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2008年6月の朝日新聞から

 個人的なメモのつもりでしたが、読んでくださっている人がいるらしいので、少し詳しく書くようにします。多少クドくても許して。詳しいとクドいは違う、ってツッコミは聞きません。

6-1
2日
 15面のスポーツ欄。意味不明の見出しが目にとまる。〈「満塁男」対決、仁志に軍配〉
 本文を読んでやっと意味がわかった。今季ここまで満塁時6打数4安打の仁志と、プロ入り後満塁で打たれたことのない成瀬が満塁で対決し、仁志が走者一掃の二塁打を打ったらしい。昔は「満塁男」といえば駒田だった、なんて話は忘れる。満塁の場面に強い投手も「満塁男」って言うのか。よくそんなデータ見つけたもんだ。
 笑ったのは、成瀬のコメント。仁志に打たれた回は3失点なので、どうやらこの回の話ではない。次の回も満塁のピンチになり、押し出しで失点したらしい。「満塁での押し出しは記憶にない」とのこと。満塁ではないときの押し出しを記録したら、ものすごく画期的なことだと思う。

6-2
4日
 フル回転していた救援陣を休ませることができたのは大きい。(朝刊17面)
 完投勝ちした投手を称える文章。細かいことだが、「できたのは」はありえない。「できたのも」だろう。

6-3
6日
 12球団ダントツの最下位(朝刊18面)
「ダントツ」は言うまでもなく「断然トップ」の省略形。だから、「ダントツの成績」などはあっても「ダントツの首位」は重言。百歩譲って、「ダントツの首位」は許すとしても、「ダントツの最下位」はイヤだ。

6-4
11日
 坂井は次ラウンドで同じ星の山田規三夫九段と対戦する。(朝刊14面)
 囲碁観戦記。書き手は内藤由起子記者。こんなこと書くのはインネンかな。小倉優子が相手でない限り、対戦相手は「同じ星の」誰かだろう。相撲ではフツーに「相星」と言うけど、囲碁のリーグ戦の場合は「相星」って使えるかな……。

6-5
12日
 これぞ主夫の鏡(夕刊6面)
「電脳喫茶」のタイトル。「主夫」という語呂合わせはもう市民権を得た気がするので、カッコもつけずに用いるのは許そう。「鏡」はないでしょ。映してどうする。「鑑」だろ。

6-6
13日
「(相手が)くみしやすそうだったから」(朝刊21面)
 オリックスの大石監督が投手を交代させた理由をこう語ったらしい。ホントか? 会話でこんな言葉を使うか? ちなみに「くみしやすい」というのは元々は「与し易い」と書いて、「恐れるに足りない」みたいな意味(ホントの元々は「与する」ことを「し易い」んだから違うと思う)。最近は「組みしやすい」という表記も見かける。現段階では、「くみしやすい」と書くほうが無難だろう。と言うよりこんな言葉は使わないほうがいい。
 それで思い出したこと。最近読んだゲラにこれが出てきた。やや強引だとは思ったが、かたい文体だったので「御しやすい」にしてもらった。
 ほかに出てきた言葉。
6-7
・大国の名を欲しいままにする
 これはさすがに「ほしいまま」にしてもらった。用法も厳密に言えば誤用だと思うが許容した。本来は「権力をほしいままにする」とか「ほしいままにふるまう」と使い、「好き勝手にすること」。漢字で書くなら「縦」とか「恣」とかを当てる。「擅」でもいいらしい。「擅」は「独擅場(どくせんじょう)」の「擅」。本来はこれだったが、いまは「独壇場(どくだんじょう)」のほうがフツーになってしまった。
6-8
・ゾッとする話
 別に間違いではないと考えることもできる。ただ、正しい日本語は
 ゾッとしない話(感心しない話)
 ゾッとするような話(身の毛もよだつような話)
 のどちらか。

6-9
15日
 朝刊37面の「ことば談話室」テーマは「雰囲気」。ネットを探してみると全文があったのでいただく。
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 雰囲気という言葉の音を違えて、「フインキ」と発音する人が少なくない。10年ほど前に行われた「ことばの国勢調査」では、全国的に中学生の半数以上がフインキを使っているという結果が出た。
 言葉の誤用を載せた「問題な日本語」を出版した大修館書店によると、フインキについて読者が寄せた感想からは、地域の偏りは感じられなかったという。関東地区に住む50歳の男性は、「今までフインキと発音していた。すでに定着していると思います」と寄せた。
 一方、関西地区に多いという話も聞く。もっとも、突出して多いわけではなく、特有の言い回しではなさそうだ。
 聞き違いから、言いやすいようにアレンジして覚えてしまったのだろうか。読みを勘違いした人は、パソコンで正しく漢字に変換できず、「不陰気」などという珍語を生み出す。
 ある大手の漢字変換ソフトは、3年前から「ふいんき」の入力でも「雰囲気」が出るようにしている。(菅井保宏)
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 ネットなどでこの話が問題になっているのを知ってはいた。
 でも事態がここまで深刻化しているとは思わなんだ。「フインキ」のほうが言いやすいというのが理解できない。どう読んでも「フン・イ・キ」だろう、思うのは年寄りだから?
 いくら誤用が普及したからといって、フインキで変換できるようにするのは勘弁してくれ。バカを増やすだけだろ。どうしても配慮したいなら、フインキで変換したら「雰囲気(正しい読みはフインキではなくフンイキ)」と出るようにしなよ。ウン十年後には、フインキが主流になってたりして。「悪貨は良貨を駆逐する」……この成語自体が、もともとは誤訳だったんだって。

6-10
18日
 断トツの最下位(朝刊17面)
 書き手は吉原大介記者。看過するからマネをするヤツが出やがった? この表記を使っているってことは、本来の形を知ってんじゃないかね。だったらなぜこんなことを。「大差の最下位」とかでいいじゃん。ほかに何があるんだろう。「圧倒的な最下位」「ブッチギリの最下位」じゃギャグだし。

6-11
23日
日本、米に苦杯(朝刊16面)
 5月にも出てきた「苦杯」。正確には「苦杯を喫する」「苦杯をなめる」。これはバレーの試合で、日本は世界ランキング8位で、アメリカは同4位。ウーン。段々不安になってきた。

6-12
23日
正座の前傾姿勢で目をしばたいて敵陣をにらみ……
 将棋の観戦記事。書き手は丸山玄則記者。「柴炊いて、鍋を作る」「藁炊いて鰹のタタキを……」。つまらないギャグはいらないから。正解は「しばたたいて」です。「バシバシたたいて」でもありません……ヨシナサイ。漢字で書くと「瞬いて」。それじゃ「マタタいて」とも読めるとか言われても知りません。まあ、常用漢字表では「マタタく」しかないから、「しばたたく」とかなで書くのが正解だろうな。
 似た印象の間違いは「声を荒げる」……ゲッ、「アラゲル」で変換できてしまった。おいおい、ネット辞書(Yahoo、gooとも)は「声を荒げる」も採用してるよ。正解は「声を荒らげる」と書いて、「声をアラらげる」と読む。
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