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世に誤用の種は尽きまじ

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html

mixi日記2008年08月09日から

あなたの日本語間違ってますよ!
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=571857&media_id=10

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●「憮然」「檄を飛ばす」…

 先日、文化庁が発表した「国語に関する世論調査」を見て「へえ~っ」と思った人も多いだろう。「憮然」の意味は「腹を立てている様子」ではなく、正解は「失望してぼんやりしていること」。「檄を飛ばす」は「元気のない者に刺激を与えて活気付けること」と思いがちだが、実は「自分の意見や考えを広く人々に知らせて同意を求めること」の意味だ。調査ではどちらも7割以上の人が間違って理解していた。

 こうした紛らわしい言葉はほかにもある。

●おっとり刀…のんびりしている様子をイメージしてしまうが、正解は急な用事などで取るものも取りあえずかけつけるさまをいう。刀を腰に差す余裕もなく手に持っている姿からきた言葉だ。

●辛気臭い…陰気な雰囲気の相手に「なんやその辛気臭い顔は!」などと言ってしまいそうだが、実は思い通りにならず、気分が晴れないさまの意味。

●したり顔…知ったかぶりしている表情ではない。「したり」は物事が成功したときなどに発する言葉。したり顔は得意そうな顔つきのことをいう。

●臍(ほぞ)を噛む…どうしようもないほど悔しい思いをするようなときに使ってしまいがちだが、本当は後悔するという意味。

●慇懃(いんぎん)…「慇懃無礼」という言葉があるから、相手を見下したような態度だと思ってしまうが、慇懃はへりくだって丁寧なさまや礼儀正しいことをいう。ちなみに「慇懃を重ねる」は親しく交際するの意味。

●広言…「あちこちで広言するな」などと言いふらすことのように使ってしまうが、本来の意味は調子よく大きなことを言うこと。

●業腹…「あいつは業腹な性格だ」など人の性格だと勘違いしがちだが、実は非常にしゃくにさわること。「こちらから謝るのは業腹だ」と使う。

 賢くなった――?

(日刊ゲンダイ2008年8月5日掲載)15489
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 本文にはないけど、mixiニュースの見出しは「間違いがちな言葉 本当の意味」になっている。あのー。これって「間違えがち」ですよね……と細かいツッコミを入れてみる。このテの文章で間違いがあると相当恥ずかしい……と自分の首を絞めてみる(泣)。
 これは日刊ゲンダイの責任ではなく、mixiの責任か? ついでに書くと「本当の意味」もちょっと異和感がある。フツーは「正しい意味」だろう。
 先日の文化庁の発表に関しては7月25日の日記に書いた。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=881031344&owner_id=5019671

「おっとり刀」は有名。と手元の『広辞林』を索いて青ざめる。漢字で書くと「追っ取り刀」だとばかり思っていた。たしか、誤用関係の本にそう書いてあった。世の中には恥知らずが多いようだ。正解は「押っ取り刀」。ちなみに「押っ取る」という言葉もあり、「急に手に取る」という意味。なるほどそれはわかりやすい。
 ところで、「取るものも取りあえず」って、たまに目にするけど、よく考えると訳のわかんない言い回しだな。「かけつけるさまをいう」は余計なことを書きすぎ。もしそうだとすると、「おっとり刀で駆けつける」はビキビキの重言になる。「(急な用事などで取るものも取りあえず)何かをするさまをいう」くらいが無難。
 ウーム。「辛気くさい」は誤解していた気がする。ただ、この正用と誤用の差はかなり微妙だろう。
「広言」なんて言葉は見たことも聞いたこともないorz。似たような意味の「公言」ならよく見る。こちらは、「人前で隠しだてすることなく堂々と言うこと」。『広辞林』には、「一般に通じる言葉」という意味も出ている。公用語ってことですかい。

 こうして細かく見ていくと、この記事は相当ヘンだ。

【続きは】↓
 道は2つに分かれる。

【世に誤用の種は尽きまじ──2 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-195.html

【尽くまじ 尽きまじ マジ?】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1216.html
「尽きまじ」って表現自体が誤用らしい。これはけっこう恥ずかしいかも(泣)。


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「尽きまじ」も誤用では

「まじ」は終止形接続の助動詞ですから、本来は「尽くまじ」が正しいのではないかと考えます。戦前の本を読んでいたら「尽くまじ」と出てきたので気がつきました。ただし、「尽きまじ」がかなり一般化しているようなので、今日的用法としては誤用と言い切れるのかどうか、難しいところかも知れません。

Re: 「尽きまじ」も誤用では

nsetz さん

はじめまして。
 焦り気味にザッと調べてみました。
 ご指摘のとおりですね。勉強になりました。ありがとうございます。
 下記をご確認ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1216.html

 ちなみに、どういう経緯でこのブログにたどりつかれたのでしょうか。
 nsetz さんのブログにも興味が湧いたもので……。

わざと古風な言い回しを使わなければならないときに、助動詞などを正しく活用させられない人が多い、といった話題が出たことがあり、そう言えば「尽きまじ」も一般化してるんだろうな、と思って検索をかけたらこのページにたどり着きました。

「尽くまじ」は文法からではなく実際の文を見て気がつきました。戦前昭和の新聞に載った文章を調べる機会があったのですが、そこに例の辞世の句がちょこちょこ出てきて、しかも決まって「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世に盗人の種は尽くまじ」だったのです。考えてみれば文法的にはこの方が正しいし、動詞の語尾が「尽く」から「尽きる」へと変化していく中で「尽くまじ」も「尽きまじ」へと変わっていったんだろうな、と考えるようになりました。

Re: nsetz さん

 ここへたどりついたのはそういう経緯でしたか。ご丁寧にありがとうございます。

>動詞の語尾が「尽く」から「尽きる」へと変化していく中で「尽くまじ」も「尽きまじ」へと変わっていったんだろうな

 終止形の変化に引きずられてそういう形が一般化した……。それが素直な考え方でしょうね。まあ、そのテのモジリ以外にはほとんど使われない形なので、今後も「尽きまじ」の形が使われるんでしょうね。何より「尽きるまじ」では間延びしています。
 実はmixiの日記のほうにこれに関してコメントをもらっています。

>マジは平安時代は終止接続ですが、鎌倉時代から未然接続もでます。「否定」という意味に引きずられてのことと思われます。「尽きまじ」も一概に誤用とは言えない気がします。

 とのこと。当方はほぼオテアゲです。
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