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【チャレンジ日記──二重敬語】〈1〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【8】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1821744441&owner_id=5019671

mixi日記2012年07月01日から


 何をトチ狂ったか「二重敬語」についてまとめておきたいと考えた。
「二重敬語」をキーワードにmixi内で検索してみた。なんともはや……。
 下記あたりは真っ向から取り組んでいるはずなんだが、元々のキーマンがホニャララしたので、頓挫している。
【「お承りできません」&二重敬語をめぐって】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43858453&comm_id=365263

 ネット検索してみた。
 ちゃんと書いてあるサイトは文化庁の「敬語の指針」をベースしていると思われる。いろいろ不備がある気はするが、やはりあれがイチバン信頼できるのだろう。
【文化庁「敬語の指針」に対する言いたい放題】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1798665663&owner_id=5019671
 ちょっと驚いたのは、↑で引用している「敬語の指針」のpdfのほかに、下記のサイトがあったこと。内容は基本的に一緒だと思うが、読みやすさを意識しているのだろう。文化庁、頑張ってるじゃん。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/keigo/chapter4/detail.html

 サイトのなかには、丸々転載してるものもある。出典を明らかにしているなら、それはそれでアリだろう。
 ただ、下記はどうなんだろう。内容としては「敬語の指針」とほぼ同様。これはパクリと言われてもしかたがないのでは。
【敬語・ビジネスマナー講座】
http://www.levelup99.net/businessmanner/cate3post21.html
※ちなみに最後に出てくる「ご説明申し上げる」って敬語連結なんだろうか。謙譲語の「お〜申し上げる」に形に「説明する」を入れただけでは。

 二重敬語について考えるには、敬語連結を知っておく必要がある。このあたりは、「敬語の指針」のP.30にまとめて書いてある。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
================================引用開始
(2) 「二重敬語」とその適否
一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。例 えば,「お読みになられる」は,「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更 に尊敬語の「......れる」を加えたもので,二重敬語である。
「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣として定着しているものもある。
【習慣として定着している二重敬語の例】
・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語I)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる

(3) 「敬語連結」とその適否
二つ(以上)の語をそれぞれ敬語にして,接続助詞「て」でつなげたものは,上で言 う「二重敬語」ではない。このようなものを,ここでは「敬語連結」と呼ぶことにす る。例えば,「お読みになっていらっしゃる」は,「読んでいる」の「読む」を「お読 みになる」に,「いる」を「いらっしゃる」にしてつなげたものである。つまり,「読 む」「いる」という二つの語をそれぞれ別々に敬語(この場合は尊敬語)にしてつな げたものなので,「二重敬語」には当たらず,「敬語連結」に当たる。
「敬語連結」は,多少の冗長感が生じる場合もあるが,個々の敬語の使い方が適切 であり,かつ敬語同士の結び付きに意味的な不合理がない限りは,基本的に許容され るものである。
【許容される敬語連結の例】
・お読みになっていらっしゃる
(上述。「読んでいる」の「読む」「いる」をそれぞれ別々に尊敬語にしたもの。)
・お読みになってくださる
(「読んでくれる」の「読む」「くれる」をそれぞれ別々に尊敬語にしたもの。)
・お読みになっていただく
(「読んでもらう」の「読む」を尊敬語に,「もらう」を謙譲語Iにしたもの。尊敬語と謙譲語Iの連結 であるが,立てる対象が一致しているので,意味的に不合理はなく,許容される。)
・御案内してさしあげる
(「案内してあげる」の「案内する」「あげる」をそれぞれ別々に謙譲語Iにしたもの。)
================================引用終了

 もうひとつ注意が必要なのは「お/ご〜いたす」。「お/ご〜する」の「する」を「いたす」にしたのだから二重敬語、という説も目にする。一理あると思うが、そうなると「お話しいたします」の類いが全部二重敬語ってことになる。これに関しては「敬語の指針」のP.20にある。
================================引用開始
【補足イ:謙譲語Iと謙譲語IIの両方の性質を併せ持つ敬語】
謙譲語Iと謙譲語IIとは,上述のように異なる種類の敬語であるが,その一方で, 両方の性質を併せ持つ敬語として「お(ご)......いたす」がある。
「駅で先生をお待ちいたします。」と述べる場合,「駅で先生を待ちます。」と同じ 内容であるが,「待つ」の代わりに「お待ちいたす」が使われている。これは,「お待 ちする」の「する」を更に「いたす」に代えたものであり,「お待ちする」(謙譲語I) と「いたす」(謙譲語II)の両方が使われていることになる。この場合,「お待ちする」 の働きにより,「待つ」の<向かう先>である「先生」を立てるとともに,「いたす」 の働きにより,話や文章の<相手>(「先生」である場合も,他の人物である場合も ある。)に対して丁重に述べることにもなる。
つまり,「お(ご)......いたす」は,「自分側から相手側又は第三者に向かう行為につ いて,その向かう先の人物を立てるとともに,話や文章の相手に対して丁重に述べる」 という働きを持つ,「謙譲語I」兼「謙譲語II」である。
================================引用終了

■二重敬語か否かまぎらわしいもの
 二重敬語に対する文化庁の見解に注意。かなりボカした書き方をしている。〈「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている〉ってことは「間違い」とまで言えるか否か、かなり微妙だろう。
 もうひとつ大きな問題がある。
【習慣として定着している二重敬語の例】ってことは、通常「ほかにもある」ってこと。そんなことを書かれたら、ほかの二重敬語が許容か否かまったく判断できなくなる。とりあえず、あげられた「例」は許容として、ほかはナシと考えることにする。

1)拝見させていただく
 ↑の敬語連結のルールを知っていればまぎらわしくない。「見せてもらう」(正確には「見させてもらう」だろうが、説明がメンドーなので、「見せてもらう」にする)が、「見せて」→「拝見させて」、「もらう」→「いただく」とそれぞれが敬語になっただけ。相当クドい形とは思うが、敬語連結であって二重敬語ではない。末尾を丁寧語の「〜します」にしても、敬語の種類が違うので二重敬語にはならない。

2)拝見いたします
 1)よりもちょっと微妙だと思うが、二重敬語ではない。↑の「お/ご〜いたす」に準ずる。「拝見する」は、〈「見る」+「お/ご〜する」〉とほぼ同様の働きをする特定形と考えられる。したがって、「拝見いたします」は謙譲語I&謙譲語IIの働きをもつ敬語表現。
 ちなみに「いたします」の部分は聞き手(読み手)に対する敬語なので、丁寧語を伴うのが一般的。だからあえてここだけ「〜します」にした。

3)お承りする
「聞く」などの謙譲語「承る」に「お/ご〜する」がついた形なので、典型的な二重敬語。
 きわめて似た印象の動詞に「伺う」がある。「伺う」も、「聞く」などの謙譲語で特定形。こちらはなぜか「お伺いする」だけではなく、「お伺いいたす」「お伺い申し上げる」も文化庁が許容している。でも、「お承りする」は許容されていない。おそらく、「お承りする」はちょっと言いにくいので、「習慣として定着」していないのだろう。「言いにくい」か否かの基準は不明だし、「定着している」か否かの基準は不明。

4)おっしゃられる
「言う」の尊敬語「おっしゃる」に「レル」がついた形なので、典型的な二重敬語。
 次に許容される二重敬語は何か、というアンケートがあったら、真っ先にこれをあげたい。理由は使用例が多いから。そんな曖昧な理由では認められないとは言わせねえよ(我が家か?)。そもそも文化庁が許容した二重敬語は「習慣として定着」しているからという理由。同じことだろう。

 Yahoo!知恵袋の二重敬語に関するムチャクチャぶりはスゴいものがある。とりあえず2点あげる。詳しいことはまた改めて。
1)文法について 私はいままで、「拝見致します」という言葉を使っていました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1116278696
※「拝見いたします」は二重敬語ではない。ただしBA(ベストアンサー)は相当おかしい。ka04zuさんのコメントはマットー。2008年の段階でこんな話になっている。
2)二重敬語では?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1186489736
※「伺わせていただきます」は二重敬語ではない。BAが間違いだろう。

 参考日記は下記あたりかな。
667)【「拝見する」をめぐって〈1〉 「拝見いたします」は二重敬語か 修正版 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2270.html
668)【「拝見する」をめぐって〈2〉 「拝見させていただきます」は二重敬語か 修正版 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2270.html
747)【「ご挨拶にお伺いさせていただきます」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2365.html
797)【「伺う」「承る」 謙譲語I 謙譲語II】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2406.html
807)【読書感想文/『敬語』(菊地康人/講談社学術文庫/1997年2月10日第1刷発行) その1──予想していたことではあるが……。】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2415.html


【チャレンジ日記──二重敬語】〈2〉

「二重敬語」についてネット検索した結果をもう少し詳しく見てみる。
 下記の1)は〈1〉にリンクを張ったもの。
1)【敬語・ビジネスマナー講座】
http://www.levelup99.net/businessmanner/cate3post21.html
 やはりこの書き方は著作権的にちょっと問題があるだろう。

2)正しい敬語の使い方》尊敬語・謙譲語・丁寧語・二重敬語・一覧・変換・見る
http://www.jp-guide.net/businessmanner/business/keigo.html
 これもほぼ丸写しだろう。「1.敬語の種類」に〈下記の5種類は文化庁のホームページ「敬語の指針」より抜粋〉とただし書きがある。よく読むと、ほかのところも……。

3)二重敬語と、敬語の連結用法|ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう
http://ameblo.jp/comkeigo/entry-10638144493.html
「引用」と明記しているので、著作権的には問題はない。ただ、この項目全部が「引用」になっているのは厳密にはマズいかも。
 このサイトはちゃんと読むと勉強になりそう。

4) 許されないオフィスでの敬語・言葉遣いNG集 [ビジネスマナー] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/297610/2/
「拝見させていただきました」を二重敬語としている。
 そういう考え方もできるのかな。こういう主張をする人があまりにも多いので、気持ちがゆらぎつつある。いずれにしても、〈拝見の「拝」にすでに敬語が含まれていますので、さらに「いただく」をつけると二重敬語になってしまいます〉はマズいんじゃないかな。この論理で行くと
「お読みになっていただく」
「お読みいただく」
 も二重敬語になる。それはさすがに……。
 ついでに書くと、「お越しになられました」の解説中の〈「お」と「られる」という敬語が二重に使われています〉もひっかかる。
 これって、下記のシリーズですか。ならしかたがないか。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1824969591&owner_id=5019671


【チャレンジ日記──二重敬語】〈3〉

 〈1〉で見たように、文化庁は下記の二重敬語を許容している。
【習慣として定着している二重敬語の例】
・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語I)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる

 ほかにどのような二重敬語を許容しているのかはわからない。わからないから、ないことにして考えるしかない。(←オイ!)
 という方針でここまで書いてきた。
 実は「許容されている二重敬語」と思われるものがいくつかある。
 ↑の【お見えになる】が二重敬語になるのは、「見える」だけで尊敬語なのに、「お~になる」の形にしているからだろう。
 これと似た印象があるのが、「お召しになる」と「お越しになる」。
 尊敬語の「召す」にはいくつかの意味がある。
================================引用開始
め・す【召す】
[動サ五(四)]《「見(め)す」と同語源。ごらんになるためにお呼び出しになるところから》

1 「人を呼び寄せる」「招く」「取り寄せる」「呼び出して任ずる」などの尊敬語。「神に―・される」
  「御硯(すずり)急ぎ―・して」〈源・帚木〉
  「もろこしの判官に―・されて侍りける時に」〈古今・九九三・詞書〉
2 《「お取り寄せになる」意から》身にとり込む、身につける、また身体に関連する動作をいう。
1)「食う」「飲む」「着る」「履く」「買う」また、「乗る」などの尊敬語。「お酒をたくさん―・しておられる」「和服を―・していらっしゃる」「花を―・しませ」「車にお―・しになる」
2)「(風邪を)ひく」「(風呂に)はいる」「(気に)いる」「(年を)とる」などの意の尊敬語。「お風邪を―・す」「お年を―・した方」「お気に―・しましたか」
3)「切腹する」の尊敬語。「お腹を―・す」
3 広く、「する」の尊敬語。なさる。→召される
================================引用終了

『敬語再入門』には「召す」の意味を説明したあとで、以下のように書いてある。
================================引用開始
「召す」自体、尊敬語と見てよい語だが、実際には以上の例文のように「召される」「お召しになる」「お召しだ」などの形でよく使う。(P.267)
================================引用終了

 それ以上の説明はない。しかも文化庁は「お召し上がりになる」まで許容している。こうなると治外法権の観が強い。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%93%E3%81%99&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=06574600&pagenum=1
================================引用開始
こ・す【越す/超す】
[動サ五(四)]
6 (越す)
1)別の所へ移って住む。引っ越す。「新居へ―・す」
2)(「おこし」の形で)「行く」「来る」の意の尊敬語。「どちらへお―・しですか」「またお―・しください」
================================引用終了

「お越し」の形で尊敬語だとすると、「お~になる」の形にしたとは言い切れないから、「お越しになる」が二重敬語か否かはグレーゾーンだろうか。『大辞林』の記述もほぼ同様。『敬語再入門』には「お越し」に関する記述がない。
「越す」は「召す」に比べると使用頻度がずっと下がることと関係があるのかないのか。
 まあ、「お越しになる」も治外法権扱いにするのが正解だろう。
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