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言葉の取扱説明書1 毎度毎度ありがとうございます/ご苦労(さま)なことです

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【8】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1821744441&owner_id=5019671

mixi日記2012年04月10日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1836809994&owner_id=5019671

 突然ですが問題です【日本語編111】http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1833715163&owner_id=5019671の解説を詳しめ(誤用?)にズルズルと書いていきたい。長くなりそうなので、何回かに分ける。
 数多ある言葉のなかには、使い方によってはヒドいニュアンスになるものがある。困ったことに、辞書を見てもこのあたりのニュアンスまで書いてあることはめったにない。必然的に、どんなにもっともらしく説明しても「単なる主観」になる可能性が強い(泣)。
 微妙な表現に関しては、性格のいい人はあまり神経質になることはないが、性格の悪い人は気をつけたほうがいい。(←オ・マ・エ・が・言・う・な)
 イヤミとして効果的に使うつもりなら、日頃から(重言?)センスを磨いておきたい。(←オイ!)


●ありがとうございます
 最も基本的なお礼の言葉と言っていいだろう。そんなところにまでインネンを付ける気はない(笑)。
 これを「ありがとうございました」と過去形(正確ではないが、メンドーなのでこう書く)にすることの是非もよく問題になる。取扱説明書だからついでに書いておく。
283)【感謝の言葉は現在形を用いるべき】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1489.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1558572136&owner_id=5019671
================================引用開始
 感謝の言葉として過去形を用いるのは是か非か、といった話を目にすることがある。
 北海道では「お世話様でした」がフツーかもしれないが、一般にこの過去形には、コレッキリという印象があり、別れの挨拶のような感じになる。
 お礼の言葉として最も一般的な「ありがとうございます」。
 これも「ありがとうございました」とするのはコレッキリみたいで印象が悪いと主張する人がいる。それはどうなんだろう。厳密に考えるとそのとおりだが、状況にもよると思う。

(略)

「ありがとう」の場合も、少し文脈を添えるとわかりやすい。
「いつもありがとうございます」
×「いつもありがとうございました」
△「きょうはありがとうございます」
「きょうはありがとうございました」
△「先ほどはありがとうございます」
「先ほどはありがとうございました」
 常日頃(重言?)の感謝の気持ちを表わすなら「ございます」でないとおかしい。
「きょう」「先ほど」限定の感謝の気持ちを表わすなら、むしろ「ございました」のほうが自然だろう。「ございました」を使いたいなら「きょうは」とか「先ほどは」などの期間限定(バーゲンか?)を示す言葉を併用すれば自然になるってこと(「ございます」でもさほどおかしくない)。
「きょうはありがとうございました」と言って、相手が「きのうまではありがたくなかったのかよ」と揚げ足を取ったらどうするか?
「きのうはありがとうございました」と言って、相手が「いまはもうありがたくないのかよ」と揚げ足を取ったらどうするか?」  そういうtobiっぽい人とはできるだけかかわらないことです。
================================引用終了

 同様のことが問題になるのが「おめでとうございます/おめでとうございました」。
 こちらは現在形を使うほうが無難だろうな。「本日は」とかをつけても、過去形には異和感がある。過去形のほうがシックリ来る文脈もあるのだろうか。

 さて、ここからが本題。(←オ~イ!)
「毎度毎度ありがとうございます」
 最も基本的なお礼の言葉の「ありがとうございます」だが、「毎度毎度」と組み合わせると妙なニュアンスになる。
「毎度」がひとつの「毎度ありがとうございます」だと商売人の挨拶のようで、これはこれで一般人には向かない。一般人は「いつもありがとうございます」くらいがいいだろう。同様の重複でも「いつもいつもありがとうございます」だと感謝の度合いが強くなり、さらに「本当に」をつけたくなる。イヤなニュアンスはないだろう。
 ちょっと似たニュアンスの言葉が「わざわざありがとうございます」。どこかのトピで〈イヤなニュアンスがあるので「わざわざ」は使わない〉というコメントを読んだことがある。これはさらに微妙で、相手の行為に対する強い感謝の言葉にもなるし、「ありがた迷惑」のニュアンスを醸し出すこともできる。後者の意味で巧く使えれば、上級者だろう。


●ご苦労(さま)なことです
 問題のある言い回しであることは、常識人ならわかる。「ご苦労(さま)なこった」ならさらにわかりやすい。こんな言い回しを使う人がいたら、よほど無神経か相当のホニャララ。物語の中で歪んだ性格の性悪キャラ(重言?)が口にするくらいだと思っていた。
 現実にこんなゴロツキ言葉を浴びせられたときには、かなり驚いた。書いたほうもさすがに気が咎めたんだろう。削除しやがられた(「ご削除になりやがった」かな)。書く段階で気づけよ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1448301518&owner_id=5019671



言葉の取扱説明書2
要領がいい 抜け目がない うまく立ち回る

 今回の3語は、下記のコメント欄のやり取りがキッカケになっている。
突然ですが問題です【日本語編90】──いちいち【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1812790780&owner_id=5019671


●要領がいい
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%A6%81%E9%A0%98%E3%81%8C%E3%81%84%E3%81%84&stype=0&dtype=0
================================引用開始
要領(ようりょう)がい・い
1 処理のしかたがうまい。手際がいい。「ベテランらしく―・い」
2 手を抜いたり、人に取り入ったりするのがうまい。「―・いだけで実のない人」
================================引用終了

「要領」が「いい」んだから、褒め言葉のはず。
 それがなぜ「2」のような否定的な意味になるのかは不明。『大辞林』だともう少し穏やかで「巧みに立ち回るすべを心得ている」になっている。これも褒めてはいないか。


●抜け目がない
■Web辞書『大辞泉』から
https://kotobank.jp/word/%E6%8A%9C%E3%81%91%E7%9B%AE%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84-594158#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
================================引用開始
抜(ぬ)け目(め)がな・い【抜け目がない】
注意深く、やることに抜けたところがない。また、自分の利益になりそうだと見れば、その機会を逃さない。「万事に―・い」
================================引用終了

「抜け目」が「ない」んだから、褒め言葉のはず。
「要領がいい」ほどハッキリとは書いていないが、やはり2通りの解釈ができそう。『大辞林』はもうちょっとヒドく〈(自分の利益になることに)よく気がついて、手抜かりなく、ずるがしこく立ち回るさま。〉とある。これだと否定的な意味にしか思えない。
 これは安直な言いかえがある。
「ぬかりがない」と言えば褒め言葉になり、語呂も似ている。「抜け目」と「ぬかり」にどんな違いがあるのかは、言葉の神様レベルの問題になるだろう。


●うまく立ち回る
■Web辞書『大辞泉』から
https://kotobank.jp/word/%E7%AB%8B%E5%9B%9E%E3%82%8B-561110#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
================================引用開始
たち‐まわ・る〔‐まはる〕【立(ち)回る】
[動ラ五(四)]
1 あちこち歩き回る。「知人の間を―・って資金を集める」
2 振る舞う。行動する。特に、人々の間に立って自分が有利になるように動く。「派閥間でうまく―・る」
3 外出して、ある所に立ち寄る。また、犯罪者が逃走中ある所に立ち寄る。「知人宅に―・ったところを逮捕された」
4 演劇・映画などで、切り合いや殴り合いの演技をする。「―・るシーン」
================================引用終了

 例文があるのだから、「2」の意味だろう。「うまく」「立ち回る」のがなぜ悪いのかは知らないが、やはり否定的なニュアンスが強い。『大辞泉』はニュートラルな意味ものせているが、『大辞林』はもっとヒドくて「人に働きかけて自分が有利になるようにする。工作する。」とある。
 ちなみに、『大辞林』のほかの言葉の説明中に「立ち回る」があった。
  要領がいい……「巧みに立ち回る」
  抜け目がない……「ずるがしこく立ち回る」
 こうして並べてみると、「立ち回る」だけでも否定的なのかもしれない。時代劇が廃れた原因のひとつだろうか。
「愚直に立ち回る」「公明正大に立ち回る」……言いそうにないなぁ。


●目端がきく
 冒頭のやり取りにも出てきた「目端がきく」についてもメモしておく。
■Web辞書『大辞泉』から
https://kotobank.jp/word/%E7%9B%AE%E7%AB%AF%E3%81%8C%E5%88%A9%E3%81%8F-644229#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
================================引用開始
目端(めはし)が利・く
その場に応じてよく才知が働く。機転がきく。「―・く男だから任せておけばよい」
================================引用終了
 
 これだと肯定的。『大辞林』だと「素早く見てとる。また、抜け目がない。」だから肯定否定の両面がありそう。かなり微妙な気がする。
 褒め言葉としても使えそうだけど、ジジムサい。
 きわめて主観的な意見だが、「目端がきく」は男性に対する言葉って気がする。女性に対しては別の言い方をするんじゃないかな。男性に対して「目端がきく」と評するのは「上から目線」で、対象を小物扱いしている気がする。
「目端がきく」については、前に下記のような書き方もした。
【間違えやすい慣用句〈2〉】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1832124124&owner_id=5019671
================================引用開始
5)こういうことにかけては彼は誰よりも目鼻が利く
 そりゃ「目端」だろう。でもね。相当ジジムサいからやめときなさい。「気がきく」でいいじゃん。「心配りができる」でもいい。ほかにいくらでもフツーの言葉があるでしょうに。明治の文豪じゃアルマイトの弁当箱(ウーム、かなりのオヤジギャグだ)
 それと、これは主観で書くけど、「目端がきく」ってあんまりいいイメージじゃない。「要領がいい」とか「抜け目がない」の仲間って気がする。
================================引用終了


●如才(が)ない
■Web辞書『大辞泉』から
https://kotobank.jp/word/%E5%A6%82%E6%89%8D%E3%81%8C%E7%84%A1%E3%81%84-534514#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
================================引用開始
如才(じょさい)が無・い
気がきいて、抜かりがない。如才ない。「―・い応対」
================================引用終了

「如才」という言葉もあるが、「如才がある」なんて使い方は見たことがない。
『大辞林』によると、「如才がない」(たぶん慣用句)と「如才ない」(形容詞)があるらしい。
 と言うことは厳密に考えると、「如才がありません」はアリで「如才ありません」は誤用なんだろう。
 これだと、肯定的な意味でも使える気がする(理由は不明)。
 ただ、「目端がきく」ほどではないけど、ほんの少し〈「上から目線」で、対象を小物扱いしている〉観がある。目上の人には使いにくそうだな。



言葉の取扱説明書3 
○○のわりに(は)  お伝えしておきます  協力するにやぶさかでない

〈1〉〈2〉よりさらに微妙な問題なので、さらに主観が強くなる。眉に唾をつけながらお読みください。

●「○○のわりに(は)」
 下記で書いた。 
626)【わり わりに わりには くせに だけあって 日本語教師】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2217.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1798390803&owner_id=5019671
================================引用開始
●第3段階の答え──「~わりには」の使い方
 以下は性格が悪い人間の屁理屈の可能性が高い。
「第2段階」で見たように、「~わりには」は微妙なニュアンスを含む。「~わりには」を使わなければならない場面……なくはないけど、日本語学習者が覚える必要があるのか、なんとも言えない。
「~わりには」使う例文は3つに大別できるだろう。トピに出てきた例文で考える。

【1】【肯定的前提+「~わりには」+否定的な程度】
  一生懸命考えたわりには、いい考えは出てきませんでした。
 
【2】【否定的前提+「~わりには」+肯定的な程度】
  値段が安いわりには、おいしいです。
  ページ数のわりには、すぐ読めました。
  その店のランチは600円のわりには、量が多いです。
  勉強してないわりには、いい点数だった
  雨が降っているわりには、平気で出かけていった。

【3】 【1】【2】と違ってハッキリしない。
  仕事が大変なわりには、給料が安いです。(否定的前提+「~わりには」+否定的な程度)
  今日は日曜日のわりには出勤する人が多い
  早く電話するつもりだったわりには、ついついこんな時間になってしまった

 o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 どんな使い方もアリってことか?
 このうち、【2】【3】はさほど問題がないと思うが、【1】の場合嫌みや悪口になりやすい。
  このパンは高いわりにはまずい。
  あの人は●●のわりには△△だ。

 もちろん、逆接の接続助詞・接続詞は、ほとんどが同様の使い方ができる。
 ただ、自分で「~わりには」を使う場面を考えると、ロクな例文が浮かばない。
 さらに主観で書くと……【2】の使い方も、ちょっと偉そうなニュアンスが感じられてイヤ。そんな言い回しを日本語学習者が覚えても、何もいいことがない気がする。こういう言い回しを覚えると、妙な使い方をして顰蹙を買う可能性があるような……。
================================引用終了


●お伝えしておきます
 これは出題ミスですね。〈外部の人に対して「(身内に)お伝えしておきます」〉にしないとヘンなことになる。「(外部の人に)お伝えしておきます」なら問題がない(「~しておく」の話は別として)。
 下記で書いた。
【「お伝えしておきます」日本語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1713.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1643851172&owner_id=5019671
【「お伝えしておきます」〈2〉日本語】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1794547096&owner_id=5019671
 問題が2段が前になっている。

 1つ目が「お伝えします」の是非。典型的なのは、外部の人から連絡を貰い、「(席を外している社内の人間に)お伝えします」と言う場合。『問題な日本語4』で扱っていた(先日書店で手にしたけど、内容が薄くて買う気にはなれなかった)。
「お伝えします」は謙譲語I(+丁寧語の話は省略)。伝える人の、伝える相手への敬意(菊地康人流に言うなら「主語の補語に対する敬意」?)を示す。したがって、身内を高めることになるので×。
 だと思うが、「お伝えします」だとアリって気もするのは「定着しているから」なのかもしれない(なんの基準もなく「定着しているから」OKとか言われるとどうしようもない)。「あなた様の伝言」を伝えるんだから、「お」をつけるべきって論理も筋が通っている気になる。「伝えます」と「お伝えします」を比べると、後者のほうが丁寧な感じになる。
 これを〈外部の人に対して「(身内と)ご相談します」〉にすると、相当ヘンなことがわかる。理由は不明。理屈としては「あなた様の案件」を相談するんだから……と言えなくはないけどさ。

 2つ目が「~ておく」の是非。トピでしつこく噛み付かれたもんで、多くを語りたくない。
 少なくとも当方は、「~ておく」には投げやりな印象を感じる。期限を決め(「伝えておく」の場合は決めにくい)たり、「間違いなく」などをつけたりすれば感じがかわるけど。相手との人間関係によってもかわる。そういうメンドーなことを考えるくらいなら、原則として「~ておく」は使わないほうがいいとさえ思っている。そう感じない人はご自由にお使いください、としか言いようがない。


●協力するにやぶさかでない
 これについて書くのは初めてだろう。
 問題は「やぶさかで(は)ない」。政治家がよく使うヤな言い回しだと思う。「遺憾」と双璧かな(誤用。悪い意味で「双璧」はなんて言うの?)。「善処する」なんてのもあったね。三羽烏? 三位一体?(悪い意味の場合は三バカトリオ?)。三方一両損はいい意味? 三権分立は?(←オイ!)
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/18540300/
================================引用開始
やぶさ‐か【×吝か】
[形動][文][ナリ]
1 (「…にやぶさかでない」の形で)…する努力を惜しまない。喜んで…する。「協力するに―ではない」
2 思い切りの悪いさま。
  「民衆も天才を認めることに―であるとは信じ難い」〈芥川・侏儒の言葉〉
3 物惜しみするさま。けちなさま。
  「たとひ驕且(きゃうしゃ)にして―ならば、其の余は観るに足らざらくのみ」〈文明本論語抄・四〉
================================引用終了

「1」だろう(「は」は入るの入らない? ハッキリしてほしい)。「2」「3」の意味も相当ヒドい。そのヒドい意味の「やぶさか」を否定しているんだから悪い意味とは思えない。なぜイメージが悪くなった。二重否定は誤解を招きやすいとか言うが、その類いだろうか。
 ただ、ちょっとネット検索すると、いろいろヒットする。笑ってしまったのは下記。
【アンサイクロペディア】
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%82%84%E3%81%B6%E3%81%95%E3%81%8B%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84
================================引用開始
やぶさかではない
やぶさかではないとは、否定しているようで積極的な肯定であることをあらわす、ツンデレ属性を持つ謎の日本語である。
正しくは「やぶさかでない」("は"を入れない)だと言われるが、そのことについて議論することにはやぶさかではない。
似たような言葉に「まんざらでもない」がある。

概要
否定の言葉で表わされるが積極的肯定の意味をもつツンデレ属性を持つ言葉。はじめて聞く人には意味が通じないことが多く、相手と前後の言葉によって大きくニュアンスが変わるため、使いこなすには高度な日本語能力が必要である。

成り立ち
やぶさかの本来の意味は今もって大きな謎とされているが、なぜか単体で用いられることは珍しく、ほとんどが否定の形で使われる。
有力な説によると「吝か」と書き、「勿体ぶる」「出し惜しみをする」という意味の単語であるとされる。そうなると「勿体ぶりません」という言葉をかなり勿体ぶった言い方であらわしていることになり矛盾を生じる。しかし、使用者はツンデレなので問題ないとされる。
これとは別に「努力・行動を惜しみ、思い切りの悪い様子」を「吝か」と表現する例があり、これより“吝かでない”とは“思い切って何かをする努力は惜しまない様子”だとする説がある。これだと(努力の結果は問うてないので)表現上の矛盾は生じないが、結果が変わらない例はすなわちデレツン、変わる例は(勿体ぶっておいて変わるのだから)ツンデレとなる。wikipediaじゃないからそういう細かい所はどうでもいいと言えば、まあそうなのだが。
意味はともかく、初めてこの言葉を使用した人が極度のツンデレであるといわれ、それに共感した多くのツンデレ属性を持つ人に語り継がれて今に至っている。そのため、この言葉を使う人は年配男性に多いがかなりの確率でツンデレ属性である。

使用例と意味
「~するのもやぶさかではありません。」 積極的に~します。
「~するのもやぶさかではありませんが」 あまり~したくありません。(間接的な拒否)
「~していただくのもやぶさかではありません。」 ~していただければ大変うれしいです(協力を惜しみません)。
「~していただくのもやぶさかではありませんが」 ~するよりもっといい方法がありますよ。
「~するのもやぶさかではないぞ。」(上司から部下へ) ~しろ。
================================引用終了

 このテのサイトはシャレがきついんでウノミするわけにはいかないが、この記述はかなりおかしい。「ツンデレ属性を持つ言葉」に笑ってしまった。そうなのよ。「やぶさかで(は)ない」の書きかえとして最もピンと来るのは「~してやってもいいんだよ」。これを「~してあげてもよくってよ」とするともっとハッキリする。
 もう少しまじめなのは下記。やはり「政治家の愛用語」としている。
【誤字等の雑記帳 8】
http://www.tt.rim.or.jp/~rudyard/misc008.html
================================引用開始
しかし、私はこの言葉、はっきり言って「使い損」だと考えています。
使うことによるメリットは一切なく、ただひたすらデメリットのみがある言葉。
特に「政治家」という、言葉を商売道具にしなければならない人たちにとっては致命的な「禁句」とすら考えています。
(中略)
「古臭い」印象を与え、「誤解」を生むおそれがあり、嘘が「破滅」につながる。
これほどまでに危険度の高い言葉を、なぜ好んで使おうとするのか。
私には、皆目見当がつきません。
================================引用終了

 まともな辞書類を見る限り、「やぶさかで(は)ない」を悪い意味にする記述は見当たらない。それなのに、世間では相当誤解されている可哀想な言葉のようだ。
 とは言っても「じゃあ使ってあげよう」という気にはなれない。↑の【誤字等の雑記帳 8】があげている3つの理由のうち、前の2つに同感。
「古臭い」印象があるせいか、「上から目線」の印象になりかねない。
 そのうえ「誤解」を生むおそれがあるんだもん。好きこのんで使う理由はない。
 このあたりは、下記のコメント欄に書いたことに通じるかも。これが「コトナカレ主義」だと言う人がいるなら甘んじます。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1830637625&owner_id=5019671
================================引用開始
>「『外人』でも別にいいんじゃないの?」
 別にダメとは思いません。
 個人的には「外人さん」がイチバンしっくり来ます。
 ただ、「好ましい日本語」というテーマなら、やはり「外国人」のほうが無難でしょう。
 個人的には「子ども」ではなく「子供」と書きます。でもPTAの媒体に何かの間違いで書く機会があったら「子ども」か「こども」と書きます。メンドーなので。
「中国」より「支那」のほうが論理的には正しいと思いますが、ふだんは「支那」は使いません。メンドーなので。
================================引用終了
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