「から」は感情的で主観的な判断理由という感じ。
「から」というのは、推量・命令・勧誘などの話し手の主観に属する文末の後に用いられやすい。
たとえば、「危ないからやめなさい」という場合には、危ないという判断は話し手の主観である。「危ない」と判断する基準は、人によってまちまちなものだから。
一方、「ので」は話し手の主観的判断によらなくても、明らかに因果関係がそこにみられる場合に用いられることが多い。
 たとえば、「暴風雨警報が発令されたので、運動会は中止になった」というように。
ただ、あくまでもそうであることが多いだけで、「ので」と「から」が置き換えられる場合も多い。
「ので」のほうが「から」よりも控えめで、当たりが柔らかいような感じがするため、最近の女性で「ので」の方を使う人が増えた、とも言われている。「ので」のほうが「から」よりも控えめで、当たりが柔らかいような感じがするため、最近の女性で「ので」の方を使う人が増えた、とも言われている。
================引用終了
 これがよく見る主張。
 主張がズレていることは例文を見れば明らか。「危ないからやめなさい」は「危ないのでやめなさい」にできる(ほんの少しおかしい?)。
「暴風雨警報が発令されたので、運動会は中止になった」も「暴風雨警報が発令されたから、運動会は中止になった」にできる。
〈置き換えられる場合も多い〉と言うより、ほとんどの場合は置きかえられる。置きかえられない例を探して考えないとどうにもならない。
 最後の段落はそのとおりだと思う。感覚的な話で根拠に乏しいとも言えるが、〈「~から」は主観的、「~ので」は客観的〉と決めつけるよりはよほど共感できる。あれ? これって3)に出てくる『日本文法大辞典』のマンマ? これ程度は大目に見るべきか。

 ↑の3)のサイトから。
================引用開始
3.「から」と「ので」の意味的差異
●「から」の表す意味
まず、「から」の操作子機能は<事態xを事態yの発生する出所として捉えよ>と定義した。それと同時に「から」は必ず<移行>を予期させる助詞であった。これは、後に述べる「ので」と比較すると、事態x<原因・理由>と事態y<結果>とのつながりが直接的である。このため、「から」を用いた表現も因果関係が直接的で明白となり、それゆえ、話者が因果関係を強調したいときに用いる。

「から」を用いる主な例
(15)おいしいからもうひとつ食べたい。 (話者の意志) 『日本文法大辞典』明治書院
(16)天気が良かったから楽しかったでしょうね。 (話者の推量) 『日本文法大辞典』明治書院
(17)よい子だからおとなしくしなさい (命令) 『広辞苑』岩波書店
(18)危ないからそっちへ行ってはいけないよ。 (禁止) 『日本文法大辞典』明治書院
(19)暑いから窓を開けてくれよ。 (依頼) 『日本文法大辞典』明治書院
(20)遅くなるから帰ります。 (正当性の主張) (尾方:1993)

●「ので」の表す意味
「ので」の操作子機能は<事態xを体言化し、事態yが起こる原因・理由として限定せよ>であった。そして、「ので」は事態yが起こる<依拠場所>を表すと上で述べた。「ので」は<依拠場所>を表すため、「から」における<原因>から<結果>への移行と比較すると、その因果関係ははるかに弱いものとなる。従って、「ので」は因果関係を前面に押し出したくないとき、因果関係を客観的に述べたいときに用いられる。

「ので」を用いる主な例
・表現を丁寧にするとき
(21)試合終了後は大変混雑いたしますので、お帰りの切符は今のうちにお求めになっておいてください。
『日本文法大辞典』明治書院
・事態の客観的な叙述
(22)強い風が吹いたので、あちこちの看板が倒れたりとばされたりしてしまった。
『日本文法大辞典』明治書院
・自己の正当性を強く主張したくないとき
(23)遅くなるので帰ります。 (尾方:1993)

その他では、『男性に比して、女性に好んで「ので」を多用する傾向がみられる』と『日本文法大辞典』は指摘している。これも、女性の方が自己の正当性を主張するような表現よりも、因果関係を前面に押し出さない控えめな表現を好むためであろう。
================引用終了

 やはりほとんどの「から」と「ので」は互換性があるような気がする。
 かえられないのは(17)よい子だからおとなしくしなさい (命令)くらいだろう。
 同じ命令でも「危ない{から/ので}おとなしくしなさい 」なら互換性がある。それ以前に例文がおかしくないか? 「お願いだからおとなしくして」くらいではないか? これは特殊な用法って気がする。
 (20)と(23)ってこんなふうに対比して何が言いたいのだろう。
 どちらかしか使えないのは、きわめてまれなケースでは。

 総集編は下記。
「だから」「なので」の違い【1】〜【6】  「〜から」「〜ので」「〜で」「で」「から」「ので」
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html

「早計すぎる」「早計にすぎる」〈1〉〈2〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354427241&owner_id=5019671

mixi日記2010年04月22日から。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1468139824&owner_id=5019671

 テーマトピは下記。
【~すぎる】日本語しつもん箱
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=52405696

 トピ主の「0」を一部変更して流用する。
================================
1)時計が止まっていたからといって時間が止まったと判断するのは、早計すぎる。
2)アメリカで人気の料理だから日本でもいけるというのは、早計にすぎる。

この「早計すぎる」と「早計にすぎる」では違いがあるのでしょうか。
================================
※なんでみなさん丸付き数字を使うんだろう。ネット上では機種依存文字を使ってはいけないのが常識のはず。Macintoshで見るとバケる。
 文字化けがヒドいと、意味が通じないことがある。

 ちょっと調べてみたが、まるでわからない。
 こういう難問にコミュの方々がどんな回答をするのか非常に興味深い。
 
 いろいろな話が絡んできて訳のわからない話になりそうなので、とりあえず結論だけ。
「早計すぎる」と「早計にすぎる」は、意味は同じ。
 ニュアンスとしては、「早計にすぎる」のほうが書き言葉的。これを「格調が高い」と考えるか「堅苦しい」と考えるかは意見が分かれる。個人的にはこういう偉そうな言い回しは大嫌い(主観で語るんじゃない)。
 日本語学習者に教える必要は……たぶんない(だろう、と思う)。

●「早計すぎる/早計にすぎる」は重言か?
「重言」と言えば「重言」かもしれないけど……微妙すぎる。たぶん違うだろう。「早計(に)すぎる」が重言っぽく感じられる理由はほかにある気がする(↓参照)。「早計にすぎる」は辞書にものっているから重言ではない? もしそのことだけを根拠にそう断言できるなら「違和感を感じる」も「重言」ではなくなることになる。
162【重言の話5──「まず第1に」「違和感を感じる」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1454999593&owner_id=5019671

 まあ、「早計すぎる/早計にすぎる」は「重言」だったとしても、きわめて程度が軽いものだろう。いずれにしても当方は「重言」を「間違い」とは考えていない。とはいえ、「腹を切って切腹した」の類い(↑のリンク先参照)まで許容する気はない。そこまで行ったらヘンに決まっている。

●類似表現をネットで検索すると
「早計すぎる/早計にすぎる」と同じような形の言葉を考えてみた。こういう書き言葉的な言い回しには極端に弱いのだが、下記あたりはどうだろう。
  軽率すぎる/軽率にすぎる
  拙速すぎる/拙速にすぎる
  短絡すぎる/短絡にすぎる(これはあやしい)
 ちなみに、ネットで「にすぎる」をキーワードにして検索すると「それはないだろ~」って言い回しが山ほど出てくる(笑)。

●「~にすぎる」「~にすぎない」に関連する慣用句的な言い回し
 Web辞書(『大辞泉』)をひく。「~にすぎる」「~にすぎない」に関係しそうなのは下記。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B&stype=1&dtype=0
================================
5 (「…にすぎる」の形で)つりあわないほどすぐれている、勝(まさ)る。分以上である。「彼には―・ぎた女房だ」「これに―・ぎる名誉はない」
6 (「…にすぎない」の形で)ただ…であるだけのことである。それ以上のものではない。…でしかない。「小学校時代はごく平凡な生徒に―・ぎなかった」「今日の事件は氷山の一角に―・ぎない」
================================

 どちらも今回の例とはあまり関係ないみたい。
〈断定の助動詞「だ」〉や形容動詞の活用語尾なんかも見てみたが、ハッキリしない。
 ちょっと技を使ってネットを検索し、なんとか解説らしきものを見つけた。〈「非効率的すぎる」と「非効率的にすぎる」(これも言わないような……)の違い〉について下記のような回答があった。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1113478361
================================
「非効率的」は形容動詞になりえる名詞です。即ち、「非効率的だ」がありえます。
「すぎる」という語は水準を越える、という意味の動詞です。他の動詞連用形や形容詞の語幹や名詞などに付きます。従って、「非効率的すぎる」は「効率が悪すぎる」の意味です。
「非効率的にすぎる」は、形容動詞「非効率的だ」の連用形「非効率的に」が動詞「すぎる」を副詞的に修飾しています。「あまりに効率上悪すぎる」の意味になるでしょう。
<田子>
================================
(略)

●過去に書いた話
 なんか似たようなテーマで前に書いた……と思って探してみた。
 全然関係なかったorz。
【「~すぎる」の反対語は?】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1400545218&owner_id=5019671

【追記】
●自分で使うか否か
「早計にすぎる」は↑に書いたように大嫌いなので使わない。
「早計すぎる」もたぶん使わない。「早計だ」で十分だろう。もしかすると「早計」自体使わないかも。
「早計だ」で十分なのに「早計すぎる」にするから、重言っぽく感じられる気がする。
「very早計」の場合はどうするか。たぶん「あまりにも早計だ」にする。「いささか早計だ」かもしれない。

●「早計」の品詞は……
 ところで、この「早計」の品詞は何か。
 Web辞書は、『大辞泉』が「名・形動」で、『大辞林』が表示なし(「名詞」ってことだろう)。手元の『広辞林』も表示なし(「名詞」ってことだろう)。
 2対1だから、「名詞」ってことにしておこう。(←オイ!)
 そうなると、↑の

〈形容動詞(早計だ)の連用形(早計に)が動詞「すぎる」を副詞的に修飾しています。

 がくずれる。困った。それ以前に、「名詞+すぎる」の話を始めると別の意味でえらいことになりそうだ(辞書をざっと見た限り「名詞+すぎる」の形はないみたい)。
 このテの単語が「形容動詞」か否かを正確に見分ける方法を誰か教えてください(泣)。
 ↑で「にすぎる」のできそうな言葉として3つあげた。品詞を調べてみた。
      『大辞泉』 『大辞林』 『広辞林』
  早計  名・形動  名     名
  軽率  名・形動  名     名・形動
  拙速  名・形動  名     名・形動
  短絡  名・形動  名     名

 なんじゃコリャ?
 個人的な語感で、「○○すぎる」と言いそうな言葉は「地味」「派手」「馬鹿」「真面目」など、基本的に形容動詞だろう。
 上の4つで判断するに、形容動詞か名詞か判断が分かれるようなものは「○○にすぎる」と言うってこと? そんなバカな(笑)。




「早計にすぎる」「早計すぎる」〈2〉辞書


 テーマサイトは下記。
【「慎重に過ぎる女性ドライバー」は正しいですか?】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8774208.html
 まず質問の全文をひく。
==============引用開始
昨年に雑誌に投稿された村上春樹さんの短編で「慎重に過ぎる女性ドライバーを軽蔑」という文があったのですが、「慎重に過ぎる」に少し違和感を感じました。「慎重になりすぎる」が正しいのではと?しかし、村上さんは大巨匠でこんな間違いをするはずはないと思っています。「慎重に過ぎる」は、正しい使い方なのでしょうか?
==============引用終了

 これは〈1〉より問題が絞られていて話がしやすいかも。〈1〉のときは「重言」の話がからんでいた。〈1〉のmixi日記のコメント欄は是非チェックしてほしい。
 で、当方のコメントを、リンクを修正して転載する。
==============引用開始
「慎重に過ぎる女性ドライバー」

 誤用か否か、という問題なら、誤用ではありません。いろいろな類似表現もあります。
「慎重になりすぎる」でもよいでしょうが、類似表現を見ると、「に」をとって「慎重すぎる」と考えるのが簡便ではないかと思います。
 ただ、この「に」や「~に過ぎる」を文法的に考えるとどうなるのかわかりません(泣)。
 詳しくは下記をご参照ください。
【「早計すぎる」「早計にすぎる」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1220.html
 以下は一部の抜粋(重言)。

●類似表現をネットで検索すると
「早計すぎる/早計にすぎる」と同じような形の言葉を考えてみた。こういう書き言葉的な言い回しには極端に弱いのだが、下記あたりはどうだろう。
  軽率すぎる/軽率にすぎる
  拙速すぎる/拙速にすぎる
  短絡すぎる/短絡にすぎる(これはあやしい)
 ちなみに、ネットで「にすぎる」をキーワードにして検索すると「それはないだろ~」って言い回しが山ほど出てくる(笑)。

●「~にすぎる」「~にすぎない」に関連する慣用句的な言い回し
 Web辞書(『大辞泉』)をひく。「~にすぎる」「~にすぎない」に関係しそうなのは下記。
http://kotobank.jp/word/%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%82%8B?dic=daijisen&oid=09860300
================================
5 (「…にすぎる」の形で)つりあわないほどすぐれている、勝(まさ)る。分以上である。「彼には―・ぎた女房だ」「これに―・ぎる名誉はない」
6 (「…にすぎない」の形で)ただ…であるだけのことである。それ以上のものではない。…でしかない。「小学校時代はごく平凡な生徒に―・ぎなかった」「今日の事件は氷山の一角に―・ぎない」
================================

 どちらも今回の例とはあまり関係ないみたい。
〈断定の助動詞「だ」〉や形容動詞の活用語尾なんかも見てみたが、ハッキリしない。
 ちょっと技を使ってネットを検索し、なんとか解説らしきものを見つけた。〈「非効率的すぎる」と「非効率的にすぎる」(これも言わないような……)の違い〉について下記のような回答があった。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1113478361
================================
「非効率的」は形容動詞になりえる名詞です。即ち、「非効率的だ」がありえます。
「すぎる」という語は水準を越える、という意味の動詞です。他の動詞連用形や形容詞の語幹や名詞などに付きます。従って、「非効率的すぎる」は「効率が悪すぎる」の意味です。
「非効率的にすぎる」は、形容動詞「非効率的だ」の連用形「非効率的に」が動詞「すぎる」を副詞的に修飾しています。「あまりに効率上悪すぎる」の意味になるでしょう。
================================
(略)

●過去に書いた話
 なんか似たようなテーマで前に書いた……と思って探してみた。
 全然関係なかったorz。
122【「~すぎる」の反対語は?】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1400545218&owner_id=5019671

【追記】
●自分で使うか否か
「早計にすぎる」は↑に書いたように大嫌いなので使わない。
「早計すぎる」もたぶん使わない。「早計だ」で十分だろう。もしかすると「早計」自体使わないかも。
「早計だ」で十分なのに「早計すぎる」にするから、重言っぽく感じられる気がする。
「very早計」の場合はどうするか。たぶん「あまりにも早計だ」にする。「いささか早計だ」かもしれない。
==============引用終了

 ほかの回答を見ても、文法的に妥当な説明は見当たらない。
 ちょっと考えてみたが、意外に平凡な解釈でいいかも。『大辞泉』の「7」。
==============引用開始
7 (動詞の連用形、形容詞・形容動詞の語幹などに付いて)行為・状態などが度をこえている。はなはだしく…する。または、はなはだしく…である。「めだち―・ぎる」「働き―・ぎる」「テレビの音が大き―・ぎる」「欲がなさ―・ぎる」「地味―・ぎる着物」
==============引用終了
「など」につくのだから、「形容動詞+に」についてもいいと解釈できなくはない。
 形容動詞の語幹についたときは「早計すぎる」「慎重すぎる」。「形容動詞+に」についたときは「早計にすぎる」「「慎重にすぎる」。
 個人的なルールでは「早計にすぎる」の場合は「過ぎる」と漢字にしたいとこだけど、まあいいか。

 ↑の解釈は、かなり辞書に好意的。「5」の意味を出すのなら、「形容動詞+に」も特記するべきでは。
 さらに言うと、「名詞+すぎる」をどう考えるのかも是非書き添えてほしい。
 この解釈だと「美人すぎる」は×になるはず。

 詳しくは下記をご参照ください。
361)「~すぎる」 【2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-995.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1641982180&owner_id=5019671
376)突然ですが問題です【日本語編29】「すぎる」のナゾ──【解答?編】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1739.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1653260201&owner_id=5019671
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