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よくある誤用19──なんかカッコいいからね2 ひとつとない 押しも押されぬ 火蓋が切って落とされる

 文語調とまでは言えなくても、大袈裟な言い回しで誤用されやすい例をあげます。大袈裟な言い回しはカッコよく感じられるせいか、つい使ってしまう人が多いようです。ロクなことはないでの、やめておいたほうが無難です。

ひとつとない
この旅館には、同じ間取りの客室がひとつとない。
 ガイドブックで見かける文章です。どこがおかしいかわかりますか。微妙な例とは思いながら、これは「ふたつとない」にするべきでしょう。「ふたつとない」にすれば間違いではなくなりますが、依然としてヘンです。「ふたつとない」は、「(世界中を探しても)めったに例がない」くらいの強い表現ですから、この程度のことで使うべきではありません。「この旅館は、すべての客室の間取りが違う。」ぐらいで十分でしょう。
 ちなみに、「この旅館には、この客室と同じ間取りの客室がひとつとない」なら誤用ではないでしょう。「自分と同じ人間は世界中を探しても一人もいない」と同様の用法と言えそうです。誤用ではありませんが、こんな大袈裟な言い回しはオススメできません。

押しも押されぬ
ホームラン王になった彼は、押しも押されぬ4番打者に成長したといえるだろう。
 正しい使い方は、「押しも押されもせぬ」です。 派生した形で「押しも押されもしない」も許容形でしょうか。同様の意味で「押すに押されぬ」という慣用句もあります。「押しも押されぬ」は、2つの慣用句の混淆によって生まれた誤用でしょう。
 例文の場合、「押しも押されもせぬ」に直してもヘンな感じが残ります。「押しも押されもせぬ」という大袈裟な表現と、文末の「~だろう」がチグハグな印象になっているからです。「不動の4番打者」ぐらいで十分でしょう。「ホームラン王」になったほどの選手ですから、「球界を代表する4番打者」としてもよいかもしれません。

火蓋が切って落とされる
戦いの火蓋が切って落とされる。
「火蓋」は火縄銃の部品です。発砲するたびに「切って落とし」ていたら、ほかの人が拾って歩かなければなりません。正解は「火蓋が切られた」「火蓋を切った」です。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=ひぶた&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=15636200&pagenum=1
================================引用開始
火蓋(ひぶた)を切・る
火蓋1を開いて点火の準備をする。転じて、戦いや競争を開始する。「選挙戦の―・る」
◆「幕を切って落とす」との混同で、「火蓋を切って落とす」とするのは誤り。
================================引用終了

バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365
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