「都度」の使い方 辞書
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【5】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1669912728&owner_id=5019671
mixi日記2011年04月08日から
テーマトピは下記。
【気になってる日本語】(169)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=11795092
ほぼ全文を引く。
================================
「都度」ってやつ。
辞書をひいても用法までははっきりしないので確認できないのですが、私は最近見かけるようになった或る用法に、とても違和感があります。
「○○については、都度確認しましょう」「何らかの変更については、都度連絡します」「都度清算してください」など。
私の感覚では「その都度」「入金される都度、手数料をとられる」「ほんのちょっとの手助けをする都度、丁寧に令状をくれる」などなど、「○○の、○○する」が先行しないとおかしいと思うのです。「どういう都度だよ?」と思うのです。
そういう意味で「変更」の例については「変更があったらその都度」の省略と考えればグレイかな、とも思いますが。
以前、外国暮らしが長い英語の達者な日本人に、「闘魂さん、それはよるんですよ」と言われて、意味がわからなかったことがあります。
言いたかったことは「依る、拠る、因る」で、標準的日本語にすれば「(時と)場合による」の意味でした。
"It depends." という英語表現を翻訳してしまったのだと確信していますが、やはりこの日本語は、「よる」と言われても「何によるんだよ?」と言いたくなります。
同様に最近の、「あまり」と同義の「そこまで○○じゃない」も、先行詞とか「そこ」を暗示もしくは明示する話題が存在しないところで唐突に出てくる使い方の場合には気になります。「どこまでだよ?」と。
これら二つの表現(「よる」、「そこまで」)は意味はわかりますし、最後のは現実問題として流通していることも理解しますけれど、「間違い」だと思っています。
しかし、冒頭の「都度(を単独で使うこと)」はどうなんでしょ?
================================
当方の感覚は、コメント主とほぼ同じ。単独の「都度」ではなく、「○○の都度」でないなら「その都度」とかにするべき。ところがWeb辞書も世間もそうではないらしい。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%A4%E3%81%A9&stype=0&dtype=0
================================
つ‐ど【都度】
物事が行われるたびごと。毎回。「帰郷の―墓参りをする」
================================
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%A4%E3%81%A9&stype=0&dtype=0&dname=0ss
================================
つど1 【都度】
そのたびごと。
その―注意する
================================
↑の辞書を見る限り、単独使用はしない感じがある。手元の『広辞林』も同様だった。
ただ、単独使用は不可という根拠にはなりそうもない。
わかりやすい例としと、下記で考える。
1) 何らかの変更については、都度連絡します
2) その都度注意する
「都度」=「毎回」と考える。1)はやや不自然だけどOK。2)はヘン(「その」を取れば少しマシ?)。
「都度」=「そのたびごと(に)」と考える。1)は少しクドいけどOK。2)は相当ヘン(「その」を取ればOK)。
こう考えると、「その」がないほうがスッキリする。これは辞書が悪い。「都度」の「そのたびごと」の意味があるなら、「その都度」は自動的に「重言」になる。ちなみに、「たびごと」だって重言風だと思う。
もっとシンプルに「都度」=「たび」もしくは「たびごと」と考えればいいのでは。
それなら、1)は「その」をつけて「そのたび(ごと)」にしたくなるし、2)はそのままOK。
「その」をつけない「都度」を見るようになったのは、個人的な記憶ではスポーツクラブのシステム(もう何十年も前の話だ(笑)。月会費のほかに、利用するたびに300円とかとる施設があった。この300円は「都度利用料」とか「当日利用料」とか呼ばれていた。
「当日利用料」はすぐに使われなくなり、やがて「都度利用料」の「都度」もなくなって「利用料」と呼ばれるようになった。さらに、「利用料」をとる施設がなくなった。そりゃそうだろ、「利用料ゼロ」が主流になったら、そんな小銭はとれないって。これは個人会員の話。一部の法人会員はいまでも「利用料」をとっていると思う。
しかし、「都度利用料」という言葉は生き残った。イチバンわかりやすいのは携帯電話だろう。固定電話の場合は「回線料」と「通話料」と言ったような気がする。
携帯電話の場合は、大ざっぱに言うと「定額制」か「都度料金制」になっていた。現在の料金システムはとても簡単には語れない(泣)。
ネットの使用例を見ても、携帯電話とエステ(スポーツクラブのかわりにこれが台頭したか)がほとんど。
http://www.excite.co.jp/search.gw?look=excite_jp&sstype=homepage_d&target=combined&search=%93s%93x%97%BF%8B%E0
で、「都度料金」みたいな言い回しが一般的になってしまうと、「その」がつかないとヘンなんていくら主張してもダメだろうな。
そりゃ言葉はかわっていくもんだけどさ……ウウッ。
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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【5】
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テーマトピは下記。
【気になってる日本語】(169)
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ほぼ全文を引く。
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「都度」ってやつ。
辞書をひいても用法までははっきりしないので確認できないのですが、私は最近見かけるようになった或る用法に、とても違和感があります。
「○○については、都度確認しましょう」「何らかの変更については、都度連絡します」「都度清算してください」など。
私の感覚では「その都度」「入金される都度、手数料をとられる」「ほんのちょっとの手助けをする都度、丁寧に令状をくれる」などなど、「○○の、○○する」が先行しないとおかしいと思うのです。「どういう都度だよ?」と思うのです。
そういう意味で「変更」の例については「変更があったらその都度」の省略と考えればグレイかな、とも思いますが。
以前、外国暮らしが長い英語の達者な日本人に、「闘魂さん、それはよるんですよ」と言われて、意味がわからなかったことがあります。
言いたかったことは「依る、拠る、因る」で、標準的日本語にすれば「(時と)場合による」の意味でした。
"It depends." という英語表現を翻訳してしまったのだと確信していますが、やはりこの日本語は、「よる」と言われても「何によるんだよ?」と言いたくなります。
同様に最近の、「あまり」と同義の「そこまで○○じゃない」も、先行詞とか「そこ」を暗示もしくは明示する話題が存在しないところで唐突に出てくる使い方の場合には気になります。「どこまでだよ?」と。
これら二つの表現(「よる」、「そこまで」)は意味はわかりますし、最後のは現実問題として流通していることも理解しますけれど、「間違い」だと思っています。
しかし、冒頭の「都度(を単独で使うこと)」はどうなんでしょ?
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当方の感覚は、コメント主とほぼ同じ。単独の「都度」ではなく、「○○の都度」でないなら「その都度」とかにするべき。ところがWeb辞書も世間もそうではないらしい。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%A4%E3%81%A9&stype=0&dtype=0
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つ‐ど【都度】
物事が行われるたびごと。毎回。「帰郷の―墓参りをする」
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■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%A4%E3%81%A9&stype=0&dtype=0&dname=0ss
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つど1 【都度】
そのたびごと。
その―注意する
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↑の辞書を見る限り、単独使用はしない感じがある。手元の『広辞林』も同様だった。
ただ、単独使用は不可という根拠にはなりそうもない。
わかりやすい例としと、下記で考える。
1) 何らかの変更については、都度連絡します
2) その都度注意する
「都度」=「毎回」と考える。1)はやや不自然だけどOK。2)はヘン(「その」を取れば少しマシ?)。
「都度」=「そのたびごと(に)」と考える。1)は少しクドいけどOK。2)は相当ヘン(「その」を取ればOK)。
こう考えると、「その」がないほうがスッキリする。これは辞書が悪い。「都度」の「そのたびごと」の意味があるなら、「その都度」は自動的に「重言」になる。ちなみに、「たびごと」だって重言風だと思う。
もっとシンプルに「都度」=「たび」もしくは「たびごと」と考えればいいのでは。
それなら、1)は「その」をつけて「そのたび(ごと)」にしたくなるし、2)はそのままOK。
「その」をつけない「都度」を見るようになったのは、個人的な記憶ではスポーツクラブのシステム(もう何十年も前の話だ(笑)。月会費のほかに、利用するたびに300円とかとる施設があった。この300円は「都度利用料」とか「当日利用料」とか呼ばれていた。
「当日利用料」はすぐに使われなくなり、やがて「都度利用料」の「都度」もなくなって「利用料」と呼ばれるようになった。さらに、「利用料」をとる施設がなくなった。そりゃそうだろ、「利用料ゼロ」が主流になったら、そんな小銭はとれないって。これは個人会員の話。一部の法人会員はいまでも「利用料」をとっていると思う。
しかし、「都度利用料」という言葉は生き残った。イチバンわかりやすいのは携帯電話だろう。固定電話の場合は「回線料」と「通話料」と言ったような気がする。
携帯電話の場合は、大ざっぱに言うと「定額制」か「都度料金制」になっていた。現在の料金システムはとても簡単には語れない(泣)。
ネットの使用例を見ても、携帯電話とエステ(スポーツクラブのかわりにこれが台頭したか)がほとんど。
http://www.excite.co.jp/search.gw?look=excite_jp&sstype=homepage_d&target=combined&search=%93s%93x%97%BF%8B%E0
で、「都度料金」みたいな言い回しが一般的になってしまうと、「その」がつかないとヘンなんていくら主張してもダメだろうな。
そりゃ言葉はかわっていくもんだけどさ……ウウッ。
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