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グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671

mixi日記2014年09月10日から

 あれ? これもアップし忘れている?

 テーマトピは下記。
【グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=76241185&comment_count=15&comm_id=125916

 大前提として、「グレーゾーン」とはどういうものかの厳密な定義は勘弁してほしい。
 当方に考えられるのは「0」に書いた程度。
・元々は誤用とされていたが、そうとも言い切れないのでは……。
・誤用だの正用だのが入り乱れた結果、何が正しい使い方なのかわからなくなってしまった言葉……etc.
 やはり根拠をあげておいたほうがいいか。あくまでも話題提供のつもりだからホントはこういうことはしたくないんだけど。ヘンな解説をしなくても、わかる人はわかると思うんだけどなぁ。

[0]
【全然+肯定形】
【的を得る】
よくある誤用18──ラ抜き言葉 的を射る/的を得る 全然+肯定形
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n121646
【斜に構える】
よくある誤用1──誤用の御三家 さわり 役不足 斜に構える
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114642

[1]【汚名挽回】
 何がなんだか。
http://matome.naver.jp/odai/2139899391825390701
[2][3]【雪辱】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3073.html
[4]【耳ざわりがいい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3056.html
[5]【異和感】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3056.html
[6]【真逆(まぎゃく)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2283.html
[7]【何気に】 【さり気に】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2499.html
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n152020
[13]【喧々諤々】
よくある誤用9──それも誤用とは言えない 一所懸命/一生懸命 独壇場/独擅場 喧々諤々/喧々囂々/侃々諤々
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118113
[14]【潮時】
よくある誤用5──言いかえがむずかしい(泣) 確信犯 なし崩し 潮時
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116139

【追記】
[16]【ぞっとしない】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1342.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3100.html
[17]【まぬかれる/まぬがれる】
[18]【ぎごちない/ぎこちない 】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n120033
【「くらい」と「ぐらい」】日本語しつもん箱 トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=398881&page=1&id=28491946
[19]【1人で爆笑する】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2866.html
[20]【逆王手】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2503.html
[21]【組みしやすい】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119811
[22]【檄を飛ばす】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[23]【役不足】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114642
[24]【確信犯】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116139
[25]【なるほど】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n122219
[26]【こだわり】 【こだわる】
[27]【生き様】
[51]【さらなる】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119378
[58]【破天荒】
[72]【助長】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119583
[73]【ごぼう抜き 】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[74]【憮然】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n115253
[75]【白羽の矢が立つ】
http://http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[76]【ジンクス 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-195.html
[77]【とんでもありません】 【とんでもございません】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116373
[79]【他人事】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1720867247&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1941.html
[80] 【唯一】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1938548734&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3222.html
[139] 【王道】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n121351
[140] 【善し悪し(よしわるし)】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n117878
[141] 【直截】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-294.html
[146] 感動によって【鳥肌が立つ】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119583
[150] 【的を得る】再び
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2739.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1895622519&owner_id=5019671
[154] 【すさまじい・すさましい・すざましい・すざまじい 】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1181241496
[155] 【物議を醸し出す】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2992.html
[158] 【心が折れる】
424)【「心が折れる」「心を折る」Yahoo!知恵袋】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1825.html
1437)【「週刊ポスト」でもこのレベルですか。ε= (´∞` ) ハァー  「へこむ」「心が折れる」】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12046813531.html
[172] 【憮然】2015年04月22日

[203] 【歴史を紐解く】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=18459809
[204] 【あげつらう】
https://kotobank.jp/word/%E8%AB%96%E3%81%86-423760#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
[205] 【打撃する】

[206] 【壊滅的な出来の悪さ】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12072189199.html
[212] 【美人すぎる○○】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-995.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2940.html

[213] 【悪貨は良貨を駆逐する】

[214] 【登竜門】

[215] 【満を持して飛び出す】

[216] 【肉汁】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1180.html
[219] 【最も○○な人のひとり】 【最も○○なもののひとつ】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3306.html

[235] 【技の難易度】

[237] 【両者とも絶対に負けられない一戦】

[238] 【申し訳ありません】 【申し訳ございません】

[239] 【十本】

[241] 【目の当たりに見る】

[243] 【にやける】

[245] 【バーター】

[246] 【割愛する】

[255] 【見える化】

[257] 【しつらえ】

[264] 【解説者として板についてきました】

[265] 【紐解く】

[266] 【立派な犯罪】

[267] 【性癖】

[268] 【辛党】

[269] 【なし崩し】

[270] 【足元をすくう】 【足下をすくう】

[271] 【爆笑】http://ranking.goo.ne.jp/column/article/3087/

[272] 【「組しやすい】【組みしやすい】【組する】

[273]  同学年の他のクラスの人を指して【同級生】

[274] 【敷居が高い】

[275] 【立ち振る舞い】(燃える闘魂)



【グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現】〈2〉 
ぞっとする ぞっとしない 国語に関する世論調査

 今度は「ぞっとしない」ですか。それも「誤用例が増えている言葉」だと思う。間違える人がどんなに多くなっても、「グレーゾーン」ではなく単なる「誤用」。誤用の意味のほうを採用する辞書が出てきたら、考えてやってもいい。(←何様!) まあ、そんな微妙なことを説明しても理解してもらえないだろうな。
「誤用例が増えている言葉」の例が欲しければ、「国語に関する世論調査」のバックナンバーを調べればいい。いくらでもある。
 文化庁の「国語に関する世論調査」によると、どうやら「ぞっとしない」も間違って意味で使う人のほうが多くなったらしい。
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html

 全文は最後に。
 これさ。質問のしかたがホニャララなんじゃないか? 「誤用例が増えている言葉」ではなく、「使わなくなった言葉」(いわゆる「死語」)じゃないかな。「国語に関する世論調査」に対しては疑問に感じることが多かったが、根本的なところがズレてる気がしてきた。
〈「今の映画は,余りぞっとしないものだった。」という例文〉をあげて、選択肢が「面白くない」「恐ろしくない」の2つだったら、そりゃ「恐ろしくない」を選ぶって。
 これは厳密に言うと「恐ろしくない」を選んだわけではない。聞いたこともない用法だけど、「面白くない」って意味を知らなかっただけ。そうなると、「ぞっとする」(恐ろしい)の反対の意味になりそうな「恐ろしくない」を選ぶしかない。
 でもそれは「恐ろしくない」の意味で「ぞっとしない」を使う人が増えたわけではない。「ぞっとしない」の「意味がわからない」から「使わない」人が増えただけ。ここを混同してもらっては困る。
 ちなみに、当方は「面白くない」も違う気がする。辞書にあるように、「あまり感心しない」「いい気持ちがしない」くらいの意味。普段使う言葉にするなら「ヤな感じ」が一番近い。つまり、「ぞっとしない映画」も相当ヘンだと思う。
 たとえば最近「ぞっとしないニュース」が増えている。決して「面白くないニュース」ではない。聞いて「なんかヤな感じがするニュース」が増えている。ただ、自分で文章を書くときにそれを「ぞっとしないニュース」とは書かない。ほぼ「死語」だと思うから。ジジむさい。

「国語に関する世論調査」の質問の仕方に異和感をもったのは初めてではない。下記のときもそうだった。
【死語の話3 噴飯もの 流れに棹さす】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1914383764&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2885.html
================引用開始
 ホントなんだろうか。「49.0%」のうちほとんどは、「そういう意味だと思い込んでいた」のではなく、知らなかったけど「選択肢から選んだ」(重言?)のではないかと疑っている。だってね。(ア) と(イ)を合わせると、どういう意味なのかは別として約7割の人がこの言葉を知っていたことになる。そんなバカな。
 まあ、「そういう意味だと思い込んでいた」のか「その場で選んで間違った」のかを深く追及する気はない。正しい意味が伝わりにくいことにかわりはない。
 なぜそんなことになったのか。これはいくつかの不幸が重なった結果だと思う。

●目にした用例がまぎらわしかった
(略)

●「食べもの」を噴くほどおもしろいことってあり?
(略)

●「噴」と「憤」を間違ったのでは
(略)
================引用終了

 誤解されそうな「ほぼ死語」をもってきて、ほぼミスリードの選択肢を用意して、「誤用例が増えている言葉」をデッチあげている気がする。
 そんなことになんの意味があるのかはわからない。だったらホントに誤用例が多い言葉について調べなよ。
 だって、「恐ろしくない話」を「ぞっとしない話」なんて使う●●は見たことないよ。試しに「少納言」で調べたら「ぞっとしない」の用例は13件。「恐ろしくない」の意味は……0件。そりゃそうだろう。誰もそんな使い方はしないって。
http://www.kotonoha.gr.jp/shonagon/search_form

 こうして、誰の役にも立たない言葉の雑学ばかりが流布していく。
「ぞっとしない」でネット検索してみれば明らか。しょうもない問答が大量にヒットする。
 ε= (´∞` ) ハァー

【「ぞっとしない」の意味】
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html
================引用開始
文化庁月報
平成25年2月号(No.533)

連載 「言葉のQ&A」
「ぞっとしない」の意味

国語課
 「ぞっとしない話」のように使われる「ぞっとしない」。「国語に関する世論調査」でこの言葉の意味を尋ねたところ,本来の意味とは違う意味で使う人が多いことが分かりました。

問1 「ぞっとしない」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 面白くない,という意味です。
 「ぞっとしない」を辞書で調べてみましょう。

「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっとしない
 特に驚いたり感心したりするほどではない。あまり感心しない。いい気持ちがしない。

「広辞苑 第6版」(平成20年・岩波書店)
ぞっとしない
 それほど感心したり面白いと思ったりするほどでもない。

 「ぞっとしない」の「ぞっと」の意味も確かめておきましょう。

「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっと(副)
(1)恐ろしさで身の毛がよだつさま,極度の恐怖から,からだがふるえあがるような感じのするさまを表す語。
(2)美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す語。
(3)寒さでからだがふるえあがるさまを表す語。
 「ぞっとしない」は「面白くない」「感心しない」という意味の言葉です。「ぞっと」という副詞は,主に恐怖によって寒気を感じるようなときに用いますが,「―しない」の形になったときの「ぞっと」は,「怖い」「恐ろしい」という意味ではありません。文学作品の中に用例を探してみましょう。

 これは先月の幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると,浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが,親愛なる旧友のいう事だから,僕も素直に賛成してさ。
(芥川龍之介  「一夕話」 大正11年)
 「僕」は,旧友の提案について,浅草は余り面白くないと思いながらも素直に受け入れた,ということを言っています。「浅草はあんまり恐ろしくないが」と受け取っては,意味が通じません。これが「ぞっとしない」の本来の使い方です。

問2 「ぞっとしない」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。
答 本来の意味である「面白くない」と答えた人が3割弱,本来の意味ではない「恐ろしくない」と答えた人が5割台半ばという結果でした。
 平成18年度の「国語に関する世論調査」で,「今の映画は,余りぞっとしないものだった。」という例文を挙げ,「ぞっとしない」の意味を尋ねました。結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。)
〔全 体〕
ぞっとしない
(ア)面白くない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.3%
(イ)恐ろしくない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54.1%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9.8%

〔年代別グラフ〕

 全体の調査結果を見ると, 本来の意味ではない(イ)「恐ろしくない」と回答した人の割合が54.1%となっており,本来の意味である(ア)「面白くない」と回答した人の割合(31.3%)を23ポイント上回っています。また,9.8%の人が「分からない」と回答しました。
 年代別に見ると,全ての年代で,本来の意味ではない(イ)の割合が,本来の意味である(ア)の割合を上回りました。16~19歳では,その差が67ポイントありますが,年代が高くなるにつれて(ア)と(イ)の数値が接近し,50代では14ポイント,60歳以上では5ポイントにまで縮まっています。年齢の高い人たちの方が,本来の意味でこの言葉を使う傾向があると言えるでしょう。
 「ぞっとする」という表現は,大抵,恐ろしい思いを表すために用いられます。それで「ぞっとしない」を「恐ろしくない」と捉える人が多いのでしょう。しかし,「ぞっとしない」という言い方は,単純に「ぞっとする」を否定したものではありません。「面白くない」「感心できない」という意味で用いられる,一つの慣用的な言い回しとして考えた方が良さそうです。また,先ほど確認したとおり,「ぞっと」には「美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す」という意味もありますから,そのような意味の否定の形として「ぞっとしない(面白くない)映画だった。」と使われる場合もあると考えられます。いずれにしても,恐怖の表現としての「ぞっとする」を否定した「恐ろしくない」という意味で用いるのは,本来の使い方ではありません。
================引用終了
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よく目にする誤用の御三家 1)さわり 2)役不足 3)斜に構える

 下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html

mixi日記2008年3月16日から

 昨日の日記にもらったコメントへの返信が長くなるので、こちらに書きます。
 以下の記載は手元にいっさいの資料がないため、すべて記憶で書いてます。あとで資料を確認できた段階で不備があれば随時加筆します(ホントかなぁ)。

 当方は勝手に下記の3点を「よく目にする誤用の御三家」と考えている。

  1)さわり
  2)役不足
  3)斜に構える

 1)はテレビで使われるときはたいてい誤用。活字の世界で作家などが誤用する例もよく見かける。それがチェックされないってことは、編集者の間にも相当誤用が浸透しているのだろう。意味と用例は昨日の日記参照。

 2)はマンガの影響が大きい。マンガの中での誤用は多すぎて例示する気にもなれない。対決シーンなどで、「キサマでは役不足だ」って感じで使う。これを正しい意味で考えると相当珍妙なことになる。考えてみると、この言葉を正しく使った例って、活字の世界でもほとんど見たことがない。「言葉の雑学」みたいな本では定番だけど(前に文章の書き方みたいな本〈俗称「赤い本」〉を書いたときも、この「役不足」については多少書いたけど、それほど詳しくはふれなかった。「言葉の正しい使い方」と「文章の書き方」は、ちょっと種類が違うと思うもので)。誤用でしか使われない言葉ってのは哀れすぎる。それだけ取り沙汰されているのに誤用が減らないのは、マンガにかかわる編集者の勉強不足としか言いようがない。カッコいいからってヤタラに使うんじゃない。
 似た例で言えば、「すべからく」の誤用がよく登場するのも、カッコいいからなんだろうな。えーと。「すべて」と同じような意味で「すべからく」を使うのは誤用。本来は「すべからく……すべし」という形で使う。「すべからく……しなければならない」みたいな形も認められているようだ。なんせ、あの丸谷才一が使うくらいだから。
 ちなみに、マンガの中で「役不足」が正しく使われた例を当方は1回だけ見たことがある。一部では現代版『のらくろ』と評される出世魚を描いた作品の中。作品名を書かないことに他意はなく、出世するたびに作品名がかわるので特定できないから。たぶん、「部長」のときだ。フィリピンだかの企業で働く非常に有能な女性を、ヘッドハンティングだか単なるナンパだかが目的で口説く。「君には○○みたいな仕事は役不足だ」
 見本にしたいような使い方(してるじゃん)だった。

 3)はもはや誤用とはいえない気もする。1)や2)の誤用は目にしたことがない天下の朝日新聞様でも、3)に関してはもっぱら誤用のほうを使っている。これに関しては「○月の朝日新聞から」のシリーズで何度か書いているので、興味のある方はご確認いただきたい。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
 
 言葉ってのはナマモノだから、誤用が定着してしまえば、それは誤用ではなくなる。問題は過渡期をどう乗り切るか。個人的には、別にどっちが正しいと強く主張する気はないから、どっちでもいいから早く統一してくれ、と思う。誤用が一般的になればなるほど、正しい意味では使いにくくなる。かと言って誤用のほうで使うのには抵抗がある。その結果、使えない言葉がどんどん増えていくことが悲しい。
 あと、コメントにあった「的を得る」。さすがにまともな知識レベルの人は誤用しないだろう(現段階では)。「的を射る」と「当を得る」の混用だろう。「的を射る」と同様の言葉に、「正鵠を射る」なんてのもある。どこかのトピで「正鵠を得る」も間違いとはいいきれないとか書いてあったけど、真偽のほどは不明。とりあえず「射る」にしとくほうが無難だろう。「正鵠」は的の中心にある黒丸のことなんで、厳密に言えばこちらのほうがずっと正確ってことになる。いまYahooの辞書を索いてみたら、「セイコク」のほかに「セイコウ」って慣用読みがあるらしい。初めて知った。どう勘違いしたらそんな読み方になるんだ。



【追記】
「役不足」に関する「赤い本」の記述は下記。
================================
【Coffee Break】
「役不足」の誤用はマンガの定番

 誤用されることが多い表現としては、次のようなものがよくあげられます。
  役不足/さわり/私淑/斜に構える/気が置けない
 なかでも目にすることが多いのが「役不足」の誤用です。この言葉はもともとは芝居の用語で、「役者の格に比べて、割り当てられた役が軽すぎる」ことを指したといわれます。これが転じて、一般社会でも「当人の力量に比べて役割などが軽い」という意味で使われるようになりました。
 ところが、実際の使用例を見ると、ほとんどが正反対の「力不足」「力量不足」「荷が重い」「荷が勝つ」の意味で使われています。おそらく、「役不足」のほうが語感がよいからです。もう少し正確にいうと、「役不足」のほうがカッコよくて言葉に迫力が感じられるからでしょう。
 この誤用が頻繁に出てくるのは、マンガの対決シーンです。
「キサマじゃ役不足だ!」
 と相手をののしるときに使われます。
「キサマじゃ力不足だ!」
「キサマには荷が重い!」
 と正しい言葉の使い方をすると、間が抜けた感じになります。
「たかがマンガの中の誤用に目くじらを立てなくても……」という考え方もあるでしょうが、マンガの影響力はあなどれません。「役不足」の誤用を目にするたびに、「このまま定着してしまうんじゃないだろうか」と不安を感じます。
 もともとの意味を知らなくても、論理的に考えれば「役」が「不足」しているのですから「力不足」とは逆の意味になるのは明らかです。もっとも、「負けず嫌い」のように論理的には説明できない表現もあるので、あまり強くは主張できませんが。
「役不足」にかわる表現として有力なのは、「役者不足」です。誤用に関する本のなかには「そんな言葉は存在しない」と書いてあるものもありますが、感じが出ている言葉だと思います。新聞でも何度か目にしたことがあり、今後は定着していくかもしれません。
================================

【続きは】↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=877740614&owner_id=5019671

「斜に構える」について書きはじめたらエラいことに……(泣)。
「斜に構える」をめぐって【1】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-874.html

「的を射た」について書きはじめたらエラいことに……(泣)。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-913.html

1)さわりに関する「昨日の日記」は下記です。
================================
爆弾追加。
2008年03月15日01:55

 また、爆弾がひとつ手の中に転がり込んできた。もともともめごとは嫌いなんだけど、体質がかわったかな。

 今度のはね。某社のサービスセンターの係をひとりクビにして社内的に少し騒ぎが起こる程度の破壊力。模倣犯が出ると困るのでちょっと扱いには慎重を期する必要がある。

 先週、某有名メーカーのパソコン周辺機器を買った。これが1週間もしないうちに突然認識されなくなった。14日の朝、メーカーに問い合わせていろいろやり取りした。あまりにもバカな話をたくさん聞いて、しまいには笑い転げてしまった。
 この周辺機器は、大雑把に言ってAとBの2タイプがある。当方が買ったのはスタイリッシュ(これちょっとキーワード)なAタイプだとする。全部書くとすんごく長くなるので、とりあえず「さわり」だけ。ああ、なんて適確な「さわり」の使い方なんだろう。「さわり」は「山場」とかって意味。まあ簡単に言ってしまうと、曲のサビ。テレビなんかで「ほんのさわり」とか言って最初の部分とかを紹介してるのは誤用です。でもね。テレビで頻繁に誤用してると、それは瞬く間に誤用ではなくなるの。こうして日本語は破壊されていく。

 押したり引いたりさんざんゆさぶりかけて、最後はにこやかな会話をかわし、最後の最後にtobirisuが訊きました。「ブッチャケたところ、機器の安全性って面で、Aタイプって弱いんじゃない? 素人考えだけど、どう考えたってそうでしょ。まあ、メーカーさんとしては言いにくいところもあるでしょうけど……」
「あくまで個人的な見解ということで言わせていただくと……」
 いいねえ、「個人的な見解」。好物だよ。本音を聞かせてくれるのね。
「安全性という点では、Bタイプのほうがマサると思います」
 そうでしょ、そうでしょ。誰が考えたってそうでしょ。
「やっぱそうだよね。で、御社の製品だと、Bタイプは……」
「申し訳ございません。当社ではAタイプの製品しか製造しておりません」
 エーッ、そうなの! そりゃ悪いこと言わせちゃった。だってさ、アンタいま自社製品全否定したんだよ。そりゃマズいよ。こっちにはオタクの名前が入ったファックスだってあるんだよ。来週早々にお客様センターに電話してみようか。
「アンタんとこの会社は、安全性を犠牲にしてまでカッコつけたオモチャみたいな欠陥品売ってんだって? とぼけてんじゃねえよ。アンタのとこのサービンセンターの人がハッキリ認めてんだよ、安全性に問題があるって。おかげで買ったばかりの製品がたった1週間で壊れて、スゲー迷惑かかってんだけど……」
 当方の主張はなんか間違ってます?
================================

文化庁の調査では、世間では誤用の意味で考えている人が半数を超えるとか。
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2011_07/series_08/series_08.html
================================引用開始
連載 「言葉のQ&A」

「さわりだけ聞かせる」の「さわり」とは?

文化部国語課
 「話のさわりだけ聞いた。」などと使う「さわり」。「国語に関する世論調査」では,「さわり」の意味を「話などの最初の部分のこと」と考える人が半数を超えているという結果が出ました。この言葉の本来の意味を確かめましょう。

問1 「さわり」は,元々,邦楽に関係する言葉だそうですが,その意味を詳しく教えてください。
答 「さわり」は義太夫節の最大の聞かせどころ,聞きどころとされている箇所を指した言葉でした。それが転じて,音楽や物語の最も感動的な部分,話や文章の要点などという意味で使われています。
  「さわり」は,江戸時代に竹本義太夫が創始した浄瑠璃の流派の一つ,義太夫節で用いられていた言葉です。辞書の記述を見てみましょう。
・「広辞苑 第6版」(平成20年 岩波書店)
 さわり【触り】 (1)さわること。手でふれること。また,触れた感じ。 (2) ア (他の節にさわっている意)義太夫節の中に他の音曲の旋律を取り入れた箇所。曲中で目立つ箇所になる。 イ 転じて,邦楽の各曲中の最大の聞かせ所。「くどき」の部分を指すことが多い。 ウ さらに転じて,一般的に話や物語などの要点,または,最も興味を引く部分。「-だけ聞かせる」

・「大辞林 第3版」(平成18年 三省堂)
 さわり【触り】 (2)浄瑠璃用語。 ア [他の節にさわっている意。普通「サワリ」と書く]義太夫節以外の先行の曲節を義太夫節に取り入れた箇所。 イ 曲中で最も聞きどころ,聞かせどころとされている部分。本来は口説きといわれる歌謡的部分をさす。 (3)[(2)が転じて] ア 広く楽曲で中心となる部分。聞かせどころ。 イ 話の中心となる部分。聞かせどころ。 ウ 演劇・映画などの名場面。見どころ。「西部劇の-を集めて編集した映画」

 このように,「さわり」は,元々,義太夫節の「聞かせどころ」「聞きどころ」に当たる言葉でした。それが,一般的な音楽や物語,話や文章などにも使われるようになったのです。ですから,「話のさわりだけ聞いた。」「曲のさわりを演奏してください。」などと言う場合の「さわり」は,その話の最も重要な点や感動的で印象深いところ,曲の最大の聞かせどころなどを指すことになるのです。
問2 「さわり」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。
答  全ての年代を通して,本来の意味ではない「話などの最初の部分のこと」を選んだ人が多くなっています。

 平成19 年度の「国語に関する世論調査」で,「話のさわりだけ聞かせる。」という例文を挙げて,「さわり」の意味を尋ねました。結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。) 

(ア) 話などの要点のこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・35.1%
(イ) 話などの最初の部分のこと・・・・・・・・・・・55.0%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.7%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・0.2%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.0%

 年代別の結果を示すグラフからも分かるとおり,この言葉については,全ての年代を通じ,本来とは違う「話などの最初の部分のこと」という意味で使う人が多くなっています。60歳以上を除いた年代では,「話などの最初の部分のこと」が6割弱~6割台後半になっており,「話などの要点のこと」を大きく上回っています。
 本来は「中心となる部分」「要点」という意味の「さわり」ですが,「さわりだけ」「ほんのさわりですが」というように,ある部分を限定するような文脈で使われることが多いこと,また,「さわる」という言葉の響きが,物事に軽く触れる,表面的に触れるというような意味で捉えられやすいことなどが重なって,「話などの最初の部分のこと」と連想されてしまうのかもしれません。
================================引用終了


「代用語」にちょうどいいと思っていた「役者不足」にも別の問題が……(泣)。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1669.html


「役不足」に関する文化庁の見解。
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2012_02/series_07/series_07.html

テーマ : ことば
ジャンル : 学問・文化・芸術

逆接の接続詞・接続助詞・終助詞の特殊用法

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【14】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935528999&owner_id=5019671

 テーマサイトは下記。
【けれどもについて】2015/02/15 21:20
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8923248.html
==============引用開始
女子アナや若い女性が、やたらと、話言葉の最後に「けれども」とい言うのが、
耳についてなりません。本来「けれども」の意味は逆説すなわち反対語なのに、
そうでないときも「けれども」と言います。
どう思いますか?
==============引用終了

 もう少し具体的な話がないと、質問には答えにくい。
 辞書的には、「けれども」は接続詞、接続助詞、終助詞の3つの働きがある。「逆接」の接続詞はそういうことが多い気がする。質問の「けれども」は終助詞になる。
『大辞林』のほうが詳しいので、今回は『大辞林』をひく。
https://kotobank.jp/word/%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%A9%E3%82%82-491210#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
けれども

( 終助 )
活用語の終止形に接続する。
①事実とは反対の事柄を願う気持ちを表す。 「もうすこし背が高いといいのだ-」
②実現しそうにない,はかない願いを表す。 「ちょっとでも晴れてくれるとありがたい-」
③軽蔑し,軽んじる気持ちを添える。 「どうせろくなことはあるまい-」
④はっきり言わず,遠回しに述べる気持ちを表す。 「そろそろお時間です-」 〔くだけた言い方では,「けれど」「けども」「けど」などの形で使われることが多い〕
==============引用終了

①②の用法なら「逆接」に近い。
④の用法なら……遠回しな用法で、独り言に近いとでも言うか。①の意味を弱くしたような用法なのだろう。かなり微妙。
 個人的には、終助詞の「けれども」は使わない。
「けれど」「けど」なら使うかもしれないが、「が」もしくは「が……」を使うことが多い。だいたい、逆接に近い遠回しな用法で使っている気がする。
 この終助詞の「が」も、「けれども」も同じように「逆接」に近い意味もあるし、遠回しな用法もある。
https://kotobank.jp/word/%E3%81%8C-456340#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説


( 終助 )
一より転じたもの。体言および体言的なものや活用する語の終止形に接続する。
①事実と反対の事柄や実現しにくい事柄が実現するのを望む気持ちを表す。詠嘆的な気持ちが加わる。「…がなあ」の形をとることが多い。 「早く来ればいい-なあ」 「合格するといい-なあ」
②遠回しに述べる気持ちを表す。 「今日は,早く帰りたいのです-」
③ののしる気持ちを表す。名詞を受ける。 「この大馬鹿ものめ-」
④不審の気持ちを表す。 「はてな,今までそこにいたはずだ-」
==============引用終了

 さらに少し余計なことを書くと、一般に「逆接」とされる接続詞・接続助詞・終助詞には奇妙な用法がある。
●接続詞「しかし」の転換用法
 一般には逆接の接続詞だが、「しかし、暑いねえ」のように転換のような用法がある。
●接続助詞「が」は逆接のほか、順接ほかの意味でも使われる
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2373.html
●「だって」の謎
 接続助詞のときは「逆接」的な意味。接続詞のときには「順接」的な意味。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2164.html

 さらにややこしいことに、話し言葉だと「でも」とか「逆に」を、逆接ではないときに使う人が多い。
「でも」で話しはじめて、話の内容は「順接」なんて例はいくらでもある。
 さて元々の質問の「けれども」は、実際にはどのような使われ方をしていたのだろう。

 接続詞のモロモロに関しては下記参照。
【接続詞(っぽい言葉)の役割──順接/逆接/並列・追加/対比・選択/説明・補足/転換】 【20130314改定版】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2727.html
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