【心が壊れる 心を病む 心が痛い 心を傷める】Yahoo!知恵袋
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671
mixi日記2012年07月17日から
テーマサイトは下記。
【よく人が可笑しくなった時等に……】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1490684089
================================引用開始
よく人が可笑しくなった時等に
「壊れた」って言い方をしますが…
日本語として間違ってますか?
================================引用終了
Yahoo!知恵袋の質問を読んで考え込んでしまった。
たしかに「壊れる」は機械類などに使う言葉で、「心」が壊れるのはおかしいのかもしれない。
このテの言葉はほかにもいろいろある。
「心が壊れる」「心を病む」「心が痛い」「心を痛める」……etc.
これが体の別の部位だと感じがかわる。「○を傷める」のほうがフツーだろうが、この話は長くなるのでパス。
「目」だと、「目が壊れる」は△で、ほかはOK。
「膝」だと、「膝を病む」は△。「壊れる」までいかない負傷だと「病む」もアリかな。
とりあえず、本題の「心が壊れる」に関しては、辞書レベルで一応解決する。下記の「6」だろう。あくまでも現段階では「俗」らしい。『大辞林』には、この用法はなさそう。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%A3%8A%E3%82%8C%E3%82%8B&stype=0&dtype=0
================================引用開始
こわ・れる〔こはれる〕【壊れる/▽毀れる】
[動ラ下一][文]こは・る[ラ下二]
1 力が加えられて物のもとの形がゆがんだり失われたりする。物が砕けたり、破れたりする。破壊される。「箱が―・れる」「茶碗が粉ごなに―・れる」「台風で家が―・れる」
2 機能に故障が起きる。本来の働きを失って役に立たなくなる。「無電装置が―・れる」「水道の蛇口が―・れる」
3 まとまっていた物事・状態がうまくいかなくなる。「縁談が―・れる」「気分が―・れる」「バランスが―・れる」「党内の結束が―・れる」
4 もとの成分が失われる。「熱を加えると有効な成分が―・れる」
5 高額の貨幣が小額の貨幣になる。「千円札に―・れませんか」
6 俗に、言動が正常でなくなり日常生活に支障が生じる状態になる。精神に異常を感じる状態になる。「突然の伴侶との死別で夫が―・れていく」
================================引用終了
辞書の例文にあるように「(人)が壊れる」って使い方のほうが多い気がする。もう少し詳しく何が壊れるかと言うと「心」だろう。辞書の例文も、「突然の伴侶との死別で夫の心が壊れていく」にしても意味はかわらない。
以下はほぼヨタ話。
関連しそうなことが、いくつかある。
●「壊れる/壊される/壊す」と「(破壊される)/破壊される/破壊する」の違い
「壊す」と「破壊する」の意味は辞書的には同じようなものだろう。「壊れる」に対応する言葉は厳密には存在しない気がするが、「破壊される」にしておく。
たとえば格闘技で、相手の膝を攻撃して負傷させる(もしくは「戦闘不能状態」にする)ことを「膝を壊す」とか「膝を破壊する」と言う。これはかなり古くから使っている。やられたほうは「膝が壊れた(破壊された△)/膝を壊された(破壊された)」
だったら、「心が壊れた」としても何もおかしくないだろう。
ただ、「心が破壊された」だとちょっと異和感がある。「破壊された人格」のほうがシックリ来る。さらにいうと、「人格破綻」「人格が破綻している」あたりなら、ごくフツーの言い回しだろう。これは外因性のものか内因性のものか……などと書きはじめると精神医学の話になりそう。
●「心」とは何か
心理学の本を書いたときにちょっと勉強した。科学的には「心」なんぞは存在しない(はず)。「胸が痛い」とか「胸が高鳴る」などは心拍数の変化か、気のせい(ミもフタもない)。すべては「脳」の働き。そう考えると、正確には「心が壊れる」ではなく「頭が壊れる」「脳が壊れる」と言うべきなんだろう。
……そんなメンドーなことを主張する気はないけど。(←オイ!)
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【よく人が可笑しくなった時等に……】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1490684089
================================引用開始
よく人が可笑しくなった時等に
「壊れた」って言い方をしますが…
日本語として間違ってますか?
================================引用終了
Yahoo!知恵袋の質問を読んで考え込んでしまった。
たしかに「壊れる」は機械類などに使う言葉で、「心」が壊れるのはおかしいのかもしれない。
このテの言葉はほかにもいろいろある。
「心が壊れる」「心を病む」「心が痛い」「心を痛める」……etc.
これが体の別の部位だと感じがかわる。「○を傷める」のほうがフツーだろうが、この話は長くなるのでパス。
「目」だと、「目が壊れる」は△で、ほかはOK。
「膝」だと、「膝を病む」は△。「壊れる」までいかない負傷だと「病む」もアリかな。
とりあえず、本題の「心が壊れる」に関しては、辞書レベルで一応解決する。下記の「6」だろう。あくまでも現段階では「俗」らしい。『大辞林』には、この用法はなさそう。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%A3%8A%E3%82%8C%E3%82%8B&stype=0&dtype=0
================================引用開始
こわ・れる〔こはれる〕【壊れる/▽毀れる】
[動ラ下一][文]こは・る[ラ下二]
1 力が加えられて物のもとの形がゆがんだり失われたりする。物が砕けたり、破れたりする。破壊される。「箱が―・れる」「茶碗が粉ごなに―・れる」「台風で家が―・れる」
2 機能に故障が起きる。本来の働きを失って役に立たなくなる。「無電装置が―・れる」「水道の蛇口が―・れる」
3 まとまっていた物事・状態がうまくいかなくなる。「縁談が―・れる」「気分が―・れる」「バランスが―・れる」「党内の結束が―・れる」
4 もとの成分が失われる。「熱を加えると有効な成分が―・れる」
5 高額の貨幣が小額の貨幣になる。「千円札に―・れませんか」
6 俗に、言動が正常でなくなり日常生活に支障が生じる状態になる。精神に異常を感じる状態になる。「突然の伴侶との死別で夫が―・れていく」
================================引用終了
辞書の例文にあるように「(人)が壊れる」って使い方のほうが多い気がする。もう少し詳しく何が壊れるかと言うと「心」だろう。辞書の例文も、「突然の伴侶との死別で夫の心が壊れていく」にしても意味はかわらない。
以下はほぼヨタ話。
関連しそうなことが、いくつかある。
●「壊れる/壊される/壊す」と「(破壊される)/破壊される/破壊する」の違い
「壊す」と「破壊する」の意味は辞書的には同じようなものだろう。「壊れる」に対応する言葉は厳密には存在しない気がするが、「破壊される」にしておく。
たとえば格闘技で、相手の膝を攻撃して負傷させる(もしくは「戦闘不能状態」にする)ことを「膝を壊す」とか「膝を破壊する」と言う。これはかなり古くから使っている。やられたほうは「膝が壊れた(破壊された△)/膝を壊された(破壊された)」
だったら、「心が壊れた」としても何もおかしくないだろう。
ただ、「心が破壊された」だとちょっと異和感がある。「破壊された人格」のほうがシックリ来る。さらにいうと、「人格破綻」「人格が破綻している」あたりなら、ごくフツーの言い回しだろう。これは外因性のものか内因性のものか……などと書きはじめると精神医学の話になりそう。
●「心」とは何か
心理学の本を書いたときにちょっと勉強した。科学的には「心」なんぞは存在しない(はず)。「胸が痛い」とか「胸が高鳴る」などは心拍数の変化か、気のせい(ミもフタもない)。すべては「脳」の働き。そう考えると、正確には「心が壊れる」ではなく「頭が壊れる」「脳が壊れる」と言うべきなんだろう。
……そんなメンドーなことを主張する気はないけど。(←オイ!)
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