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VことはVけれど ~ことは~けれど 日本語教師

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【7】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1789673749&owner_id=5019671

mixi日記2011年11月25日から

 下記の仲間でもある。
 性格の悪そうな書き方になっているのは、管理人の責任です。クレームは管理人にお願いします。
【黒いコレクション──日本語教師関連28】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1442972256&owner_id=5019671

 テーマトピは下記。
【AことはAけれど、~】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=66425344&comm_id=19124
 質問の全文を一部加工して転載する。
================================
某出版社が出している能力試験N3の模擬にあった構文、
「AことはAけれど、~」
について質問させてください。

Aには動詞(普通形)が入ります。

今まで私が知っている構文は、
1)Aが共に非過去肯定形(つまり辞書形)の場合
<会話例>
「ねえねえ、中国語習うことに決めたの?」
「うん。習うことは習うけれど、ロシア語も魅力的だなあ。同時に習うなんて無理かな。」

2)Aが共に非過去肯定形(つまり、~ている形)の場合
<会話例>
「聞いたよ。中国語習っているんだって?会話とかもうできるの?」
「ううん。習っていることは習っているけれど、まだ全然話せないよ。」

3)Aが共に過去肯定形(つまりタ形)の場合
<会話例>
「聞いたよ。学生のころ、中国語習ったんだって? 」
「うん。習ったことは習ったけど、昔のことだからもうすっかり忘れたよ。」

他にもAが非過去否定や過去否定もあります。

でもいずれもAが 共 に 同 形 の場合です。


しかしそのテキストには
「A(辞書形)ことはA(タ形)けれど、~」という形が正解とされています。
異形です。
私がウン十年生きている中で、そのような構文とは初めて会いました。
================================

 以前、似たようなテーマを見た記憶があった。
【「~か~ないかのうちに」】日本語
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1601859268&owner_id=5019671
 このときの構文(「成句」って気もするが、「構文」にしておく)は「~か~ないかのうちに」。
 辞書によると「~」に入る動詞は「(辞書形≒原形)か(否定形)かのうちに」だから、それが素直な形だと思った。まあ、トピで話になったように、「(タ形≒過去形)か(否定形)かのうちに」でもさほどおかしくはないだろう。そうすると微妙にニュアンスがかわる、と主張する人がいるなら否定する気はない。肯定する気はもっとない。
 当方は「(辞書形)か(否定形)かのうちに」のほうが素直だと思うからそれを使う。辞書もそうしているんだし。

 今回の構文は「~ことは~けれど」。
「~」に入る形は何か、という話だろうが、質問の内容がイマイチわからない。そもそも、「能力試験N3の模擬」ってことは、「テキスト」は模擬試験の「解説」なんだろうか。問題がどんなもので、「解説」がどんなもので、どこからどこまでが質問者の考えで、その根拠が何かわかりにくい。
 以下、想像をまじえてまとめる。「非過去肯定形」「過去肯定形」などの言い方の正否は、当方にはわからない。

「~ことは~けれど」の「~」に入る動詞。注記の時制は目安。
1)辞書形 現在?/未来?
習うことは習うけれど……(あまり乗り気でない……etc.)

2)テイル形(非過去肯定形) 現在/過去
習っていることは習っているけれど……(あまり乗り気でない/よくわからない……etc.)

3)タ形(過去肯定形) 過去
習ったことは習ったけれど……(よくわからない……etc.)

4)テイナイ形(非過去否定形) 現在/過去
習っていないことは習っていないけれど……(なんとなくわかる……etc.)

5)ナカッタ形(非過去否定形) 過去
習わなかったことは習わなかったけれど……(なんとなくわかる……etc.)

 4)5)はちょっと不自然な気がするけど、△とか×とか主張する気はない。
 たしかに両方の形が同じほうが素直な気がする。でも、同じでなくても自然な例もいくつかある。下表参照。

~ことは2-500(2011-11-25 18.06.23)


 基本的に、前半と後半で肯定と否定が入れかわっているのは×だろう。特殊な文脈を用意すれば自然になるかもしれないが。
 そのほかで、両方が同形でないものを見る。△印はかなり微妙。個々の細かい分析はパスする。

1)辞書形
2)テイル形
3)タ形
4)テイナイ形
5)ナカッタ形

2)×1) △習っていることは習うけれど
3)×1) △習ったことは習うけれど
1)×2) ○習うことは習っているけれど
3)×2) ○習ったことは習っているけれど
1)×3) ○習うことは習ったけれど
2)×3) △習っていることは習ったけれど
5)×4) △習わなかったことは習っていないけれど
4)×5) △習っていないことは習わなかったけれど


 昨晩ここまで書いて放置していたら、トピ主のコメント[5]~[7]が入った。
 もともとの問題は、おそらく下記のような空欄補充で、選択肢は4つなのだろう。

 (       )けど、まだ全然話せないよ。
 習うことは習う/習うことは習った/習うものは習う/習うものは習った

 そういうことですか。それを先に教えてくれないと。ドッと疲れた。
「正解」にされているのは1)×3)「習うことは習った」。消去法で考えるとこれしかないだろう。
「習うことは習う」は、文脈で考えると不可。未来?の話でないと、ちょっと不自然。
 問題がちょっと微妙な気がする。トンデモってほどではないけれど。
 後半に「まだ」があるのだから、たぶん習っている最中なのだろう。だったら、選択肢にはない「習っていることは習っているけれど」(両方テイル形)か1)×2)「習うことは習っているけれど」のほうが自然な気がする。選択問題なんだから、そんな贅沢は言えないか。
 習い終わった(もしくは「過去に習ったことがある」)なら、「まだ」は不要だろう。その場合は選択肢が増える。先の2つでもいいだろうが、「習ったことは習った」(両方タ形)か3)×2)か1)×3)が自然な気がする。
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