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逆接の接続助詞「ものの」「ながら」「つつ」「にもかかわらず」「のに」の微妙なニュアンスの違い【1】&【2】

 トピにリンクを張る関係があって、下記の日記(公開制限あり)の毒抜き編です。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1364851493&owner_id=5019671

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354427241&owner_id=5019671

mixi日記2010年02月24日から

 予想どおり、下記のトピが妙な展開になった(泣)。
【日本語の難しさはここだ】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=48876406

 とりあえず、トピ主が書いた「0」を要約する。

================================
 下記の接続詞の使い分けが知りたい。

1.ものの
2.ながら
3.つつ
4.にもかかわらず
5.のに
================================

 トピを立てた文章を読んで、「なんかヘン」な感じがわかるようになってきた。
「なんかヘン」と思ったときは、トピ主の真意を確認するようにしている。多少感じが悪いかもしれないけど。
 もちろん、フツーの人で単に言葉足らずだったなんてときもある。そのときはそのときで改めてコメントを入れて非礼を詫びる。以降はフツーのコミュニケーションになる。余計な手間かもしれないけど、徒労に終わるよりはずっとマシだ。

 まず、ミニ知識。
 トピ主がこういう高飛車な書き方をする人だと、トピがグチャグチャになる可能性が高い。人の話を聞こうとしないから、まともな展開にはならないことが多い。
 様子を見る意味も含めて下記のコメントを入れた。

================================
1 2009年12月13日 13:43
tobirisu
 相当日本語が達者な方のようなので、それなりの書き方をします。

 当然辞書は引いてますよね。
 1~5を接続詞と考えた根拠はなんでしょうか。
 1~5に関してそれぞれ例文をあげていただけませんか。
 まずそこから始めませんか。

>基本的には”のに”という意味になるらしい

 なぜそうお考えですか? とくに「2.ながら 」「3.つつ 」は疑問です。
================================

 コメントが歯抜けになって流れはズタズタ。
 すみません。どなたか「9」のコメントの意図を教えてください。機種依存文字がバケているせいか、何が目的なのかサッパリわかりません。

「12」で「9」のコメントの補足があった。そういうことになるでしょうね。
 だから当方が「1」で書いてるでしょ。〈とくに「2.ながら」「3.つつ」は疑問です〉って。
 以下は某所に書いたコメントです。

【tobiクンのコメント】=====================
>これは「同時並行」の「つつ」で、逆接の「つつ」ではありません。
>「ながら」にも「逆接」と「同時並行」があります。

 当方がトピの「1」のコメントで言いたかったのもこの点です。
「ながら」「つつ」とも逆接以外の用法があります。むしろ、「同時並行」のほうが一般的でしょう。その点で、ほかの「接続助詞」(だと思います)とは違うでしょう。
 あのなかで比較するなら「ながらも」「つつも」でないと話がグチャグチャになると思います。

 コメントの「1」に関してはほかにも補足したいことがあるのですが、トピ主のコメントがないならそんことをする気にはなれません。
 気が向いたら、例によって公開制限つきの日記でグチグチ書くかもしれません。
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 そういうことも、辞書をひけばわかるはず。辞書というものには通常品詞がのっているし、ちゃんと読めばいろいろなことがわかる。接続する品詞なんかものってるんじゃないかな。

 一般的な接続詞なら、下記のように分類しているサイトもある。
http://www.scribd.com/doc/2346343/%E3%82%88%E3%81%8F%E4%BD%BF%E3%81%86%E6%8E%A5%E7%B6%9A%E8%A9%9E%E3%81%AE%E6%A9%9F%E8%83%BD%E5%88%A5%E4%B8%80%E8%A6%A7

 以前、接続詞に関しては当方も下記で分類している。ああ、この一覧も整理しないと。
【第2章2】接続詞
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=900405956&owner_id=5019671

 でもここでトピ主があげたものは、一般には接続詞でないからそういう分類とかには入ってこない。「にもかかわらず」あたりになると、「接続詞と同じような働きをすることがある言葉」(井上ひさし流に言えば「接続言」)だろう。こんなのほかにもいろいろあるんじゃないかな。そういうものの「使い分け」を考えるのは気が遠くなるような作業だけど、どんな意味があるの? まして、「応用」って何?
 たとえば、「逆接の接続詞」をどう使い分けるのか、と訊かれたらどう答えるべきか。「基本的には同じだけど、文脈による」としか言えないと思う。違う言葉なんだから、微妙なニュアンスは違うだろう。文脈によってAは入るけどBは入らない、ってことはある。
 ものすごく簡単な例をあげると、かたい文体なら「でも」より「しかし」のほうがふさわしい。でも意味はかわらないし、「でも」が間違いってわけではない。それもこれも文脈しだい。
 だから、「例文をあげていただけませんか」と書いたの。この場合はどれがふさわしいか、という問題なら、考えようもある。でも、具体的な例文もなしに、似たような言葉をあげて使い分けを考えるなんて……で、できるんだろうか。

「18」のコメントの趣旨はわかる。でも、この書き方で伝わるのかね。「ガ、」の問題ってものすごく奥が深い。よほど整理して書かないとむずかしいと思う。
 ちなみにこれに関連して用意したのが下記。こんだけ書いても、いまだによくわからないのは当方がバカだから?orz。
【「ガ、」の修辞学】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1364668143&owner_id=5019671


逆接の接続助詞「ものの」「ながら」「つつ」「にもかかわらず」「のに」の微妙なニュアンスの違い【2】

 トピでやり取りしたコメントを転記する。

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24
2010年12月08日 10:09
>18
 なんで清水幾太郎ごときを出されるのか分かりませんが、私が知っている限り、この現象は50年代に国立国語研究所によってまとめられています。
『現代語の助詞・助動詞:用例と実例』秀英出版
『話しことばの文型1:対話資料による研究』秀英出版
 初出がどうとか言うことに何の意味があるか分かりませんが。最新のまとまったものは、既出かもしれませんが、
白川博之2009『「言いさし文」の研究』くろしお出版

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26
自分のコメントを削除する2010年12月08日 21:17
tobirisu

>24

 これはひょっとすると当方の「22」に対するコメントでしょうか。
 その前提で書きます。

>なんで清水幾太郎ごときを出されるのか分かりません 
「ごとき」ですか……。
 何冊かの文章読本にそう書いてあったもので……。
 一例をあげるなら、野口悠紀雄『「超」文章法』です。
 ただ、専門的には先に書かれたものがあるのですね。ご指摘ありがとうございます。
「ガ」の話には興味があります。できればどのような内容なのか教えていただけませんか。当方が理解できるようなものなら、ぜひ読んでみたいと思います。
 清水幾太郎の文章の一部は↑をご参照ください。

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27
2010年12月09日 00:18

>26tobirisuさん
 間違いのご指摘ありがとうございます。仰る通り22です。
 リンク先の清水からの引用箇所、拝読しました。一見して、無定義な文法用語(「逆接」「順接」)を多用した言語指南書であると分かりました。術語の意味する内容が、同じ文章の中で一貫していません。清水とも共通しますが、野口の「曖昧」の意味も一貫しないものです。一つの術語を一貫した内容で使っていないというその点だけをとっても、これらの文章は、文章読本類の精神に沿って添削されるべきものです。
 文章読本の類に功徳がないとは思いません。いい文章を書くにはそれなりのガイドラインと訓練が必要でしょう。
 ただ、そのためにしては、多くの言語指南書は、提供するものがずれています。いい文章を書くために必要なことは、大抵、論理的に考えて読み手の立場に立って何度も推敲する、という大枠だけで済んでしまうもので、細かい語法などに拘るのがいい文章への道であるとは思えません。
 人間に正しい言葉はこれだと教えるのは、カラスに巣の作り方が正しくないと非難するのと同じような感覚を覚えます。古い本ですがピンカー『言語を生みだす本能(下)』NHK出版の12章「言語指南役たち:規範的ルールの誤り」は何度読まれてもいい文章だと思います。言語指南役たちが文法を碌に理解していないことが暴かれています。これの日本語版も書かれれば面白いかと思いますが、多分、言語指南役の本よりも売れないので出版されないでしょう。

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 コメントをくれたかたは当方のよりはるかに文法に詳しいかたなので、言葉を返すのはちょっと心苦しい。当方は文法の専門用語などほとんど知らないし、ちゃんと勉強した経験もない。ただ、「文章読本」に関しては、多少知っている(笑)。

 大前提として清水幾太郎〈ごとき〉という書き方には異和感がある。かの『文章読本さん江』が文章読本の「御三家」に入れた名著である。なんの根拠も示さずに〈ごとき〉とか言われても……。
 たぶん、清水幾太郎は「順接」とか「逆接」という言葉は使っていない。当方がこの言葉を初めて目にしたのがいつなのかは記憶にないが、いろいろな本で見るし便利なのでよく使う。接続詞の分類をするときなどに便利。文法用語か否かは知らないが、Web辞書にもあるし、わかりやすい言葉だと思う。「術語の意味する内容が、同じ文章の中で一貫」しているか否か、具体的に書いてもらわないと判断できない。
「曖昧のガ、」と言いはじめたのは野口悠紀雄だと思う。それについてはリンク先http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1364668143&owner_id=5019671に書いた。
 野口悠紀雄のあの本はいろいろ不備があり(下記参照)、「曖昧のガ、」に関する記述にも疑問がある。その点に関しても、当方の「曖昧のガ、」についての考えも、リンク先に書いた。少なくとも自分が書いた部分に関しては一貫性があると思っている(たぶん)。

>ただ、そのためにしては、多くの言語指南書は、提供するものがずれています。
 それに関しては、大きく2派に分かれる。
1)主題・構成を重視するべき
2)表現を重視するべき
 それに関しては、以前書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=728372985&owner_id=5019671
 結論部だけ書く。主題・構成のほうが重要に決まっている。しかし……。
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 表現に関する心得は、文章道のなかでは瑣末な問題だ。しかし、ソコソコの文章を目指すなら、非常に重要になる。ソコソコの文章ってどういう文章なのか、ってことを一応ハッキリさせておきたい。頭が痛くならずにスンナリ理解できる程度の文章、と考えてほしい(ちっともハッキリしていないが、正確な定義なんてできません)。
「そのぐらい誰だって書ける」と思う人もいるだろう。逆にきいてみたい。ここまでに引用してあった文章は、すべてスンナリ理解できただろうか(引用部以外についてはきいてないんだから考えなくてよろしい)。引用した当人は、頭痛を感じたものがけっこうある。
 文章読本を書くほどのセンセーでさえ、こうなのだ。フツーの人がフツーに書いた文章は、頭痛のタネになることがあっても不思議ではない。
 主題や構成に関しては、文章の種類によってさまざまな意見が飛び交ったりして、収拾がつかなかった。しかし表現に関しては、ちょっと事情が違う。テーマによっては意見が飛び交うこともあるが、さほど複雑ではない。しかも、表現の問題は文章の種類を問わずに通用することが多い。この点がとっても大事。
================================

>ピンカー『言語を生みだす本能(下)』NHK出版の12章「言語指南役たち:規範的ルールの誤り」
 ですか。図書館で探してみます。

『文章読本さん江』に関しては下記。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=794869993&owner_id=5019671
『「超」文章法』に関しては下記。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=954734558&owner_id=5019671
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テーマ : ことば
ジャンル : 学問・文化・芸術

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