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【〈正体不明の「と」〉の用法(仮)】日本語

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486031711&owner_id=5019671

mixi日記2010年08月09日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1556694764&owner_id=5019671

 テーマトピは下記。
【「と」の用法】日本語しつもん箱 トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=55367248

 トピ主の質問の全文を転載する。
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日本語の「と」の用法について質問があり書きこみました。

「先日、彼の小学校時代の友人との飲み会に一緒に行きました。そこで私は彼が小学校中学校とひどいいじめっ子だったことを知りました。」と教科書に書いてありますが、この「小学校中学校と」の「と」とは何の役割をしているのでしょうか?
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 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 なんという微妙な例を……。
 辞書をいくつかあたってみたが、適当なものが見当たらない。新種の発見か?
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%A8&dtype=0&stype=1&dname=0na&pagenum=11&index=15022712961900
 どれもあてはまらない気がするが、あえて言うと下記ではないだろうか。
================================

【1】[格助]名詞、名詞的な語、副詞などに付く。
2 (文や句をそのまま受けて)動作・作用・状態の内容を表す。引用の「と」。「正しい―いう結論に達する」
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〈○○○○○○○○」と彼は言った〉というときの「と」と似た働きをしている気がする。
 実際の用例と働きに関しては「4」がまとめてくれている。
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a「連続する同一カテゴリーの時間の区切りを列挙して、それを通してずっと」
  という意味を持つ副詞句を作り出す働きを持つ。
b「同一カテゴリーの空間的区切りを列挙して、それらを通し全体として」
  という副詞句も作ることができる。
c抽象的概念による区切りに対しても同様に使用可能である。
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 かなり広い範囲をカバーしていて、なんでもアリって気もしてくる。
 ここまでいくと、単純に「列挙された名詞(句)の後ろについて、それらをひとかたまりにする」ってことなのかもしれない。

「列挙された名詞(句)の後ろについて、それらをひとかたまりにする」結果、↑であげた〈引用の「と」〉に近づくのではないか。
 以下は、それを裏づけるためのコジツケ。
「と」でひとかたまりになった語句は、副詞句でないこともある気がする。

1)佐藤、鈴木、田中と、A高校はエース級の投手を揃えている。
2)速球派の佐藤、技巧派の鈴木、変則投法の田中と、A高校はエース級の投手を揃えている。

 1)は列挙したのは名詞、2)は列挙したのは名詞句。ひとかたまりになった語句の働きはなんなのだろう。
 ここで「と、」を次のように変形すると、↑であげた〈引用の「と」〉の気配が濃厚になる(強引かな)。

1)-2 佐藤、鈴木、田中……(と)A高校はエース級の投手を揃えている。
1)-3 速球派の佐藤、技巧派の鈴木、変則投法の田中……(と)A高校はエース級の投手を揃えている。

 こうなると、おそろしいことに「と」がなくてもいい(泣)。

3)相次いだ負傷者、選手の未熟さ、采配の誤り、と監督は敗因を分析した。

 こうなると、典型的な〈引用の「と」〉だろう、これと原文の「小学校中学校とひどいいじめっ子だった」は明らかに違う気がする。
 しかし、間に「4」のコメントに出てくる「欧州、アジア、アフリカ、南北アメリカと、多くの地域にまたがってこの決議案に賛同が得られた。」を入れて考えると、3)と原文も同じ構造では、って気がしてくる。
 何がなんだかわからない……(泣)。


【追記】
 そもそも考えたのは、〈正体不明の「と」〉は修飾句をつけると引用に近づいていくんじゃないか、ってこと。
『圭子の夢は夜ひらく』で見てみよう。藤圭子のことを書きはじめると、また壮大なことになるのでパスしておく。
 元歌の「十五、十六、十七と」は典型的な〈正体不明の「と」〉。
 いろいろ修飾句をつけてみる。

初めて告白してフラれた15歳の春、本気でアタックして相手にされなかった16歳の夏、二股かけられた17の冬と、私の人生暗かった。

 こうなると、引用としか思えない。
 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 本多勝一にように強引な説明だな。
 ここで最後の部分をどうするのかはけっこう悩ましい。
 一般的には1)らしいけど、個人的な趣味だと2)。3)も捨てがたい。

  1)~冬と、私の人生暗かった。
  2)~冬、と私の人生暗かった。
  3)~冬……と私の人生暗かった。
  4)~冬……と、私の人生暗かった。
  5)~冬……私の人生暗かった。

【追記】
 コメントで、下記をご紹介いただいた。
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/M21/M210204/3.pdf
丹羽順子(1994)「副詞的修飾成分「~と」を整理する-具体化の「と」、引用の「と」、情態副詞の「と」をめぐって-」

 やはり当方はよほど文法が苦手なんだろうか。
 それも否定しないが、こういう論文独特の文体を前にするだけで脳が拒否気味になる。
 イチバン関係性が強いのは25ページの下記の部分だろうか。pdfからテキストを抽出すると、妙な感じで文字化けする。ナゾだ。理解を妨げるようなところだけ修正しておく。
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 (22)a.開拓者たちは西へと進んだ。
    b.開拓者たちは堕さと(荒野を)進んだ。
    C.開拓者たちは西へ西へと(荒野を)進んだ。

 具体化の「と」表現の一つに「例示」の特殊用法がある。これは「~と」部分の要素およびその並び方に厳しい制約があるもので、それだけに規則的で、慣用表現に近づいてきている「-と」部分は数値を表すもので、その並び方は「A、A(*)と」という一定のパターンを形成している。
 (23)ところが、一ケ月ニヶ月と過ぎるうちに…と考えるようになりました。(朝日新聞、1986-6-28)
 (22c)は「A」が数値ではないが、「A、A(*)と」というパターンになっており、連続性が見られる。この点において、(23)もまた副詞に接近した表現と言えよう。その他、「あれやこれやと」「あちらこちらと」「我も我もと」「次から次へと」なども同様に、「狭義の具体化副詞の「と」との境界に位置すると考えられる。
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 要は、〈正体不明の「と」〉は「引用」のときもあれば、下記の場合もあるってことだろうか。サッパリわからない(泣)。
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【1】[格助]名詞、名詞的な語、副詞などに付く。
5 (副詞に付いて新たな副詞をつくり)ある状態を説明する意を表す。「そろそろ―歩く」「そよそよ―風が吹く」
・「ほのぼの―春こそ空に来にけらし天のかぐ山霞たなびく」〈新古今・春上〉
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