安藤美姫&浅田真央の口癖?
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671
mixi日記2011年08月02日から
テレビなどでスポーツ選手のコメント聞いていると、首を傾げてしまうことが多い。単なる誤用は聞き流すけど、微妙にズレている場合は気になる。真っ先に浮かぶのは「そうですね……」。これは野球選手に目立つような。
238)【●●に見えてしまう「そうですね」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1517441350&owner_id=5019671
高校球児に目立つのは「うれしいです」(後述)の類い。プロレスラーにいたっては、妙な言い回しの宝庫(黒笑)。
そんなわけでどんなコメントがあっても生温かくスルーするようにしている。
異なるコミュで、フィギュア選手の言葉づかいに関する話が相次いで出た。
興味深いのでまとめて考えてみる。
■安藤美姫選手の「勇気を与える」
【皆さんに勇気を与えたい?】日本語の乱れが気になる会
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64098935
安藤美姫選手がインタビューなどで「皆さんに勇気を与えるような滑りができたらいいと思います」と言うそうな。
なんかよくわからん展開になっている。
2つの側面がありそうだ。
以前「気に入らない言葉」として「勇気をもらう」「元気をもらう」をあげている意見を見た。「勇気」「元気」は他者からもらうものではなく、内面から湧いてくるもの……ってことらしい。
そういうことが気になる人もいるのか。何かを見聞して「勇気」や「元気」が「出た」ことを「もらった」と言っちゃマズいのかなあ。まあ、「元気をもらう」は『ドラゴンボール』から生まれた俗語って言われたら反論できないが。
本命は「与える」の部分だろう。
これは相当イヤ。
「与える」は「あげる」よりもさらにヒドい言葉で「やる」と同程度だろう。
246)【「やる」 「あげる」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1523098273&owner_id=5019671
じゃあどう言いかえればいいか。「勇気をもってもらえる」くらいなら何も問題もないだろうが、ニュアンスがかわるしちょっとクドい。授受関係を生かすなら「勇気を差し上げる」。そのままだとちょっとヘンなので可能形にしようか。
「皆さんに勇気を差し上げられるような滑りができたらいいと思います」
なんかヘン。
そう考えると、「勇気」「元気」を他者から「もらう」のはアリだが、他者に「あげる」ものではないのかも。選手側はそういう邪念をもたずにひたむきにプレイをする。それを見ることによって、観客が「勇気」「元気」を「もらう」ってこと。
ふーむ。こんなサイトもあった。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1167973586
■浅田真央選手の「頑張りたいと思います」
【「頑張りたいと思います」】よろしかったですか撲滅委員会
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64110276
浅田真央選手がよく言っているらしい。
「頑張って優勝したい」ならおかしくないが、「頑張る」に「たい」をつけるのはヘン。「頑張ります」と言うのが素直……という趣旨のようだ。
そのとおりだと思うが、これも2つの側面があると思う。
まず、なぜ「頑張る」ではなく「頑張りたい」なのか。
世間で言われる曖昧表現のひとつなのかもしれない。ただ、個人的には曖昧(「緩衝」でも「ボカシた」でもいいけど)表現が増えている、って実感はない。たしかに妙にもって回った表現がふえているが、その一方でツッケンドンな断言調もふえている。それを言うなら「二極化」かもしれない。最近の若者の言葉が乱れてる……ってのも違う気がする。若いモンの言葉がおかしいのは昔から。
いわゆるバイト敬語は新しい現象かもしれないが、それは接客に従事するバイトがふえたことや、妙なマニュアルが浸透して……って話になる。話がどっかに行ってしまいそうなんでパスしておこう。
実際のところ、浅田選手がどんな意識でつかっているのかはわからない。
「頑張って○○したい」の略
「頑張る」気持ちはあるけど、いろいろ外野がうるさくて集中できない
なんの根拠もないけど、「頑張る」を「いい成績を残す」くらいの意味で使っている気がする。そうなると、「頑張る」ではなく「頑張りたい」になってもおかしくないのでは。
問題は次の側面。
「頑張りたい」を敬体するとどうなるか。
「頑張りたい」に直接「です」をつけるのはイヤ……と考えたのなら、相当語感が鋭い。実はこの問題は安藤選手のコメントにも出ている。「~滑りができたらいいです」(これは「頑張りたいです」よりさらにイヤ)ではなく、「~滑りができたらいいと思います」と言っている。
〈「い形容詞終止形」+「です」〉を許容するか否かは微妙な問題で、アチコチのコミュで話題になっている。
「~ないです」ではなく「~ありません」が正しい、なんてコメントも見飽きた。理由をきちんと説明するのはかなりたいへんなのよ。なんせ文化庁は遠い昔に許容している。
【関連トピ紹介】6──「うれしいです」「悲しかったです」の類いは是か非か
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=41893779
〈「い形容詞終止形」+「です」〉を避けようとするなら、「~と思います」にするのがイチバン簡単な方法だろう。
モロモロ考えると、「頑張りたいと思います」を責める気にはなれない。自分では使わないけど。
【20110703追記】
3日の昼にテレビに東北ゆかりの「なでしこ」が出ていた。岩清水梓(岩手出身)と丸山桂里奈(福島第一原子力発電所での勤務経験アリ)。たしか岩清水選手のほうだったと思う。「東北の人たちに元気を与えたい」と言った。けっこう広まっているのかもしれない。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671
mixi日記2011年08月02日から
テレビなどでスポーツ選手のコメント聞いていると、首を傾げてしまうことが多い。単なる誤用は聞き流すけど、微妙にズレている場合は気になる。真っ先に浮かぶのは「そうですね……」。これは野球選手に目立つような。
238)【●●に見えてしまう「そうですね」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1517441350&owner_id=5019671
高校球児に目立つのは「うれしいです」(後述)の類い。プロレスラーにいたっては、妙な言い回しの宝庫(黒笑)。
そんなわけでどんなコメントがあっても生温かくスルーするようにしている。
異なるコミュで、フィギュア選手の言葉づかいに関する話が相次いで出た。
興味深いのでまとめて考えてみる。
■安藤美姫選手の「勇気を与える」
【皆さんに勇気を与えたい?】日本語の乱れが気になる会
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64098935
安藤美姫選手がインタビューなどで「皆さんに勇気を与えるような滑りができたらいいと思います」と言うそうな。
なんかよくわからん展開になっている。
2つの側面がありそうだ。
以前「気に入らない言葉」として「勇気をもらう」「元気をもらう」をあげている意見を見た。「勇気」「元気」は他者からもらうものではなく、内面から湧いてくるもの……ってことらしい。
そういうことが気になる人もいるのか。何かを見聞して「勇気」や「元気」が「出た」ことを「もらった」と言っちゃマズいのかなあ。まあ、「元気をもらう」は『ドラゴンボール』から生まれた俗語って言われたら反論できないが。
本命は「与える」の部分だろう。
これは相当イヤ。
「与える」は「あげる」よりもさらにヒドい言葉で「やる」と同程度だろう。
246)【「やる」 「あげる」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1523098273&owner_id=5019671
じゃあどう言いかえればいいか。「勇気をもってもらえる」くらいなら何も問題もないだろうが、ニュアンスがかわるしちょっとクドい。授受関係を生かすなら「勇気を差し上げる」。そのままだとちょっとヘンなので可能形にしようか。
「皆さんに勇気を差し上げられるような滑りができたらいいと思います」
なんかヘン。
そう考えると、「勇気」「元気」を他者から「もらう」のはアリだが、他者に「あげる」ものではないのかも。選手側はそういう邪念をもたずにひたむきにプレイをする。それを見ることによって、観客が「勇気」「元気」を「もらう」ってこと。
ふーむ。こんなサイトもあった。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1167973586
■浅田真央選手の「頑張りたいと思います」
【「頑張りたいと思います」】よろしかったですか撲滅委員会
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64110276
浅田真央選手がよく言っているらしい。
「頑張って優勝したい」ならおかしくないが、「頑張る」に「たい」をつけるのはヘン。「頑張ります」と言うのが素直……という趣旨のようだ。
そのとおりだと思うが、これも2つの側面があると思う。
まず、なぜ「頑張る」ではなく「頑張りたい」なのか。
世間で言われる曖昧表現のひとつなのかもしれない。ただ、個人的には曖昧(「緩衝」でも「ボカシた」でもいいけど)表現が増えている、って実感はない。たしかに妙にもって回った表現がふえているが、その一方でツッケンドンな断言調もふえている。それを言うなら「二極化」かもしれない。最近の若者の言葉が乱れてる……ってのも違う気がする。若いモンの言葉がおかしいのは昔から。
いわゆるバイト敬語は新しい現象かもしれないが、それは接客に従事するバイトがふえたことや、妙なマニュアルが浸透して……って話になる。話がどっかに行ってしまいそうなんでパスしておこう。
実際のところ、浅田選手がどんな意識でつかっているのかはわからない。
「頑張って○○したい」の略
「頑張る」気持ちはあるけど、いろいろ外野がうるさくて集中できない
なんの根拠もないけど、「頑張る」を「いい成績を残す」くらいの意味で使っている気がする。そうなると、「頑張る」ではなく「頑張りたい」になってもおかしくないのでは。
問題は次の側面。
「頑張りたい」を敬体するとどうなるか。
「頑張りたい」に直接「です」をつけるのはイヤ……と考えたのなら、相当語感が鋭い。実はこの問題は安藤選手のコメントにも出ている。「~滑りができたらいいです」(これは「頑張りたいです」よりさらにイヤ)ではなく、「~滑りができたらいいと思います」と言っている。
〈「い形容詞終止形」+「です」〉を許容するか否かは微妙な問題で、アチコチのコミュで話題になっている。
「~ないです」ではなく「~ありません」が正しい、なんてコメントも見飽きた。理由をきちんと説明するのはかなりたいへんなのよ。なんせ文化庁は遠い昔に許容している。
【関連トピ紹介】6──「うれしいです」「悲しかったです」の類いは是か非か
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=41893779
〈「い形容詞終止形」+「です」〉を避けようとするなら、「~と思います」にするのがイチバン簡単な方法だろう。
モロモロ考えると、「頑張りたいと思います」を責める気にはなれない。自分では使わないけど。
【20110703追記】
3日の昼にテレビに東北ゆかりの「なでしこ」が出ていた。岩清水梓(岩手出身)と丸山桂里奈(福島第一原子力発電所での勤務経験アリ)。たしか岩清水選手のほうだったと思う。「東北の人たちに元気を与えたい」と言った。けっこう広まっているのかもしれない。
スポンサーサイト