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2012年8月の朝日新聞から

【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html


【2012年8月】
 なんか今月はほぼインネンだな。いつもか?

12-08-01
3日付「天声人語」
http://www.asahi.com/paper/column.html
================================引用開始
 夏のオリンピックは閏年(うるうどし)にめぐり、どの大会を最初に記憶しているかで世代がわかる。筆者の場合は東京五輪で、白黒テレビにかじりついた。その五輪が残していった流行語「ウルトラC」はすっかり定着し、辞書にも収まっている▼地元開催に向けて、日本の体操男子がひそかに開発していた技(わざ)を、そう呼んだのが始まりらしい。当時の難易度はA、B、Cのみで、最難のCを超える究極の大技を意味した。以来48年、いまや技はD、E、FはおろかGにまで進化した。繰り出される超絶美技にメタボ世代は感嘆するほかない▼そのG線上で競われた男子の個人総合を、内村航平選手(23)が制した。かつてはお家芸だった体操だが、その王者とも言うべきこの金メダルはロス五輪の具志堅幸司さん以来28年ぶりという▼北京では個人総合で銀だった。「まだ色が違うので(伝統を)継げたとは思っていない。4年後、ロンドンでの課題です」と内村語録に残る。言葉どおりの見事な「お色直し」は、長い空白を埋める栄冠になった▼金メダルには、文字どおりの「勝者」に与えられる光輝がある。もちろん銀も銅も素晴らしい。だが勝負の実質となると、1人の勝者と、多くの敗者である。内村選手の金は、それを印象づけるゆるぎない強さが光っていた▼ロンドンでは連日、研ぎ澄まされた肉体と精神が躍動している。4年に一度だけ出現する夢舞台で、勝者は輝き、力を尽くした敗者もまた美しい。真剣勝負が、見る者を熱くする。
================================引用終了
 どうやら当方はいまの「天声人語」の書き手と相性がよくないらしい。ジックリ読むとたいていひっかかる箇所が出てくる。細かい部分や、技巧的に感じられる部分(これがまた多い)は無視する。
〈「ウルトラC」はすっかり定着し、辞書にも収まっている〉……どっちかと言うと死語でしょ。
〈G線上で競われた〉……そういう場合はカギカッコをつけて「G線上」にするなどしませんか。直後にある「お色直し」のように。
 イチバン気になったのは〈当時の難易度はA、B、Cのみで、最難のCを超える究極の大技を意味した〉って部分。やはり体操の話なんだから「難度」でしょう。


12-08-02
12日
石田は日本代表のスーツも支給されない。選手村にも入れない。(朝刊19面)
 藤島真人記者。言葉の問題ではなく、メモ。女子バレーボールの補欠としてロンドンに入った選手の話。選手村にも入れないんですか……。


12-08-03
15日
右打者2人に対して、右腕の福は続けて外角へ制球する。(夕刊9面)
 山口史朗記者。夏の高校野球(正確には「全国高校野球選手権大会」)の記事。微妙。「制球」は一種の新聞用語で、「コントロール」とほぼ同義。「制球が冴える」「制球が乱れる」あたりならフツー。「制球する」「コントロールする」と言えるか否か。「投じる」「球を集める」くらいだろう。


12-08-04
24日
選抜大会の決勝で計5安打を浴びた3番田村、4番北條は、9回の田村の中前安打だけに抑え込んだ。(朝刊21面)
 前田大輔記者。これは難癖に近い。2人合計で5安打なんだけど、ちょっとひっかかった。「浴びた」の直後に読点を打つしかないのかな。そもそも、これを一文で書くのが無理なのでは。「北條は」も「北條を」にするべきだろう。


12-08-05
24日
 29日からは渡辺明王座・竜王(28)に挑戦する王座戦五番勝負が開幕する。(朝刊37面)
 村瀬信也記者。やはり気になる。「開幕する」なら「29日には」にしてほしい。


12-08-06
21日付「天声人語」
http://www.asahi.com/paper/column.html
================================引用開始
 「魚というやつは面白い」と食通の魯山人(ろさんじん)は言う。「じっと目を放さずに見つめていると、なかなか焼けない。ちょっとよそ見をすると、急いで焦げたがる」。無人の領土も似ていて、政治が「放置」してきた尖閣諸島が黒煙を上げている▼香港の活動家に続いて、日本の地方議員ら10人が魚釣島(うおつりじま)に上がった。純然たる日本の領土で、日本人が日の丸を振る。「何が悪い」と言いたいところだが、日本政府の懸念通り、中国側が収まらない▼国営テレビが伝える「右翼上陸」の報に、かねて準備の反日デモは20を超える都市に広がり、地方では日本車や日本料理店が壊された。「公安」と大書されたパトカーもひっくり返った▼ネットで増幅された大衆の不満は、たやすく体制へと向かう。世代交代を控えた指導部は、弱腰批判をかわすため、外交、軍事の両面で日本に強く出ざるをえないだろう。孤島の黒煙は、日中関係という燃えやすい木造家屋を炎上させかねない▼豊かな海底資源を知った中国が、尖閣の領有権を言いだして約40年。日本政府は先方を刺激せぬよう、島に触らず触らせずできた。少しでも領有の実績を重ねていたら、と思う。韓国は頼まれもしないのに、わが竹島を「開発」している▼官民の挑発合戦は、領土問題をこじらせるだけだ。折しも、日中韓そろって政権の変動期に入る。歴史問題を含む極東の戦後に終止符を打つべく、3国は腹を割って仕切り直す時だろう。沈着と決然の火加減が、いよいよ難しい。
================================引用終了
 大丈夫か? 「無人の領土も似て」いるか? こんなの長期間「放置」していたら、とっくに黒コゲだろう。
 とにかく全体に技巧が鼻につく。


12-08-07
28日
 登板過多からくる勤続疲労なのか、今年は救援投手の故障が目立つ。(夕刊9面)
 日刊スポーツ記録班。これは前にも見た。どうしてもこういうダジャレを使いたいなら、「勤続」疲労と書こうよ。何よりこの文脈なら「勤続」はいらないでしょうに。もしかすると、「勤続疲労」って、もう認知されてる? なんせ言葉はかわりゆくものらしいから。


12-08-08
30日
ダントツ2位のプライドがあるからね。(朝刊23面)
 記者不明。中日に高木監督のコメント。3位と大差があるのは事実だけど。「ダントツ」は……。


12-08-09
31日
絶対に落とせない一戦を任された先発ウルフ。
落とせない一戦を託された勝ち頭の内海が4回までに3失点とふるわない。(朝刊25面)
 前者は小俣勇貴記者。後者は記者不明。並んだ記事で、嫌がらせのように使われていた。気持ちはわかる。意味も伝わる。これはすでに認知されているのかもしれないが、気持ちが悪い。

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