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「~たら」と「~れば」をめぐって〈2〉&〈3〉 「ば」「と」「たら」「なら」

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486031711&owner_id=5019671

mixi日記2010年11月09日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1618548831&owner_id=5019671

 直接的には下記の続きだろうな。
【「~たら」と「~れば」をめぐって 独り言です34くらい──日本語教師関連編14くらい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-721.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1293941524&owner_id=5019671

 テーマサイトは下記?
【外国人の日本語学習者です、たらとばの違いがよく分かりません】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1350072563

 ちょっと必要があって古い日記を引っ張り出したら、ずいぶん書き方が粗いことが気になった。
 ちょっと補足する。
 まず辞書をひき直す。
 よく「れば・たら」などと言われるけど、実際に辞書をひくなら、「ば」と「た」なのね。このレベルで感心しているようでは、われながら先が心配になる。
「た」に関してはベースにしている『大辞泉』が訳がわからないので、『大辞林』をベースにする。
 妙なことに気づいたんだが、約1年前に書いた【1】のときには、goo辞書は『大辞林』を採用していた。いまは『大辞泉』を採用しているみたい(笑)。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%B0&dtype=0&dname=0na&stype=1&pagenum=1&index=17554214512000
================================

【1】[接助]
1 口語では活用語の仮定形、文語では活用語の未然形に付く。未成立の事柄を成立したものと仮定する条件を表す。もし…ならば。「暇ができれ―行く」「雨天なら―中止する」
================================

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%9F&dtype=0&dname=0na&stype=0&pagenum=1&index=13417411072100
================================

[助動][たろ|○|た|た|たら|○]《助動詞「たり」の連体形「たる」の音変化》活用語の連用形に付く。連用形が撥音便、およびガ行がイ音便となる場合には連濁で「だ」となる。
8 (「…たらどうか」「…たらいかがでしょうか」などの形で)助言したり提案したり勧誘したりする場合に用いられる。「この件は継続審議ということにしたらいかがでしょうか」
◆4は連体形の用法。567は、終止形の文末における用法。仮定形「たら」は、多く「ば」を伴わないで「雨が降ったら中止だ」などと使われ、「遅いからもう帰ったら」のように文末に用いられて8の意を表す。
================================

■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%9F&dtype=0&dname=0ss&stype=0&index=111653000000&pagenum=11
================================

(助動)
(たろ・○・た・た・たら・○)
〔補説〕 古語の完了の助動詞「たり」の連体形「たる」からの転。中世以降の語
動詞・形容詞・形容動詞および助動詞「れる・られる」「せる・させる」「ない」「たい」「らしい」「そうだ(様態)」「ようだ」「だ」「ます」「です」などの連用形に接続する。ただし、サ行以外の五段活用の動詞には、その音便の形に付く。また、ガ・ナ・バ・マの各行の五段活用の動詞に付く時は「だ」となる。
[7]仮定形「たら」は、接続助詞「ば」を伴わないで、それだけでも用いられる。
(ア)仮定条件を表す。仮にそうであるならば。もしそうなったらば。
  雨が降ったら、中止にする
  電話があったらメモしておいてくれ
  その本を読んだら早く返してくれ
(イ)未来の確定条件を表す。
  春になったら暖かくなる
(ウ)遠回しに命令する意を表す。主として女性が用いる。
  早くお帰りになったら
  跡片付けだけはしといたら
================================

 ざっと辞書を見た結果。接続を別にすれば、「れば」と「たら」の用法はほぼ同じ。強いて言えば、「たら」のほうが少し話し言葉的かもしれない。たいていの場合、「れば」と「たら」は言いかえができる。ただ、原因不明で言いかえがきかないものがある。言いかえがきかないものを精査すれば、何かわかるかもしれない。でも、それは学者の仕事だと思う。
 この記述だけを読むと、「た」の(イ)(ウ)は「た」だけの用法のように見えるが、実際には「れば文」に書きかえることができる。
 試しに例文を片っ端から、書きかえてみる。

  1)暇ができれば行く
  →暇ができたら行く
  2)雨天ならば中止する
  →??

  3)雨が降ったら、中止にする
  →雨が降れば中止にする
  4)電話があったらメモしておいてくれ
  →??
  5)その本を読んだら早く返してくれ
  →??
  6)春になったら暖かくなる
  →春になれば暖かくなる
  7)早くお帰りになったら
  →早くお帰りになれば
  8)跡片付けだけはしといたら
  →跡片付けだけはしとけば ※通常は「後片付け」だろう

 2)はあえて書くなら「雨天になったら中止する」「雨天だったら中止する」だと思うが、ちょっとイレギュラー。
 4)はあえて書くなら「電話があればメモしておいてくれ」だと思う。さほど不自然ではないが、ちょっとひっかかる。原因不明。
 5)がなぜ「れば文」にできないのかは不明。下記なら何も問題は感じない。
  その本を読んだらわかるよ。
  その本を読めばわかるよ。

 4)や5)のような例を見ると、「~ば」のあとに「命令(依頼)」は来ないのでは、という考え方ができるかもしれない。
 そういう話は【1】でも出てきた。
【1】では参考書に「~ば」の後ろに来ないものがあげられているとあった。それはムチャクチャ。以下、【1】から引用する。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
================================
「~ば」の文では、原則として、後件に意志・希望・命令・依頼などの表現はくることはありません。この点で「~たら」とは異なります。
================================
 これは信頼できる参考書なのでしょうか。
1)雨が降れば、試合を中止する(意志)←やや不自然な気がしますが、辞書にある例文です
2)君さえよければ、一緒に行きたい(希望)
3)それでよければ、やりなさい(命令)
4)それでよければ、お願いします(依頼)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 類似サイトを検索してみた。
 まともな説明は見当たらない。申し訳ないが下記を悪い例としてあげる。
【http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1494134.html】
「良回答」を読んで腰が砕ける。
================================
(2)「たら」は、過去形の仮定です。2つの用法があります。一つ目は、過去に起こったことに対する仮定です。すなわち、現実には起こらなかったことに対する仮定です。
(例)もし、彼が事故に合わなかったら...(実際には事故に合った)

もう一つの用法は、現在、または、未来に対する仮定です。この仮定は本来は、実際には起こる可能性が非常に低いこと(あるいは、感情として絶対起こって欲しくないこと)を仮定する場合に用います。
(例)もし、彼が死んだら、生きていけない。
(例)もし、空を飛べたらどんなに楽しいだろう。
================================
〈「たら」は、過去形の仮定です〉
 それは「たら」の働きではなく、「なかったら」の働きでしょう。
「雨が降ったら、中止にする」って過去の話ですか?
 ついでに書くと、一般に「事故に合う」は「事故に遭う」です。好ましくない遭遇はだいたい「遭う」みたい。
 さらに書くと、この文は「もし、彼が事故に合わなければ...」にできる。
〈もう一つの用法は〉……〈2つの用法〉のうち1つは〈過去形の仮定〉じゃなかったのね。だったそう書いてよ。
〈実際には起こる可能性が非常に低いこと(あるいは、感情として絶対起こって欲しくないこと)〉……「雨が降ったら~」ってそういうことなの?
 ちなみに、そのあとの(例)も「れば文」にできる。
  (例)もし、彼が死ねば、生きていけない。
  (例)もし、空を飛べればどんなに楽しいだろう。

 困ったときの庭三郎も見てみたけど、違いはわからない。
【49.2 ~たら】
http://www.geocities.jp/niwasaburoo/49jouken.html#49.2
【49.3 ~ば】
http://www.geocities.jp/niwasaburoo/49jouken.html#49.3



【追記】
「~たら」にしかできない例や「~れば」にしかできない例を考えてみる。これは「禁止」?

 そんなことをしたらダメだ。
 そんなことをしたらぶっ殺すぞ。 


「~たら」と「~れば」をめぐって
〈3〉──「ば」「と」「たら」「なら」

mixi日記2011年03月11日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1687004887&owner_id=5019671

 とりあえずgoo辞書の類語辞典『使い方の分かる 類語例解辞典 新装版』の記述をひこう。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/17223/m0u/%E3%81%9F%E3%82%89/
================================
ば/と/たら/なら
[共通する意味]
★順接を表わす。
[使い方]
〔ば〕▽(1)もっと勉強すれば成績も上がるのに▽(2)お盆を過ぎれば涼しくなる▽(3)これだけ点を取れば、今日こそ勝てるだろう▽(4)天気予報によれば、明日は晴れです▽(5)金もなければ力もない
〔と〕▽(1)ここで彼がヒットを打つと同点だ▽(2)一〇を三で割ると一が余る▽(3)こんなに雪が積もると家から出られない▽(4)新聞によると地価がまた上がったそうだ▽(5)トンネルを抜けるとそこは雪国だった
〔たら〕▽(1)試験に受かったらステレオを買ってあげよう▽(2)こんなに渋滞していたら、約束の時間に間に合わない▽(3)家へ帰ったらだれもいなかった
〔なら〕▽外国へ行くなら、その前にその国の言葉を学びなさい▽食べたくないのなら残しなさい▽それが事実(である)なら、恐ろしいことだ
[使い分け]
【1】いずれも順接を表わす接続助詞である。順接とは、前件を条件として、その条件から当然の結果として後件が成立することを表わす接続法をいう。条件は、そのあり方によって、仮定条件(前件が仮に成立した場合、その前件を条件として後件が成立することを表わす)、恒常条件(前件を条件として常に後件が成立することを表わす)、確定条件(すでに成立している前件を条件として後件が成立することを表わす)に分けられる。順接確定条件には「から」と「ので」も含まれる。接続法には、上のような条件接続とは別に、前件と後件が特別な因果関係になく、前件が単に後件への導入を表わしているに過ぎないものもある。これをここでは単純接続と呼ぶことにする。
【2】「ば」は、仮定条件(例文(1))、恒常条件(例文(2))、確定条件(例文(3))、単純接続(例文(4))のほかに、並列(例文(5))も表わす。並列の「ば」は、「し」と置き換えが可能である(「金もないし力もない」)。「ば」を用いるのは、前件と後件の結びつきがより必然的な関係にある場合(たとえば論理的関係や一般的事実など)を表わす場合が多い。
【3】「と」は、仮定条件(例文(1))、恒常条件(例文(2))、確定条件(例文(3))、単純接続(例文(4))のほかに、前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法(例文(5))がある。「と」は、後件が命令・許可・希望・意志などの表現である場合には用いることができない。なお、「たとえ雨が降ろうと登山を決行する」のような逆接仮定条件を表わす「と」が別にある。
【4】「たら」は、「…たらば」の縮まった形で、今までの文法では過去の助動詞「た」の仮定形とされていたが、用法などから現代では接続助詞化しているものとみる。「たら」には、仮定条件(例文(1))、確定条件(例文(2))、そして前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法(例文(3)。ただしこれは事実の仮定的表現とみることもできる)がある。「ば」や「と」と違い、前件と後件のいずれもが過去の事柄であっても用いることができる。これは、「たら」が過去の助動詞「た」を本来含んでいることと関係する。「たら」は、前件と後件の結びつきが偶発的関係にあり、その場その場の個別的な出来事を表わすことが多い点が「ば」と異なっている。
【5】「なら」についても、一般の文法では接続助詞ではなく、断定の助動詞「だ」の仮定形としているが、ここでは「たら」と同様接続助詞として扱う。「なら」には、仮定条件の用法しかない。しかも、条件そのものが断定的な判断を問題とするものであるため、後件は話し手の判断や推量、意志などを述べる表現に限られる。また、他の語では前件を仮定条件としてその結果を後件が表わしているのに対して、「なら」では後件が前件の結果ではなく、時間的に前件よりも先立つ行為を表わすことがある。
【6】「なら」は、書き言葉では「ならば」の形で用いられることが多い。一方、「たら」は、書き言葉でも話し言葉でも「たら」が普通で、「たらば」の形はほとんど用いられない。
[参照]
と⇒と/に/まで・と/に/や/とか/だの/やら/か/なり
[対比表]

たられば対比表-500

================================

 読めば読むほど気持ちが暗くなる解説だなぁ。
 これで理解できない当方が悪いんなら、「ゴメンナサイ」と言うしかない。
 もう少し整理して書いてくれないとわからないよ。「仮定条件」とか「確定条件」があるらしいが、ナンバーはコロコロかわるし、最後の対比表とは照合できないし何がなんだか……。
 出てきた例文を列挙した上でExcelに変換して考えてみる。ついでだから、【対比表】のほうも加えておく。

たられば1-500


 こうして表にまとめても何がなんだかわからない。そんなものを文章で読んでわかる人がいたらスゴい読解力だよ。
 もう少しわかりやすいように並べ替えてみる。

たられば2-500


 最低限このくらい整理されていると、と少し考える気になる。

■仮定条件
「ば」「と」「たら」はほぼ同様。「なら」は異質。

【課題1】
「試験に受かったらステレオを買ってあげよう」が「と」になりにくい理由は不明。これが「試験に受かったらステレオを買ってもらえる」なら「と」にできる。

【課題2】
「なら」は明らかに異質。これを仲間にする意味がよくわからない。
 そのままではほかの形にならないが、ちょっと変形すれば「ば」「たら」にはできる(15以外も同様)。「なら」を「ならば」にするのは反則かもしれない。

15 外国へ行くなら、その前にその国の言葉を学びなさい
  →外国へ行くならば、その前にその国の言葉を学びなさい
  →外国へ行くのだったら、その前にその国の言葉を学びなさい

【課題3】
「できるなら」なら「できれば」「できたら」と比較的素直に変形できる理由は不明。
 あれ? 「できたらいいな」(「ド●えもん」か?)だと、「できればいいな」「できるといいな」にできる。でも「できるならいいな」はちょっとヘン。なんでだ? 【課題3-2】にしよう。

■確定条件
「ば」「と」「たら」はほぼ同様。「なら」は異質。
【課題4】
 一部が△になる理由は不明。

■恒常条件
「ば」「と」「たら」はほぼ同様。「なら」は異質。

■前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法
 この分類は何言ってるかわからないが、「と」「たら」が使える。

■単純接続
「ば」「と」が使える。

「5並列」「11逆接仮定条件」「21命令への接続?」は例外。
「ば」は「21命令への接続?」にならないという説もあるらしい。しかし、〈「~たら」と「~れば」をめぐって【1】〉で見たように、「それでよければ、やりなさい」のように例外はある。
 この「21」の例文はヒドい。意味がわからない。
 ちょっと強引に「帰ったなら(ば)窓を閉めなさい」は成立しそう。
 意味がかわるけど、「帰るなら(ば)窓を閉めなさい」ならフツーに成立する。
 こういう例文はダメでしょ。

【課題1~4】に関しては、当方では対応できそうにない。文法に詳しい人におまかせする。
 互換性がある言葉の微妙なニュアンスの違いに関しても、文法に詳しい人におまかせする。
 キッパリ<( ̄- ̄)>
 互換性があって意味に大きな違いがない場合、当方は「大差なし」で割り切ることにしている。経験的に、微妙なニュアンスの違いに関して主観でグチャグチャやり取りしても何も得るものはない(言い争いにエスカレートすると百害しかない)。もちろん、主観ではあっても圧倒的に説得力が感じられる主張なら素直に聞くけど。

 ここまで考えたうえで、改めてトピ検索をしてみる。
【たら と みたら の違いは?】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59837816&comm_id=398881
 ふーん。「たら」「れば」「と」にはそんな違いがあるんだ。
 そもそもトピズレのうえに当方のレベルでは何が書いてあるか全然わからんorz。
 ちなみに、この例題なら「手紙を書いてはどうですか」が素直な気がする……と選択肢を増やしてみる(笑)。

【「たら」と「なら」】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=33676057&comm_id=398881
【課題1】の答えはここのコメント「13」にあるのかもしれない。
 ただ、そもそも「たら」と「なら」は異質のものって気がするから、比べることに無理があるのでは。
 先の【課題2】で試みた変形例はちょっと強引な気がするが、この類いの変形はアリなのかな。少なくともgoo辞書の類語辞典は認めていないのでは。
 前半はいい加減なコメントが多いな。「3」はまともだけど、文字化けで訳がわかんないorz。
「9」「13」もまともだけど、当方のレベルだとどこまでわかっているのかorz。
 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 トピ主はちゃんと読んでいる。この頃はトピが機能していたようだ。
 こういうやり取り{ならば/だと/だったら/なら}読む価値がある。
 ↑は「仮定条件」だろうな。4つとも成り立つのは表にはないケース?
 違うか。名詞だから4つともOKなのね。おいおい、そんなことどこにも書いてないよ。けっこう重要なことだと思うけど。

 ちなみに『雪国』の冒頭は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」じゃなかったかな。こういう●●な例文はつくらないほうがいい。この「国境」の正確な読み方はその道の重要課題で、いまとなってはわかりようもない(笑)。


【追記】
16 なら(2) の例文が妙なことになっている(泣)。
×食べたくないのなら残しなさいたら
○食べたくないのなら残しなさい


 mixiだと下記かな。
【「たら」と「なら」】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=33676057&comm_id=398881


 初心者向け。
日本文化研究会(日本語学習と日本語教育)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/nbunka/991ga.htm

http://www.tomo2006.net/991ga.htm

 中級者向け?
https://docs.google.com/viewer?a=v&q=cache:IB8jxdvqhhkJ:jigou.hqwy.com/jpk/jap/kcwz/admin//edit/UploadFile/2007521133325845.doc+2007521133325845.doc&hl=ja&gl=jp&pid=bl&srcid=ADGEESj8AG5vkAgKfvFyAlQFFk0yj269xiqdkZPsiTl4jBi2Twi43aPArjIY-UvgjMwwT8fWAXf1h45Q5IWl7qkIxIvo7LYVKDonrD0cQvZ9f6c_S5EwzM8M8PtdWfN4KVPxpoYM1gMM&sig=AHIEtbQvbS230J2ok_3HzaIyn64Tt5dtMQ
 リンク切れ↓で許して。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/17223/m0u/%E3%81%9F%E3%82%89/


【20150609】
 ふと気がついたら、【「ば」「と」「たら」「なら」】の検索結果のトップに下記が来ている、こんなのあったかな。
【東京外国語大学言語モジュール】
http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ja/gmod/contents/explanation/083.html
 すんごくわかりやすい気もするが、読んでいると「?」なところも出てくる。
 ↑の表とうまくすり合わせることができれば話が前進するかも。



「~たら」と「~れば」をめぐって
〈4〉──「ば」「と」「たら」「なら」

 いろいろ書き直したい点があるのだがどこから手をつけ{れば/たら}いいのかわからない。
 まず、『使い方の分かる 類語例解辞典 新装版』のレイアウトがかわってかなり読みやすくなったので、引用しなおす。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/17223/m0u/%E3%81%9F%E3%82%89/
==============引用開始
ば/と/たら/なら

[共通する意味]
★順接を表わす。
[使い方]
〔ば〕
▽(1)もっと勉強すれば成績も上がるのに
▽(2)お盆を過ぎれば涼しくなる
▽(3)これだけ点を取れば、今日こそ勝てるだろう
▽(4)天気予報によれば、明日は晴れです
▽(5)金もなければ力もない
〔と〕
▽(1)ここで彼がヒットを打つと同点だ
▽(2)一〇を三で割ると一が余る
▽(3)こんなに雪が積もると家から出られない
▽(4)新聞によると地価がまた上がったそうだ
▽(5)トンネルを抜けるとそこは雪国だった
〔たら〕
▽(1)試験に受かったらステレオを買ってあげよう
▽(2)こんなに渋滞していたら、約束の時間に間に合わない
▽(3)家へ帰ったらだれもいなかった
〔なら〕
▽外国へ行くなら、その前にその国の言葉を学びなさい
▽食べたくないのなら残しなさい
▽それが事実(である)なら、恐ろしいことだ
[使い分け]
【1】いずれも順接を表わす接続助詞である。順接とは、前件を条件として、その条件から当然の結果として後件が成立することを表わす接続法をいう。条件は、そのあり方によって、仮定条件(前件が仮に成立した場合、その前件を条件として後件が成立することを表わす)、恒常条件(前件を条件として常に後件が成立することを表わす)、確定条件(すでに成立している前件を条件として後件が成立することを表わす)に分けられる。順接確定条件には「から」と「ので」も含まれる。接続法には、上のような条件接続とは別に、前件と後件が特別な因果関係になく、前件が単に後件への導入を表わしているに過ぎないものもある。これをここでは単純接続と呼ぶことにする。
【2】「ば」は、仮定条件(例文(1))、恒常条件(例文(2))、確定条件(例文(3))、単純接続(例文(4))のほかに、並列(例文(5))も表わす。並列の「ば」は、「し」と置き換えが可能である(「金もないし力もない」)。「ば」を用いるのは、前件と後件の結びつきがより必然的な関係にある場合(たとえば論理的関係や一般的事実など)を表わす場合が多い。
【3】「と」は、仮定条件(例文(1))、恒常条件(例文(2))、確定条件(例文(3))、単純接続(例文(4))のほかに、前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法(例文(5))がある。「と」は、後件が命令・許可・希望・意志などの表現である場合には用いることができない。なお、「たとえ雨が降ろうと登山を決行する」のような逆接仮定条件を表わす「と」が別にある。
【4】「たら」は、「…たらば」の縮まった形で、今までの文法では過去の助動詞「た」の仮定形とされていたが、用法などから現代では接続助詞化しているものとみる。「たら」には、仮定条件(例文(1))、確定条件(例文(2))、そして前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法(例文(3)。ただしこれは事実の仮定的表現とみることもできる)がある。「ば」や「と」と違い、前件と後件のいずれもが過去の事柄であっても用いることができる。これは、「たら」が過去の助動詞「た」を本来含んでいることと関係する。「たら」は、前件と後件の結びつきが偶発的関係にあり、その場その場の個別的な出来事を表わすことが多い点が「ば」と異なっている。
【5】「なら」についても、一般の文法では接続助詞ではなく、断定の助動詞「だ」の仮定形としているが、ここでは「たら」と同様接続助詞として扱う。「なら」には、仮定条件の用法しかない。しかも、条件そのものが断定的な判断を問題とするものであるため、後件は話し手の判断や推量、意志などを述べる表現に限られる。また、他の語では前件を仮定条件としてその結果を後件が表わしているのに対して、「なら」では後件が前件の結果ではなく、時間的に前件よりも先立つ行為を表わすことがある。
【6】「なら」は、書き言葉では「ならば」の形で用いられることが多い。一方、「たら」は、書き言葉でも話し言葉でも「たら」が普通で、「たらば」の形はほとんど用いられない。
[参照]
と⇒と/に/まで・と/に/や/とか/だの/やら/か/なり
[対比表]
(略)
==============引用終了

 読みやすくなったからと言ってわかりやすくなるわけではない。(←オイ!)
「ば」「と」「たら」「なら」に関して書こうと思ったきっかけは2つある。1つ目は、下記を見つけたこと。
【東京外国語大学言語モジュール】
http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ja/gmod/contents/explanation/083.html
 ふと気がついたら、【「ば」「と」「たら」「なら」】の検索結果のトップに来ていた。前に見たときはこんなのなかった気がする。
 すんごくわかりやすい気がして、↑の表とうまくすり合わせることができれば話が前進するかも。
 ……と思ったんだけど、ちゃんと読むといろいろ疑問が湧く。
〈「~と」は、基本的に、S1が起これば通常S2が起こるという、反復的・恒常的に成り立つ関係を表わすときに使います。たとえば、自然現象(例文(1))や習慣(例文(5))、機械の操作と結果(例文(6))などです。〉
 そのとおりとも言えるけど……。
 ↑の辞書を見ればわかるように、ほかにもある。

(1)ここで彼がヒットを打つと同点だ(仮定条件)
(2)一〇を三で割ると一が余る(恒常条件)
(3)こんなに雪が積もると家から出られない(確定条件)
(4)新聞によると地価がまた上がったそうだ(単純接続)
(5)トンネルを抜けるとそこは雪国だった(前件が後件の直前の動作・状態を表わす用法)

 とくにマズいのは「仮定条件」を外していることだろう。「たられば」の話が出てくるのは、そもそも「仮定条件」のことが多いはず。ここを外す〝と〟話はグチャグチャになるのでは。
 ところが「ば」の項にも〈「~ば」も、基本的に恒常的に成り立つ関係を表わすときに使います〉とる。そうなのか?
「宝くじが当たると人生がかわる」
「宝くじが当たれば人生がかわる」
 どちらも仮定条件だろう。反復的なわけがない。「恒常的」なのかな? 「宝くじが当たっても人生がかわるとは限らない」はありえないのか?

 ほかにもいろいろ疑問があるけど、本気で悩んだのが下記。
〈12 「~なら」の文では、ことがらの前後関係がS1→S2、S2→S1のどちらの場合もありますが、他の3つはS1→S2しかありません。〉
 肝心の例文がないorz。しばらく考えてしまったが、この解説自体は間違ってはいない。↑の辞書に例文がある。
〈外国へ行くなら、その前にその国の言葉を学びなさい〉
 たしかに時系列がS2→S1になっている。こういう例文をあげてくださいよ。
 総合的に考えると、このサイトの信憑性はどうなんだろう。これ以上敵を増やしたくないので、以下は省略します(泣)。


 2つ目のきっかけは下記の質問。
【“この薬を飲むと治ります。”などの“と”は、なぜ使えないのですか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8998954.html
==============引用開始
庵功雄著の新しい日本語学入門を読んでいましたら、気になるところがありました。
仮定条件の項目です。
“この薬を飲めば治ります。”と“この薬を飲んだら治ります。“とは使えます。
しかし、“この薬を飲むと治ります。”は使えません。その理由は。その文が文法的にやや不自然である、そうです。
次に、“この電車に乗れば間に合うだろう。”と“この電車に乗ったら間に合うだろう。”とは使えます。
しかし、“この電車に乗ると間に合うだろう。”は使えません。その理由は、その文が文法的に正しくないか、あるいは、その文接続が意味的まとまりをなさない、のだそうです。
“この薬を飲むと治ります。”などの“と”は、なぜ使えないのですか?
==============引用終了

 コメントを入れてから考え直してみた。
 このテのことは微妙なんで、あんまり断定的には書きたくないのだが……。
「この薬を飲むと治ります」
 これも仮定条件だろう。
「この薬を飲むとたいへんなことになります」
「この薬を飲むとたいへんなことになるかもしれません」
 後ろを少しかえると仮定条件ってことがはっきりするのでは。
「もし仮にこの薬を飲むとたいへんなことになるかもしれません」
 ここまで来ると完全に仮定条件だろう。
「この薬を飲むと(必ず)治ります」と言うと薬事法違反になる可能性はある。怪しげな健康食品メーカーではなく、医師が言う分には問題ないのか? でも最近の医師はこういうことは言わない。それはまったく別の問題だって(笑)。
 恒常条件の典型は「春になると桜が咲く」「お盆を過ぎると涼しくなる」。
「一〇を三で割ると一が余る」のような「命題」のようなものは微妙な気がするが、辞書が「恒常条件」にしているから従っておこう。

「この電車に乗ると間に合うだろう」
 相当微妙。「8時発の電車に乗ると会社に間に合う」だと、「命題」っぽいから「恒常条件」かもしれない。でもフツーに考えれば仮定条件だろうな。
1)8時発の電車に乗ると会社に間に合う
2)8時10分発の電車に乗ると間に合わないかもしれない
3)8時20分発の電車に乗ると間に合わないだろう
 原文の場合、後ろが「だろう」だとちょっと相性が悪いかもしれない。でも3)を×にする度胸はない。
 下記のほうが自然、という意見に反対する気はないけど。
「この電車に乗れば間に合うだろう」
「この電車に乗ったら間に合うだろう」

 下記はかなり重要だろう。
【と、ば、なら、たら 区別は何?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8643166.html

 下記のBAのリンク先も重要そうだけど、とてもついていけない(泣)。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9438179.html
 リンク先は下記。
「日本語マニュアル文における条件表現 「と」「れば」「たら」「なら」から導かれる制約」(横浜国立大学工学部電子情報工学科,1995年)
http://hdl.handle.net/2261/29441


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「と」と「ば」について

教科書に「「ば」は意志表現をとることができない。しかし、以下の場合では「ば」は意志表現をとることができる。」と書いてありますが、そして例文もあります。明日雨が降れば、仕事を休もう。来週桜が咲けば、花見に行こう。では、なぜ"雨が降れば、窓を閉めてください”という文にならないですか。前文の主語は雨、後文は田中さん、森さんとか、必ず主語が違うでしょう。なぜできないですか。

Re: 「と」と「ば」について

いつもさん

 はじめまして……ですよね。
 こういうメンドーな質問は、相手の理解度によって説明がかわってきます。
 たとえば、日本語教師に対する説明と、日本語の初心者(日本人)に対する説明と、日本語学習者に対する説明……同じような説明になると思いますか?
 ↑のブログをどの程度理解できていますか? リンク先を読めば、ひととおりのことはわかると思いますが。

>教科書に「「ば」は意志表現をとることができない。しかし、以下の場合では「ば」は意志表現をとることができる。」
 どんな教科書に、どんなふうに書いてあったのでしょうか。
 当方が知る限り、スリーエーネットワークの『日本語文法ハンドブック』には、下記のように書いてあるそうです。
==============引用開始
「~ば」の文では、原則として、後件に意志・希望・命令・依頼などの表現はくることはありません。この点で「~たら」とは異なります。
==============引用終了

 当方は同意できません。下記のコメント[1]が当方の考えです。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=46604909&comment_count=1&comm_id=19124
==============引用開始
 これは信頼できる参考書なのでしょうか。
1)雨が降れば、試合を中止する(意志)←やや不自然な気がしますが、辞書にある例文です
2)君さえよければ、一緒に行きたい(希望)
3)それでよければ、やりなさい(命令)
4)それでよければ、お願いします(依頼)

 1)~4)は全部ヘンですか? 
 少なくとも当方はそれほどおかしいとは思いません。2)~4)は、むしろ「たら」より「れば」のほうが自然に感じられるくらいです。
==============引用終了
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