世に誤用の種は尽きまじ──2

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html

 直接的には下記の続き。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html

mixi日記2008年08月10日から

 8日の夜、暦の上では9日の朝、バカなことをしでかしてしまった。
「世に誤用の種は尽きまじ」のタイトルで日記を書き、ニュースから検索できる形にした。アップした直後からそこそこ足跡がつく。
 ふと思い立って、同じニュースから検索できる日記がどんな内容なのかチェックしてみた。いちいち確認したわけではないが、書き手が若いのが意外だった。最年少は18歳(mixiの規則上、これ以下はない。正確には「未満」だろうが、なぜか「以下」のほうがシックリ来る。あるいは一番いいのは「これより下」なのかな)。ほとんどが20代だった。
 若い世代が言葉に興味をもっていることを喜ぶべきだろうか。まあ、フツーに考えれば、年寄りはニュースに絡めて日記なんて書かないか。ってことはtobirisuは20代の感覚? ほんの少しだけ若返ったー(←いい加減にしろ)。
 ザッと読んだところ、3つに大別できる。

1)意味不明派
 ただ足跡が欲しいんだろうな。記事をそのまんま引用して終わりなんて人もいる(マイミクに紹介したかったのかな。それなら数行程度はコメント入れるでしょうに)。もっと極端になると、全然違う内容の日記を書いている。
2)無知お手上げ派
 ニュース内容を見て、「知らなかった」と落ち込んでいる。あんなのフツーの人は知らないよ。
3)無知開き直り派
 7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない、と嘯いている。一理なくはないんだけど、誤用誤用。 
 思うところがあって、そういう書き方をしている日記に片っ端から乱入する。

【乱入コメント】=============================
 突然の乱入失礼します。
 どんなに使用者が増えても、
 誤用誤用です。
=====================================
 
 ウワー。好青年で知られるtobirisuとは思えない感じの悪さ。
 まともに反応したかたがいた。
「たしかに言葉の問題をまじめに考えられているかたには不愉快な書き方でした。申し訳ございません」
 いや、その。そんなに真っ向から反省しなくてもいいのよ。これも定型文なのか?
 なかにはゴチャゴチャ反論してくるかたもいた。
 さらに感じ悪くダメを押す。

【ダメ押しコメント】===========================
 少し挑発的に書きます。
 いろいろな研究をした学者がそう言うなら「そうでしょうね」と聞く気にもなります。
 当方の数少ない経験をもとにして書かせていただくと、若い人で「言葉がかわっていくのは当たり前」と言う人は、ほとんどが「無知の開き直り」です。
「それは誤用だ」と言われても、「だってそう言うしー」のレベルです。たとえば当方がリンクを張った
 
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=881031344&owner_id=5019671

 を全部読んでも、同じことを言えますか。
 あるいは、下記のサイトを見ても、同じことが言えますか。

http://www.shos.info/doc/misuse.html

 口うるさいオヤジと思われても構いません。
 でも、それが言葉なんです。
 上記の2つのリンクに目を通してからなら、どんな暴言でも聞きます。
=====================================

 そのうちメンドくさくなって、いきなり「乱入&ダメ押し」をするようになった。いろいろおもしろい意見が聞けた。ただ、こういうことに興味を持つ割には日本語があやしい人が多い(しかたないか)。あまりにも日本語がおかしくて何を書いているのかわからない箇所を指摘したら、逆ギレした人がいた。

【無知の開き直りの例】==========================
>>tobirisu
んじゃーそれでいいやーw

だな
=====================================

 こんなかたに、まじめにコメントを入れたtobirisuがバカでした。

 で、本題に戻ろう。
 7割以上が誤用していたら、それはもはや誤用ではないのか?
 考え方しだいだろう。多数派なんだからOKと胸を張れる人はどうぞ。勝手に恥をサラしなさい。
 逆に考えれば、3割弱の人に「この人日本語が不自由?」と思われるんだよ。当方はそんなのは絶対にイヤだ。まして、目上の人とか知性の高い人は3割弱の側の可能性が高いのよ。ぜえったいにイヤだ。少なくとも、言葉にかかわる仕事をしている身としては、それは屈辱的すぎる。何より、そんなバカなことをしていたら、仕事にならん。
 マトモな文章を書くことに縁のないバカガキが勝手にそう思っているのなら、「どうぞご自由に」としか言いようがない。でも、ムヤミにそういうことを主張しないでほしい。
 結局のところ、いつも書いているとおり、「使える言葉がどんどん減っていく」ってことになる。アタシャそれが情けない。
 昔、後輩が恥をかいた話を聞いたことがある。お偉いさんに仕事の進捗状況を訊かれ、「完全に煮詰まってます。アドバイスをいただけませんか?」と言ってしまったそうだ。
「オマエはオレをなめてんのかー!」と一喝され、延々と説教されたらしい。
 誤用ひとつにメクジラを立てるのもどうかと思うが、このお偉いさんはそういうキャラだからしかたがない。「煮詰まる」と「行き詰まる」を間違えると、こういうことが起こりかねない。
 実社会で使っちゃいそうで、使っちゃうと相手が逆上しかねない誤用って、ほかにもいろいろある。
「ご苦労様でした」
「役不足」
「枯れ木も山の賑わい」
 そういうのは知っておかないとダメだろ。

 言葉はかわっていくもの。そんなことはみんな知っている。別にどんな言葉も本来の意味で使うべきだなんて主張する気はない。もともとは誤用だがとっくに定着していると思われるものはフツーに使う。「とても」がアータラとか「全然」がコータラなんて話は聞き飽きた。これは前にも書いた。

「とても」は肯定・否定両方使う。
「全然」は否定にしか使わない。
「まったく」は原則として否定にしか使わない。「まったくそのとおり」とかならアリだろう。
「確信犯」は、誤用と言われるとムカツクので原則的に「確信犯的」の形で使う。
 ただ、過渡期にある言葉を、何も知らず誤用の意味で使うのはバカみたいだからやめたほうがいいってこと。

 似たような話で、以前日記に書いたことがある。あれは公開制限があるので転載する。

【トピ主のコメント】===========================
さっき ニュースで 野口みずき選手が 「これを言うと 勝てるってジンクスがある」とか言って 中国語で何か叫んでました

ジンクスって 普通に日本語に使われてますが 英語の意味は 悪いことが起きる、不運をもたらすって意味なんですよね~

ひと昔前までは 本来の意味で使われていたのに 今は反対の意味で 普通に使われてますね
=====================================

【「3」のコメント】===========================
そんなに難く考えることはないのではないでしょうか?
私は個人的には乱れとは感じませんが・・・

時代と共に言葉が変わるのは当たり前のことだと思います。特に今回は一般的にもジンクス≒おまじないというイメージが強くなって「今まさに言葉の意味が変わっていく環境に立ち会っている」と考えるとちょっと気持ちが和みませんか?
=====================================

 この「3」のコメントにカチンと来た。tobirisuの書き方は傲慢丸出しなので読み流してほしい。

【「3」のコメントに対するtobirisuの感想】=================
 これがネットコミュニケーションの怖いとこです。同じことでも、書き手のプロフィールによってニュアンスが大きくかわる。
 アンタ何歳なのよ。プロフィールを詐称してなければ、この人は21歳の大学生。中年のオヤジがこういうふうに語るなら聞き流してもいい。でもオマエが言うな。
 細かく書くよ。まず「難く」ってなんて読むのよ。常用漢字表なら「カタく」。ちょっと無理するなら「ニクく」。まさかと思うけど「ムズカシく」なのか? どうやったらそんな変換するのよ。と書いてやっと誤解に気づく。そんなに堅苦しく考えるなってことなのね。そんな無礼なことをよく書いたもんだ(無礼になるという感覚がないのね、可哀想に)。漢字で書くと「堅く」かな? 

>時代と共に言葉が変わるのは当たり前のこと

 口のきき方に気をつけろよ。んなことはみんなわかってるの。それはオマエが口にするのは、単に無知の開き直りでしかない。黙って先輩の話を拝聴しなさい。反論するならせめて辞書くらい索けよ。
「本来はそういう意味だということは知っていますが、私のまわりではどちらの意味でも使っています」くらいなら聞いてやってもいい。それなら事実の報告だからね。無知に基づく意見を垂れ流すのはやめようね。

>特に今回は一般的にもジンクス≒おまじないというイメージが強くなって

 もう少し日本語の勉強してから出直しておいで。

>と考えるとちょっと気持ちが和みませんか?

 なごむわけないだろ。小娘にそんな口を叩かれて納得する大人はいないよ。
 こちとら「環境に立ち会っている」気はないけど、「過渡期に直面して」戸惑って、苛立って、ムカツいてるよ。
 別に「若造が偉そうに書くな」と決めつける気はない。若くたって高い見識をもっている人はいる。ちゃんとした意見なら聞くよ。自分の無知を公言するような書き方は控えなさい、と老婆心ながら忠告しているだけだよ。
=====================================

 要約しよう。「まとまな日本語も書けないヤツが偉そうに開き直るな。単なる無知にしか見えんぞ」

 そもそも8日の夜に当方がこんなバカなことをしでかしたのは、日本語の問題を話せる知り合いを増やしたかったから。
 年齢や知識量はさほど関係ない。あんまりにも無知だと疲れるけどさ。
 要は、日本語に対する態度が常識的であること。自分の間違いや無知は素直に認められること(ネット上だと、これができないヤツがけっこう多い。そういう人って普段は間違いを指摘されたらどうしてんだろう)。その上で、知識量が豊富なら申し分ない。
 少しばかり知識があっても性格が歪んでいるのは論外……オ、オレのことか?
 σ(^_^;)アセアセ...

【追記】
 誤用の話に興味がある人は、下記の日記は読んでおいて損はないと思う。

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html


【追記2】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「とても」「全然」「まったく」について再確認しておく。

「とても」は歴史的に見れば、昔は否定にしか使わなかった。芥川龍之介がそんなことを書いて物議を醸した記憶がある。
【芥川龍之介の「とても」】
http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20070616/p1
 現在の出版・編集の現場では肯定でも否定でも○。

「全然」は歴史的見れば諸説ある。どうやら、昔は肯定でも否定でも使ったらしい。
 現在の出版・編集の現場では否定にしか使わない。なかには許容する人もいるかもしれないが、個人的には×。

「まったく」は原則として否定にしか使わない。ただし、「まったくそのとおり」のように異和感のない場合もある。

赤い本」には以下のように書いた。
================================
【練習問題18】
 次の文のなかでヘンなのはどれで、なぜヘンなのか理由を考えてください。
  1)この料理は全然おいしい。
  2)この料理はとてもおいしい。
  3)この料理はまったくおいしい。

 副詞のなかには、後ろに決まった表現が来るものがあります。たとえば、「けっして」という副詞を使った場合、後ろに来るのは「~ない」などの否定形で、肯定形が来ることはありません。同様に、「全然」の後ろも否定形が来るのが一般的です。1)のように「全然」が使われているのに後ろが「おいしい」という肯定形では、「係り結ばず」になってしまいます。
 近年、話し言葉の中で使われる「全然+肯定形」が「言葉の乱れ」として取りざたされていることは、ご存じのかたも多いでしょう。将来的にはわかりませんが、現段階では、まだヘンな形と考えられます。「現段階では」と書いたのは、「〇〇+否定形」のルールはくずれていくことが多い気がするからです。
「とても」もかつては後ろに否定形を伴う言葉でした。しかし現在では、2)のように「この料理はとてもおいしい。」といっても問題はありません。
「まったく」は、微妙な段階にあるようです。3)の「この料理はまったくおいしい。」や「まったくタメになる。」はヘンなのに、「まったくそのとおりです。」という使い方なら問題は感じられません。「まったく」は、基本的には後ろに否定形が来るようですが、肯定形が来てもヘンではない場合もあるということです。
 このように考えると、「まったく+肯定形」は近々ふつうの表現になり、やがては「全然+肯定形」もヘンではなくなる可能性があると思います。
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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

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はい。私がその、アホな後輩です。

きくちゃん さま

> はい。私がその、アホな後輩です。

 もしかすると、同じようなことをなさったんですか。それはいけません。

 それとも同じ話ですかね。確認のため、その後輩の恥ずかしい話を近々出血大サービスでupします。またしても偶然に一致するかご確認ください。
「恥ずかしい話ならアンタのほうが全然多いだろう」ってコメントは聞こえません(やはりこの「全然」は「断然」にするべきでしょう)。
 tobirisuに都合の悪い話はこの空間では存在しないことになります。編集権は握ってるもんねー。やーい、やーい。(←バカガキか!) 
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フリーランスの編集者兼ライターです。

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