表記の話【4】──「一人」か「独り」か「ひとり」か(【3】は欠番)
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354427241&owner_id=5019671
mixi日記2010年02月08日から
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【2】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354427241&owner_id=5019671
表記の話だと、下記の続きってことになる。
95)【表記の話──「生かして」か「活かして」か】2009年11月30日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1351352794&owner_id=5019671
100)【表記の話【2】──「子供」か「子ども」か】2009年12月04日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354417549&owner_id=5019671
今回のテーマは下記のトピ。
【一人と独りの違いって?】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=50333939
質問の趣旨は明快。「一人」と「独り」はどう違うか。
昔、こういうことを調べるのに辞書を頼りにしていたときはこのテのことによく悩んだ。表記の使い分けに関して、いわゆる国語辞書はあまり役に立たない。「用字用語集」の類いをひくと、だいたいのことはわかる。ただ、この問題は相当むずかしい。
手元の『朝日新聞の用語の手引き』を見ると、以下のように出ている(体裁は少しかえている)。
================================
ひとり
一人〈人数に重点〉
一人口は食えない、一人子、一人旅、一人っ子、一人天下、一人ひとり(一人一人)、一人息子(娘)、娘一人に婿八人
独り〈孤独、独断、独占〉
独り占い、独りを慎む、独り合点、独り言、独り占め、独り相撲、独り立ち、独り寝、独り舞台、独りぼっち、独り身、独り者
================================
ついでだから、共同通信社の『記者ハンドブック』もひいてみる。
「一人」の例はほぼ同じ。「独り」の例が微妙に違う。
『朝日新聞の用語の手引き』にはない例だと「独り決め」「独り旅」(「一人旅」と両方掲載しているが使い分け方は不明)、「独り善がり」(こんなの読めないよ)などがある。
末尾に下記の注がある。
>〔注〕文脈に応じて平仮名書きを活用。
さらにしつこくぎょうせいの『例解辞典』もひいてみたが、新しい情報はなかった。
こんな感じで、何がわかるのか。実はよくわからないorz。例として出ているものはいい(聞いたこともない言葉がいくつもある)。出ていないものは、なんとなく使い分けるしかない。
じゃあ「ひとりで出かけた」はどうする、と訊かれたら、「そんときの気分」としか言えない。たいていの場合、「ひとり」にする。
『朝日新聞の用語の手引き』では、次の項目も立てられている。
================================
ひとりあるき
一人歩き〈人数〉若い女の一人歩きは危険
独り歩き〈独立〉独り歩きの出来る子供
================================
ひとりぐらし
一人暮らし(住まい)〈人数に重点〉一人暮らしの気安さ
独り暮らし(住まい)〈孤独を強調するとき〉独り暮らしの老人の問題
================================
ますます訳がわからない。
>独り歩き〈独立〉独り歩きの出来る子供
って例がおかしくないか? 一般に、「子供のひとり歩き」と言えば「一人歩き」のほうだろう。「子供が社会人になって独り歩きを始めた」ならアリかも。ただし、「独り立ちをした」のほうが自然かもしれない。
はて。1歳になった幼児が「ひとり立ち」したらどっちなんだろう。
「ひとり暮らし」も相当微妙。もしこれに従うと、「一人暮らしの自由を謳歌していたが、風邪を引いて独り暮らしの寂しさを痛感した」ってことになる。
このヘンが悩ましいんで、「独居老人」みたいな言い方が広まった気がする。
考えはじめるとキリがない。
これに横書きの場合「一人」なのか「1人」なのか、いう話もある。
「ひとつ」「ふたつ」をどうするか、という話もある。
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表記の話だと、下記の続きってことになる。
95)【表記の話──「生かして」か「活かして」か】2009年11月30日
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100)【表記の話【2】──「子供」か「子ども」か】2009年12月04日
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今回のテーマは下記のトピ。
【一人と独りの違いって?】
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質問の趣旨は明快。「一人」と「独り」はどう違うか。
昔、こういうことを調べるのに辞書を頼りにしていたときはこのテのことによく悩んだ。表記の使い分けに関して、いわゆる国語辞書はあまり役に立たない。「用字用語集」の類いをひくと、だいたいのことはわかる。ただ、この問題は相当むずかしい。
手元の『朝日新聞の用語の手引き』を見ると、以下のように出ている(体裁は少しかえている)。
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ひとり
一人〈人数に重点〉
一人口は食えない、一人子、一人旅、一人っ子、一人天下、一人ひとり(一人一人)、一人息子(娘)、娘一人に婿八人
独り〈孤独、独断、独占〉
独り占い、独りを慎む、独り合点、独り言、独り占め、独り相撲、独り立ち、独り寝、独り舞台、独りぼっち、独り身、独り者
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ついでだから、共同通信社の『記者ハンドブック』もひいてみる。
「一人」の例はほぼ同じ。「独り」の例が微妙に違う。
『朝日新聞の用語の手引き』にはない例だと「独り決め」「独り旅」(「一人旅」と両方掲載しているが使い分け方は不明)、「独り善がり」(こんなの読めないよ)などがある。
末尾に下記の注がある。
>〔注〕文脈に応じて平仮名書きを活用。
さらにしつこくぎょうせいの『例解辞典』もひいてみたが、新しい情報はなかった。
こんな感じで、何がわかるのか。実はよくわからないorz。例として出ているものはいい(聞いたこともない言葉がいくつもある)。出ていないものは、なんとなく使い分けるしかない。
じゃあ「ひとりで出かけた」はどうする、と訊かれたら、「そんときの気分」としか言えない。たいていの場合、「ひとり」にする。
『朝日新聞の用語の手引き』では、次の項目も立てられている。
================================
ひとりあるき
一人歩き〈人数〉若い女の一人歩きは危険
独り歩き〈独立〉独り歩きの出来る子供
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ひとりぐらし
一人暮らし(住まい)〈人数に重点〉一人暮らしの気安さ
独り暮らし(住まい)〈孤独を強調するとき〉独り暮らしの老人の問題
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ますます訳がわからない。
>独り歩き〈独立〉独り歩きの出来る子供
って例がおかしくないか? 一般に、「子供のひとり歩き」と言えば「一人歩き」のほうだろう。「子供が社会人になって独り歩きを始めた」ならアリかも。ただし、「独り立ちをした」のほうが自然かもしれない。
はて。1歳になった幼児が「ひとり立ち」したらどっちなんだろう。
「ひとり暮らし」も相当微妙。もしこれに従うと、「一人暮らしの自由を謳歌していたが、風邪を引いて独り暮らしの寂しさを痛感した」ってことになる。
このヘンが悩ましいんで、「独居老人」みたいな言い方が広まった気がする。
考えはじめるとキリがない。
これに横書きの場合「一人」なのか「1人」なのか、いう話もある。
「ひとつ」「ふたつ」をどうするか、という話もある。
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テーマ : 日本語教師・語学留学
ジャンル : 学校・教育