突然ですが問題です【日本語編137】──敬語に関するサイトから2
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671
mixi日記2012年09月12日から
【問題】
下記は、敬語に関するサイトに書かれていることです。不適切な点を指摘しなさい。
【~敬語~】
================================引用開始
~敬語~
敬語は仕事にも日常にもついてまわるもの。
なのに複雑でわかりにくいときているものですから大変です。
敬語をスマートに使いこなすには、やはり日頃からの心掛けが大切ですので、鬼教官(!?)もっちがみっちりきっちり敬語のイロハをここでご説明します!!
まだ転職をお考えでない方も、学生の方も、とにかく必見の特集です。
まずは、よく間違って使われる敬語をいくつかご紹介します。
◆間違って使われている敬語◆
①「とんでもございません」
よく使われる言葉ですが、これは完全な誤りです。
これを聞いて「ええー!?」と驚く方も多いと思いますが、誤りなのです。
実は「とんでもない」で一つの言葉で、これを二つに分けて、「ない」の部分だけを「ございません」に変えることはできないのです。
正しくは「いいえ、とんでもないです」。
より丁寧に言う場合は、「いいえ、とんでもないことでございます」となります。
いやホント、敬語は難しいんです・・・。
②「一緒に参りましょう」
これもよく使われる間違った敬語です。
「参る」は謙譲語です。この使い方だと一緒に行く相手もへりくだった表現となってしまいます。
この場合は「お伴いたします」や「ご案内いたします」が正しい使い方です。
③「佐藤様でございますか?」
「ございます」は謙譲語です。「もっちでございます」と、自分のことを言う時に使用します。
「こちらでございます」というような丁寧語でも使えますが、お客様に対して使う尊敬語にはなりませんので、ご注意を。
正しくは「佐藤様でいらっしゃいますか?」。
④「あなたが申されたように・・・」
「申す」もまた謙譲語です。これに「れる・られる」をつけても尊敬語にはなりません。
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」なので、「あなたがおっしゃいましたように・・・」が正解です。
⑤「どうぞお召し上がり下さい」
これは二重敬語の典型です。
「食べる」の尊敬語「召し上がる」に「お~になる」をつけたもので見事な誤りです。
これを正しく言うには、「どうぞ召し上がって下さい」です。
代表的な例を挙げてみましたが、いかがでしたでしょうか?
なんだか正しい使い方は素っ気無くて無礼な印象を受ける方もいるかと思いますが、これが正しい敬語であり、ビジネスマナーとして最低限身に付けていなくてはいけない知識です。
================================引用終了
【解答?例】
①「とんでもございません」
「完全な誤り」などと断言してよいのでしょうか。
文化庁はこの言い方を許容しています。「敬語の指針」P.47から引用します。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
================================引用開始
【解説1】「とんでもございません」(「とんでもありません」)は,相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現であり,現在では,こうした状況で使うことは問題がないと考えられる。
================================引用終了
敬語関係の名著として知られる『敬語再入門』は、きわめて曖昧な書き方で言葉を濁しています。とても「完全な誤り」とは思えません。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
>正しくは「いいえ、とんでもないです」
「形容詞+です」は別の問題がかかわってきます。
「形容詞+です」の形は昭和27年に文化庁が認めてしまい、現在では広く許容されているようです。しかし「ない」に「です」をつける場合は、「ないです」ではなく「ありません」が一般的な形でしょう。
これは「矛盾」なのかもしれません。
「とんでもない」に「です」をつける場合は「とんでもないです」にできなくはないのでしょう。個人的には強い異和感があります。「とんでもないです」が正しい、としている文献があれば是非教えてください。
根本的な問題として、これは敬語の問題でしょうか。「です」は丁寧語ではあっても、「形容詞+です」(「楽しいです」「うれしいです」など)の是非は、一般に敬語の問題ではないと思います。
②「一緒に参りましょう」
基本的には、「一緒に行く相手もへりくだった表現」でしょう。
ただ、これが適切な場面は多いと思います。目上の者が目下の者に言うのなら何も問題がないのでは。真っ先に浮かんだのは、茶道の師匠(女性)が、お供の弟子を促すシーン。「一緒に参りましょう」と言うと、どうして誤用なのでしょう。
目下の者が目上の者に言う場合。これは微妙。下記を見ると「失敬ではない」ようです。リンク先では相当過激な書き方をしているので、たぶん問題はないのでしょう。個人的には使いません。そもそも目上の人に対して「~しましょう」の類いは極力避けるべきだと思っていますし……。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1294512522
⑤「どうぞお召し上がり下さい」
「お召し上がり下さい」はたしかに二重敬語ですが、これも文化庁が許容している形です。
【チャレンジ日記──二重敬語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2422.html
================================引用開始
(2) 「二重敬語」とその適否
一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。例 えば,「お読みになられる」は,「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更 に尊敬語の「......れる」を加えたもので,二重敬語である。
「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣として定着しているものもある。
【習慣として定着している二重敬語の例】
・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語I)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる
================================
「見事な誤り」とは言えないはずです。むしろ「召し上がって下さい」より敬度が高く、一般的な形では。
ちなみに「見事な誤り」は、「立派な犯罪」と同様にほぼ「誤用」だと思います。
このあとにある特定形の「尊敬語」「謙譲語」の表にも疑問を感じます。一部文字がズレていて読めないのですが、見える範囲で気になる点だけあげます。
「当社」「当方」「当店」は謙譲語でしょうか。
「本状」は謙譲語でしょうか。
「私見」「所見」は謙譲語でしょうか。「私見」には謙遜のニュアンスはありますが、謙譲語ではないはずです。「愚見」なら謙譲語だと思います。
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mixi日記2012年09月12日から
【問題】
下記は、敬語に関するサイトに書かれていることです。不適切な点を指摘しなさい。
【~敬語~】
================================引用開始
~敬語~
敬語は仕事にも日常にもついてまわるもの。
なのに複雑でわかりにくいときているものですから大変です。
敬語をスマートに使いこなすには、やはり日頃からの心掛けが大切ですので、鬼教官(!?)もっちがみっちりきっちり敬語のイロハをここでご説明します!!
まだ転職をお考えでない方も、学生の方も、とにかく必見の特集です。
まずは、よく間違って使われる敬語をいくつかご紹介します。
◆間違って使われている敬語◆
①「とんでもございません」
よく使われる言葉ですが、これは完全な誤りです。
これを聞いて「ええー!?」と驚く方も多いと思いますが、誤りなのです。
実は「とんでもない」で一つの言葉で、これを二つに分けて、「ない」の部分だけを「ございません」に変えることはできないのです。
正しくは「いいえ、とんでもないです」。
より丁寧に言う場合は、「いいえ、とんでもないことでございます」となります。
いやホント、敬語は難しいんです・・・。
②「一緒に参りましょう」
これもよく使われる間違った敬語です。
「参る」は謙譲語です。この使い方だと一緒に行く相手もへりくだった表現となってしまいます。
この場合は「お伴いたします」や「ご案内いたします」が正しい使い方です。
③「佐藤様でございますか?」
「ございます」は謙譲語です。「もっちでございます」と、自分のことを言う時に使用します。
「こちらでございます」というような丁寧語でも使えますが、お客様に対して使う尊敬語にはなりませんので、ご注意を。
正しくは「佐藤様でいらっしゃいますか?」。
④「あなたが申されたように・・・」
「申す」もまた謙譲語です。これに「れる・られる」をつけても尊敬語にはなりません。
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」なので、「あなたがおっしゃいましたように・・・」が正解です。
⑤「どうぞお召し上がり下さい」
これは二重敬語の典型です。
「食べる」の尊敬語「召し上がる」に「お~になる」をつけたもので見事な誤りです。
これを正しく言うには、「どうぞ召し上がって下さい」です。
代表的な例を挙げてみましたが、いかがでしたでしょうか?
なんだか正しい使い方は素っ気無くて無礼な印象を受ける方もいるかと思いますが、これが正しい敬語であり、ビジネスマナーとして最低限身に付けていなくてはいけない知識です。
================================引用終了
【解答?例】
①「とんでもございません」
「完全な誤り」などと断言してよいのでしょうか。
文化庁はこの言い方を許容しています。「敬語の指針」P.47から引用します。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
================================引用開始
【解説1】「とんでもございません」(「とんでもありません」)は,相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現であり,現在では,こうした状況で使うことは問題がないと考えられる。
================================引用終了
敬語関係の名著として知られる『敬語再入門』は、きわめて曖昧な書き方で言葉を濁しています。とても「完全な誤り」とは思えません。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
>正しくは「いいえ、とんでもないです」
「形容詞+です」は別の問題がかかわってきます。
「形容詞+です」の形は昭和27年に文化庁が認めてしまい、現在では広く許容されているようです。しかし「ない」に「です」をつける場合は、「ないです」ではなく「ありません」が一般的な形でしょう。
これは「矛盾」なのかもしれません。
「とんでもない」に「です」をつける場合は「とんでもないです」にできなくはないのでしょう。個人的には強い異和感があります。「とんでもないです」が正しい、としている文献があれば是非教えてください。
根本的な問題として、これは敬語の問題でしょうか。「です」は丁寧語ではあっても、「形容詞+です」(「楽しいです」「うれしいです」など)の是非は、一般に敬語の問題ではないと思います。
②「一緒に参りましょう」
基本的には、「一緒に行く相手もへりくだった表現」でしょう。
ただ、これが適切な場面は多いと思います。目上の者が目下の者に言うのなら何も問題がないのでは。真っ先に浮かんだのは、茶道の師匠(女性)が、お供の弟子を促すシーン。「一緒に参りましょう」と言うと、どうして誤用なのでしょう。
目下の者が目上の者に言う場合。これは微妙。下記を見ると「失敬ではない」ようです。リンク先では相当過激な書き方をしているので、たぶん問題はないのでしょう。個人的には使いません。そもそも目上の人に対して「~しましょう」の類いは極力避けるべきだと思っていますし……。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1294512522
⑤「どうぞお召し上がり下さい」
「お召し上がり下さい」はたしかに二重敬語ですが、これも文化庁が許容している形です。
【チャレンジ日記──二重敬語】
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================================引用開始
(2) 「二重敬語」とその適否
一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。例 えば,「お読みになられる」は,「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更 に尊敬語の「......れる」を加えたもので,二重敬語である。
「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣として定着しているものもある。
【習慣として定着している二重敬語の例】
・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語I)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる
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「見事な誤り」とは言えないはずです。むしろ「召し上がって下さい」より敬度が高く、一般的な形では。
ちなみに「見事な誤り」は、「立派な犯罪」と同様にほぼ「誤用」だと思います。
このあとにある特定形の「尊敬語」「謙譲語」の表にも疑問を感じます。一部文字がズレていて読めないのですが、見える範囲で気になる点だけあげます。
「当社」「当方」「当店」は謙譲語でしょうか。
「本状」は謙譲語でしょうか。
「私見」「所見」は謙譲語でしょうか。「私見」には謙遜のニュアンスはありますが、謙譲語ではないはずです。「愚見」なら謙譲語だと思います。
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