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【10分の読み方は「じっぷん」か「じゅっぷん」か、はたまた……】日本語

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486031711&owner_id=5019671

mixi日記2010年07月11日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1535051181&owner_id=5019671

テーマトピは下記。
【「4分」「10分」の読み方について】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=54614817

 トピ主の「0」から抜粋する。
================================
初級クラスで、時刻の表現を導入しようとしています。
「4分」と「10分」の読み方について、養成講座では「よんぷん」「じっぷん」と習いましたが、
●4分については、Japan Timesから出ている辞書に
「『~分』という単位の発音は、『~本』と同じ変化をするが、数字が3のときだけ『b』音ではなく『p』音になる」(つまり、数字が3のとき以外は、「~本」と同じ発音になるということで、「4分」も「4本(よんほん)」と同じく「よんふん」と読む)
と書いてあり、
●10分については、Japanese For Busy Peopleに
「じゅっぷん(Juppun)」
という表記が出ています。
================================

「4分」は「よんぷん」が一般的らしい。「よんふん」でも間違いではないと思うけど、天下のNHKに逆らう気はない。受信料を払う気はもっとない。これが漢字の読み方のテストに出ることはないだろうな。
「9」「10」のかたが歴史的な音韻変化?についてふれた。これに関しては『大野晋の日本語相談』に同じような記述がある。「9」「10」コメントと大野晋説がどう違うのか、当方の知識ではなんとも言えない。
 大野晋先生も「三杯」「三本」がb音になり、「三敗」「三泊」「三発」「三歩」がp音になった理由は「ちょっとわかりません」と書いている。そんな難問が当方にわかるわけがないorz。
 かなり専門的な話なんで、どこを抜粋したらよいかもわからない。しかたがないので、全文をスキャンして末尾に転載する。ちょっと問題がある行為なので、この画像はしばらくしたら削除する。
 あれ? 「9」「10」のコメントが消えてるorz。

 問題は「10分」。これは昔からよく話題になるテーマで、「じゅっぷん じっぷん」で検索すると山ほど出てくる。歴史的なことも踏まえた下記がわかりやすいかも。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=119628801&sort=1

 問題を切り分ける必要はないのかな。
 そもそも「10分」と「十分」って、読み方はおなじなの?(意味がかわる「じゅうぶん」に関しては考えない)
 たとえば「一人」「一つ」を「ひとり」「ひとつ」と読むのはOKだが、「1人」「1つ」を「ひとり」「ひとつ」と読むのはおかしい、と主張する人がいる。一理あると思う。そういう主張をする人は「10分」をなんて読むのだろう。「10」は「じゅう」としか読まないだろう。少し無理すれば「とう」なんだろうな。
 そんな意地悪を言ってもしょうがないから、「10分」と「十分」はほぼ同じということにしよう(笑)。
 編集・出版業の常識として、「十分」を「じゅっぷん」と読んだら間違い。アナウンサーの現場では「じゅっぷん」も許容とか言われても困る。
 歴史的なことはよくわからないが、常用漢字表を見れば明らか。「十」の読みは「ジュウ・ジッ・とう・と」しかないから、「じゅっぷん」にはならない。これは小学校の低学年で習うらしい。一般には「じゅっぷん」と言っている人が多いかもしれないが、だからと言って常用漢字表を無視してもらっては困る。学校教育は常用漢字表に準じているはずだし、編集・出版業だって、基本的には常用漢字表に従っている。
「実際にはこう言っている」なんてことを言いはじめると、「女王」はどうする「体育」はどうするという話になる。そーゆーことって書くのか、って話も出てくるし、はては最近は「ふいんき」と言う人が多いなんてヨタ話も出てくる(笑)。
 ちなみに、「一人」を「ひとり」と読むのも変則的だが、これは常用漢字表の【付表】にあるから何も問題はない。

【追記】
 信頼できるサイト(国立国語研究所)を見つけたので、転載しておく。
http://www.ninjal.ac.jp/products-k/kokken_mado/qa/
【「十本」などの「十」の発音は?】(第9号)
http://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/kokken_mado/09/06/
================================
質問
「十本」などの「十」の発音は,辞書には「ジッ」とありますが,「ジュッ」と発音するアナウンサーもいます。どちらが正しいのでしょう。

回答
現在刊行されている国語辞典を引いてみると,見出し項目としていずれも「ジッ」の方を主に採用しています。「常用漢字表」にも「十」の読み方として,「ジュウ」と「ジッ」はあっても「ジュッ」はなく,語列として「十回」は「ジッカイ」を採っていることから,「十本」などの「十」の発音は,一般に「ジッポン」のように「ジッ」とするのが標準的であると言えそうです。

歴史的仮名遣いでは「じふ」と書くように,漢字音の系統からもともと「十」の字音は「ジフ」でした。「フ」を末尾に持つ字音は,サ行,タ行,カ行,パ行の音で始まる語に続いていくとき,例えば「合 カフ→カッ(合戦)」「執 シフ→シッ(執権)」のように促音化しました。17世紀初頭の『日本大文典』『日葡辞書』にも,当時の発音として「ジッ」に当たる発音が示されているだけで,「十本」は本来「ジッポン」であったと判断できるわけです。その一方,この「ジフ」は長音化して「ジュウ」に変化していきます。「ジュッ」が生じたのは,おそらく「ジフ」から長音化した「ジュウ」が,先のサ行等の音で始まる語に続いていくときに,既存の「ジッ」という発音に影響を受けて,「ジュウ」→「ジュッ」と類推してしまったと考えられます。

では,「ジュッ」は間違いかというと,平成5年のNHK言語調査では「十中八九」について「ジュッ」の支持者が61%と多いように,現在では「ジュッ」と発音する人がかなりいます。さらに,昭和41年のNHK放送用語委員会で「20世紀」の発音として「ニジッ・ニジュッ」の両様を採ること,また「十」の発音の「ジッ」「ジュッ」については,他の用例についてもすべてこの決定を準用することを決めています。放送での標準発音の集大成とされるNHK編『アクセント辞典』でも,41年版から「二十本」「五十歩百歩」など,両様の発音を平等に認めています。つまり,伝統的には「ジッ」であるというだけで,実際には年代層あるいは地域によっていろいろであり,同じ東京でも「ジッ」と発音する人も「ジュッ」と発音する人もいるというのが現状なのです。

時代とともに言葉は変化し,発音にも「ゆれ」が生じます。伝統的な規範があったとしても何を規範とするかについては多様性があると考えられます。
================================



【引用のご作法10 「十」の読み方の話
──「ジュウ」「ジッ」「とお」「と」……「ジュッ」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2827.html

mixi日記2013年07月11日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1906878854

 2010年(平成22年)に常用漢字表が改定された。
 変更の概要はWikipediaが詳しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E7%94%A8%E6%BC%A2%E5%AD%97

 主な改定内容。
●追加(196字)
(略)

●削除(5字)
(略)

●追加音訓(29音訓)
(略)

●変更音訓(1訓)
(略)

●削除音訓(3音訓)
(略)

備考欄等について以下の通り変更された。
(略)

付表は以下の通り追加、変更された。
(略)

 さて、これを踏まえて本題に入る。
 問題は「十」の読み方。
 従来は「ジュウ」「ジッ」「とお」「と」だった。
 ただし、備考欄の変更のところに下記のようにある。
================引用開始
十 - 備考欄に〈「ジュッ」とも。〉と注記。
================引用終了

 どういうことなのか【改定常用漢字表】を確認すると、下記のようにある。
【改定常用漢字表】
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/kaitei_kanji_toushin.pdf
================引用開始

ジュウ  十字架,十文字  十重二十重(とえはたえ)
             二十・二十歳(はたち)
             二十日(はつか)
ジッ  十回       「ジュッ」とも。
とお  十,十日
と   十色,十重
================引用終了


「十」の読みとして「ジュッ」が認められたのか? 
 今回の改定に準拠している『記者ハンドブック』を見ると、「十」の読みは従来どおりになっている。
 なんでこんなことするのかな。「ジュッ」の読みを認めるならちゃんと認めればいいのに。こういう中途半端なことはやめてもらいたい。これでは、認められてはいないけど間違いではなさそう、くらいに考えるしかない。
 小学校ではどう教えるんだろうね。



【追記】
 下記を見ると、『言葉に関する問答集 総集編』という本に詳しく出ているらしい。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1496924774
 でも例によって引用のしかたがホニャララなので、本当はどんなことが書いてあるのかわからない。
 いったいどこからが、『言葉に関する問答集 総集編』にのっているのだろう。常識で考えれば、冒頭から罫線までだろう。
 しかし、『言葉に関する問答集 総集編』は常用漢字表が改訂される前に出版されているのだから、〈〔備考〕欄に、「ジュッ」とも.....と記載されて〉いるはずがない。
 2段落目の2行も『言葉に関する問答集 総集編』の記述とは思えな。いったいどこからどこまでが『言葉に関する問答集 総集編』からの抜粋なのだろう。


 下記を見るに、2014/01/31の段階で、小学校の教科書の大半は「ジュッ」を認めてないらしい。
 子供に訊かれたら、親はどうしたらいいんだろう(黒笑)。
http://www.889100.com/midori/category/qa/000228.php
==============引用開始
 現在、小学校で使用されている教科書では、一年生で学習する「十」の読みとして、「ジュウ ジッ とお」の三つをあげているものが多いです。(「と」は他の学年で学習します。)ただし、例えば、光村図書の教科書にはかっこ書きで(ジュッ)の読みが掲載されています。これは、常用漢字表の備考欄に「ジュッ」という読みが掲載されたことを受けての対応とのことです。
 「学研教室」の国語教材では、常用漢字表に掲載されている「ジッ」という読みを学習しますが、昨年4月から、(  )に入れた形で、(ジュッ)という読みも紹介しています。
==============引用終了




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