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事故を前にした去年2月に更迭されていました──NHKもこんなもんか

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【8】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1821744441&owner_id=5019671

mixi日記2012年05月30日から

 テーマサイトは下記。
【刘前鉄道相については、事故を前にした去年2月に更迭されていました】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1488232414
================================引用開始
刘前鉄道相については、事故を前にした去年2月に更迭されていました
ここの「事故をまえに」の意味は何ですか、実は「事故の前」の意味じゃないですか、なぜ「を」をつかいますか、
ほんとうに分からない、教えていただけますか?

外国人ですが、よろしくお願いします
================================引用終了

 なんと申しましょうか。
 これは記者が悪い。
「〜を前にした」を辞書でひこうとしてもお手上げ。しかたがないのでネット検索してみた。
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%92%E5%89%8D%E3%81%AB&search.x=1&fr=top_ga1_sa&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=&oq=
「〜を前に(して)」の用法は主として2つある。「〜を前に(した)」でもほぼ同様なので、「〜を前に(して)」で話を進める。

1)「(物体/人物)を前に(して)」
 ネットの例で言うなら、「ファンを前に(して)」。ほかに「家族を前に(して)」「ご馳走を前に(して)」……なんてのもある。
 書きかえるなら、「ファンの前で」あたりだろう。「ファンを前に」だと大差はないが、「して」がつくと大袈裟(「カッコいい」とも言える)な感じがある。

2)「(出来事)を前に(して)」 
 ネットの例を見ても、こちらのほうが使用例が多そう。「野田・小沢会談を前に(して)」なんてタイムリーだな。少し前なら「金環日食を前に(して)」なんてものもあった。書きかえるなら、「野田・小沢会談の前に」くらいだろう。
 これも「会談を前に」だと大差がないが、「して」がつくと大袈裟(「カッコいい」とも言える)な感じがある。

 個人的にはこういう言い回しはできるだけ避けるようにしている。「カッコいい」言い回しは古くさい印象になりやすい。
 さらに、使い慣れない言い回しだと間違えることがある。
 ニュースの例も、相当ヘン。
 理由を説明するのはちょっとむずかしいかもしれない。「(出来事)を前に(して)」は、その出来事が起こることを前提にしている観がある。
 ところが、ニュースの文章は、「(7月の)事故を前にした去年2月」になっている(そうとしか読めないが、当方が何か勘違いしている?)。事故なんだから2月の段階では予想できていない。こういう使い方は×だろう。
 これが「(3月に予定されている)卒業を前に(して)」とかなら問題がない。それでも「(3月に予定されている)卒業の前に」のほうが素直じゃないかな。
 どのくらい前なら「(出来事)を前に(して)」を使えるかという疑問も残る。
 先行コメントにある〈「事故の直前」に近い意味〉と言えなくもない。ただ、どの程度を「直前」と考えるのかは相当微妙。一般の「直前」は数秒前でも「直前」。だが「(出来事)を前に(して)」は1か月くらい前でも十分使える気がする「死を前に(して)遺言状を書く」なら数か月前もアリだろう。でも5か月前だと「直前」と言っていいのか……。


【ネタ元】NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120529/k10015440371000.html
================================引用開始
中国 前鉄道相の党籍を剥奪
5月29日 0時36分

去年7月に事故が起きた中国の高速鉄道の建設を推し進め、汚職の疑惑が伝えられていた前の鉄道省のトップについて、共産党は、巨額の賄賂を受け取るなど重大な規律違反があったとして、党籍を剥奪することを決めました。

中国国営の新華社通信によりますと、党幹部の腐敗などを調べる共産党の中央規律検査委員会は、劉志軍前鉄道相について、重大な規律違反があったとして、党籍を剥奪することを決めました。
新華社通信によりますと、劉前鉄道相は、職権を乱用して巨額の賄賂を受け取っていたとして、今後、司法機関が捜査を行うと伝えています。
去年7月に起きた高速鉄道の事故を巡っては、鉄道網の整備計画から車両や関連設備の選定まで、絶大な権限を握る鉄道省が汚職の温床になっているという批判が高まりました。
劉前鉄道相については、事故を前にした去年2月に更迭されていましたが、高速鉄道の建設を先頭に立って指揮してきたことや、設備の調達に関連した汚職の疑惑が伝えられていたことなどから、事故の責任を問うかたちで批判が高まっていました。
高速鉄道の事故を巡っては、去年末、中国政府の調査グループが、列車の制御システムの設計上の欠陥などが主な原因とする調査結果をまとめ、制御システムの設備の入札の過程で、鉄道省による不正があったと指摘していました。
================================引用終了
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