「あげく」と「末」の違い 日本語
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671
mixi日記2011年09月02日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1770191980&owner_id=5019671
テーマトピは下記。
【あげく、末に の違いと使い方】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64642071&comm_id=398881
似たような言葉の違いを考える方法。
まずgoo辞書の類語辞書をひくことをオススメする。これにピッタリの項目があれば、ほぼ解決することもある(例外は多い)。
http://dictionary.goo.ne.jp/
「末」で検索すると。比較されているのは、「終わり(おわり)/しまい/末(すえ)/最後(さいご)/最終(さいしゅう)」。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/14846/m0u/%E3%81%99%E3%81%88/
こうなると、「あげく」と「末」を比較すること自体が的外れ、って可能性がある。その場合は投げ出すのが正解。
ただちょっと考えると、「あげく」を「末」に置きかえられそうな例は浮かんでくる。
ということで、投げ出さずに先に進む。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%8F&stype=0&dtype=0
================================
あげ‐く【挙(げ)句/揚(げ)句】
1 連歌・連句の最後の七・七の句。→発句(ほっく)
2 終わり。結果。末(すえ)。「苦労した―が失敗とは情けない」
3 (副詞的に用いて)結局のところ。その結果として。現在では、連体修飾語を上に付けて用いることが多い。「さんざん迷った―買ってしまった」
================================
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%9C%AB&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=09815100&pagenum=1
================================
すえ〔すゑ〕【末】
1 (本(もと)に対して)続いているものの先端の方。末端。「毛の―」
2 川下(かわしも)。下流。
「山中の渓流の―である河は」〈大岡・野火〉
3 中央から離れた端の所。場末・野ずえ・末席など。「―の座」
4 本筋から隔たった物事。つまらないこと。「そんな細かいことは―の―だ」
5 物事の行われたのち。あげく。「ごたごたの―落ち着く」「苦心の―完成した」
6 ある期間の終わりのほう。「今月の―」
7 一生の最後の時期。晩年。「人一代の―」
8 今からのち。行く末。将来。「―が思いやられる」
9 子孫。「源氏の―」
10 一番あとに生まれた子。末っ子。「―は女です」
11 仏教がおとろえ人心がすさみ、道徳も秩序も乱れ衰えた時代。末世(まっせ)。「世も―となる」
12 短歌の下(しも)の句。
13 (本(もと)に対して)後編。
14 神楽歌を奏するのに、神座に向かって右方の座席。また、そこにすわる奏者。
15 草木の伸びている先。こずえ、枝先など。
「うぐひすの…紅梅の―にうち鳴きたるを」〈源・若菜上〉
16 山頂。山のいただき。
「高山、短山(ひきやま)の―より」〈祝詞・六月晦大祓〉
17 江戸時代、将軍・大名などに仕えた女中。おすえ。
18 身分の低いもの。下等。下級。
「―の傾城四人まゐりて」〈浮・一代男・八〉
================================
「あげく」の「1」は本来の意味なんだろう。これがなぜ「1」なのかは不明(通常辞書は使用例の多い順に並んでいるはず……たびたび違うってことは、この認識がおかしいのだろうか)。専門用語に近いのでここでは無視する。
「あげく」の「2」は、「末」の「5」とほぼ同じだろう。両方の例文は、{あげく/末}のどちらを入れても異和感がない。「あげく」の「3」が「2」とどう違うのか、よくわからない。ちょっとニュアンスが違うが、「末」の「5」とほぼ同じだろう。互換性もある。
確認にため『大辞林』もひいてみた。「あげく」に関しては『大辞林』にほうがずっとマシな気がする。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%8F&stype=1&dtype=0&dname=0ss
================================
あげく0 【挙(げ)句・揚(げ)句】
〔補説〕 [2] が原義
[1]いろいろやってみた結果。結局のところ。副詞的にも用いる。
さんざん苦労した―がこの始末だ
いろいろ難癖をつけた―、何も買わずに帰った
[2]連歌・連句において最後の句のこと。
⇔発句(ほつく)
→(句)挙げ句(あげく)の果て
================================
ここまででわかること。
「あげく」に比べて「末」のほうがはるかに用途が広く、「あげく」とほぼ同じ意味もある。「あげく」はたいてい「末」に置きかえることができるが、逆が成立するケースは限られている。
ちなみに、両方に助詞の「に」をつけて「あげくに」と「末に」で比べても同様だろう。「あげくに」や「末に」を一語と考えるか否か、品詞は何かなんてことは関知しない。
514)【突然ですが問題です【日本語編53】──はじめに 次に 先に】【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1747707250&owner_id=5019671
ここから先は主観をまじえる。
「あげく」は、たいていよくないことに使われる。よくないことは「あげく」の後ろにあることが多いが、前にあることもある。一方、「末」はよいことにもよくないことにも使われる。
Web辞書の「あげく」の項にあった例文を見てみよう。
1)苦労したあげくが失敗とは情けない
2)さんざん迷ったあげく買ってしまった
3)さんざん苦労したあげくがこの始末だ
4)いろいろ難癖をつけたあげく、何も買わずに帰った
1)は「苦労」で「失敗」とダブルで来ている。「好運が続いたあげくがあのザマとは情けない」のように、前にいいことをもってくることができなくはない。でも異和感がある。
2)は「迷った」で「買ってしまった」。「買った」なら善悪のないフツーの言葉だが、「~しまった」に否定的なニュアンスが伴う。「さんざん迷ったあげく買ったらとてもいい選択だった」にできなくはないが、個人的にはいい結果の場合「あげく」は使わない。
3)「苦労」で「この始末」だからダブル型。
4)「難癖」。「買わず」は善悪のないフツーの言葉。ただ、この例文は店側の立場(もしくはそれに近い立場)で書いていると思われる。気持ちとしては「買わずに帰りやがった」ってところだろう。
少しまじめに辞書をひけば、このくらいのことはわかるはずなんだけどなぁ。
こういう「あげく」の負のニュアンスを端的に表わしているのが、「あげくの果て」。これも『大辞林』はちゃんとリンクを張っている。『大辞泉』しっかりしろー。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0ss/100222000010/
================================
挙げ句(あげく)の果て
「挙げ句」を強調した言い方。いろいろな経過をへた最後。とどのつまり。
================================
ただし、負のニュアンスについてはふれていない。よけいなことを書かないようにしているのかもしれない(「辞書はそういうもの」とも言えるし、「怠慢」とも言える)。ただ、「好運が続いたあげくの果てに大成功をおさめた」といった使い方は相当異様。「あげくの果て」の場合は、たいてい前も後ろもよくないことになる。
「あげくの果て」と言うなら「あげくの末」もアリなのかもしれないが、関知したくない。
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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1770191980&owner_id=5019671
テーマトピは下記。
【あげく、末に の違いと使い方】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64642071&comm_id=398881
似たような言葉の違いを考える方法。
まずgoo辞書の類語辞書をひくことをオススメする。これにピッタリの項目があれば、ほぼ解決することもある(例外は多い)。
http://dictionary.goo.ne.jp/
「末」で検索すると。比較されているのは、「終わり(おわり)/しまい/末(すえ)/最後(さいご)/最終(さいしゅう)」。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/14846/m0u/%E3%81%99%E3%81%88/
こうなると、「あげく」と「末」を比較すること自体が的外れ、って可能性がある。その場合は投げ出すのが正解。
ただちょっと考えると、「あげく」を「末」に置きかえられそうな例は浮かんでくる。
ということで、投げ出さずに先に進む。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%8F&stype=0&dtype=0
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あげ‐く【挙(げ)句/揚(げ)句】
1 連歌・連句の最後の七・七の句。→発句(ほっく)
2 終わり。結果。末(すえ)。「苦労した―が失敗とは情けない」
3 (副詞的に用いて)結局のところ。その結果として。現在では、連体修飾語を上に付けて用いることが多い。「さんざん迷った―買ってしまった」
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%9C%AB&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=09815100&pagenum=1
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すえ〔すゑ〕【末】
1 (本(もと)に対して)続いているものの先端の方。末端。「毛の―」
2 川下(かわしも)。下流。
「山中の渓流の―である河は」〈大岡・野火〉
3 中央から離れた端の所。場末・野ずえ・末席など。「―の座」
4 本筋から隔たった物事。つまらないこと。「そんな細かいことは―の―だ」
5 物事の行われたのち。あげく。「ごたごたの―落ち着く」「苦心の―完成した」
6 ある期間の終わりのほう。「今月の―」
7 一生の最後の時期。晩年。「人一代の―」
8 今からのち。行く末。将来。「―が思いやられる」
9 子孫。「源氏の―」
10 一番あとに生まれた子。末っ子。「―は女です」
11 仏教がおとろえ人心がすさみ、道徳も秩序も乱れ衰えた時代。末世(まっせ)。「世も―となる」
12 短歌の下(しも)の句。
13 (本(もと)に対して)後編。
14 神楽歌を奏するのに、神座に向かって右方の座席。また、そこにすわる奏者。
15 草木の伸びている先。こずえ、枝先など。
「うぐひすの…紅梅の―にうち鳴きたるを」〈源・若菜上〉
16 山頂。山のいただき。
「高山、短山(ひきやま)の―より」〈祝詞・六月晦大祓〉
17 江戸時代、将軍・大名などに仕えた女中。おすえ。
18 身分の低いもの。下等。下級。
「―の傾城四人まゐりて」〈浮・一代男・八〉
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「あげく」の「1」は本来の意味なんだろう。これがなぜ「1」なのかは不明(通常辞書は使用例の多い順に並んでいるはず……たびたび違うってことは、この認識がおかしいのだろうか)。専門用語に近いのでここでは無視する。
「あげく」の「2」は、「末」の「5」とほぼ同じだろう。両方の例文は、{あげく/末}のどちらを入れても異和感がない。「あげく」の「3」が「2」とどう違うのか、よくわからない。ちょっとニュアンスが違うが、「末」の「5」とほぼ同じだろう。互換性もある。
確認にため『大辞林』もひいてみた。「あげく」に関しては『大辞林』にほうがずっとマシな気がする。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%8F&stype=1&dtype=0&dname=0ss
================================
あげく0 【挙(げ)句・揚(げ)句】
〔補説〕 [2] が原義
[1]いろいろやってみた結果。結局のところ。副詞的にも用いる。
さんざん苦労した―がこの始末だ
いろいろ難癖をつけた―、何も買わずに帰った
[2]連歌・連句において最後の句のこと。
⇔発句(ほつく)
→(句)挙げ句(あげく)の果て
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ここまででわかること。
「あげく」に比べて「末」のほうがはるかに用途が広く、「あげく」とほぼ同じ意味もある。「あげく」はたいてい「末」に置きかえることができるが、逆が成立するケースは限られている。
ちなみに、両方に助詞の「に」をつけて「あげくに」と「末に」で比べても同様だろう。「あげくに」や「末に」を一語と考えるか否か、品詞は何かなんてことは関知しない。
514)【突然ですが問題です【日本語編53】──はじめに 次に 先に】【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1747707250&owner_id=5019671
ここから先は主観をまじえる。
「あげく」は、たいていよくないことに使われる。よくないことは「あげく」の後ろにあることが多いが、前にあることもある。一方、「末」はよいことにもよくないことにも使われる。
Web辞書の「あげく」の項にあった例文を見てみよう。
1)苦労したあげくが失敗とは情けない
2)さんざん迷ったあげく買ってしまった
3)さんざん苦労したあげくがこの始末だ
4)いろいろ難癖をつけたあげく、何も買わずに帰った
1)は「苦労」で「失敗」とダブルで来ている。「好運が続いたあげくがあのザマとは情けない」のように、前にいいことをもってくることができなくはない。でも異和感がある。
2)は「迷った」で「買ってしまった」。「買った」なら善悪のないフツーの言葉だが、「~しまった」に否定的なニュアンスが伴う。「さんざん迷ったあげく買ったらとてもいい選択だった」にできなくはないが、個人的にはいい結果の場合「あげく」は使わない。
3)「苦労」で「この始末」だからダブル型。
4)「難癖」。「買わず」は善悪のないフツーの言葉。ただ、この例文は店側の立場(もしくはそれに近い立場)で書いていると思われる。気持ちとしては「買わずに帰りやがった」ってところだろう。
少しまじめに辞書をひけば、このくらいのことはわかるはずなんだけどなぁ。
こういう「あげく」の負のニュアンスを端的に表わしているのが、「あげくの果て」。これも『大辞林』はちゃんとリンクを張っている。『大辞泉』しっかりしろー。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0ss/100222000010/
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挙げ句(あげく)の果て
「挙げ句」を強調した言い方。いろいろな経過をへた最後。とどのつまり。
================================
ただし、負のニュアンスについてはふれていない。よけいなことを書かないようにしているのかもしれない(「辞書はそういうもの」とも言えるし、「怠慢」とも言える)。ただ、「好運が続いたあげくの果てに大成功をおさめた」といった使い方は相当異様。「あげくの果て」の場合は、たいてい前も後ろもよくないことになる。
「あげくの果て」と言うなら「あげくの末」もアリなのかもしれないが、関知したくない。
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