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助詞の話……「を」

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【5】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1669912728&owner_id=5019671

mixi日記2011年02月06日から

 テーマサイトは下記。
【「を」の用法・・・同じ用法の「を」を選びなさい。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1254099487

 質問と当方のコメントの全文を転載する。
================================
「を」の用法・・・同じ用法の「を」を選びなさい。
日本語を学ぶ外国人向けの教科書にのっていた問題です。

同じ用法の「を」を選びなさい。

この道をまっすく行ってください。
1.料理を食べる
2.大学を卒業する
3.川を船で渡る

答えがわかりません。
私は、3の川を船で渡るが正しいと思います。
理由「この道」も「川」も場所を表すため同じ用法だと思います。

日本語文法に精通されているかた、回答をお願いいたします。
補足
教科書と併用する練習問題の問題集のようです。
確か渋谷にある長沼学院のものです。

【tobiクンのコメント】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「を」の用法はいくつかあります。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%82%92&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=24304619897900&pagenum=1

================================

[格助]名詞、名詞に準じる語に付く。

1 動作・作用の目標・対象を表す。「家―建てる」「寒いの―がまんする」「水―飲みたい」
「ただ月―見てぞ、西東をば知りける」〈土佐〉

2 移動の意を表す動詞に応じて、動作の出発点・分離点を示す。…から。「東京―離れる」「席―立つ」
「さびしさに宿―立ち出でてながむればいづくも同じ秋の夕暮」〈後拾遺・秋上〉

3 移動の意を表す動詞に応じて、動作の経由する場所を示す。…を通って。「山道―行く」「廊下―走る」「山―越す」
「また住吉のわたり―こぎゆく」〈土佐〉

4 動作・作用の持続する時間を示す。「長い年月―過ごす」「日々―送る」
「足引の山鳥の尾のしだり尾のながながし夜―独りかも寝む」〈拾遺・恋三〉

5 (「香(か)をにほふ」「寝(い)を寝(ぬ)」「音(ね)を泣く」などの形で)同類の意をもつ名詞と動詞の間に置かれ、慣用句を作る。
「夜はも夜のことごと昼はも日のことごと音(ね)のみ―泣きつつありてや」〈万・一五五〉

6 遭遇や別離の対象を表す。…に。
「逢坂(あふさか)にて人―別れける時に詠める」〈古今・離別・詞書〉

◆1の「水を飲みたい」などは、「を」の代わりに「が」を用いることもある。格助詞「を」は、の間投助詞から生じたといわれる。

(以下略)
================================

これに沿って考えます。
1.料理を食べる
↑の「1」「動作・作用の目標・対象」でしょう。

2.大学を卒業する
↑の「2」「動作の出発点・分離点」でしょう。「東京を離れる」と同様です。

3.川を船で渡る
↑の「3」「移動の意を表す動詞に応じて、動作の経由する場所」でしょう。

問題の「この道をまっすく行ってください」も「3」だと思います。

ただし、助詞の働きはかなり微妙なものも多く、辞書によっても書き方が違います。
文脈によってもかわってくるので、明確に分類できないことも多々あります。
この問題に関しても「2」と「3」は微妙で、「この先の三叉路で、右の道をまっすぐ行ってください」なら「2」の可能性も否定できない気がします。
「日本語を学ぶ外国人向け」の「教科書」や「参考書」にはいい加減なものもあると聞きます。その教科書は信頼できるものなのでしょうか。
そもそも、「教科書」に答えのない問題が出ていることが疑問です。
【補足】で、どこの出版社のなんという書名の教科書なのか教えていただけませんか。


【補足】に対して。
わざわざありがとうございました。
問題集で解答がないのですか。長沼学院のオリジナルですかね。ちょっと調べてみます。
とりあえず、ご質問の問題の趣旨は「3」が正解ということだと思います。ちょっと疑問は残りますが……。

これは単なる推測ですが、問題の作成者が『大辞泉』を参考にしている観があります(単なる偶然ですかね)。
『大辞泉』の「1」~「3」と、選択肢の「1」~「3」があまりにもきれいに呼応しています。これが『大辞林』の記述だとかなりかわってきます。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%82%92&dtype=0&dname=0ss&stype=1&index=121158300000&pagenum=1

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 下記のコミュにトピを立てたけど、なかなかコメントが付かなかったので、【問題】にもした。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59560144&comment_count=1&comm_id=2748

 tobiクンが日記に追記で書いたこと。

【tobiクンの追記】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 あのー。「ちょっと調べてみます」と言ってるんだから、もう少し待ってもらえませんか。なんだかなー。

 当方の疑問点は以下。
A「を」の働き
 ↑のサイトでほかの方がコメントしている。この人の考え方は非常にユニークなことが多く、注目している。
 根拠は不明だが、この人は「を」の働きに関して、下記のように分類している。
================================
①対象を表す。:「何を」を表す。
②起点(出発点)・場所を表す:「どこを」を表す。
================================
 たった2つに分類しているため、今回の問題に関する考え方が違う。答えは同じだけど。
 こういう考え方もアリなんだろうか。「大学を卒業する」は「何を」なんだろうか。「どこを」なんだろうか。どちらかと言うと「どこを」だと思う。

B「この先の三叉路で、右の道をまっすぐ行ってください」なら
 問題が「この先の三叉路で、右の道をまっすぐ行ってください」と同じ用法の「を」を選びなさいだったら、答えはどうなるのだろう。
 
Cこれって問題として成立しているの
 当方はたまたま『大辞泉』をひいたので、3)が答えだとわかった。だって選択肢の1)~3)と、『大辞泉』の1)~3)が怖いくらいきれいに呼応してるんだもん。フツーは順番をかえるくらいするだろ。
 でも、何も見ずにこの問題を見たらけっこう悩むと思う。そりゃ答えは3)だと思うけど、↑の「B」のような屁理屈もこねることができなくはない。
 当方はテッキリ某国産のトンデモ問題集の類いだと思った。でも一応国産らしい。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 トピでいくつかコメントをもらったが、高度すぎて。理解できたのは……、スンナリ納得できたのは……。まあ、当方の知識不足が原因なんだろう。
 問題の選択肢のうち、「動作・作用の目標・対象」を表わすのは1)だけで間違いがないみたい。
 問題は2)と3)の微妙さだけど。トピの「11」の考え方が正解だろう。それを加味すると、あまり考えてもしかたがないってことか。なんだかなー。
 下記は当初の毒入り日記に書いたコメント。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1662457922&owner_id=5019671
================================
↑はトピのコメント「11」とほぼ同じものと考えていいですかね。
 実はコメント「11」を読んで、「そう考えるべきかー」となんかガックリ来てます。
 極端なことを言えば、教科書(あるいはほかの教材)に『大辞泉』と同じことが書いてあったら、文句なく「3」が正解になりますよね。(以下略)
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