「末代までの恥」 「末代の恥」 3
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1354427241&owner_id=5019671
mixi日記201年03月24日から。
下記の続き。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1120.html
先日来世間を賑わせて(賑わわせて?)いる言葉「末代の恥」。
これって「末代までの恥」が正しい言い方ではないか、って疑問。
例によってネット辞書(『大辞泉』)をひく。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%9C%AB%E4%BB%A3&dtype=0&stype=2&dname=0na&pagenum=1&index=20276517362200
================================
まつ‐だい【末代】
「まつだい」を大辞林でも検索する
1 死んでからのちの世。後世。「―までの恥」
2 道義の衰えた末の世。末世。
・「かやうの事、―ざまには何となき事にてあるにこそ」〈愚管抄・二〉
================================
『大辞林』も大差はない。用例は「末代まで恥をさらす」「人は一代名は末代」。
これを見る限り、「末代までの恥」と考えるのが素直だろう。
ところが、成句を見ると事情がかわってくる。まず『大辞泉』。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%81%A0%E3%81%84&stype=2&dtype=0
================================
聞(き)くは一時(いっとき)の恥聞かぬは末代(まつだい)の恥
知らないことを聞くのは、その場では恥ずかしい思いをするが、聞かないで知らないまま過ごすと、一生恥ずかしい思いをしなければならないということ。問うは一旦の恥、問わぬは末代の恥。
================================
『大辞林』の記述もほぼ同じ。「末代」が「一生」の意味になっている。なんでこんなことに……。
手元の『成語林』をひく。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」の項は当然ある。問題はその解説。
「聞くは一旦の恥、聞かぬは末代の恥」「聞くはその時の恥、聞かぬは一生の恥」ともいう、とある。
類語とそして「問うは一旦の恥、問わぬは末代の恥」もあげられている。
『成語林』では「末代」がどんな意味なのかふれていない。フツーに考えれば「死んでからのちの世。後世」くらいの意味だろう。
ただ、『大辞泉』『大辞林』の記述を見るに、「一生」の意味で使われていてもなんら不思議はない。
さらに、どっちの意味で使われているにして、「末代の恥」という言い回しが存在するのだから、話題の監督の「末代の恥」を誤用と決めつけるのはむずかしい。
でもさ。フツーは「後世」の意味だろうな。だからこそ「末代まで」で、「現世はもとより子々孫々まで」って意味になるんだから。
仕事のゲラに「末代の恥」が出てきたら、「末代までの恥」にする。「聞くは一旦の恥、聞かぬは末代の恥」が出てきたら、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」にする。
だって、誤用ではなくても、異様なものは異様だもん。
ところで、「後世」と「後生」ってどう違うの?
……こうして得体の知れない話がズルズルと続いていく(泣)。
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先日来世間を賑わせて(賑わわせて?)いる言葉「末代の恥」。
これって「末代までの恥」が正しい言い方ではないか、って疑問。
例によってネット辞書(『大辞泉』)をひく。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%9C%AB%E4%BB%A3&dtype=0&stype=2&dname=0na&pagenum=1&index=20276517362200
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まつ‐だい【末代】
「まつだい」を大辞林でも検索する
1 死んでからのちの世。後世。「―までの恥」
2 道義の衰えた末の世。末世。
・「かやうの事、―ざまには何となき事にてあるにこそ」〈愚管抄・二〉
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『大辞林』も大差はない。用例は「末代まで恥をさらす」「人は一代名は末代」。
これを見る限り、「末代までの恥」と考えるのが素直だろう。
ところが、成句を見ると事情がかわってくる。まず『大辞泉』。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%81%A0%E3%81%84&stype=2&dtype=0
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聞(き)くは一時(いっとき)の恥聞かぬは末代(まつだい)の恥
知らないことを聞くのは、その場では恥ずかしい思いをするが、聞かないで知らないまま過ごすと、一生恥ずかしい思いをしなければならないということ。問うは一旦の恥、問わぬは末代の恥。
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『大辞林』の記述もほぼ同じ。「末代」が「一生」の意味になっている。なんでこんなことに……。
手元の『成語林』をひく。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」の項は当然ある。問題はその解説。
「聞くは一旦の恥、聞かぬは末代の恥」「聞くはその時の恥、聞かぬは一生の恥」ともいう、とある。
類語とそして「問うは一旦の恥、問わぬは末代の恥」もあげられている。
『成語林』では「末代」がどんな意味なのかふれていない。フツーに考えれば「死んでからのちの世。後世」くらいの意味だろう。
ただ、『大辞泉』『大辞林』の記述を見るに、「一生」の意味で使われていてもなんら不思議はない。
さらに、どっちの意味で使われているにして、「末代の恥」という言い回しが存在するのだから、話題の監督の「末代の恥」を誤用と決めつけるのはむずかしい。
でもさ。フツーは「後世」の意味だろうな。だからこそ「末代まで」で、「現世はもとより子々孫々まで」って意味になるんだから。
仕事のゲラに「末代の恥」が出てきたら、「末代までの恥」にする。「聞くは一旦の恥、聞かぬは末代の恥」が出てきたら、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」にする。
だって、誤用ではなくても、異様なものは異様だもん。
ところで、「後世」と「後生」ってどう違うの?
……こうして得体の知れない話がズルズルと続いていく(泣)。
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