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「じ」と「ぢ」 「ず」と「づ」──地面 稲妻 世界中〈1〉〜〈4〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【15】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1941799128&owner_id=5019671

 テーマトピは下記。
(略)

 mixiのトピの削除権があるのは管理人(副管理人)とトピ主。したがって、削除癖のある人が立てたトピは、いつどんな理由で削除されるかわかったものではない。トピ主に削除権があるかないかは、自分でトピを立ててみればわかるはず(またいつの間にかルールが変更されていたりして)。
 そんなトピで、「じ」と「ぢ」 「ず」と「づ」の話が出ている。
 管理人さんがなんとかしてくれないのかなぁ。
 トピにはコメントしにくいので、こういう性格の悪い書き方をすることになる。こうしてtobi君は汚れていく……(泣)。

 コメント[5]。コメントできません(泣)。
 ひとつ気になるのは、「聞き伝い」ってどういう意味なんだろう、ってこと。

 コメント[6]。
 大正生まれのかたなら、むしろ「おぢいさん」と書くほうが自然なのでは。当時はそれがフツーだったはず。
 
 コメント[7]。
「じしん」の話は、下記でよいだろうか。質問サイトにものすごい数がとびかっている。
【突然ですが問題です【日本語編9】──いろいろな読み方2? 「地面」は「じめん」か「ぢめん」か】 
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2567.html
 問題は下記の部分。
==============引用開始
 ちなみに、〈「チ」と「ジ」の読みがある〉なんてのはあとから適当にくっつけた理由だと思う。歴史的仮名遣いをやめたときに生じた矛盾をごまかすための屁理屈としか思えない。
==============引用終了

 ここを正確に書こうとすると厄介なので、できればふれたくなかった。
 ただ、コメント[8]のように「世界中」「稲妻」の話が出てくると、下記をひくしかなくなる。
【現代仮名遣い:文部科学省】
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19860701001/k19860701001.html
==============引用開始
なお,次のような語については,現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として,それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし,「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。

例 せかいじゅう(世界中)

いなずま(稲妻) かたず(固唾*) きずな(絆*) さかずき(杯) ときわず ほおずき みみずく

うなずく おとずれる(訪) かしずく つまずく ぬかずく ひざまずく

あせみずく くんずほぐれつ さしずめ でずっぱり なかんずく

うでずく くろずくめ ひとりずつ

ゆうずう(融通)

〔注意〕 次のような語の中の「じ」「ず」は,漢字の音読みでもともと濁っているものであって,上記(1),(2)のいずれにもあたらず,「じ」「ず」を用いて書く。

例 じめん(地面) ぬのじ(布地)

ずが(図画) りゃくず(略図)
==============引用終了

 当方は現代仮名遣いしか知らないので、異和感を抱きながらもこのルールに従っている。だが年配の物書きなかには強い抵抗を感じる人もいるらしい。当然だろう。どう考えても帳尻合わせで、整合性がない例が多数ある。
 このあたりは新聞社系の用字用語集に用例が詳しく出ているので、さほど困らない。
「さほど困らない」が、いまだに迷う例がある。
「初物尽くし」は「づくし」らしい。
「黒尽くめ」は「ずくめ」らしい。
 そんなアホな。漢字に逃げるのが無難なんだけど、「尽くめ」なんて表記は使わないから、毎回のように確認することになる。あとよく目にするのは「こじんまり」という書き方。半々くらいの確率でライターさんがやらかしてくれる。これも「間違い」ではない気がするが、修正するしかないだろう。

 ↑には〈「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする〉とある。しかし、用字用語集は認めていない。
 まあ、こういうのは漢字で書くのが無難だろう。
 さらにはこういう話もある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E4%BB%AE%E5%90%8D%E9%81%A3%E3%81%84
==============引用開始
「中」の例[編集]
ひとつ字音の問題を例に挙げる。「中」は字音を漢音呉音ともに「チュウ」と読む。ところが「世界中」となると「セカイジュウ」と読む。字音に存在しない音が現れたが、これが「複合語」が濁る場合の一つの例である。
この「世界中」の「中」を「じゅう」と書くか「ぢゅう」と書くかについて、「現代かなづかい」は明記していない。その点について、「現代かなづかい」を補う形で出された「正書法について」(昭和31年国語審議会報告)では、「現代語としては、語構成の分析的意識のないものと考えられる」との理由で、「じゅう」と書くものとし、「『ぢゅう』と書く場合はない」としている。
==============引用終了
 
 話が二転三転しているということだろうか。
 アホくさ。



「じ」と「ぢ」 「ず」と「づ」──地面 稲妻 世界中〈2〉

 下記の部分が気になったので追記しておく。
【現代仮名遣い:文部科学省】
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19860701001/k19860701001.html
==============引用開始
なお,次のような語については,現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として,それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし,「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。

例 せかいじゅう(世界中)

いなずま(稲妻) かたず(固唾*) きずな(絆*) さかずき(杯) ときわず ほおずき みみずく

うなずく おとずれる(訪) かしずく つまずく ぬかずく ひざまずく

あせみずく くんずほぐれつ さしずめ でずっぱり なかんずく

うでずく くろずくめ ひとりずつ

ゆうずう(融通)

〔注意〕 次のような語の中の「じ」「ず」は,漢字の音読みでもともと濁っているものであって,上記(1),(2)のいずれにもあたらず,「じ」「ず」を用いて書く。

例 じめん(地面) ぬのじ(布地)

ずが(図画) りゃくず(略図)
==============引用終了

「じ」と「ぢ」「ず」と「づ」の使い分けは、ほとんどの場合、連濁で(一応)説明できる。「おりづる」は「つる」が連濁で「づ」になっている。「気づく」は「気がつく」の「つく」が連濁で「づく」になっている。このあたりは迷う余地がない。
 ↑であげられているのは、連濁では説明できない例外的なもの。
 別にあげる必要性を感じないもの(ときわず、みみずくetc.……)もあれば、なぜそうなるのかわからないものもある。
「差し詰め」「融通」あたりは、「ず」にする理由が不明。「詰」も「通」も「ず(う)」の音はもっていない。
「黒尽くめ」に関しては〈1〉に書いたとおり。
〔注意〕の記述もよくわからない。
「地」(たぶん「治」も同様)に関しては〈1〉に書いたとおりで一応説明できる。「地」は「ち」のほかに「じ」の読みがある。
 だから「生地」の場合も連濁で「ぢ」になるのではなく、「きじ」。語頭に来た場合も、「じしん」「じめん」。おそらく、「地」で始まる言葉が多いからこういう措置になったのでは。「治」はオコボレで同様になった?
 これと「図」を並べているのは意味不明。
 もし「地」と同様なら、「図」が「つ」のほかに「ず」の読みがあることになる。
 だから「略図」は「つ」の連濁ではなく「ず」。語頭に来ても「ず」になる、ってこと。
 ところが実際には「図」には「つ」の音はなく「ず」(ほかに「と」と「はか」)しかない。「ずが」も「りゃくず」も「づ」になる理由がない。
 何を言いたいのかわからない。
 やっぱりアホクサ。

 ちなみに、将来は「じ・ぢ」「ず・づ」は「じ」「ず」に統一されるかも、という説が飛びかっている。
 当方は国語学者ではないので、そんなむずかしいことは見当もつかない。検討する気もない。諸賢の健闘を祈る。
 たださぁ。
 遠ーい将来には統一される可能性があるかも……それは誰にも否定できない。
 でも当分の間はそんなことはないのでは。矛盾だらけなのに、どうにかこうにか定着しているんだから。
 助詞の「は」や「を」も発音どおり「わ」や「お」になるかも……可能性は否定しない。でも当方が生きている間にはそんなことにはならないと思う。
 仮に文化庁が発狂してそういう提案しても、相当巨大な反対運動が起きて、定着するのには何十年もかかると思う。


 現代仮名遣いに関しては下記のようなさらに詳しい資料もある。
【現代仮名遣い 本文 第1(原則に基づくきまり)】
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gendaikana/honbun_dai1.html
【本文 第2(表記の慣習による特例)】
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gendaikana/honbun_dai2.html



「じ」と「ぢ」 「ず」と「づ」──地面 稲妻 世界中〈3〉

 妙なとこで妙なものとリンクしてしまった。
 いろいろな意味で、なぜこんなわかりにくいことをしているのか理由は不明。
 まず、「新常用漢字表」の変更点をひく。
【表記の話15──「十」の読み方の話──「ジュウ」「ジッ」「とお」「と」……「ジュッ」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1906878854

 元になっているはずの文化庁の【改定常用漢字表】のリンクが切れている。文化庁のリンクはしばしば切れるので、そのたびに引っ越し先のリンクを張り直している。【改定常用漢字表】は、引っ越し先が見つからない(泣)。
 答申案http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/sokai/sokai_10/51/pdf/shiryo_1.pdfはあるけど、このpdfはムダな記述が多いうえに、検索ができないので、役に立たない……とまでは書かないが、ものすんごく使いにくい。
 結局Wikipediaやhttp://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/joyo2010/joyo2010.pdfをひくことになる。何をやってんだか。
 で、問題は何かというと……。
「中」に「チュウ」のほか「ジュウ」の読みが加わったらしい。そんなの知らねえよ。
 帳尻合わせの気配が濃厚。「世界中」とかの矛盾を解消したいのね。「地」を「ジ」と読ませるのと同じ手口と見た。
 これで、「せかいじゅう」はおかしいとは言えなくなった(笑)。



「じ」と「ぢ」 「ず」と「づ」──地面 稲妻 世界中〈4〉
「こんにちは」か「こんにちわ」──〈「こんにちわ」ではおかしいわ〉

 遠い将来には「じ」と「ぢ」/「ず」と「づ」は、「じ」と「ず」に統一されるかもしれない。されないかもしれない。
 さらには、助詞の「は」「を」「へ」も、発音どおりに「わ」「お」「え」になるかもしれない。ならないかもしれない。
 とくに根拠はないけど、「じ」と「ず」への統一の可能性はあるかもしれない。
 でも助詞の表記の統一はないと思う。そんなことをすると、すんごいブーイングと言うか混乱が起きるよ。
 どっちにしても当方が生きている間には、そういった話は実現しない気がする。

 ただ、このテの話でひとつだけ「近い将来には……」と感じているものがある。
「こんにちは」(必然的に「こんばんは」も)の表記だ。「こんばんわ」に統一、とまではならないと思うけど、「こんばんわ」でも「間違い」ではない……ということなら可能性が高い。もしかすると、現在でも「間違い」ではないのかも。
 現状のルールでは、「こんにちは」が一般的。これっていつからなんだろう。やはり仮名遣いのルールがかわったときかね。
 当方の一番古い記憶では、昔小学校関連の本をつくったとき、〈「こんにちわ」ではおかしいわ〉というタイトルを使った。内容は、「わ」と「は」の使い分け。新卒のときだから、いまから10年以上前(一片のウソもない)のことだ。


●「わ」を使っている例
1)『今晩わメイコです』
https://kotobank.jp/word/%E4%BB%8A%E6%99%A9%E3%82%8F%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%81%A7%E3%81%99-1716822#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89.E3.83.97.E3.83.A9.E3.82.B9
==============引用開始
デジタル大辞泉プラスの解説
今晩わメイコです

日本のテレビ番組。NHK制作のコメディ。1954年10月~1957年3月放映。出演:中村メイコ。天才子役と言われた中村がメインの20分番組。
==============引用終了

2)『こんばんわ』
 中島みゆきの3曲目のシングル(1976年3月25日リリース)。

3)「握りまして先番」(高島俊男『本が好き、悪口言うのはもっと好き』所収)P.26
 NHKの囲碁番組で、司会の小川誠子(懐かしいなぁ)が、「囲碁ファンの皆さま、こんにちわ」と挨拶することについて書いている。もちろん、小川誠子の話し言葉どんな表記なのかはわからない。「わ」としているのは高島先生。

 さあ、1)~3)は全部単なる誤用と断言できる人はしてもらおうか。
 古い話に関してはほとんど知識がないので、あまりつっつくのはやめておく。
 勉強のために下記を読もうとして挫折した(泣)。
【歴史的仮名遣い教室】
http://www5a.biglobe.ne.jp/accent/kana/index.htm
【平成疑問かなづかひ】
http://homepage3.nifty.com/gimon/


●「こんばんは」の変形
「こんにちは/こんにちわ」にはくだけた形があり、それぞれかなり普及している。
1)こんちは/こんちわ 
2)ちはー/ちわー
3)ちはっ/ちわっ

 たぶん、下に進むほどくだけ方が激しくなり、「ちはっ/ちわっ」あたりだと、原形を意識せずに使っている人もいるのでは。もし原形を意識するなら、「は」を使うべきだろう。
 なんの根拠もないが、1)くらいなら「は」でもよい気がするが、2)3)は「わ」のほうが自然な気がする。
 ちなみに、1)は「こんちは」の形で辞書にのっている(笑)。
https://kotobank.jp/word/%E4%BB%8A%E6%97%A5%E3%81%AF-506350#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
デジタル大辞泉の解説
こんち‐は【今▽日は】

[感]《「こんにち(今日)は」の音変化》昼間のあいさつの語。「こんにちは」よりくだけた言い方。
==============引用終了


●「こんにちわ」になるのは時間の問題?
 いろいろなことを考えると、「こんにちわ」もOKってことになっても不思議はないような。たとえそうなっても、当方は「こんにちは」を使いつづけると思うけど。
 いっそ「こんにちゎ」……やかましいわ。


 こういうサイトもある。この書き手に逆らうのはけっこう度胸が必要なはず。
【日本語、どうでしょう? 第113回 「こんちわ」「ちわー」「ちわっ」】
http://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=113
==============引用開始
神永暁(小学館国語辞典編集部)
2012年06月18日

 最近メールやマンガなどで、「こんちわ」「ちわー」「ちわっ」などという表現を見かけるようになったが、皆さんはこのような書き方に抵抗はないであろうか。さらには「こんにちわ」という表記すら見られる。もちろんこれらはすべて誤用からきているのである。
 言うまでもないことだが、正しくは「こんにちは」と書く。「わ」ではなく「は」と書くのは、元来は「今日はよいお天気で・・・」などの後ろの部分が略されたものだからである。「こんにちは」の「は」は助詞(副助詞)の「は」で、「こんばんは」の「は」も同様である。
 現代語の仮名遣いの拠り所となっている「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示)によれば、助詞の「は」は、「表記の慣習を尊重して」、「は」と書くとしている。そしてその中に「今日は日曜日です」「あるいは」「いずれは」「恐らくは」などとともに、「こんにちは」「こんばんは」もその例として挙げられている。助詞の「は」は「は」と書くというのはちょっとわかりにくいが、要するに助詞の「は」はワと発音されるが、表記する場合は「は」とするということである。
 確かに、「こんにちは」はそう書かなければ間違いである。だが、「こんちわ」「ちわー」「ちわっ」などになるともはや語源意識が薄れて、「は」という助詞であることも忘れられているので、新しい一語の俗語と考えてもいいのかもしれない。実際に仮名遣いは正しくすべきだと言って「は」を使って書いてみると、「こんちは」はまだわかるが、「ちはー」「ちはっ」は読みにくいし、何のことだかわからない。
 このような俗語の誕生を苦々しく感じる向きもあるかもしれないが、「こんちわ」「ちわー」「ちわっ」を否定することが難しくなっていることは確かである。
==============引用終了
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