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突然ですが問題です【日本語編16】──間違い/間違え 寝違い/根違え【解答編】

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486031711&owner_id=5019671

mixi日記2010年07月日から

 まず問題を再掲する。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1529579379&owner_id=5019671

================================
【問題】
 問題と言うよりアンケートです。
 次の1)~6)の言葉の組のどちらを使うか答えなさい。
 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
「の」の4連発だ。

1)間違い/間違え
2)寝違い/寝違え
3)仲違い/仲違え
4)場違い/場違え
5)着替い/着替え
6)しつらい/しつらえ
================================

【解答例】
1)間違い ※「間違え」も間違いではない
2)寝違い/寝違え ※両方ともアリ
3)仲違い
4)場違い
5)着替え ※読みは「きがえ」。ちなみに「着替える」は「きかえる」が本来の形らしい
6)しつらい ※「しつらえ」も間違いとは言いきれない

「間違い 間違い」で検索するといろいろヒットする。気になったものがいくつかあるが、最後に回す。
 けっこうたいへんなことになる予感はあったが、予想以上に訳のわからないことになった。
 泣きながら書く。次回はもっと簡単な問題にしよう……(泣)。
 以下、辞書はWeb辞書の『大辞泉』をひいている。

1)間違い ※「間違え」も間違いではない
 よくわからないないなりにまとめると、まず動詞の形が2つあることが、紛らわしさの根源。
  間違う(五段活用)
  間違える(下一段活用)
「間違う」は本来は自動詞だったが、現在では他動詞としても使うらしい(そのことが今回の問題と関係あるか否かは不明)。自動詞/他動詞問題には極力近づかない。コソコソ。
 動詞の連用形が名詞化するのはよくあること(厳密に言うと卵と鶏のどちらが先かは不明の気がする……動詞の連用形が名詞化したのか元々名詞があったのかは不明ってこと)。
  「間違う」の連用形が「間違い」。
  「間違える」の連用形が「間違え」。
 だからどちらも間違いではない。
 ただし、一般的には「間違い」が優勢。個人的には「間違え」には相当異和感がある。

 2)以降のこともザッと書いておこう。
2)寝違い/寝違え ※両方ともアリ
「寝違う」「寝違える」も1)とほぼ同様だろう。ただ、こちらの場合は「寝違い」と「寝違え」のどちらが優勢なのかは不明。
 ↓の参考2)で「寝違い」がナシとしいている根拠はなんなのだろう。個人的な語感ではたしかに「寝違え」だが、法則性(後述)を考えると「寝違い」が正しい気がする。

3)仲違い
 読みは違(たが)い。辞書には「仲違(ちが)い」もあるが無視する。(←オイ!)
 動詞の「違(たが)う」「違(たが)える」も1)とほぼ同様。名詞形は「違(たが)い」「違(たが)え」の両方があることはあるが、圧倒的に「違(たが)い」が優勢だろう。とは言っても、「違(たが)い」単独で使うことはほとんどない。
 辞書をひくと下記のような言葉が目につく。
  方違い/心違い/仲違い
 このうちイチバン目にするのは、「仲違い」じゃなかろうか。
 ちなみに「違え」で終わるほうは下記。こんな言葉知らんよ。
  忌み違え/方違え/言葉違え/節分違え/所違え
 なぜ「仲違え」とは言わないか。そんなことは言葉の神様でないからわかりません。

4)場違い
「間違う/間違える」の「間」がとれるとちょっと事情がかわる。
「違(ちが)う」は五段活用の動詞で「違(ちが)える」は下一段活用の動詞という点は同じ。しかし名詞形は「違い」で、複合語でなければ「違え」とはまず言わない。
「場違い」には動詞形がないので、「場」+「違い」と考えるのが素直だろう。
 同様に動詞形をもたない言葉は「~違い」になる
  板違い/従兄弟違い/色気違い/色違い/お門違い/思惑違い/顔違い/
  門違い/考え違い/管轄違い/勘違い/気違い/季違い/桁違い/見当違い/
  ※以下略
 動詞形をもつ言葉には以下のようなものがある(微妙なものもある)。これらのなかには1)2)と同様に「○○違い」のほかに「○○違え」の形をもつものもありそうだ。なかには「食い違い」のように、「食い違える」の形がない(たぶん)ので「食い違え」とは言わないものもある。
 このあたりは未検証です。キッパリ<( ̄- ̄)>
  行き違い/入り違い/入れ違い/打ち違い/思い違い/掛け違い/聞き違い/
  食い違い/組み違い
  ※以下略

 以上のことから導き出される暴論。
 現状では2つの形が共存している。
  A「○○違い」と「○○違え」の両方の形があるもの
  B「○○違い」の形しかないもの
 このように似た形がある場合、簡明な形、汎用性のある形に統合されている傾向がある。その統合は、多くの場合、使用頻度の高いものから進んでいく。
 なんの理由もなく「間違い」が優勢になっているのが、その典型。
 わかってます、わかってます。例外は多数あります。「はき違い」より「はき違え」のほうが優勢です。と言うより、辞書を見る限り、「はき違う」も「はき違い」もない。なんで?
「取り違え」も同様か。ほかにもありそうだな。 

6)しつらい/しつらえ
 この問題に関しては何度か書いてきた。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1337.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-925.html
※P.68~の〈愁ひつゝ岡にのぼれば花いばら〉の項参照。

 今回の法則にのっとって考える。
  「設う」の連用形が「しつらい」。
  「設える」の連用形が「しつらえ」。
 だからどっちもアリってこと。でもなぁ。「室礼(しつらい)」と書く語は、まったく出自が違う気がする。

 ここから先は完全なヨタ話。下記あたりは、一応今回の法則で説明できる。
  誘う→誘い
  ※「さそう」と読むか「いざなう」と読むかは知らない
  誂える→誂え
  ※文語形の「誂う」があるんだから「誂い」があってもおかしくはない
  拵える→拵え
  ※「設う」「誂う」があるのになぜか「拵う」はない

 いろいろ考えているうちに、強力な例外にブチ当たった。
  整う(五段活用のいわゆる自動詞)
  整える(下一段活用のいわゆる他動詞)
「整う」の連用形の「整い」も、「整える」の連用形の「整え」も辞書には見当たらないorz。


参考1)「間違い → 間違う(五段活用)の連用形 間違え → 間違える(下一段活用)の連用...
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q118623441
※質問がちょっと違うせいもあって、何がなんだか。

参考2)【「着替える」「寝違える」の名詞形は「着替え」「寝違え」ですよね。なぜ「間違え...】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1243135982
※どこまで正しいのかよくわからん。

『間違い』『間違え』の違い
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa479177.html
※肝心のNHKのリンクは切れている。ほかのコメントをよく読むとかなり悩ましい。

「間違え」「間違い」どっちが正解?
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa4920098.html

参考3)【「間違え」という言い方について】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1813575.html

 mixiで関係しそうなのが、ありそうで見つからない。
 とりあえず下記くらいか。
【間違うと間違える】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=16240231

参考4)【あくまでもあくま。】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27752558
※「6」のコメントに補足がないのはなぜ? 質問者が納得したからいいか。

参考5)【気になってる日本語】(51~59)誤用が気になる派(日本語) トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=3&comm_id=222342&id=11795092
※「間違い/え」とは関係ないが、ちょっとメモしておく。


【追記】
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/057.html
================================引用開始
間違う? 間違える?

2001.12.01
「間違う」と「間違える 」とは、どう違うのでしょうか。

非常に微妙な違いがあります。「間違う」は「正しい(あるべき)状態から外れていること」、「間違える」は「AとBとを取り違えること」がそれぞれ意味の中心になっていると言えます。
解説
まず「間違う」は、ある「正しい状態」があるのにそのようになっていない、というときに使われます。例えば「人として間違った道を歩む」の場合、「道義的に正しい生き方」というものがあるにもかかわらずその道を歩んでいない、ということを表します。この場合、「人として間違えた道を歩む」とはふつう言いません。
一方「間違える」は、ある2つのものについて「取り違える」ことを表します。「ブーツの左右を間違えて履いてしまった」と言った場合、「右と左とを取り違えてしまった」という意味になります。ただし、右用は右足に、左用は左足に履くのが正しい履き方だ」というニュアンスがあれば、「間違って履いてしまった」と言うことも可能です。
何かの試験を受けたときに、「あるべき正解から外れた」という意味では「答えを間違った」ですし、「正解はAであるのにBと書いてしまった」という意味では「答えを間違えた」ということになります。多くの場合には両方とも使えることが多いのですが、とらえ方が違うのです。
なお名詞の形になると、どんな場合でも「間違え」より「間違い」のほうが多く使われるようです(例「[間違い/間違え]を見つけた」)。
(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)
================================引用終了
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