「チョー」「超」「ド」「激」
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671
mixi日記2011年11月02日から
一応下記の続き。コメント欄参照。
【突然ですが問題です【日本語編78】──「チョー」「超」の話 】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1789979530&owner_id=5019671
ずいぶん前に書きかけて、ずーっと放置していたネタ。トピでのやり取りを見て引っ張りだした。
近年目立つ表現のひとつに「超○○」がある。この表現自体は相当古い歴史があるはずだが、近年使われ方がかわってきた。
まず辞書をひく。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%B6%85&stype=1&dtype=0
================================
ちょう〔テウ〕【超】
[接頭]名詞に付いて、程度が特に普通以上であること、また、普通をはるかにこえたものであることを表す。「―満員」「―音速」
◆俗に「超きれい」「超むかつく」などと副詞的にも用いられる。
================================
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%B6%85&stype=1&dtype=0&dname=0ss
================================
ちょう[てう]【超】
1(名)
数字の下に付いて、ある数値を超える意を表す。
一万円―(一万円ヨリ多イ)
60kg―
2(接頭)
〔1〕名詞に付く。
[1]程度が特に極端なものである意を表す。
―満員
―高層ビル
―弩級(どきゆう)
[2]あるものから極端に逸脱している意を表す。
―現実主義
―心理学
〔2〕動詞・形容詞・形容動詞などにつけて、程度がはなはだしいさまを強調する現代の若者言葉。すごく。とても。
―むかつく
―うまい
================================
これは『大辞林』のほうが詳しい。以後、基本的に『大辞林』をベースにする。
名詞(主として漢語系)につく形は昔からあった。「超ド級」(語源的には「ド」なんだろうな。ド阿呆の「ド」とは無関係です)は、100年以上前。「夢の超特急」も死語に近いんだろうな。この2つに関してはネット上の語源関係の辞典に出ていた(末尾参照)。
名詞につく「超」は、2種類ある気がする。
『大辞林』の定義がわかりにくいので、ちょっと書きかえる。
1)「とっても」の意味(「とても」よりこのほうが感じが出る)
超満員/超高層
2)「○○(のレベル)を超えちゃっている」の意味
超現実主義/超心理学/超人/超高校級
1)は「超」の後ろが「程度を含む言葉」でないとおかしい。
なかには微妙なものもある。『大辞林』は「超ド級」を1)にしているようだが、2)のほうが素直だろう。「とってもド級」ではなく「ド級(級≒のレベル)を超えちゃっている」という意味(「レ」か「ミ」か、とか言わないように)。「超高校級」に近い。
「超音速」「超特急」あたりは、「速」「急」という「程度を含む言葉」だけど、1)と考えるのは異和感がある。「超音速」は「とっても音速」ではなく、「音速(のレベル)を超えちゃっている」のほうが近い気がする。「超特急」も同様。
まあ、こんなことを厳密に分類しても意味はないか。
名詞につく「超」だけを考えても、気になることがいろいろある。
●超ベテラン
1)で「とってもベテラン」だと思うが、2)で「ベテラン(のレベル)を超えちゃっている」ととれなくもないような……(どういう意味だ?)。「超」を使わずに言いかえるなら「大ベテラン」だろうな。
●超初心者
これは1)。2)と考えると訳がわからなくなる。「初心者」だけど妙に鋭い着眼点をもっている「スーパー初心者」……ちょっとイヤだ。
元々ある言葉だと思うが、最近の言葉のようにも思えて訳がわからない。「チョー初心者なんで、やさしく教えて。ヨロピク」あたりだとカタカナ書きが似合う。
困るのは、うまい書きかえが見当たらないこと。
アイデアを募ったら、「ズブの素人」というのを教えてもらった。これはアリ。ほかに、「ド素人」なんてのもアリだろう。「門前の小僧」とかも可愛い。門外漢。半可通。トーシロー。ヒヨ(ッ)コ。
●超レア
2つの解釈ができる。
1)肉の焼き方などを示す
言いかえるなら、「うんとレア(でお願いします)」くらいかな。
この場合の「レア」の品詞が微妙。名詞と考えるなら本来の用法だけど、形容動詞なら近年の使い方になる。昔はマティーニを頼むのに「エクストラドライで」なんて言ったもんだ(ほぼジンのストレート)。酎ハイを頼むのに「アル中用」って裏メニュー?を頼んでたこともある(ほとんど焼酎のロック)。いまじゃ焼酎の水割りを「うんと薄くして」だもんな。情けない(泣)。
2)コレクションなどを示す
これは近年の用法だろう。「激レア」のほうが一般的な気がする。「激レアの品」は、要は「珍品」のこと(ミもフタもない)。
この意味で「超レア」と言う場合は、たとえ「レア」を名詞と考えても本来の用法とは……。
ここまでの例は微妙ではあってもまだ許容範囲かもしれない。
近年、超急ピッチで広まったのが用言につく用法。
〈〔2〕動詞・形容詞・形容動詞などにつけて、程度がはなはだしいさまを強調する現代の若者言葉。すごく。とても。〉(『大辞林』)
〈◆俗に「超きれい」「超むかつく」などと副詞的にも用いられる。〉(『大辞泉』)
いつ頃から広まったかは定かではない。元々はギャル語だったと思う。とにかくなんにでもつくから、定着した観がある。名詞につく例も激増し、適用範囲が格段に広がった。
「形容詞・形容動詞」に関してはたいていのものにつく。ただ、上品な印象のある言葉とは相性が悪い気がする。「チョーきれい」はアリでも「チョー美しい」はヘン。「チョー美人」は微妙。名詞についているので「超美人」かもしれない。このあたりを調べはじめると気の遠くなる作業になる。
「超ド級」
http://gogen-allguide.com/ti/choudokyuu.html
「超特急」
http://zokugo-dict.com/17ti/cyoutokkyu.htm
================================
超特急
超特急とは、物事を急いで処理すること。 超特急とは、年上の女性の愛人である若い男性のこと。
【年代】 昭和時代~ 【種類】 -
超特急の解説
[1] 超特急とは仕事や届け物など急いで処理することや単に「大急ぎ」という意味で使われる。
【この意味での関連語】
いの一番
シャカリキ
ちょっぱや
鈍行
ナルハヤ
ばたばた
[2] 超特急とは年上の女性の愛人である若い男性を意味する俗語『若いつばめ』と『超特急つばめ』をかけたもので『若いつばめ』と同じ意味で使われた。(若いつばめについては関連ページ参照)
【この意味での関連語】
囲う
ジゴロ
零号
つばめ
二号
バサロ恋愛
フェミニスト
若いツバメ
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●バイト敬語/若者言葉のコレクション
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1818.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
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mixi日記2011年11月02日から
一応下記の続き。コメント欄参照。
【突然ですが問題です【日本語編78】──「チョー」「超」の話 】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1789979530&owner_id=5019671
ずいぶん前に書きかけて、ずーっと放置していたネタ。トピでのやり取りを見て引っ張りだした。
近年目立つ表現のひとつに「超○○」がある。この表現自体は相当古い歴史があるはずだが、近年使われ方がかわってきた。
まず辞書をひく。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%B6%85&stype=1&dtype=0
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ちょう〔テウ〕【超】
[接頭]名詞に付いて、程度が特に普通以上であること、また、普通をはるかにこえたものであることを表す。「―満員」「―音速」
◆俗に「超きれい」「超むかつく」などと副詞的にも用いられる。
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■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%B6%85&stype=1&dtype=0&dname=0ss
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ちょう[てう]【超】
1(名)
数字の下に付いて、ある数値を超える意を表す。
一万円―(一万円ヨリ多イ)
60kg―
2(接頭)
〔1〕名詞に付く。
[1]程度が特に極端なものである意を表す。
―満員
―高層ビル
―弩級(どきゆう)
[2]あるものから極端に逸脱している意を表す。
―現実主義
―心理学
〔2〕動詞・形容詞・形容動詞などにつけて、程度がはなはだしいさまを強調する現代の若者言葉。すごく。とても。
―むかつく
―うまい
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これは『大辞林』のほうが詳しい。以後、基本的に『大辞林』をベースにする。
名詞(主として漢語系)につく形は昔からあった。「超ド級」(語源的には「ド」なんだろうな。ド阿呆の「ド」とは無関係です)は、100年以上前。「夢の超特急」も死語に近いんだろうな。この2つに関してはネット上の語源関係の辞典に出ていた(末尾参照)。
名詞につく「超」は、2種類ある気がする。
『大辞林』の定義がわかりにくいので、ちょっと書きかえる。
1)「とっても」の意味(「とても」よりこのほうが感じが出る)
超満員/超高層
2)「○○(のレベル)を超えちゃっている」の意味
超現実主義/超心理学/超人/超高校級
1)は「超」の後ろが「程度を含む言葉」でないとおかしい。
なかには微妙なものもある。『大辞林』は「超ド級」を1)にしているようだが、2)のほうが素直だろう。「とってもド級」ではなく「ド級(級≒のレベル)を超えちゃっている」という意味(「レ」か「ミ」か、とか言わないように)。「超高校級」に近い。
「超音速」「超特急」あたりは、「速」「急」という「程度を含む言葉」だけど、1)と考えるのは異和感がある。「超音速」は「とっても音速」ではなく、「音速(のレベル)を超えちゃっている」のほうが近い気がする。「超特急」も同様。
まあ、こんなことを厳密に分類しても意味はないか。
名詞につく「超」だけを考えても、気になることがいろいろある。
●超ベテラン
1)で「とってもベテラン」だと思うが、2)で「ベテラン(のレベル)を超えちゃっている」ととれなくもないような……(どういう意味だ?)。「超」を使わずに言いかえるなら「大ベテラン」だろうな。
●超初心者
これは1)。2)と考えると訳がわからなくなる。「初心者」だけど妙に鋭い着眼点をもっている「スーパー初心者」……ちょっとイヤだ。
元々ある言葉だと思うが、最近の言葉のようにも思えて訳がわからない。「チョー初心者なんで、やさしく教えて。ヨロピク」あたりだとカタカナ書きが似合う。
困るのは、うまい書きかえが見当たらないこと。
アイデアを募ったら、「ズブの素人」というのを教えてもらった。これはアリ。ほかに、「ド素人」なんてのもアリだろう。「門前の小僧」とかも可愛い。門外漢。半可通。トーシロー。ヒヨ(ッ)コ。
●超レア
2つの解釈ができる。
1)肉の焼き方などを示す
言いかえるなら、「うんとレア(でお願いします)」くらいかな。
この場合の「レア」の品詞が微妙。名詞と考えるなら本来の用法だけど、形容動詞なら近年の使い方になる。昔はマティーニを頼むのに「エクストラドライで」なんて言ったもんだ(ほぼジンのストレート)。酎ハイを頼むのに「アル中用」って裏メニュー?を頼んでたこともある(ほとんど焼酎のロック)。いまじゃ焼酎の水割りを「うんと薄くして」だもんな。情けない(泣)。
2)コレクションなどを示す
これは近年の用法だろう。「激レア」のほうが一般的な気がする。「激レアの品」は、要は「珍品」のこと(ミもフタもない)。
この意味で「超レア」と言う場合は、たとえ「レア」を名詞と考えても本来の用法とは……。
ここまでの例は微妙ではあってもまだ許容範囲かもしれない。
近年、超急ピッチで広まったのが用言につく用法。
〈〔2〕動詞・形容詞・形容動詞などにつけて、程度がはなはだしいさまを強調する現代の若者言葉。すごく。とても。〉(『大辞林』)
〈◆俗に「超きれい」「超むかつく」などと副詞的にも用いられる。〉(『大辞泉』)
いつ頃から広まったかは定かではない。元々はギャル語だったと思う。とにかくなんにでもつくから、定着した観がある。名詞につく例も激増し、適用範囲が格段に広がった。
「形容詞・形容動詞」に関してはたいていのものにつく。ただ、上品な印象のある言葉とは相性が悪い気がする。「チョーきれい」はアリでも「チョー美しい」はヘン。「チョー美人」は微妙。名詞についているので「超美人」かもしれない。このあたりを調べはじめると気の遠くなる作業になる。
「超ド級」
http://gogen-allguide.com/ti/choudokyuu.html
「超特急」
http://zokugo-dict.com/17ti/cyoutokkyu.htm
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超特急
超特急とは、物事を急いで処理すること。 超特急とは、年上の女性の愛人である若い男性のこと。
【年代】 昭和時代~ 【種類】 -
超特急の解説
[1] 超特急とは仕事や届け物など急いで処理することや単に「大急ぎ」という意味で使われる。
【この意味での関連語】
いの一番
シャカリキ
ちょっぱや
鈍行
ナルハヤ
ばたばた
[2] 超特急とは年上の女性の愛人である若い男性を意味する俗語『若いつばめ』と『超特急つばめ』をかけたもので『若いつばめ』と同じ意味で使われた。(若いつばめについては関連ページ参照)
【この意味での関連語】
囲う
ジゴロ
零号
つばめ
二号
バサロ恋愛
フェミニスト
若いツバメ
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●バイト敬語/若者言葉のコレクション
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