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2011年12月の朝日新聞から

【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html


【2011年12月】

 いかんなぁ。まともに新聞さえ読んでいないことがバレてしまう(泣)。
 ネタがない。

11-12-1
15日
http://www.asahi.com/national/update/1214/TKY201112140792.html
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牛レバー内部にO157を初確認 生食禁止の可能性
生食用食肉による食中毒発生件数

 牛の肝臓(レバー)の内部に食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌がいることが、厚生労働省の調査でわかった。初めての確認となる。O(オー)157など腸管出血性大腸菌は毒性が強く、死亡する危険もあり、生レバーの提供は禁止となる可能性が高まった。

 厚労省は20日に開かれる審議会に結果を報告する。委員の意見がまとまり次第、生レバーの提供を禁止するかどうか決める。禁止になれば、食品衛生法で罰則つきの規制をすることになる。

 牛の肝臓内には食中毒を起こす細菌のカンピロバクターがいることはわかっていたが、より重症化のおそれのある腸管出血性大腸菌は確認されていなかった。(以下略)(朝刊1面)
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 記者不明。ネット上にテキストがあったんで、拾ってきた。気になったのは「肝臓」と「レバー」の使い分け。最も目立つ見出しは「牛レバー」になっていて、リードの冒頭は「牛の肝臓(レバー)」になっている。以降は、「生レバー」「牛の肝臓」「レバー片」……etc.
 気になることが2つある。
 1つめはカッコの使い方。これは前にも書いた気がするが、改めて。難解な言葉などにカッコをつきで注釈をつける形は広く使われている。カッコがあんまり多くなるとウットーしいので、いかに減らすかが重要になる。
 通常の書籍だとこのカッコの使い方は以下のようになっていることが多い。
  1)語句(説明)
  2)略称(正式名称)
 問題は2)の形で、新聞では「正式名称(略称)」の形をとっている。これが昔から気になっていた。たとえば、TPPという言葉を使う場合、当方の感覚だと、初出の書き方は2つある。
  TPP(環太平洋経済連携協定)
  環太平洋経済連携協定(以下、「TPP」と表記)
 どちらの場合も2回目以降は「TPP」で何も問題はない。
 ところが、新聞では「環太平洋経済連携協定(TPP)」「アジア太平洋経済協力会議(APEC)」などとなる。
http://www.asahi.com/politics/update/1111/TKY201111110508.html
 全文は末尾に。
 論理的に考えるとおかしいと思うが、昔からこういう書き方をしている。わざわざ注釈をつける形でわかりにくい略称をつける理由がわからない。ヒドいときには、1回しか出てこない。カッコつきの説明の意味は?
 2つの目の気になること。初出を見ると「牛の肝臓(レバー)」。牛限定か否かこの文では不明だが、常識で考えれば「肝臓=レバー」だろう。新聞の書き方だと、こう書いた以後は「レバー」で通すはずだが、なぜか「肝臓」も登場する。
 どうやら、生きている牛の内臓は「肝臓」で、食材は「レバー」と使い分けようとしていらしい。だとすると、「牛の肝臓(レバー)」ってどういうこと?


11-12-2
21日
 東電は原発事故の賠償支払いのために、機構から約8900億円、政府から原発事故の1200億円の補償金を受け取ることが決まっている。だが、これらのお金は、燃料費や廃炉の費用には使えない。(夕刊1面)
http://www.asahi.com/business/update/1221/TKY201112210209.html
 記者不明。文中の「お金」が気になった。フローチャートの中にも「東京電力を支えるお金の流れ」とある。新聞記事で「お金」というのは相当珍しいのでは。ただ、書きかえ案が難問。フローチャートを見ると(↑のサイト参照)、「機構」から出ているのは「交付金」なので、「補償金」とは言えない。両方を合わせた「金」をどう呼ぶべきか。「拠出金」も違うんだろうな。「予算」でもない。そうなると「資金」かな。悪い意味になりそう。ある意味正解?(←オイ!)


11-12-3
http://www.asahi.com/paper/column.html
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2011年12月3日(土)付

 先の戦争中に「ぜいたくは敵だ」のスローガンがあった。これに「素」を足して、「ぜいたくは素敵(すてき)だ」とやったシャレはパロディー史に燦然(さんぜん)と輝く。この手のもじりの面白さには「法則」がある。言葉の変化はできる限り小さくて、意味の変化が大きいほど、笑いの声は大きくなる▼「白い恋人」を「面白い恋人」とやったのは、法則通りといえる。北海道の名高い菓子をもじり、大阪の吉本興業などが関西の駅や空港で売り出した。いかにも大阪らしい「本歌取り」に、ニヤリとした向きは多かったろう▼それを「本家」の石屋製菓が商標権侵害で訴えた。長年かけて育てた商標や名声を、丸呑(の)みされたような立腹は分かる。とはいえ、どちらの肩を持つか。法律解釈はおいて、巷(ちまた)の声は色々のようだ▼文芸作品でも、たまに議論がある。たとえば寺山修司の一首〈向日葵(ひまわり)の下に饒舌(じょうぜつ)高きかな人を訪わずば自己なき男〉には、中村草田男の〈人を訪はずば自己なき男月見草〉という先行句があった。これをどう見るかはなかなか難しい▼遊び心で通る手法もある。4月の小紙俳壇の〈雪とけて村一ぱいの休耕田〉を、選者の金子兜太さんは「一茶の『雪とけて村一ぱいの子ども哉(かな)』の本歌取り成功」と評した。これなど作者の「お手柄」といった感がする▼世の中に名手はいるもので、先の川柳欄にさっそく〈「面白い変人」ならば揉(も)めてない〉の寸鉄が載っていた。お菓子の訴訟に、パロディーの「妙と副作用」を考えさせられる。
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 時間切れです。インネンは後日。

【20120103追記】

「面白い変人」は素晴らしい(笑)。

 言葉遊びの類いを表わす言葉がいくつか出てくる。
「シャレ」「パロディー」「もじり」「本歌取り」
 ほかに「地口」「語呂合わせ」なんてのもある。たぶん「シャレ」と「ダジャレ」はまったくの別物。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E5%8F%A3
 どう違うのかはさっぱりわからない。(←オイ!)
 天声人語の担当者はどう使い分けているのだろう。少なくとも、「ぜいたくは素敵(すてき)だ」はもじりではあっても、シャレではない気がする。これをパロディーと言っていいか否かは微妙な気がする


http://www.asahi.com/politics/update/1111/TKY201111110508.html
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野田首相、TPP交渉参加の方針表明

 野田佳彦首相は11日、首相官邸で記者会見し、環太平洋経済連携協定(TPP)について「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と述べ、参加国との事前協議から始まる交渉プロセスに参加する方針を表明した。首相は12日からハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、オバマ米大統領らTPPの関係各国首脳と会談し、交渉参加の方針を伝える。

 TPP交渉に正式参加するには、すでに交渉入りした米国など9カ国と事前協議を行い、それぞれ承認を得る必要がある。日本が各国と本格交渉を始めるのは、早くても来年春以降とみられる。首相が「交渉参加に向けた協議」と表現し、事前協議を強調したのは、民主党内の反対派に配慮した面もある。

 首相は会見で、農業や医療などの分野でTPP参加に反対する声が強いことを念頭に「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現する決意だ」と強調。こうした懸念に配慮する姿勢をみせた。
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